第3話:虚しさ
え〜、二人を無事発見したのだが、すでに自分の世界に入っているようである
坂本はドラムの、夏美はレースゲームをプレイ中だ
毎度思うのだがこいつらはなんでこんなに上手いんだよ
おれの知らぬ間にどれだけの金を費やしてマスターしているのか気になるところだ
それにゲーセンにはおれのようなルーキーは見かけない気がするぜ
ゲーセンに弱いおれだから言うが、家庭用なら負けんぞ…たぶん
その後カップラーメンを五十杯作れるくらいの時間が過ぎ、二人が熱中している間、
おれは近くの本屋で雑誌を立ち読みしていた
店員に嫌な顔をされていたが構わずに居座り続けたおれは、ある意味大物かもな
そして突然携帯のバイブが鳴り、電話にでる
「今どこにいんの!?早く戻ってきなさい!!」
おれがいないことに今更気づいてよく言うぜ
とりあえず逆らう理由もないのでゲーセンへと戻る
戻ってみると夏美と坂本が二人で表口に立っていた
「シュウ〜、お前どこいってたんだよ
探したんだぜ、五分くらい」
「その五分前までおれの存在はお前の脳内から消え去っていたのかよ」
「しょうがねぇだろ、人間ってのはあれだ、不完全な生き物だから」
坂本は得意げな態度でおれに言う
確かに不完全だろうがここで使う言葉とは思えんな
まぁ、お前をいい例にして人間不完全説は確定されたわけだが
夏美は少し考えているようだ、だがこいつの考えることなんて…
「リュウの言うことも一理あるわねぇ」
「ねぇよ!!」
それみろ、あまりにも予想通りのセリフだったから普通にツッコんじまったじゃねぇか
そんなこんなでゲーセンでの遊びは終わり、今日の全過程は終了した…はずだった
おれはまだ知らなかった
この帰りからおれの本当の『苦労』が始まるということを… |