前回のあらすじ……前回のあらすじとは、前回の物語がどのような物であったかを説明するものである。
リア充死ね第五回「世の中金が全てじゃない!! ほんの99.9%ぐらいだ!! だから、地球のみんな!! ちこっとだけオラに金を分けてくれ!!」
今日の舞台は学校じゃない。
今日は土曜日で学校でお休みだ。そんな貴重な休みに、俺は公園のベンチに腰掛けていた。気持ちいいぐらい青空だったから、ちょっと散歩に出て一休みをしていた。というわけではない。ある女性を待っていたのだ。
その女性とは我が校の麗しき生徒会長……会田蝶である。
会長のため、今日は俺も精一杯オシャレしてきた。
ユニクロのジャケット、2980円。ユニクロのTシャツ、1980円。ユニクロのジーンズ、2980円。ユニクロのベルト、980円。親父からもらった黒いブーツ、タダ。今日の思い出、プライスレス。お金で買えない物がある。買える物は親父のマスターカードで。(注:請求書が来たときに半殺しにされすので真似してはいけません)
はいそこ笑うんじゃない。ユニクロだって立派なブランドだ。結構オシャレだ。109とかOIOIとかのブランドショップに負けないぐらいオシャレだ。と思う。ていうか、そんなところで服を買えるほどお小遣いもらってないんだから、仕方ないじゃん!! 靴なんてお古だよ!? 親父が昔使っていたエンジニアブーツだよ!? ある意味ヴィンテージだ!!
まあ、そんなことどうでもいいか……そんなことより、なぜ俺が会長に会うため気合の入った勝負服(?)を着てきたのかというと……会長とデートするためである!! え? 本当かって? それはもちろん……
ウッソでーす☆
ドキドキラブラブな急展開を期待した読者には申し訳ないが、本当はそういったうわついたもんじゃない。どっかの誰かさんが俺をボッコボコにしてゲットした10万円で、そのどっかの誰かさんのために体張って文字通り本当に骨まで折った俺を、会長が接待してくれるというお話である。
まあ、当然だわな!! そんくらいしてもらわなきゃ割りにあわねえし!! あの人一応先輩なんだし!! 体だって元気になったことだし!! 今日はあの女の金で思い切り遊んでやる!!
と、主人公にあるまじき外道な発言はさておき、一部の鋭い読者の方が疑問に感じたであろうことを説明しよう。それは、「粉砕骨折しておいて一週間以内に治るってどういうこと?」という疑問だ。あの根性療法が効いたとか、フィクションだからなんやかんやで治っていたとか、アニメとかで大怪我した主人公が次の回では無傷になっていのと同じ原理とか、そんな生ぬるい方法で治ったわけじゃない。もっとグロテスクな方法で治ったのだ。
話はあの試合の後にまで遡る……
試合が終わった後、比較的軽傷(と勝手にみなされた)俺は足を引きずりながら会場の片付けなどを手伝い、それらが終わるとようやく病院……ではなく保健室に行った。
「やあ、服部君も来たんだね」
保健室に入ると、俺よりも重症ということで先に運ばれていた会計さんが無傷で出迎えてくれた。
「あ、会計さんのクローンですね」
「違うよ、服部君。私はクローンじゃないから。本人だから。ていうか、何で決め付け口調?」
「だって、おかしいじゃん!! あんた重症だったじゃん!! 俺よりひどかったじゃん!! はっきり言ってギャグでも死んでるようなダメージもらってたんだよ!? それが何で無傷でピンピンしてんの!?」
「そのことで君にいいものをあげようと思って待っていたんだ」
「いいもの?」
「ああ、これだ」
そう言って会計さんはふんどしから一本の試験管を取り出した。股間から生えているもう一本の試験管をへし折りたい気分を堪え、俺は聞いた。
「何すか、それ?」
「ポーションだよ」
「すいません、これマジな質問なんすけど、もうそろそろぶっ殺していいすよね?」
「うん、マジでダメだよ? とりあえず、説明だけさせて。これ本当マジで効くから」
「はあ……」
「私はこう見えて発明とか科学とかそういうのが大好きでね。保健室と理科室にある薬品を調合して新しい薬を作ったり、ゴミ捨て場にある粗大ゴミから発明品を作ったりしてるんだよ。生徒会室のデスクトップパソコンも実は私が作った物なんだよ。ちなみに材料は捨てられてた電子レンジと使えなくなったドライヤーとかつお節1パックだ」
何でその材料でパソコンができんだよ!! 電子レンジとドライヤーは百歩譲って機械だけど、かつお節って食い物じゃねえか!! それもう発明じゃねえよ!! 悪魔合体だよ!! ピクシーとゴブリンとワンちゃんが合体してケルベロスが出来るぐらいの驚きだよ!!
