前回のあらすじ……ごく一部の人にとっては見たことあるサブタイトルかもしれないが、できれば忘れてほしい。自分で気づいた時、めちゃくちゃ恥ずかしかったから……
男なら……第四回「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!(お前は完全に包囲されている! おとなしく投降しなさい! という意味)」
校長VS教頭のエキシビジョンマッチが終わると、俺は体育館横の新校舎の2階にある控え室(空き教室)に移動した。何のためかっていうと、演劇部お手製のリングコスチュームに衣装チェンジするためだ。しかし、演劇部が用意した衣装はなぜかダブダブの忍び装束だった。
「ん~何だろ~? 何かイメージと違うな~」
そう言ったのは演劇部部長の二年生・芝井木乃実先輩だ。
ふわふわパーマのかかった茶髪の髪を腰のあたりまで伸ばし、うっとりするような感じの大きなたれ目で、いつものんびりとした喋り方をしている。優しくて可愛い、癒し系お姉さんといった感じの人だ。ただ、ちょっと天然というか頭の中までふわふわしている感じはあるけど。
「あのですね、芝井先輩。何度も言いますけど、俺名前が服部ってだけで別に忍者とは関係ありませんからね」
「え~でも、チヨピーが服部君は有名な忍者さんの先祖だって言ってたよ~」
「全然関係ありませんから!! ていうか、先祖じゃなくて末裔でしょ!!」
「あ、分かった~鬼畜超人ハンゾウ~」
また、それかよ!! お前ら本当キン肉マン大好きな!! 会長の友達ってこんなのばっか!?
「あ、今度こそ分かった~」
「何がですか?」
「これ、くノ一の衣装だから胸の辺りがだぶんだぶんになるんだよ~だから上半身だけ裸になればいいんだよ~」
「そういう問題なんですか?」
「うん~そうすれば、ザ・ニンジャみたいになれるから~」
「いいかげん忍者とキン肉マンから離れてくれませんか? ていうか、普通にジャージとかじゃダメなんですか?」
「ダ~メ~チヨピーにもあたしのお手製衣装を着せてあげてるんだから、服部君も倉庫でほこりをかぶってたこの衣装を着るの~」
会長は新品で俺はお古かよ……べ、別にくやしくなんかないもん! どっちにしても恥ずかしいだけだもん!
「さ、あとはこのマフラーを首に巻いて~」
芝井先輩はそう言って、ちょっと長めの赤いマフラーを俺の首に巻きつけた。
「できあがり~」
「何すかこれ? まさかザ・ニンジャのマフラーの真似?」
「違うよ~これは今日のスペシャル下克上マッチの必須アイテムなの~」
「どういうことすか?」
「それはリングに上がってからのお楽しみ~」
「いや、できれば今教えて欲しいんすけど……」
「ま~ま~そんなことより、もうすぐ服部君の入場の時間だよ~」
え……てことはまさかあの恥ずかしい入場曲も……まあ、大体予想はつくけどな。どうせキン肉マンかキン肉マン二世のOPだよ。もしくは奇をてらって牛丼音頭とか……
"眠れないよ~る~、君のせいだよ~"
て、何でキテレツ大百科!? しかも、何でよりによって「初めてのチュウ」!? どうせなら「睡眠不足」か「お料理行進曲」にしてくれよ!!
チクショウ!! 放送部の仕業だな!! 今すぐ体育館行って文句言ってやる!!
初めてのチュウが学校中に流れる中、俺は全速力で走って体育館へ行きリングの中へ飛び込んだ。
"はじめて~のチュウ♪ 君とチュウ♪"
「うおおぉぉい!! 今すぐこのふざけた入場曲止めろ!!」
『おっと服部選手!! BGMに不釣合いな勢いで入場して、颯爽とリングインしたかと思うと入場曲にクレームだ!! 怒りのボルテージはMAX!! いつでもやってやるぜ、という気概が感じられます!! そのテンションはまさにスクアーロ!! ヴァリアークオリティーです!!』
「ぶおおぉぉい!! なんだったら今すぐてめえをリングの上で八つ裂きにしてやろうか!!」
『それはご遠慮願います!!』
「だったら、このふざけたBGMを止めろ!! ていうか、何でキテレツなんだよ!! もっと他に入場曲あっただろ!! キン肉マンとかキン肉マン二世とか!!」
『おおっと、これは意外! 服部選手、入場曲はキン肉マンが良かったようです! しかし、これはチヨピーの指示なので我慢してください』
ぶおおぉぉい!! あんのクソ会長!! どこまで俺の神経逆撫でしたら、気が済むんだ!!
"Be in love with you……"
と、ここでやっと曲が止まった。しかもうまい具合にちょうどいい所で……
『さあ、続いては我らが生徒会長の入場です』
会長の入場曲ってどんなだろう……? まさか自分だけキン肉マンとか……
"Can't get not sleep tonight♪ It's because of you♪"
て、ちょっと被ってんだけど!! しかも、あっちはハイスタバージョンで格好いいんだけど!! 何この差!! 副会長と会長ってこんなに差別されるの!?
『さあ、生徒会長が今会場に入ってきた!! いつもはクリンクリンの強烈な寝癖を3時間かけてストレートに直し姫武者の如く頭の後ろで結え、キリリとした青い相貌でリングを見つめる!! その胸中にあるのは副会長打倒への強い意志か、はたまた死をもいとわない覚悟か!! まるで死に装束のような純白のボディタイツを赤く染めるのは敵の血か己の血か!! そして、マントに書かれた範馬ジャックが意味するところは何なのだあぁ!?』
バカってことじゃないの? 漫画読みすぎてバカになったってことじゃないの?
