序章:プロローグ
蝉の鳴き声がうるさい季節、それは夏しかない
このクソ暑いのになぜもこう教室で勉強などしなければならんのか、
おれにはミジンコほども理解できんね
気づいた時にはその考えをごく自然に隣人へと言葉に出して伝えていた
「なぁ、おれ達ってなんで勉強してるんだ?」
「なぜって…お前暑さに頭やられたか?
おれ等は試験で『赤点』という名の失敗をやらかしちまったからに決まってんだろ」
それを言われると辛いところだ
期末テスト終了時にも確信はしていたのだが、直面すると誰だって現実逃避ぐらい
したくはなるさ
「でもよー、名前書き忘れたぐらいで0点とかひでぇよな
鷹西の野郎絶対おれを気に入らないからだぜ、隣のクラスのやつはちゃっかり点数
もらってたの見たし」
「ツイてなかったな、おれもいるんだからそこんとこチャラにしてくれ」
「お前は純粋にペケが多かっただけだろ」
その通りさ、だからどうした?と言いたかったがそこは堪える
「それにしても国宝級に貴重な夏休みをこんなことで無駄にはしたくねぇな」
そりゃそうだ、おれだって家で冷房設備が整った部屋の中ゴロゴロ転がっていたい
「はぁ〜、今頃他のやつらは海とか街とか行って遊んでるんだろ〜な〜!!」
ため息をこぼしながらわざと大きな声で言いやがった
そんなこと言ってると…
「お前ら!うるさいぞ、もっと集中して授業を受けんか!!」
『うぃ〜っす』
眼鏡を光らせた鷹西教諭殿に適当な返事を返し、また机に向かっていった |