「そんなことばかりしてるから、みんな私のことを敬意を表してこう呼ぶんだ。オゲレツ大百科ってね」
いや、会計さん……自信満々に言ってますけど、それ全然敬意表されてませんよ。単にバカにされてるだけですよ。もしくは嫌われているだけ。
まあ、でも発明が趣味とかってのは本当なんだろう。風間先輩も会計さんの札にエジソンって落書きしてたし。
「まあ、そんな趣味が高じて完成したのがこのポーションだ。これを飲めばどんな傷でもたちどころに治る!! 効果は私で実証済みだ。さあ、ぐいっと一気に……」
「いや、その前にですね。一つだけ確認しておきたいことがあるんですが……お前それどっから出した?」
「ん? 四次元ふんどしからさ♪」
「ウソつけええぇぇ!! お前それどう見ても三次元だろうが!! だってついてるもん!! きったねえチリチリした毛が試験管についてるもん!! オプションで別の試験管の毛がついてるもん!!」
「気に入らないか……じゃあ、後ろの方にももう一本あるからそっちにするかい? そっちはオプションで茶色いエリクサーが……」
「それはエリクサーじゃなくてゲリクソーだろ!! もういいよ!! 前の方でいいよ!!」
収納場所は大いに問題ありだが、効果があるというのならもらっておこう。この不気味な紫色の液体で治療費が浮くんなら、儲けもんじゃないか。ビバ、フィクショ……ん? よく見るとこのポーション……何か顔みたいなものが……
「……ロス……オマ……エ……ヲ……コロ……ス……」
えっと…………
「すいません、会計さん。これ何か喋ってるような気がするんすけど……何かめっちゃ気持ち悪い声で物騒なワードを喋ってるような気がするんすけど!!」
「ハハハ、それは気のせいだよ。ポーションが喋るわけないじゃないか」
いや、でもこれ……
「ヘンタ……イ……メ……ガネ……シネ……」
確実に会計さんへの恨み言言ってんだけど……非生物にまで嫌われるって、あんたどんな生き方してんの!?
「まあまあ、細かいことは気にせず、一気にぐびっといっちゃって」
「え、いや、ちょ、待っ、会計さ……」
「はい、のーんでのんでのんで、のーんでのんでのんで、のーんでのんでのんで、あ・飲んで♪」
この野郎無理やり飲ませやがっ……しかも、腹立つ音頭とりやがって……てか、古い!! てか、まずい!! これ超まずい!! マジで吐きそう!!
「ゲホゲホ!! ウェ……超まずかったぁ……もう、何すんすかぁ……」
「ハッハッハ、我慢我慢。良薬口に苦しというだろ?」
「そうっすけど、いきなり飲ませることないじゃないすか」
「まあまあ。でも、もう傷は治ったでしょ?」
「あ、本当だ!! 足も痛くないし、体も軽い!!」
でも、何で飲み薬で骨折が治るんだ……しかも、こんな異常なまでに早く……いくらフィクションでもこれはねえだろ……何か逆に副作用とかの心配が……
「大丈夫、大丈夫。副作用なんて何もないよ。私を見てごらん。何ともなってないだろう」
「会計さん……それ、この世で最も説得力のない台詞ですよ……」
「……?」
分かんなかったら医師に相談してください。俺はもうあんたの相手をするの疲れた……
そんなことがあって、俺の足はその日のうちに治ったのである。幸い後遺症やポーションの副作用らしき症状もこれといってない。しいて、言うならちょっと熱っぽい感じはするが、それでも体温は平熱だし大丈夫だろう。
そんなことより問題視すべき問題がある。
それは俺が会長恐怖症になったということだ。
意味が分からないという方のために説明しよう。会長恐怖症とは、会長が近くに来るたび異様なほどドキドキしてしまう症状のことである。それが恋のドキドキなら青春物っぽくて何かいいんだが、明らかにそれらとは一線を画すドキドキなのである。
会長が近くに来るたびにそのポジションから繰り出されるであろう攻撃やそれの回避及び防御方法。さらに回避した際に繰り出されるであろう攻撃パターン。などなどを瞬時に考えてしまう。まあ、ようはあの戦いがトラウマになって戦闘ムードから抜け出せない状態なんだよ……
まあ、当然だわな!! だって、ブレーンバスターにタワー・ブリッジだぜ!! おまけに誤爆とはいえ、足へし折られたんだぜ!! そりゃトラウマにもなるよ!! 警戒するよ!!