『そのマントを脱ぎ捨て、今華麗にリングイン!!』
"It is my fast kiss cyu……"
入場曲が終わり、リング中央で俺と会長が向かい合った。と、思いきやいきなり会長がベタベタと触ってきた。
「その小さな体でよくここまで鍛え上げましたわね」
「すいません、会長。その茶番付き合わなきゃダメですか? ていうか、あんたそれ元ネタ分かんない人にとっては単なるセクハラ行為にしか見えないからな」
「もう! 服部君はノリが悪いわね」
いや、こんなふざけたイベントでリングに上がっている時点で相当頑張ってると思うよ。もう自分で自分を褒めてあげたいぐらいだもん。
そんなことを思っていると、壊賀先生のアナウンスが始まった。
「地上最強を目指して何が悪い!!」
頭が悪いんじゃないんすかね。
「人として生まれ、男として生まれたからには誰だって一度は地上最強を志す!!」
いや、俺男だけど別に地上最強になりたいとかはないよ。会長にいたっては女の子だよ。
「地上最強など一瞬たりとも夢見たことがない! そんな男はこの世に存在しない! それが心理だ!!」
え、あれ……俺……
「ある者は生まれてすぐに、ある者は父親のゲンコツに、ある者はガキ大将の腕力に、ある者は世界チャンピオンの実力に屈して、それぞれが最強の座をあきらめそれぞれの道を歩んだ……プロレスラー、ボクサー、K-1ファイター、流派東方不敗、校長、教頭……」
いや、それ全部あきらめてねえよ。そいつら全員年中無休で最強の座を狙っているような男の中の男達だよ。ていうか、何でそんな連中たちと校長とかが並んでんだよ。あいつら何者なんだよ。
「しかしっっっ!! 今夜あきらめなかった者がいる!! 偉大なるバカヤロウ2名!! この地上で誰よりも誰よりも最強を飢望んだ2名!! 決勝!!!!」
バカヤロウなのは認めるけど、俺達別に最強は望んでないと思うけどな……ていうか、ファイナルもクソもこれトーナメントじゃねえじゃん。
壊賀先生の自己満足なアナウンスが終わると、今度は選手紹介が始まった。
「青龍の方角!! 183cm、体重は秘密!! 純白の美少女にして天下無敵の生徒会長!! あいだああぁぁ!! ちいいぃぃよおおぉぉ!!」
その瞬間、二・三年生の席から物凄い歓声が上がった。校長や教頭の時はノーリアクションだったくせに……やっぱり、この人なんだかんだで凄い人気のある人なんだ。ていうか、体重は秘密って……まあ、当たり前だけど会長も女の子なんだよな。
次は俺の番か……どんな紹介されんだろ。ちょっとドキドキだな。
「はい、こっちは服部半蔵君。ぱっとでの一年で身長と体重はパッと見並ってとこ」
「おいいぃぃ!! 何で俺だけそんな適当なんだよ!! 何でそんなテンション低いんだよ!!」
「いや、だってまだ身体測定してないからあんたの身長とか体重とか分かんないのよ。だから、こう……あんまりノレない? みたいな?」
「だとしても、最低限名前ぐらい間違えんなよ!! あんた教師だろう!! 俺、半蔵違う!! 正しい、長輔!!」
「そんな片言で言わなくても分かったから。はい、じゃあ訂正しまーす。こいつの名前はちょうす何とかでーす」
「けええぇぇ!! あと一文字いぃ!! あと一文字なんだから頑張って!! ていうか、会長ばっか純白の美少女とか天下無敵の生徒会長とか格好いいキャッチフレーズつけといて、俺には何もなしって何かずるいですよ!! 俺にも何かつけてくださいよ!!」
「ちゃんとつけたじゃん。ぱっとでの一年」
「そんなの嫌過ぎるわ!! もっとちゃんとしたの!!」
「じゃあ鬼畜超人ハンゾウ」
またそれかよ!! もういいよ、しつけーよ、面倒臭えよ!!
「それでは両者コーナーにお下がりください」
あー、はいはい。分かりましたよ。
たく……こんな茶番、適当に盛り上げて、わざと負けて、会長に花を持たせて、とっとと終わらせよう。
「なお、この試合は両者が互いに巻いたマフラーを奪った方が勝ちとする、マフラー争奪デスマッチとさせていただきます!!」
え、このマフラーってそういうことだったの? そういや会長も白いマフラーつけてるし……じゃあ、頃合を見計らってマフラーを奪われよう。そして、こんな茶番はとっとと終わらせよう。
「ちなみに、この試合の勝者には賞金10万円と、敗者に対してどんなことでも一度だけ命令(拒否不可)する権利が与えられます!!」
へ……?
「さらに、会田は「あたくしが勝った暁には、副会長をフルチンで登校させますわ」と公言しております!!」
なんじゃそりゃああぁぁ!! おいおい、聞いてねえぞ!! そんなの死んでも負けられねえよ!! ていうか、あの人の罰ゲームひどすぎるだろ!! 何だよフルチンで登校って!! そんなことしたら、速攻で逮捕・連行・投獄の三連コンボ決められちまうよ!! 学校には永遠にたどり着けねえよ!!
いや、待てよ。いくら会長でも本気でそんなことさせるわきゃないよな。きっと冗談で言ったに違いない。そうでしょ、会長?
「10万……10万……10万……これで生きていける……」
すでにお目々が円マーク!! もはや、あの人の目には賞金しか映らない!! あの頭は金のこと以外考えてない!! フルチン登校させられる可能性極めて大!! もはや絶対負けられない!!
どどど、どーすんだ、俺!? やるしかねえのか!? やられる前にやっちまうしかねえのか!? 人は所詮戦うことでしか自己の存在を守れない悲しい生き物なのか……否!! 断じて、否!! たとえ、そうだとしても俺は絶対に会長に勝たない!!
もし、会長に勝利し試合が終われば、フルチン登校は回避できる。その上、会長に何でも命令できるのだから、「今後はこういう変なことはしないでくださいね」というような、素晴らしい命令を出して、万事丸く治めることもできる……理論上はな!!
だが、こんな盛り上がったお祭りムードの中、そんな空気の読めない寒い命令を出してみろ。ブーイングが起こるのは必至! 必然、会長に出す命令は恥ずかしいもの(えっち系)に限定される!! だが、こんな衆人環視の中で女の子に無理矢理そんなことはさせたくないし、またそんなことをさせる度胸が俺にはない!! ならば、その中間に位置するような命令を出し、無難にことをおさめるか……否。
なんだかんだでみんな楽しんでいるのに、そこに水をさすようなことは生徒会副会長として断じて出来ない!! ならば……方法は一つしかない!!
