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その2:自重しろ、俺
「さて、どうしたものか……」

 魔王になったのはいいとして――本当は嫌だが――、具体的に何をするのか分からない。
 国の為、民の為に政治をするわけではないし、特にやることがないのだ。

「……次にティアに会った時に聞くか」

 ティアは俺を追いかけていたメイドさんだ。
 因みに俺の名前は月闇(つくやみ)静夜(せいや)だ。『月の闇に静かな夜』って意味でつけられた名前だ。まぁ、月闇は先祖から代々伝わっている名字だけどな。俺の名前の由来なんてどうでもいいか。

 コンコン

 ん? 誰か来たみたいだな。

「入っていいぞ」
「失礼します」

 俺専属のメイドさん、ティアが入ってきた。
 ふむ。やはり何度見てもティアは可愛いな。くりっとした大きな瞳、柔らかそうな唇、腰まである綺麗な金色の髪は左右で縛ってあり、年頃の少年達には目の毒であろう大きな胸、そしてその胸を強調するかのような細い腰。平均的な身長の割にそのあどけなさが残る顔とそれに反する巨乳は反則だと思います、先生。

「わたしがどうかしましたか?」
「い、いや、何でもないぞ!」
「? そうですか」

 危ねー危ねー。変態さんの如く見るのはヤバイだろ、俺。もう少し自重しろ。

「で、どうしたんだ?」

 話を戻す。

「そろそろ食事の時間なのでお呼びに参りました」

 飯か……そういえば腹が減ってるな。

「そうか、なら行くか」
「はい。では、わたしについて来て下さい」

 ティアの言うことに素直に従い、食堂まで行く。
 中に入る前から、賑かな雰囲気が感じられた。

「お、ティア。その後ろのヤツが新しい魔王様か?」

 燃えるように紅いポニーテールの女の子がティアに話しかけた。
 ふむ。この世界の女の子は皆美少女なんだな。キリッとした瞳からは強い意志が感じられる。そして顔は綺麗と可愛いが一緒に存在し、ティアとは違う魅力に溢れている。体もモデルの様にスラッとしている。胸はティアよりは小さいが、それでも平均的なサイズより大きい。
 って俺は何をやってるんだ!? さっき自重しろって自分に言い聞かせたとこだろ!? 俺のバカヤローッ!!

「どうかしましたか? 魔王様」

 頭を抱え、一人悶えている俺に問いかけるティア。

「……そいつが魔王様でいいのか?」

 変なものを見る目で俺を見ながら不安を覚える紅ポニーさん。
 これからはちゃんと自重するのでそんな目で見ないで下さい。そして魔王として頑張るので応援……いや、力を貸して下さい。お願いします。
 心の中で盛大に謝りながらも、助力を請う。

「何でもない、大丈夫だ。それより飯にしよう」

 今の俺ができる最大の話題転換。……自分でも無理があるって解ってるよ。

「分かりました。ではこちらです」

 ティアはクスクスと小さく笑いながら席へ案内してくれた。

 その後俺はティアとリファ(紅ポニーさん)の三人で飯を食った。なかなか美味かった。
 あ! 何をしたらいいのか聞くの忘れてた。……まぁ後で聞くか。


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