というわけで、今日はそんな会長恐怖症を克服すべく、一日行動をともにしようという企画である。ついでに月曜の腹いせに賞金の半分ぐらいを俺におごらせようという企画でもある。以上、説明終わり。
公園の待ち合わせ場所で待つこと30分、待ち合わせの時間に少し遅れて会長は現れた。休みの日というこだけあって私服で、いつもとはだいぶ雰囲気が違う。
白いヒールにダイヤ柄の黒いストッキング。ベルトつきの白いワンピースの上に赤いジャケットを羽織って肩から大きめのバッグを担いでいる。髪はいつものクリンクリンパーマ(のような寝癖)を直し、頭の後ろでポニーテールでまとめてきた。
おお……意外とかわいい。
「ごめんね、服部君。待った?」
「いえ、そんなに待ってないっす。てか、会長の私服って結構かわいいっすね」
"バキ"
目にも止まらぬ速さで殴られた!! もう、全く反応できないほど早く!! しかも、顔面をグーで!! 何で!? 俺、何か悪いこと言った!? 褒めただけじゃん!!
「あの、会長……何で殴るんすか?」
「だって……服部君が変なこというから……」
「いやいやいやいや!! 俺何も変なこといってないすよ!! ただ褒めただけじゃないすか!!」
「て、照れ隠しよ!!」
別の方法で照れてくれません!? そして隠してくれません!? そんな照れ隠しで人を殴るような人は北海道のファミレスでバイトして男性恐怖症を直して来い!! でないと、こっちの恐怖症がひどくなる!!
「あの、会長。これだけは約束してほしいんすけど、今日一日は絶対殴らないっていうか、攻撃してこないでください。でないと、俺のあんたに対する恐怖心が増大しそうなんで。ていうか、今もちょっと増大しそうなんで!!」
「うん、分かった……ごめんね?」
「いえ、分かっていただければそれでいいっす」
ふぅ……これで安心だな。それにしても、服装褒めたぐらいで照れるなんて、かわいいとこあんじゃんか。殴ってこなけりゃもっとかわいいんだけど。てか、服が違うせいか何かいつもと違って会長が微妙にかわいく思えるんだが……殴ってこなけりゃの話だけど。
「でもね……」
「どうしたんすか、会長?」
「この服……全部、木乃実に借りたものなの……」
ええぇぇ……マジでええぇぇ……ユニクロどころかカリモノだったのおぉ……
「あたし……制服以外、服持ってないから……」
ええええぇぇぇぇ……言わないでえええぇぇぇ……そんな悲しい顔で切ないカミングアウトしないでええぇぇ……
「いやいやいやいやいや!! でもほら!! それはあれっすよね!? わざわざ、俺のために服借りてきてオシャレしてくれたってことっすよね!? だったら、俺嬉しいな!!」
「そ、そう……?」
「はい!! もう、大感激です!!」
「まあ、服部君が喜んでくれるなら……よかった♪」
会長は無邪気に微笑んでくれた。
ふぅ……なんで俺が気を使わなきゃいけないんだよ……今日は俺を接待してくれんじゃねえのかよ……そうだよ。せめて、飯ぐらいおごってもらおう。
「じゃあ、昼飯でも行きましょう。俺、昼食ってないから腹ペコで……」
「ダメよ!!」
「何で!?」
「お金がもったいないわ!!」
「マジで!? あんたマジで言ってんの!? 10万ゲットして昼飯もおごらないとか、それ鬼だよ!? ていうか、あんだけ頑張って体も張ったのに、飯もなしじゃ俺リアルに骨折り損じゃん!!」
「大丈夫♪ ちゃんとあたしが真心こめて手作り弁当を作ってきてあげたから」
「会長……」
それ、めちゃくちゃ期待できないんですけど……だって、あんたさっき制服以外服持ってないって言ってたじゃん!! 絶対貧乏じゃん!! その弁当も絶対具の入っていない悲しみのおにぎり弁当か、味付けのない卵焼きをパンではさんだ卵サンドもどき弁当でしょ!! いやでも、女の子が作ってくれた弁当にケチつけるのもなんだし、ここはどんなものが出てきても、ウソでもおいしいと言っておくか。会長にとっては貴重な食料で作ってくれた弁当だろうし……
「そうですね……せっかくお弁当作ってきてくれたんなら、それいただきます。じゃあ、芝生のところでビニールシートでも引きましょうか」
「ええ、そうしましょう」
俺達は公園の芝生広場に移動した。
そこには、お昼時とあって、何組ものカップルや家族連れがカラフルなビニールシートを青々と茂る芝生に広げ、目のくらむような抽象画が描かれていた。でも、派手な色彩の上はどこも笑顔であふれ、ほのぼのとした雰囲気とポカポカとした陽気のせいか、何だか俺は落ち着いた気分になれた。
そんな中、俺達も適当なスペースを見つけると、会長が遠足なんかで使うビニールシート……ではなく、新聞紙をしき始めた……
「あの……会長……何やってんの……? てか、何それ……何ひいてんの?」
「ニュースペーパーよ」
「いや、ビニールシートに対抗して無理矢理横文字にしなくていいです!! それもうどっからどう見ても新聞紙です!! 紙です!! ビニールシートないんなら、俺100円ショップまで走って買ってきますよ!!」
「何言ってんの!! そんなことしたら105円も損失よ!! 勿体無いじゃない!!」
会長……そんな鬼のような顔で税込み価格言われたらもう言い返せないっすよ……反則っすよ……
「さ、座って座って♪」
「はあ……」
もう、こんなんだったら地べたに座ったほうがマシなんじゃないかな……だって、みんなカラフルなビニールシートしいてるのに、俺達だけ灰色だもん……気分まで灰色だもん……恥ずかしいっていうより悲しい……
だが、テンションの低い俺とは正反対に、会長はなぜかルンルン気分で満面の笑みを浮かべていた。ひょっとして弁当やらが相当の自信作なのか? まあ、期待はしてないし、どんな物が出てきても驚きはしないよ……というか、新聞紙以上のショックがあるとは思えないし……
「さ、これがあたしの作ってきたお弁当……パンの耳でーす♪」
会長ぉ!! 明るく言ってもそれは無理!! 楽しい気分になれない!! 驚きを通り越して、悲しみとせつなさで心が押しつぶされそう!!
