俺は勇者に問う
どこにでもあるクソみたいな小説が書きたかった
俺は勇者に問う
「なんで、火葬場なんかに?」
「魔王倒したから」
勇者は静かに告げる
俺は勇者に問う
「なんで魔王倒したんだ?」
その問いに対し、勇者は数秒考えたのち答えた
「みんなに頼まれたから」
俺は勇者に問う
「なんで、勇者になったんだ?」
「力があったから」
即答だった。
俺は勇者に問う
「王宮には留まらなかったのか?」
「あそこは窮屈だ」
少し寂しそうな笑顔で答えた
俺は勇者に問う
「勇者にはなりたかったのか?」
「いや、別に」
つまらなさそうに答えた
俺は勇者に問う
「人を焼いて、何を思う?」
「こいつらは、俺が救えなかった人間だ」
悔しそうな顔で呟いた。
俺は勇者に問う
「魔王は、どんなやつだった?」
「面白い奴だったよ」
懐かしそうに言った
俺は勇者に問う
「婚約者とかはいないのか?」
「いないさ、今はな」
無表情で答えた。
俺は勇者に問う
「なんで、魔物と人間は戦うんだろうな」
「それが世界なんだろうな」
二人して苦笑した
俺は勇者に問う
「何故、魔王が倒されたのに、火葬する人の数は減らないんだろう」
「こんな世界で、生きようと魔物があがいているからだろう」
人間も同じだけどな、そう彼は呟いた。
俺は勇者に問う
「どうやったら、お前みたいな力がつく」
「目標を立ててそれを目指せ」
その日から俺は、素振りを始めた
勇者は俺に問う
「何故、鍛える」
「・・・死体の数を減らすためだ」
勇者は静かに笑った
俺は勇者に教えを乞う
「戦い方を教えてくれ」
「・・・・・・・いいだろう」
その日から、特訓が始まった
勇者は俺に問う
「何故、魔王は存在する?」
「神様に聞け」
俺は真面目な顔で答えた
俺は勇者を誘う
「死体の数を減らしに行こう」
「まだ仕事がある」
勇者は真面目だった。
勇者は俺にチョップする
「働け」
そういや、しばらく働いていなかった。
俺は勇者を誘う
「さあ行こう」
「・・・わかった」
俺は勇者と共に戦場に立つ。燃やす死体の数を減らすために
ただの自己満足のために書いた小説のようなものだと思ってます
読んでくださった方、ありがとうございました