俺が会長に負けて、なおかつそんなに恥ずかしい命令を出さないにようにし、その上みんなの興も冷めないような展開に持っていく!! て、自分で言っててなんだけど、そんなことできんの!?
"カーン"
いや、できるとかできないじゃない……やるんだ!! このゴングが再び鳴り響くその前に!!
『さあ、始まりました本日のメインイベント!! 会長VS副会長のスペシャル下克上・マフラー争奪デスマッチ!! 実況は再び放送部部長の鏡実ことマコちゃんと、解説は人を探すのが面倒だったので、やっぱり引き続き記野崎君にお願いしたいと思います』
「あ、ああ……そんな、理由だったんだ……まあ、お願いします……」
おーい、記野崎。その女殴っていいぞ。俺が責任持つから。
まあ、そんなことはどうでもいい。今はこの試合に集中しよう。大丈夫。俺だってプロレスとか結構見てるし、キン肉マンだって何気に全部見てたから。アニメ版だけだけど……まず最初はリングの真ん中あたりで力比べだな。
『さあ、まずは両者リング中央でガッチリと組み合った! 会長対副会長! 女対男の力比べだ!』
どれだけでかくても会長は所詮女の子。力比べなら負け……な……あ、あれ? 押されてる……? く……こうなったら、不本意だが精神的に揺さぶりをかけるしかない。
「か、会長って結構力持ちなんですね……? でも、女の子が力持ちってそれどうなのかな~せっかくの美人って設定が台無しになっちゃうんじゃ……」
「お! か! ね! お! か! ね!」
「…………」
『服部選手の揺さぶりは通じない!! というか、チヨピー全く聞く耳を持たない!! この女は金に目がくらむと我を忘れる!!』
忘れてました……そういや、この人貧乏って設定だったんですよね……とか言ってる場合じゃねえ!!
『おおっと、チヨピー!! 服部選手を持ち上げて』
「オラァ!!」
『女子の声とは思えないような掛け声と共に、そのまま後ろに倒れこみブレーンバスターだ!! 服部選手の背中をキャンバスに叩きつける!!』
「ぐっは!!」
『服部選手あえぐ!! これは痛い!! ていうか、チヨピー最初から飛ばしすぎだろ!! お前はどんだけ金が欲しいんだよ!!』
信じらんねえ!! マジでブレーンバスターとかするか普通!? こっちは相手が女の子だからって結構気使ってんだぞ!! 一体何考えてんだ!?
「金~あたしの金~ウヒャヒャヒャヒャ」
金のことしか考えてなかった……
だー!! もう、やってられっかよ!! マジであったまきた!! 相手が女だろうが会長だろうが関係ねえよ!! マジでやってやんよ!! 泣かしてやんよ!!
『おおっと、服部選手すばやいフットワークでチヨピーの背後を取り、体をガッチリと両手でクラッチ!! この体制はまさか……』
おうともよ。そっちがブレーンバスターならこっちはこのまま後ろに反り返り、バックドロッ……
"ムニュ"
え……ムニュ……? これ……え? ウソ……もしかして、この腕に当たる感触って………………無理ぃ!!
『おおぉっと、これはどうしたことか!? 服部選手、バックドロップに入る絶好のポジションとタイミングを自ら崩し、距離をとった!!』
「何をやってるんだ、服部君!! 今のは絶好のチャンスだったじゃないか!!」
『セコンドの変態ふんどしメガネもお怒りだ!!』
おいちょっと待て。いつから会計さんがセコンドについたんだよ。てか、変態ふんどしメガネってあの人どんだけ嫌われてるの? まあ、あのナリじゃ無理もないだろうけど……
「一体どうしたというんだ服部君!!」
「うるさいな……のっぴきならない事情があるんですよ!!」
「のっぴきならない事情?」
「だから、その……バックドロップしようとしたら……何ていうか……腕にその……あの……柔らかい感触が…………もう、分かるでしょ!! てか、分かってくださいよ!!」
「……………………良いではないか。もっと積極的に攻めなさい。色んな意味で」
最低だ!! こいつ最低のアドバイスしてきやがった!!
『何と服部選手、腕に当たるチヨピーのおっぱいの感触にビビッてバックドロップができない!! 何たるヘタレ!! 何たるチキン!! うぶ過ぎてちょっとかわいいぞ!!』
うるせー!! てめえ、余計なこと実況してくれてんじゃねえよ!! 頼むから黙っててくれよ!!
「服部君、ならばいい考えがある」
「エロ関連ならお断りですよ、会計さん」
「安心しなさい。これなら18禁指定にされることはない」
「マジっすか!? で、その作戦とは?」
「ローキックだ。これなら絵的にエロくないし、続けていければダメージを蓄積することもできる!」
「なるほど! セコンドらしいアドバイス、ありがとうございます!!」
しかし、女の子を蹴るってのは……やっぱり、ちょっと……いや、そんなこと言ってられる状況じゃないんだし、ここはやるしかない! すいません、会長。手加減しますから許してくださ……
「かね~あたしのかね~10万よこせ~」
いや…………やっぱ、本気で蹴ろう。もう、足がへし折れるぐらいの勢いで蹴ってやろう。じゃ、ないとこのバイオハザードに出てくるようなお金大好きゾンビと化したバカ女の目を覚ますことは無理だろう。
「オラアアァァ!!」
『おおっと、服部選手の岩をも切り裂くような鋭いローキックが炸れ……』
"カキーン"
『あ、あれ? 何、この金属音みたいな効果音?』
「ぎ……ぎ……ぎゃあああぁぁぁ!! 足、足、足がああぁぁ!! 超痛えええぇぇぇ!!」
『おおぉぉっと、これはどういうことだ!? キックを放った服部選手、足を押さえてのたうちまわる!! しかし、チヨピーは全く動じず仁王立ち!! 一体何が起こったと言うのだ!?』
うるせえよ!! 知らねえよ!! こっちが聞きてえよ!! どうなってんだよ!! 何で蹴った俺のほうがダメージ貰うんだよ!! ていうか、やべーよ、これ絶対折れたよ!! 足へし折るつもりが、粉々に粉砕骨折してるよ!! 超帰りたい!! 今すぐ帰って病院行きたい!!