「プレーンと砂糖味と塩味があるけどどれがいい?」
会長おぉ!! 調味料でごまかしても無理!! 涙で全部塩味になっちゃう!!
「じゃ、じゃあ……砂糖味でお願いします……」
「はい、あーんして♪」
「あーん……もぐもぐ……!!」
会長おおぉぉ!! これ醤油の味がするんですけど!! あんたんちの調味料どうなってんすか!?
「どう? おいしい?」
「は、はい……とっても……」
こんなんでまずいとか言えるわきゃねえだろおおぉぉ!!
「よかった……普段お料理とかしないから、正直自信なかったのよ……」
「え、じゃあ会長普段はどうしてるんですか?」
「ん? 普段はおいしいものを食べた気になって空腹をごまかしているの」
「マッチ売りの少女か!! あなた本当に現代人!? ていうか、それ結局何も食べてないってことじゃないですか!! やばいでしょ!!」
「冗談よ、冗談。さすがにそんなんじゃあたしだって飢え死にしちゃうもん。本当はバイト先でまかないが出るからそれを食べてるのよ」
「え、会長バイトしてるんすか?」
「うん。あ、基本うちの学校バイト禁止だけど、バイトする理由を書類に書いてそれを提出して認められたらOKなのよ。あたしも書類に「生きたい」って書いて申請したら一発で通ったわ」
そんな切実な願い聞かされたら誰だって断れねえよ!! 普通は社会勉強のためとかそんな理由だろ!! でも、突っ込めない!! 今だけは突っ込めない!! ん……?
背中を叩かれ後ろを振り返ると、小さな男の子がおにぎりを持って悲しそうな顔でこちらを見つめていた。
「お兄ちゃんたち……これ食べて」
同情された!! 見知らぬ男の子に同情されておにぎりもらった!!
と、思ったら今度はどら焼きをもったおばあちゃんが……
「姉弟仲良くするんじゃよ……」
同情されてどら焼きもらった挙句、姉弟と間違えられた!!
と、思ったら今度はいかにも不良なお兄さんが……まさか、カツアゲ!?
「これ……5000円しかないけど、これで姉ちゃんに美味いもん食わしてやりな……」
カツアゲどころか寄付された!! しかも、5000円も!! ていうか、俺はこの人の弟じゃありませんから!!
「会長!! ここにいたら一般の方に迷惑がかかりますから、移動しましょう!! みんなのほのぼのムードをぶち壊しにしちゃいますから、逃げましょう!!」
「え、でも……お弁当が……」
「いやもう、そんなんどうでもいいから!! 俺がファミレスおごるから!!」
「え、でもそれじゃ服部君に悪いし……」
「いや、ここで会長におごらない方がよっぽど悪だから!! 世界最大の巨悪だから!!」
そうとも……俺が間違っていた。どうして、この人からおごってもらおうなんて考えたんだ!! どうして、この人に接待してもらおうなんて考えたんだ、俺のバカ!! 死ねクソヤロー!! どう考えても逆じゃねえか!!
ていうか、この人どんだけ貧乏なんだよ!! どんだけ不幸なんだよ!! 明らかに幸せのパロメーター配分おかしいだろ!! 明らかに他の人との差が開きすぎだよ!! 神様ちゃんと仕事してる!? てめえ、週一で休んでんじゃねえぞ!! 年中無休……いや、一日27時間という矛盾した労働条件で働け、ゴラァ!! 殺すぞ、クソが!!
神がこの人に幸せを与えてくれないというのなら、この俺が与えてやる!! 俺が世界一幸福に……とまでは言わねえが、人並みに幸せにしてやる!! 今日一日、俺が誠心誠意この人に尽くして、一般的な女子高生が感じるような楽しい一時を絶対に味あわせてやるぜ!!
