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Tales of the abyss another
作:魔蘿姫



Tenth Show me my way



世界は流れるまま



同じ過去を刻む



成れど、また違う世界



きっとある幸



私は踏み出す



そして、歓喜する








おかえり、アシュニア……と






真っ赤だ


それは血のように


深紅に揺らめく炎


ぼやける視線でそう思う


体を揺するサフィールも、声をかけ続けるジェイドもぼやける


そのまま気を失った






遠くから声が聞こえる

──ア……ニア──

誰?

──…シュニア──

聞いたことがある声
でも、わからない

ぼやけていた声がはっきりしてくる


──思い出せ、自らの願い。果たすべき使命──

ね…がい 私の願い

血にまみれた少女、大男、女性、少年三人、そして、ヴァン……

え?ヴァン?誰?

──自らの友すら忘れたか、その胸に光る友すら──

友、セリエ

頭痛と共に蘇る思い出、一コマ一コマのフラッシュバック

わ…たしは、わた…しは

──そう名は──

アシュニアだ

思考が平けた

私はゲルダであって、そしてアシュニアだ

私とゲルダが同調する。そして、人としてのアシュニアが生まれた

忘れていてごめん、セリエ

エクスフィアが輝いた
《久しぶり》とでも、いうように

私はアシュニアだ!





意識が浮き上がる






土の中から這い出す。

そうだ。私は死んだことになっているのだ。

手を握ったり開いたりを繰り返す。感触がある。肌に火傷はない。エクスフィアの治癒だろう。


でも良かったと思う。
火葬じゃなく土葬で。



ケテルブルクの外れの墓地を出る。

私が死んで二週間がたっているらしい。
別にそこは気にしていない。問題なのは身寄りがないことだけだ。
少し悩んでいたアシュニアは閃いた。

一つだけ身寄りがなくても行けるところがあった。


ダアトだ。


教団に入れば、と考えたが一つ問題がある。

素顔を見せられない。
何故なら一度、ダアトの学校に勤めたことがあったからだ。

だったら、素顔を隠そう。

と思った瞬間。


カラン


目の前に仮面が落ちてきた。紫の紋様が浮かぶ顔全てを隠す面。

ローレライの配慮のようで、第七音素を感じる。

更に男を演じることにした。念には念だ。


仮面を被り、髪を結ぶ。転移譜陣を描く。

少しの風が心地いい。
と思った途端に左腕に激痛が走る。

左腕を見ると蒼黒い裂傷がはしっている。

なんだこれは!

自分の指で触ると裂傷の間には柔らかな感触がある。いや、腕はそのままなだけでその部分の色が抜けているだけなのだ。


頭痛が起こる。ローレライの通信特有の痛さだ。

──それは代価だ──
意味がよくわからないアシュニアが聞き返す。

「なんの代価なの?」
──未来を創り、未来を廃する代価。汝の願いの代価だ──


「だったらこれは」

──治らん。寧ろ、汝を蝕む──

「そうですか、罪なんですね」

疵を擦る。感覚は有る。ただそれだけ。

それでもいい。

ダアトで世界の様子を見よう。だったら、それなりの地位につく必要がある。

左腕はどうしよう。

──その疵は安定を求め音素を喰らう。しかし、安定することは無いが故に喰らい続ける。そして、その喰らった音素は腕に蓄積される。一歩間違うと暴発する──

「なら、どうすれば……」

──放出すればいい。汝ならできる──

転移譜陣の音素を少し喰らった様で疵が紫に光っている。

放出…

手を森に向け、手に力を込める。疵が脈打つ。左腕が熱い。



紫の光が解き放たれる。



紫の閃光が視界を焼く。一瞬。

その一瞬で森の一部が消え去っていた。



左腕を私が見た後、空を仰ぐ。

「封印しよう。とんでもなさ過ぎるよ、ローレライ」

──なれば、これを渡そう。そしてこれも──

アシュニアの左腕が巨大な鎧で覆われ、右腕に包帯が巻き付く。

あの時の包帯だ。
それにこの鎧、着けるだけで左腕が落ち着くのが分かる。

アシュニアが安堵していると、譜陣が完成した。

──では、また会おう──

さあ、飛び立とう。
新たなる世界を創るために













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