「甘くてよ、服部君。あなたがあたくしのこのカモシカのような美しい足を狙ってくることなんてお見通しですことよ」
んだよ、それ。何でそんなこと分かるんだよ。あんたは超能力者か何かか?
「ですから、あたくし。あらかじめこのボディタイツの下にオリハルコン製のスパッツを履いていましたのよ」
んだよ、オリハルコン製のスパッツって!! ねえよ、そんな物質!!
『おおっと、チヨピー何とオリハルコン製のスパッツを装備していた!! ちなみにオリハルコン製のスパッツは三丁目の金本金屋店……』
「あんの!? 売ってんの!? マジで!? 何者なんだよその金屋店!!」
『の隣にあるニトリで購入できます』
「またニトリかよ!! ニトリのラインナップどんだけ凄いんだよ!!」
だからといってニトリの店員に「オリハルコンのスパッツありますか?」なんて言うんじゃないぞ。間違いなく山奥の鉄格子がついた病院に搬送されるからな。
んなどうでもいい注意を促している場合じゃねえ。会長がずんずんと俺に近づいてくる。もう、女の子でも何でもないただの化け物が!!
「お前に対する慈悲の気持ちは全くねえ」
「何でだよ!!」
「お前を可哀想だとは全く思わねえ」
「思って!! お願い!!」
「しかし、このままお前をなぶって始末するというのあたくしの10万に後味の良くないものを残す」
「言ってる意味が分かんねえ!! 10万に後味の良くないものを残すってどういうこと!? ていうか、あんた本当に金の事しか考えられないの!?」
「その足が治癒するのに何秒かかる?」
「無理無理無理無理!! 俺はどっかのスタンド使えるヴァンパイアじゃねえんだよ!! 秒単位で足が治せるわけねえだろ!!」
「治ったと同時にあたくしのスタープラチナを叩き込む」
「ヤダヤダヤダヤダ!! そんなの食らったら僕ちゃん死んじゃう!! 間違いなく体が木っ端ミジンコのミジンコちゃんになっちゃう!!」
「もワガママね。でしたら、こうして差し上げますわ」
え、ちょ、待っ……
『おおぉっとここでチヨピー、服部選手を持ち上げたぁ!! そして、その体を仰向けに肩に乗せ、顎と太ももをガッッチリと掴んだ!! 解説の記野崎君、この体制はまさか……』
「ええ……正式名称アルゼンチン・バックブリーカー、またの名を人間マフラーとも言いますが、ここはあえてこう呼ばせていただきましょう。タワーブリッジと!!」
うがあああぁぁ!!
『きたああぁぁ!! ロビンマスク、伝家の宝刀タワーブリッジだああぁぁ!!』
「このタワーブリッジと言う技はですね、アントニオ・ロッカというプロレスラーがエアブレーンスピンをかけようとした時に、相手選手が暴れて偶然かかってしまった技で、そのあまりの威力に相手選手がそのままギブアップしてしまったほど強力な技なんですよ」
あああぁぁ!! ああああぁぁぁ!!
『それは知らなかった!! 何とこのタワーブリッジ、加減を間違えば本物のプロレスラーでさせ耐えられないほど強力な関節技だった!! はたして、そんな物をプロどころか素人の高校生に使っていいのか!?』
いいわきゃねえだろうが!! 何のん気に実況と解説やってくれてんだ、てめえらは!! さっきから背骨が悲鳴をあげてるよ!! むしろ断末魔の叫びだよ!! もう虫の息なんだよ!!
『おっと、ここで危険とみなしレフェリーの角田先生がリングに入ります』
「服部ギブ? 服部ギブ?」
「イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、イエス、ギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブギブ、アイアムギブアーップ!!」
『おおぉっと!! 服部選手即答でギブアップを連呼だ!! 何たるヘタレ!! この男の辞書に根性という文字はないのか!? 負けてもいいというのか!? フルチンになってもいいというのか!?』
何とでも言えよ!! 何でもしてやるよ!! フルチン登校どころかフルチンで米軍基地乗り込んで隣の晩御飯してきてやるよ!! 銃撃をかいくぐって食堂で飯食って「うん、ダメだね。もっと栄養バランスのとれた食事しなきゃ」て言って逃げ切ってみせるよ!! だから、頼むからこの苦しみから解放させてくれええぇぇ!!
『さあ、このギブアップを受けてレフェリーの角田先生は……』
「………………ファイ!!」
『続行!! まさかのギブアップをまさかのガン無視!! 試合は終わらない、この俺が終わらせない!!』
てんめ、ふざけんなよ!! それでも教師か!! ていうか人間か!!
「仕方ないわね、服部君は」
「え……」
『これはどういうことだ!? チヨピー技をといて服部選手をキャンバスに放り投げたぞ!! 苦しむ服部選手の姿に情でもわいたというのか!?』
それならもうちょっとソフトに下ろして……こんな背中から落とされたらヘルニアになっちゃう……て、え……
「うげ!」
『いや、違う!! チヨピー、服部選手に馬乗りになってマウントを取りに行った!! なぶり殺しにする気だあぁ!!』
この人どこまで鬼畜なんだよ……こいつこそ本当に鬼畜超人じゃんか……
『服部選手どうすることもできない!! もはや殺すも生かすもチヨピーの気分しだい!! 絶・体・絶・めえええぇぇぇ!!』
ああ……もうダメだ……痛みと苦しみで会長の顔が悪魔将軍に見えてきた……これから俺フルボッコにされんだろうな……畜生……何で俺がこんな目にあわなきゃいけないんだよ……俺、何か悪いことしたか? むしろ、すっごい頑張った方だぜ? 入学してまだ一ヶ月も立ってないのにこんな訳分かんない勝負のリングに立たされてさ……それでも相手が女の子だからって、気使ってさ……よく考えたら俺一回もこの人にダメージらしいダメージ与えてねえじゃん……んだよそれ……こんなの公開処刑じゃねえか……こんなんだったらあの時バックドロップかましてやりゃ良かったな……ちくしょうこのでかい胸のせいで……この胸の……胸の……あれ……ちょ、待っ……ええええぇぇぇ!!