熱い思いを胸に秘め、会長を幸せにしようと思った俺だが、ファミレスで食事をした後、その心は早くもくじけそうになった。なぜかというと、会長が……
・ドリンクバーを2Lのぺトボトルに入れてお持ち帰りしようとして怒られる。
・スープバーをタッパに入れようとして怒られる。
・隣の席の食べ残しをタッパに入れようとして怒られる。
・悲しさあふれるパンの耳を食べて店員さんに「お客様!! そんな切ない持込は色んな意味で困ります!!」と怒られる。
と、いったような行動をとり、とっても恥ずかしかったからである……もうヤダこの人……
「はぁ、おいしかった……お米なんて食べたの何年ぶりかな?」
会長おおおぉぉぉ!! それもう現代人の台詞じゃねえよ!! 江戸時代の農民の台詞だよ!! 何で米の自給率100%の日本でそんなに米食ってねえんだよ!! ありえねえだろ!!
くじけるな、俺!! この人の幸せ水準を江戸時代の農民レベルから、現代人の女子高生に引き上げるんだ!! 頑張れ、俺!!
「会長、次はゲーセン行きましょう!!」
「え、でも……ゲーセンってゲームセンターのことよね? そこって年収100万円以上のセレブな方々しか入れないんじゃ……」
ゲーセンは一般人の遊び場です!! ていうか、年収100万はセレブじゃありません!! そんなの確実にフリーターです!!
「いいから、黙って俺について来い!!」
「は、はい……」
俺はとまどい気味の会長の手を掴み、ちょっと強引にゲームセンターへ連れて行った。
俺達の町のゲームセンターは商店街を入って2件目のビルがそうだ。3階建てのビルが丸ごと一つのゲームセンターになっている。1階がUFOキャッチャーやプリクラのコーナーで、、2階が対戦型の格ゲーやシューティングゲーム(奥には脱衣麻雀のゲームもある)などのアーケードゲームのコーナー、3階は落ち物のメダルやパチンコやスロットなんかもあるメダルコーナーとなっている。
ゲームセンターに一歩足を踏み入れると、耳障りなほどの大音量の有線が鼓膜を揺らし、馬鹿でかいUFOキャッチャーの筐体が目の前にたたずんでいた。楽しげな音楽を流しながら、目がチカチカするような光を放つこのオバケサイズのUFOキャッチャーは、景品も大型のぬいぐるみなどビッグサイズで、その分料金も1回300円とビッグだ。
さてと、どれで遊ぶか迷うところだけど、まあゲーセンで女の子が喜ぶと言ったら、プリクラがUFOキャッチャー(ぬいぐるみ系)だよな。普通は……
「すごいわ、服部君!! このUFOキャッチャー、賞品がお菓子の詰め合わせよ!!」
ゲーセン!! 何で食い物を賞品にするんだよ!! 貧乏な子が大はしゃぎじゃねえか!! かわいそうになってくるぐらい大はしゃぎじゃねえかよ……チクショウ、涙が……
「ねえ、服部君。あれだけのお菓子があれば一年間は生きていけると思わない?」
「思いません。サバイバルの達人でも確実に死に至ります。そんなのよりこっちのぬいぐるみとってあげますよ。俺、こういうの得意なんで」
「えー……食べ物の方がいい……」
「今度俺が弁当作ってあげるから、我慢しようね? あとこれ以上悲しいこと言わないでね?」
「え、いいの? あたし、から揚げとかハンバーグとか高級料理リクエストしちゃうけどいいの?」
「全然いいからね? あとそれどっちも高級料理じゃないからね?」
小さい子をあやすように頭をなでなでしているが、この人は俺より年齢も身長も頭一個分上である。
「どのぬいぐるみがいいっすか?」
「そうねえ……あ、あの猫ちゃんのぬいぐるみがいい!」
「ああ、あれっすか……」
猫ちゃん、なんてかわいい言い方するなんて、会長も女の子らしいかわいいとこあんだな。それとも猫が好きなのかな……? よし! ここは頑張ってとらなきゃな!!
奥のほうにある巨大な猫のぬいぐるみだな。常人なら1800円(6回)はかかるであろうポジションだが、UFOハンター服部にかかればこの程度……600円(2回)で取れる!!
……
…………
………………
よし、取れた!! 1500円(5回)かかったけど……まあ、いいや。細かいことは気にするな。会長のためと思えば、このぐらい安いもんさ。さ、取り出し口からゲットした猫のぬいぐるみを取り出してっと……
"パカ"
「助かっただわさ」
何かでたああぁぁ!! 何か取り出し口から見たことのあるちっこい人が出てきたんですけどおぉ!! 何かゲットした覚えのないアンパンマンのぬいぐるみ抱いて出てきたんですけどおぉ!!
