Second チーグルの森
近くの森に入り、探索したが故郷に似ていて懐かしく感じる。
(エルフは産まれながらに森で住む生き物なのですね)
ふと、故郷が頭をよぎったアシュニアは近くに落ちていた手頃な木を魔法を使い横笛へ加工した。
探索で見つけた大木に登り横笛に口をつける。
(笛を吹くなんて何百年ぶりだろう)
アシュニアは一息し、息を吹き込むと高らかに美しい音色が森へこだました。
クルシスの輝石を持つアシュニアは当然自分の周りの雰囲気の変化に気づいたが吹きつづけ、エルフの民謡の一曲を吹き終えると周りに呼び掛けた。
暗く静まった夜の景色の中にキラリと光る眼光がいくつも現れたが、どれも殺意はなく歓迎するかのように優しげに光っている。
「下手だったかしら?」
(我等の心を癒すには十分の心地好さだ)
驚いた。狼と話せている。
正確にはクルシスの輝石のテレパシーだ。
「嬉しい」
穏やかに微笑むと狼たちは(もう一度聞かせてほしい)と申し出たのでまた笛を吹いた。
今度は森の全てに届くほど響きわたる。
いつの間にか森の全ての生き物が集まった。しかし、そこに食物連鎖は陰も形もなく、アシュニアの笛の音色に森の木々さえも酔いしれ続けた。
翌日、森に小さな家が建った。アシュニアの家だ。
建てたのはウッドゴーレム、チーグル。
ウルフたちは木の実などを持ってきた。
普通では有り得ないことだが自然と共に生き、自然に愛される種族、エルフだからこそ受け入れられたのかもしれない。アシュニアだからとも言える。
その森の名は
チーグルの森
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