「やべえええぇぇぇ!!」
"ムニュ"
とんでもない物を見てしまった俺は、思わず会長のおっぱいを鷲づかみにしてしまった。
『これはなんということだ!! 服部選手やばいと叫びながらチヨピーのおっぱいを鷲づかみにしたあぁ!! お前の行動の方がよっぽどやばいぞおぉ!!』
「うるせえぇぇ!! こっちにはこうしなきゃならねえ事情があるんだよ!!」
「へえ……それはどんな事情なのかしら? ねえ、服部君? よければ、その事情とやらをお姉さんに話してくださる? 返答しだいではぶち殺しますけど」
「ええもう、ぶち殺されようが八つ裂きにされようが文句は言いません!! だから俺の話を落ち着いて聞いてください!!」
「何よ!! 早く言いなさい!!」
「会長!! ブラジャーが透けて見えてます!!」
「え……」
「しかも、そのブラジャーは覆わなければならない部分を覆っていないんです!! 会長の乳首が透けて見えそうなんです!! あんたなんでそんな物付けて着てんすか!!」
「な……!!」
『何ということだ!! チヨピーはわたくしが一年の時の身体測定で100円ショップの下着を着けてきた彼女に同情し、冗談半分で買ってやったセクシー下着を着けていたあぁ!! 下の方もかなりきわどいものですが、それはオリハルコン製のスパッツがガードしてくれるでしょう!! しかし、ブラの方はノーガード!! それはまずい!! あのブラジャーは通常のブラと違い、アンダーバストをささえるだけで乳首の部分が丸見えなエロエロ仕様だ!!』
同情したんならもっとまともな奴買ってやれよ……
『しかし、なぜだチヨピー!! なぜそんな危険なブラを着用してきた!!』
「え、だってマコがこれは勝負下着だからここぞという勝負の時に着なさいって……」
『勝負の意味がちがああぁぁう!! というか、普通分かるだろ!! 16歳なら女子でもそのぐらい分かるだろ!! お前はどんだけ可愛いんだ!!』
「え? え? 何? あたくし何を間違えたの?」
た、確かにこの無垢さはちょっと可愛いかも……
「ねえ、服部君。あたくしは何を間違えたの? 勝負って何の勝負なの?」
「えっと……だからその……男と女の勝負です……」
「これ男と女の勝負でしょ?」
「いや、そういうんじゃなくて……あの……もう、そんなんどうでもいいですから、自分で胸かくしてください!! いつまでも胸掴んでたら俺変態みたいじゃないすか!!」
「そ、それもそうね……ごめんなさい……」
俺が手を離すと同時に会長が左手で胸を隠し、俺の上から離れた。会長、俺の方こそおっぱいもんだあげく逆ギレしてごめんさい……それにしても……想像以上に柔らかかった……
『さあ、マウントポジションをとき、お互い距離をとった! チヨピーは胸を隠すため左腕が使えず、服部選手は右足がへし折れた状態。お互い条件は五分と五分といったところか?』
全然五分五分じゃねえだろ。これどう見ても俺のほうが損傷大だろ。いや、会長も自業自得とは精神的には結構つらいはずだよな。あの人だって普通の女の子なんだし。ん……
「見・せ・ろ! 見・せ・ろ!」
こ、これは……!!
『おおぉぉっと、ここで会場の男子生徒全員による、見せろコールだ!! 女子生徒からの「何こいつら……マジキモいんですけど」「ちょ、マジで死んでくんない?」的な視線をもろともしない!! はっきり言って軽蔑!! 正直言って幻滅!! イケメンからダサ男まで男子生徒全員が、この瞬間女子生徒にとっては汚物でしかなくなった!! 彼らの青春がこの先桃色に染まることはないでしょう!! 特に二年、三年の男子が名誉挽回することは絶望的でしょう!! しかし、それでも彼らは構わない!! 一時の幸福が得られればそれで構わない!! チヨピーのピンク色の乳首が見れれば死んでも本望なのでしょう!!』
「ちょ、マコ!! ピンク色とか言わないでよ!!」
『ならばチヨピーよ!! 先週スーパー銭湯で見た時にはピンク色だったお前の乳首が、この一週間で峰不二子のように漆黒の物へ変わったというのか!?』
「変わるわけないでしょ!! 何で乳首の色が変わるのよ!!」
『それすらも分からないとは、やはりお前はお子様だああぁぁ!!』
あんた頼むから黙っててくんない?
「と、ということは結論として会長の乳首はピンクだということか!!」
「それはぜひとも見たい!! 見たいぞ!!」
「よし、ここはあの服部って奴の応援をしよう!!」
「頑張れハンゾウ!!」
おーい、盛り上がるなよバカな男子達……気持ちは分かるんだけどさ……そこは堪えろよ……そんな邪な応援されてもこっちは嬉しくねえんだよ……あと、ハンゾウって言った奴、後で絶対ぶっ殺す!!
などと嘆いていると、今度は二、三年生の席から会長に向かって野次が飛んできた。
「おい、会田ぁ!! お前、生徒の要望には100%答えるとか言ってたよな!!」
「え……そ、それは……たしかにあたくしのマニフェストですけど……」
「マジかよ!! だったら、俺らの要望に答えて乳見せろよ!!」
「そ、そんな……!! そんな要望は……」
「何だよ生徒会長の癖に生徒にウソつくの~?」
「いや、そういうわけじゃ……うぅ……」
おいおい、あの男子ども調子に乗りすぎだろ。同級生か上級生か分かんねえけど、いい加減にしろよ。会長涙目じゃん。女子も見てないで止めてくれよ。
「ちょっといい加減にしなさいよ、男子!! 会田さんが可哀想でしょ!!」
お、そうだそうだ。言ってやれ。
「るせえんだよ、ブスが!! てめえみたいな地球外生命体はウルトラマンに退治されてろ!! 俺は可愛い子のおっぱいが見たいんだよ!!」
ひでえ……気持ちは分かるんだけどさ……言葉を選べよ……
「んだと、クソが!! てめえ、青春どころか生命のともし火終わらせっぞゴラァ!!」
「やってみろや、バルタン女!! てめえなんざスペシウム光線使うまでもねえ!! 素手で殺してやる!!」
「上等だボケ!! 分身できるバルタンを舐めんなよ!!」
あーあ、場外でも男対女の乱闘が始まっちゃったよ。まあ、あっちは先生が止めてくれるだろう。てか、あの上級生自分でバルタンって言ってたけどマジなのか……
いや、そんなことどうでもいい。そんなことよりこの状況の方がまずい。もう会長が乳首見せなきゃ暴動が起きそうな雰囲気だもん。
けど、もっとやべえのはそんな暴が動起こる前に、俺の方がイライラで暴走しそうだってことだ。全く持って身勝手極まりないことをほざきやがる男どもにブチギレそうだ。けど、ここで安易にプッツンして怒りのまま暴れまくれば俺の高校生活三年間のあだ名は間違いなく鬼畜超人ハンゾウになるだろう。そんなのは死ぬほど嫌だ……ここは耐えろ、俺。何とかして男子たちを納得させる別の方法を探すんだ。そして、そのためにはまず時間を稼がなくては……ここはあの人に頼るしかない!!