何これ!? 7人の小人のぬいぐるみに魂宿っちゃった!? 違うよね!? だって、この顔とこの喋り方は間違いなく風間先輩だもんね!? このサイズでうちの制服着ているのはこの人ぐらいだもん!! ていうか、何で休みの日も制服!? いや、そんなことより、何でこんな所入ってたんだ!?
「あの、風間先輩……何やってんすか? てか、どうやって入ったんすか!?」
「これには深いわけがあるだわさ」
「深いわけ?」
「我が校の生徒が校外でも風紀を乱してないか、ゲーセンを見回りしてただわさ。しかし、その時緊急事態が発生しただわさ!!」
「緊急事態?」
「お昼寝タイムだわさ」
子供!! やっぱりこの人単なる子供!!
「ぐーすか寝てたら、ゲーセンの店員にぬいぐるみと間違えられて、UFOキャッチャーの景品にされてしまっただわさ」
店員もアホ!! 普通分かんだろ!! いくらちっこくてもぬいぐるみと人間の違いぐらい分かるだろ!! ていうか、分かれ!!
「気がついたら無数のアンパンマンに囲まれ大はしゃぎしてしまっただわさ」
お前もアホ!! はしゃぐとこ違う!! 焦るとこ!!
「でも、出られないことに気づき、困っていただわさ。だから、助かっただわさ」
「あーもう、分かりました。わけ分かんないけど、分かりました。だから、帰ってください。て……一人で帰れますか?」
「大丈夫だわさ」
そう言って風間先輩はアンパンマンのぬいぐるみを勝手に持って帰ってしまった。本当はいけないことなんだろうけど、ゲーセンサイドのほうが人間をUFOキャッチャーの機械に放り込むという、非人道的なギャグをしたのだからおあいこだろう。ていうか、それの慰謝料だと思えばいい。
風間先輩の後姿を見送りながら、さすがの会長もポカンとしていた。
「驚いたわね……」
「ええ、もう本当に驚きましたね」
「あの子があんなに仕事熱心だったなんて」
驚くとこそこ!? もっと他にも驚くとこなかった!?
まあ、いいや。とにかくゲットした猫のぬいぐるみを……
「はい、会長。どうぞ」
「ありがとう、服部君。うれしい♪」
猫のぬいぐるみを手渡すと会長は子供みたいに、そのぬいぐるみを抱きしめた。よっぽど猫が好きなのか……?
「あ、でも……お金のほう大丈夫?」
「ああ、小遣いもらったばっかなんで、まだ全然大丈夫っすよ」
「…………服部君のお家ってお金持ちなの?」
いえ、一般家庭の子です。頼むからあんた基準で物を考えんのやめてもらえません? 泣きそうになるんで。
「そんなことより、次プリクラ撮りましょ!! プリクラ!!」
「あ、じゃあ、次はあたしが払うね。だって服部君にばっかり出させるのは、何だか悪いし」
「いや、もう本当いいです!! 会長に金出させるほうがよっぽど悪だから!! それだけは人として絶対にやっちゃいけないことだから!! もう、打ち首獄門市中引き回し級の罪悪だから!!」
「そ、そう……?」
「うん、そう!!」
何だか居心地の悪そうな会長を無理矢理納得させ、今度はプリクラをとりに行った。
プリクラの機械がうっとうしいほど親切丁寧に説明してくれたから、会長にどうやるのか解説する手間がはぶけ、らくらくと撮ることができた。ただ、会長の顔が証明写真みたいに固かったけど……ま、まあ初めてなんだし仕方ないよな。
会長は機械から出てきたプリクラを手に取り不思議そうに眺めていた。この人、本当に平成生まれか……? 実は戦国時代からタイムスリップしてきたとかいう設定じゃないだろうな……
「この写真シールになってるんだ……」
「はい。で、このはさみで切って分けて携帯とかに貼るんで……あ、すいません。会長、携帯とか持ってないすよね?」
「持ってるわよ」
「え、マジっすか!?」
これは意外だな……会長、貧乏だから携帯なんか持ってないと思ったけど。いや、バイトしてるって言ってたし、携帯ぐらい持ってないと、友達と連絡とるのに不便だもんな……
「携帯ないと仕事に不便なのよ」
て、仕事用かい!! 何この人!? 女子高生が携帯持つ理由じゃないんですけど!! もうサラリーマンみたいなんですけど!!
「ちなみに、会長のバイトって何なんですか?」
「基本はパン屋さんで住み込みみたいな感じで、たまに荷物の配達とかもしてるのよ」
パン屋に住み込み……宅急便……猫が好き……まさか!!
