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きついかもです
Tales of the abyss another
作:魔蘿姫



Fifteenth 憎悪



リグレットことジゼル・オスローに出会ったのは全くの偶然であった。





私がある小さな村に滞在していた時、ジゼル・オスローという少女に出会った。









十歳になったジゼル・オスローは武器屋に門前払いを受けた。
なぜこうなったのかと言うと九歳になった弟が神託の騎士団に入団したいと言い出したことが発端だった。

弟は剣術に優れていたことから受かるだろうとのことだったがジゼル自身も同じ道に歩きたいと思っていた。

しかし、ここで問題が起きた。元来女性としての筋力しかないジゼルには剣術は不向きであった。しかも、他の戦闘方法を教えられる人が残念ながらいなかった。

そこで武器だけでも見たかったのだか、子供は入店できず追い出されたのだ。

ジゼルが途方に暮れていた時に左腕が異質な男に出会ったのである。





悲しそうに黄昏ている少女に声をかけたのは孤児を拾っていた頃の名残だ。

が声をかけて見るとリグレットにそっくりの少女だった。

その少女の話を聞くと新たな戦術指南を求めているとのことだった。

リグレット、この歳から悩むものじゃないぞ。

「俺で良ければ教えられるがどうだい?」

と聞いてみると嬉しそうに微笑んだ。
子供頃のリグレットは普通に感情を出しているようだ。

「本当ですか!?」

「ああ、君に合った戦術を教えるよ。だが、準備があるから、明日からだ。明日もここでいいかい?」

「はい!」

走り出したリグレットもとい、ジゼルはうきうきした気分で帰路に着いた。






後日、ジゼルは動きやすい格好で俺の所を訪れた。

俺は準備していた譜銃を手渡した。

「これは?」

「譜銃と呼ばれる譜業でね音素を打ち出せるものさ」

ジゼルは熱心に譜銃を見る。
俺はジゼルに射撃訓練を始めた。譜術訓練はしていたようで筋がよかった。
射撃の方もやはり才がある。

教えながら着実に強くなるジゼルを俺は楽しく見ていた。

そしてジゼル自身もアルカを尊敬していった。


この指導はジゼルが神託の盾に入団するまで続いた。


そして、入団と同時にジゼルとの交信を絶った。






俺はその後、ナタリアの母を保護した。(むしろ監禁)

発狂していたシルヴィアをマリィベルと同様に時間凍結させた。






Three-years-after

神託の盾の扉が開かれる。ただでさえ人の余り来ないそこへアルカが帰ってきた。


カツンカツンと響く足音が教団内を反響する。
そして、その異質な男を教団員たち全員が見る。

そんな中、アルカをしる教団員が呟く。


「《戦慄》のアルカ様だ」


男の形容し難いプレッシャーに圧され自然と道が開いていく。


そして、ある一室でアルカは目当ての人物に出会った。
相手は驚き絶句している。

「やあ、ヴァン」

「ア、アルカ殿」

ヴァンはあの若々しさとは無縁となっていた。
威厳を出すための髭だろう。

結局、ヴァンの私室にお邪魔になった。

ヴァンはアルカに微笑む。

「いや、お懐かしい」
「そうだな。あの頃はまだヴァンも若く真っ直ぐな眼をしていた」
「今の私があるのもアルカ殿のお陰ですな」
俺はソファーに座らずに立ったまま言う。

「ヴァン、お前は強くなったな」

「……ええ」

「そして、お前は変わった」

ヴァンに俺は背を向ける。ヴァンはよく分からないという風に分からないでいる。

「お前の眼に途方の無い憎悪が見える」

「……!」

「ホド崩落からお前は変わった。予言を……世界を憎み始めた」

ヴァンの声が固くなった。

「……何をおっしゃりたいのです」

「なぁ、ヴァン。この世界はあまりに予言に縛られていると思わないか?」

「はい」

「俺はこの世界を予言から解放したい」

普通の人なら馬鹿馬鹿しいと切り捨てていただろうが、アルカには奇妙な説得力があった。

「そろそろ出ていくよ、ヴァン」

「アルカ殿」

「なんだい」

「私にとって予言は憎むべき敵です」


「そうか」

そう呟いて俺は転移した。





ダアトの慰霊碑にて

ジゼルはただ優しく、マルセルと刻まれた慰霊碑に触れる。
悔しさに涙がこみ上げる。最愛の弟が死んだ。いや、予言に殺された。

弟を殺した予言が憎くて憎くて堪らない。

弟を見捨てたヴァンが憎い。


そんなジゼルに近付く人物がいた。


「弟が死んだ……か」
「アルカさん」
ジゼルの隣にアルカは立つと慰霊碑に花をそえる。

「……復讐か?」

「!!」

「俺はお前に復讐の為に譜銃を指南したわけじゃない」

まだ涙に濡れた顎に手を添えてこっちを向かせる。

「お前の今の瞳を俺は好きじゃない」

「……!私の気持ちなんて、アルカさんにわかるものか!」

走りさるジゼルを見送った後、慰霊碑に語り書けた。

「助けられなくてごめんなさい」

私の心の仮面がこの時、壊れていた。














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