「会計さん、このままじゃ本当に会長の乳首が晒し物になっちゃいます!! 何とかして男子達をなだめてくださ……」
「脱!! が!! せ!! 脱!! が!! せ!!」
「…………」
『おおっと、海原くん服部選手に対してまさかの脱がせコール!! これは酷い!! 酷すぎる!! というか、さっきまでセコンドとしてアドバイスを送っていた冷静な彼は何処に行ったのだ!? その目はT-ウィルスにおかされたゾンビのようにラリっている!!』
"プチン"
『おっと? 服部選手の頭のあたりから何かがきれるような音がしたが大丈夫なのか?』
もう、しょうがないな会計さんは♪ よいしょ♪
『服部選手、海原くんをコーナーポストに座らせ、一体何をする気だ?』
「いちねんせいになああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『海原くんの頭を脇に抱え込み体を持ち上げたああぁぁ!!』
「じょうきゅうせいの女子の服を脱がせるなんて真似、できるわきゃねえだろおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
"ズドーン"
『そのまま、後方に倒れこみ海原くんの頭をマットに突き刺したぁ!! 脳天直撃!! リング上の殺虫剤、雪崩式の垂直落下型DDTだぁ!!』
「ふざけるんじゃなーい!!」
『そして月に吼えたああぁぁ!! 凄い、凄すぎるぞ服部選手!! まるで戦闘神ギム・ギンガナムのようだ!! 解説の記野崎君、今の技は凄かったですね』
「ええ、DDTという技は相手の頭部を脇に抱え自らの体を後方に倒し、頭部に多大なダメージを与える技なんですが、この垂直落下型は文字通り相手の体をマットと垂直にし、頭部へ全体重を乗せる技なんです。それにトップロープからの雪崩式ですから高さも加わり威力も倍増するでしょう。てか、こんなの一般人にしたら普通死にますよ……」
『そこはご安心ください。この物語はフィクションでコメディーですから、人が死ぬことはありません!! しかし、現実でやれば高確率で死にますのでプロレスラー以外絶対に真似しないでください!!』
ちっくしょう、どいつもこいつもふざけやがって!! 何でこんな連中のために俺が体張らなきゃいけないんだよ!! 何で会長が辱められなきゃいけないんだよ!! いや、会長のことなんか好きでも何でもないけど……それでも、こんなバカみてえな奴らのために会長が嫌な思いすんのはすっげームカつく!! むしろ俺の方が嫌な思いをしているぐらいイラつく!! もうヤメだ!! こんな茶番は終わらせてやる!!
「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!」
『おおぉっと、服部選手雄たけびを上げたかと思うと、折れた方の右足も上げた!! 一体何をする気なのだ!?』
「こうすんだよ!!」
"ゴッキ"
「く~……」
『な、何ということだ!! 服部選手折れた足をマットに叩きつけ、その衝撃で骨折した部分を無理矢理くっつけたあぁ!! この男は化け物か!!』
痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、痛くない、決して痛くなんかない!!
「へ、へへ……さあて、会長……試合再開と行こうか……」
「く……!!」
『これは予想外の展開!! 服部選手は足の骨折で片足が使えず、チヨピーはおっぱいガードで片手が使えないため五分の勝負と思われていたが、服部選手の根性論むき出しな、常人はおろか超人でさえ絶対真似してはいけないような治療方法で骨折を治してしまった今、俄然服部選手が有利となった!! さあ、チヨピーはこのピンチをどう乗り切る!! そして服部選手はこのチャンスにどう攻めるのか!!』
「攻める……? 鏡先輩……何わけ分かんないこと言ってんすか……俺は攻めねえ!! ただ守る!!」
『これはどういうことだ!? 服部選手このチャンスに専守防衛宣言だ!! しかし、守るといってもチヨピーは攻められそうにないぞ? 本当にどういうことなんだ?』
だから~……こういうことだよ!!
『これはどうしたことだ!? 服部選手、突然チヨピーの周りを物凄い勢いで走りだしたぁ!! 早い、早い、早い、早い!! 人間の物とは思えない速さだ!! まるで台風の如く!! あるいは久しぶりに散歩に連れて行ってもらってはしゃぐ犬の如く!! ぐるぐると走り続けるううぅぅ!! しかし、これが服部選手の守るとはどういうことなのでしょう。確かにこれではチヨピーも手出しできそうにありませんが、それは最初からだったのでは……』
「いえ、鏡先輩。服部君はしっかりと守っていますよ」
『解説の記野崎君、それはどういうことですか?』
「リングを良く見てください。服部君が会長を中心に、その周りを超高速で走り続けることによって、その残像がドーナツ状の壁の役割を果たし、男子達から会長の姿が全く見えなくなっているのです。そう……服部君は自分ではなく会長のおっぱいを守っているのです!」
『これは何ということだ!! 服部選手、己ではなく敵であるチヨピーを守っていたあぁ!! しかし、分からない!! 一体なぜそのような行動を……』
「その答えは簡単です。服部君は生徒会副会長……そして、副会長たるもの会長を助け守るのが仕事だからです!」
『ちゅううぅぅしん!! まさに忠臣というより他に言葉が見つからない!! この男、下克上の場で忠義の心を見せつけたあぁ!! まさに忍びの姿をした侍だぁ!!』
「しかし、服部君の作戦はあくまで一時しのぎ。服部君の体力が無くなり足がとまれば、再び会長の姿がおバカな男子達の下にさらされてしまいます。そうなれば、またあの見せろコールが……いや、会計さんのように脱がせコールが起きるかもしれない。どうするんですか、服部君……」
心配はいらねえよ、記野崎。俺は何も闇雲に走り回ってるわけじゃねえ。ちゃんと、考えてあるんだぜ。
人の痛みも知らねえバカども……女が泣きそうになっても自分の欲望をほざく最低の男ども……そして何回言っても俺のことを忍者扱いする奴……全員目ん玉ひん剥いてよく見ておけ!!