「あの、会長ってほうきにまたがって空とか飛べちゃいます?」
「…………あんたバカにしてんの?」
「そ、そうっすよね……いくらなんでもそれはないっすよね……すいません」
「空くらい、ほうきなんかなくても舞空術があるじゃない」
できるの!? それで空飛べるの!? あんたマジで何者だよ!? まさか伝説のスーパーサイヤ人!? だから頭金髪なの!?
そんな、知れば知るほどわけが分からなくなる会長と次に向かったのは、駅前の映画館だった。本当なら会長におごってもらおうと思っていたアクション映画を見に行くためだ。普通、女の子と行くなら恋愛ものだろうけど、会長の場は合キン肉マンとかバキとか読んでるほど格闘ものが好きなんだからこれで正解だ。
「…………」
ん? 会長さっきから映画の看板見てボーっとしちゃってるけど、どうしたんだろう……げ!! あれは!!
アクション映画の看板の横に並んで、ヒューマンドラマ系の映画の看板が!! しかも、あれはテレビCMで見る限り家族がバラバラに引き裂かれるという悲劇系の物!! 両親が行方不明の会長にとっては、存在自体があてつけのようなもんじゃねえか!!
おいよ、神様!! 何でこのタイミングでこの看板が登場すんだよ!! 昨日までは動物の感動系だったじゃんか!! 一体会長に何の恨みがあんだよ!! お前この子いじめてそんなに楽しい!? 何!? 殺すよ!? 相手が神でもこれ以上会長苦しめたらマジ殺すよ!?
つーか、映画館空気読めよ!! 何でよりによって俺たちが来る日に映画変えてんだよ!! あんま舐めてっとマジやんぞ、ゴラァ!!
「ねえ、服部君……」
「な、なんすか?」
「おごってもらっている分際でこんなこと言うのもなんだけど、あたしあっちの方がいい」
「いや、会長、でもそっちは……」
「いいの、分かってる。電気屋さんのテレビでCMしてるの見たから」
会長ぉ……せめて、半住み込みのパン屋のテレビって言ってくださいよぉ……そんなん言われたらダメなんて言えないっすよ……
おい、神様ぁ!! 今度こそ分かってんだろうな!! お前今度こそマジ空気読めよ!! もう、無理矢理にでもこの映画をハッピーエンドにしろ!! 時空を捻じ曲げてでもハッピーエンドにしろ!! どんな代償を払おうが、世界が滅ぼうが構わん!! 俺が許すから!!
そんなことを思っていたけど、俺の心配は杞憂だった。その映画は最初から、あるいは神様が今度こそ空気を読んだのか、ハッピーエンドだった。それもバラバラになった家族がまた一緒になり、幸せに暮らすという最高の終わり方だった。そのラストに感動して、会長は言葉もなく泣いた。俺の手を握りつぶさんばかりの強さで握り締め泣いていた。俺は普通に手が痛くて泣いた……これ絶対ヒビ入ったって……
劇場が明るくなると会長はボソリとつぶやいた。
「よかった……作り話でもあの家族がまた一つになれて……」
俺は何て声をかけていいのか分からなかった。聞きたいことは山ほどあったんだけど、「会長の両親はどうしてるんですか?」とか、「俺たち生徒会のメンバーでも家族の代わりになれませんか?」とか、「何でそんなにパワフルなんですか?」とか、「いい加減に離してもらえませんか?」とか……でも、答えが怖くて聞けなかった。いつか、もう少し勇気がわいたら、あるいはもう少し会長と仲良くなれたら聞いてみよう……
「会長、そろそろ行きましょう」
「そうね」
俺たちは映画館をあとにした。
外に出ると夜の帳は落ち、色鮮やかな町の明かりが星空まで照らしていた。駅前は仕事帰りのサラリーマンやもう酔っ払っているおっさん達、広場でギターを奏でるストリートミュージシャンやそれに聞き入る観客など、大勢の人間であふれていた。
俺達も人ごみをかき分け、広場のベンチに座ると、ストリートミュージシャンのバラードに耳を傾けた。妙に優しいメロディーでムードのある曲だった。地味に上手いな……
そう思っていると、会長がポツリとつぶやくように言った。
「服部君、今日は一日本当に楽しかったわ。ありがとう」
「いえ、会長が喜んでくれたら、それでいいです」
本当にそう思った。会長の笑顔が見れただけで俺は満足だった。
「あのね……服部君にお礼をしたいんだけど……」
「え、でも何回も言ってますけど会長にお金使わすのは……」
「大丈夫! これなら、あたしもお金使わないですむから」
「え、そんな方法あるんですか?」
「うん、まあ……色々と条件をクリアできればね」
条件……? どういうことだ?
