Twelveth 栄光を掴む者
ローレライ教団に無事入団出来たわけなのだが……
ほとんどの時間を図書館で過ごしていた。
まだ新米なのだから、しょうがないが。
どうにも俺は周りから畏怖の対象と見られているようだ。
先日のあの男は師団長だったようで立場上危うく、どうにも俺はローレライ教団信託の盾騎士団の中に宙吊りの状態だ。
模擬戦を申し込んで来る者もいる。
本当に大変だ。
そんな中で幼い日のヴァンに出会えたことは運がいいのか、悪いのか。
教団の裏手にある庭で剣を振るい続けている少年を見つけた。
入団二週間、その少年を見たのは初めてだった。
少年の剣術はまずまずだが、才気溢れる剣舞だった。
俺は更に近付いて声をかける。
「こんな所で特訓かい?」
「!……貴公は誰だ」
ヴァンは突然現れた俺に動揺を隠せない。
「アルカだ。君の名は?」
白々しいと我ながら思うが接点は多いほうがいい。
アルカと言う名前にヴァンは反応した。
「アルカ殿は確か師団長を入団当初倒したとか……」
「相手の実力を出させる前に倒しただけさ」
ヴァンは感心した面持ちで見る。
「私はヴァンといいます」
「アルバート流かい?」
「なぜ、アルバート流を!?」
「ホドに伝わるシグムント流に対と成す、大古からの剣術……そう聞いているが?」
「左様です」
警戒心を剥き出しにしたヴァンは俺を睨む。アルバート流もシグムン流も門外不出の流派なのだから警戒するのも当たり前だ。
アルカはそれでもヴァンに語りかける。
「強くなりたいか」
その言葉にヴァンは反応する。強さを求めるそういう年頃なのだ。
「強く……ですか」
「何かを守るとき、何かを貫くとき、何かを求めるとき、力は必ず必要となる」
「守る……力」
「君に守りたいものがあるならば強くなれ」
ヴァンはなぜかこの不思議な存在に信頼を持った。
「私は従者の家の生まれでローレライ教団に入団してはいますが、本家の主をお守りするのが使命であり名誉です。特にこの頃マルクトとキムラスカの間で小競り合いが頻発しています。父はまだ私に従者は早いと、このローレライ教団に入団させました。しかし私は悔しくてならない。主は幼馴染みであり、友です。今の私では父の足でまといです」
うつむく少年の肩に手を置く。
「君には資格がある。強くなる資格が」
「私は強くなれるでしょうか」
「なれるさ」
さあ、世界を進めよう
それからはヴァンの指南に力を注いだ。
なぜか人数が増えていったがまあいいだろう。
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