「会長、ちょっと失礼します!」
「服部君、あなた何を……」
「臨!! 兵!! 闘!! 者!! 皆!! 陣!! 列!! 在!! 前!!」
「これは……!?」
「ふぅ、これで仕舞いだ……」
『おっと、ここでついに服部選手の体力も力尽き、足が止まっ…………な、何いいぃぃぃ!!』
「見さらせ男ども……これが俺の忍法だ!」
『これは何ということだ!! 服部選手、目にも止まらぬ早業で自らの赤いマフラーをチヨピーの胸に巻きつけ、即席のチューブトップでおっぱいを守りきったああぁぁ!!』
「これぞ、忍法蜘蛛糸縛りならぬ、胸元隠し!!」
『決まったああぁぁ!! 忍法胸元隠しでチヨピーの乳首を完全ガード!! 馬鹿な野郎どものスケベな視線を完全シャットアウト!! しかし、この試合はマフラー争奪デスマッチ。マフラーを失ったということは……』
"カーン、カーン、カーン"
『無情にもゴングウウゥゥ!! ここで服部選手の無念の敗北が決まったあぁ!! いえ、失礼しました……これは無念の敗北などではありません!! むしろ、勝利より誇るべき、名誉ある敗北です!! テリーマンに匹敵するほどの格好いい敗北です!! 正直、わたくし実況のマコちゃんもガチで惚れてしまいそうです!! どうだろう、服部君? お姉さんと付き合っ……』
「嫌です。同情した友達にエロ下着送るような女と付き合いたくありません。ごめんなさい」
『これは何ということだああぁぁ!! 勢いで告ったら即効でフラれたああぁぁ!! しかも、セクシーブラのことも根に持たれてたああぁぁ!! 責任の一端を感じている分、これはマジでへこみそうだああぁぁ!!』
ああ、へこめへこめ、大いにへこめ。そして、少し黙ってろ。あんたはそれぐらいがちょうどいい。てか、どうでもいいし。そんなことより、仕上げのマイクパフォーマンスだ。
「あ、どうも、負けちった服部です」
「何が負けちっただよ。わざと負けたくせに白々しいこと言ってんじゃねえぞ、一年!!」
「はい、すいません……」
『おっと、観客の男子たちから名誉の敗北を喫した服部選手に野次とコーラの缶が飛ぶ!! お前らはどこまで腐ってるんだ!! しかし、これは無理からぬこと。なぜなら、ポロリのチャンスとその期待を一身に背負いながらも、チヨピーのおっぱいを守るためとはいえ服部選手はその両方を自らの手でつぶしてしまったのです。男子たちの怒りは収まりがきくものではないでしょう』
「謝ってすむもんじゃねえぞ! お前後でどうなるか分かってんだろうな!!」
「はい、それはもう重々承知の上です。もう、フルチンどころかフルボッコも覚悟の上でやったことですから」
「おお、いい心がけじゃねえか。何なら今からでも遅くねえよ? その女のマフラーとって乳見せろ」
「あ、いや、その前にですね。皆様方に一言だけ言っておきたいことがあるんです」
「おお、何だよ。言ってみ?」
「はい、では……えー、てめえらは全員クソだ、でございます」
「………………あ?」
「だから……てめえら全員クソだっつってんだよ!! 耳がねえのか、頭がねえのか、両方か、ああん!?」
「な……!?」
「乳を見せろだ? 生徒会長ならウソをつくな? 脱がせ? っざけんなよ、クソどもが!! 会長が泣きそうになってんのによくそんなことが言えるな!! いいか、よく聞けてめえら……
女泣かせる男はクソだあぁ!!
女を辱める男はクズだあぁ!!
女を苦しめたり、それ見て喜ぶような変態は死ねえぇ!!
男ならなよぉ…………男ってもんはよおぉ………………
女を守ってなんぼの生き物だろうがああああぁぁぁぁ!!
てめえら、全員男じゃねえええええええぇぇぇぇぇぇ!!
おい、文句がある奴。俺は後でなんて言わねえ。後じゃなくていい。今でいい。今すぐでいい。このリングに上がって……
かかってこいやああああぁぁぁぁ!!
タメだろうが、先輩だろうが関係ねえ!! 腐った男どもは俺がぶっ潰してやる!!」
「な…………」
『な、何ということでしょう……野次を飛ばしていた男子達があまりの出来事に言葉を失っています……わたくし実況の鏡実も感動でマジ泣きしそうです……
そうです……そうなんです……わたくしたちフィクションの世界の女性キャラというのは古今東西色んな話で男性キャラの手によって使い捨てティッシュのようにボロボロにされてきたのです!!
サスペンスなストーリーの連続殺人鬼が殺すのはいつも若い女性ばかり……ストーカー殺人の被害にあうのも若い女性ばかり……大学教授とか偉い地位の人が不倫をしてそれが発覚するのを恐れて殺されるのも若い女性ばかり……いっつも、いっつも、いっつも、いっつも、若い女性ばかり!!
なぜ、中年男性ばかりを狙った殺人鬼が出てこないのですか!? なぜストーカー殺人にあう男前はいないのですか!? なぜ不倫がトラブルで若い女性がおっさんを殺さないのですか!? なぜ被害者はいつも若い女性なのですか!? なぜ女たちは簡単にポイポイ殺されなければならないのですか!?
答えは簡単です……それは女性キャラが死んだ方が何か話が盛り上がるからです!!
そうです!! わたくしたち女性キャラなんて所詮その程度にしか考えられていないのです!! そして、その風潮は昔よりも今の方が強まっているのです!! 男性キャラと女性キャラの死亡率を比べたら絶対女性キャラの方が圧倒的に上のはずなのです!! 男女平等とかほざいてるこのご時勢にです!!