「服部君のお家ってさ……門限とかあるの?」
「いや、特にないっすけど……それがどうかしたんすか?」
「えっとね……」
会長は頬を少し赤らめ恥ずかしそうにモジモジした。何か言い出しにくい恥ずかしい条件なのか? 会長にそんな顔されると、何だかこっちまで赤くなりそうなんだけど。てか、何かドキドキしてきた。
「じゃ、じゃあさ……朝帰りとかしても怒られない?」
な、何いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
そ、それはあれがこうしてそうなるあれのことをさしているのですか、会長!! MeがCanできるならDoしちってドューン!! みたいな感じの超展開を期待してもよろしいのですかな!? いやいや、落ち着き給えよ、俺!! そんなことをいきなり言われても心と知識とアイテムの準備が……でもでも、女の子のこんなお誘いを断るなんて男としてやっちゃいけないことだっすぃ!!
あー、でも……真面目な話、いくら俺んちがちゃらんぽらんな家でもさすがに朝帰りは怒られるよな……だから、
「あの、会長……朝帰りは……」
「やっぱり、ダメ……?」
「全然オッケーでっす!!」
携帯の電源を切ってと……これでよし♪
「それじゃ、行きましょうか……」
「はい!!」
「木乃実の家に」
「は…………い? 芝井先輩の……家?」
「そう、あの子一人暮らしだから、騒いでも怒られないし、急に行っても大丈夫なの。だから、これから木乃実とマコとあたしと服部君。四人で朝まで飲み会よ」
飲み会……? あ、ああ……なんだ飲み会か……そうだよな。そんなおいしい超展開あるわきゃねえよな……いや、これはこれでおいしい展開じゃないか。芝井先輩も鏡先輩もあれで結構美人なんだし……でもな……朝まで会長と二人きり……って思ってたぶん、その二人が邪魔に思えて仕方ねえんだよな……いや、待てよ。飲み会ということは、お酒に酔った会長が俺に抱きついてきたりとか……ま、マジでか!? そ、それなら嬉しすぎるが……
あれ? ちょっと待って……俺さっきから何考えちゃってんの? 会長と二人きりになりたいとか思ったり、会長に抱きついてほしがったり……そ、そんなのまるで俺が会長のことを好………………
ないないないないなーい!! そんなの絶対ありえなーい!! だって、あんなイカレポンチなイベント強行してブレーンバスターしたりタワーブリッジするような女だぜ!? 誤爆とはい足へし折られたんだぜ!? 好きになるどころか恐怖症になって毎日ドキドキしてたん…………いや、それってマジで普通に恋のドキドキだったんじゃ……
いやいやいやいや!! それはねーだろ!! タワーブリッジされてときめくって、俺どんなM男君だよ!! 今日だって女らしいところなんて全然なかったじゃん!! ただ、ちょっと、借り物とはいえ精一杯オシャレしてきてくれたり、悲しすぎるとはいえパンの耳のお弁当を作ってきてくれたり、それをあーんとかしてくれたり、ぬいぐるみあげて喜んでかわいいなって思ったり、映画館でつぶれるぐらい手を握ってきたり、そんなことされたって俺は…………惚れてまうやないかああぁぁー!!
よく考えたらめちゃくちゃあったよ、会長フラグ!! 思いっきりたちまくっていたよ!! 俺、気づかないうちに会長のこと好きになってたの!? 同情とかじゃなくて!? マジで!? 何という恋のサブリミナル!! 効果抜群すぎ!!
え、でも待って。俺の気持ちがそうなんだということはもう認めるわ。もう、これは否定しようのない事実だわ。でも、そうなってくると気になることがあるんだけど……会長は俺のことどう思っているんだろう?
いや、恩着せがましい言い方してなんだけど、あの馬鹿げたイベントの時も会長のこと守ったし、今日だって会長のために色々頑張ったんだから、好き………………とまではいかなくても、好感度はそれなりに高い方と受け取っても良い…………のかな? ああ、もう分かんない、分かんない!! すっげー気になる!! 会長、あんた俺のことどう思ってるの!?
なんて、あれこれ考えていると、会長は芝井先輩か鏡先輩と電話をしていた。
「うん……うん……分かった。じゃあ、今から二人でそっちに行くね」
その姿を見てふと気づいたことがある。
会長は今日、一度もあの変なお嬢様口調で喋っていない。
もしかして、会長のあのお嬢様口調は単なるキャラで、親しい人にだけこうやって普通に話すんじゃ……だとしたら、今日一日普通に話していた俺は親しい人と認定されたということなのか? こ、これは脈ありと考えていいのか!? ああ、もう分かんない、分かんない!! すっげー気になる!!
全ての謎は次回、飲み会偏で明らかになる。
次回予告
こなた、女の気持ちを知りたき男あり。
こなた、男に礼をしたい女あり。
こなた、女の友達約二名。
三者集いし一軒の宿。
日毎夜毎の酒宴の席に、聞こえてくる赤子の声。
果たして、物の怪座敷童子……
その真と理とは……?
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