しかし、服部君はそんな考えは許さないと言ってくれました。男なら女を守るものだと言ってくれました。女性キャラとしてこんなに嬉しいことはありません……全ての女性キャラを代表してお礼を言わせてください。ありがとう……「たとえ相手が殺人鬼だろうとテロリストだろうと女を傷つける奴は俺がぶっ殺す!」服部君、あなたの言葉をわたくしは忘れません……』
いや、全然違いますけど!? 俺そんなこと言ってないからね!? 勝手に変な台詞捏造しないで!! 俺が文句言ってんのはここにいる男どもだけだからね!? 何すか殺人鬼って!! んなもん登場したら俺ダッシュで逃げるよ!? マッハでバックれるよ!? あんたの恋愛フラグへし折ったからって、無理やり物騒な死亡フラグぶっ立てようしないでくださいよ!! ていうか、あんたさっきこの話はコメディーだから人は死なないって言ってたじゃん!! 変な心配しなくていいよ!!
『話がそれてしまったので、元に戻しましょう。
服部選手、満身創痍(どこもかしこも傷だらけ、という意味)・気息奄々(マジで死んじゃう五秒前♪ という意味)のその体で男子全員に宣戦布告!! 立っているのもやっと……いや、立つことさえ不可能なその体でなぜそこまで出来るのでしょう!! 何が彼の体を支えているのでしょう!!
副会長だから? 会長を守るのが仕事だから? いえ、そのどちらでもありません。
彼が男で!! チヨピーが女だから!! 男は女を守るもの!! ただ一つのその信念だけがボロボロの少年を、二足歩行の虎へと変えているのです!!
彼をヘタレと言ってしまったことを、今ここで訂正させてください!! 彼こそ、服部選手こそ、まさに漢の中の男!! そして侠の中の男!!
さあ、男子生徒諸君……この手負いの虎の挑戦を受け、君たちはどうする!?』
まあ、実際問題許しちゃもらえないだろうな……お祭りムードをぶち壊すような空気の読めないことしておいた挙句、逆ギレして喧嘩までふっかけたんだから。フルボッコで済みゃもうけもんだ。まあ、病院送りはかたいだろうけどな。でも、それでもいい。というかそれでいい。これで……
これで会長への矛先が俺に向く。
コメディーだからって調子にのって暴徒と化した男どもが、「ギャグでした」で済まそうとして会長に殺到し身ぐるみを全部剥がそうとする……などという最悪の事態は回避できた。まあ、この後は完膚なきまでに俺がボコボコにされるんだろうけど、それでも俺的にはすでに完全勝利だ。ざまあみろ。
さあ、覚悟は出来てるぜ。煮るなり焼くなりお好きにどうぞ。もう、どうにでもなれ。
"パチパチ……"
ん……
"パチパチパチパチ!!"
あ、あれ? 何だこれ? どういうことだ?
"パチパチパチパチパチパチパチパチ!!"
えっ……と?
俺に投げかけられたのは罵声でもブーイングでもコーラの缶でもなく、会場全体からの割れんばかりの拍手だった。
『先ほどまで野次を飛ばしていた男子生徒全員が……わたくしを含む女子生徒全員が……さきほど熱い戦いを繰り広げた校長が……保健室から駆けつけた教頭が……壊賀先生、角田先生、その他先生方が……奇しくも同時にスタンディングオベーション!! お聞きください、この割れんばかりの大喝采を!!』
何これ? 何で? どういうこと?
「おめでとう、服部君」
「ありがとうございます、会長……て、何でエヴァンゲリオンの最終回みたくなってんすか!! 意味分かんないすよ!! てか、何か気持ち悪い!!」
「まったく。とんだ道化ね、あなたは」
「どういうことっすか?」
「あたくし、言ったでしょ? あなたはクソがつくほどの真面目だって。いくら、悪人面しようとそんな薄っぺらな化粧では、下の真面目が透けて見えるのよ。あなたがそこまでして何を守ろうとしているかも、みんなお見通しなのよ」
え、マジで……? いや、それはいいんだけど……でもそれだと……俺かなり恥ずかしいんだけど……俺かなり臭いことやっちゃったんですけど! これもう、ある意味フルチンになるより恥ずかしいんだけど!! ちょ、もう拍手やめろ!! 笑顔でこっち見んな!! 何なら脱ごうか!? 今すぐにここで脱ごうか!? 何かもうそっちの方がマシに思えてきた!!
「ここであなたにフルチンで登校しろなんて言ったらあたくしが悪者になってしまいますわね……」
「会長……」
「仕方ありませんわ。ここは『フルチンで米軍基地に隣の晩御飯。銃撃をかいくぐって食堂でAランチを食べ、「うん、ダメだね。もっと栄養バランスの取れた食事しなきゃ」と言ってからトイレでウンコして流さずに逃げ帰る』にランクを下げましょう」
「会長!? それめちゃくちゃハードル上がってますよ!? バーが天空の城の遥か上空に位置してますよ!? ていうか、それ試合中に俺が考えていた妄想じゃん!! しかもレベルアップしてるじゃん!! てか、何であんたが知ってんの!? マジで超能力者!? つーか、んなことマジでやったら、食堂にたどり着く前に蜂の巣にされるよ!! 全裸で殺された挙句、国際問題に発展するよ!! 史上最悪の死に方だよ!!」
「冗談よ、冗談。あなたへの命令は、そうね……これからも副会長としてあたくしを助けてちょうだいね?」
「か、会長……」
ウインクをなげかけてきた会長に、不覚にも、一瞬だけど、俺は……ときめいてしまった……
「服部君、お返事は?」
「は、はい!」
「よろしくてよ」
『ここで再び拍手喝采!! まさに大団円!! 美しきかなハッピーエンド!! いい最終回だった!! この馬鹿馬鹿しい戦いの幕切れが、こうまで綺麗な物になるなど果たして誰が予想したでしょう!! そして誰がこの終わり方にケチをつけられましょう!! 誰もおりません!! わたくし実況のマコちゃんを含め、この会場にいる全ての人間が納得!! そして大満足!! 文句を言うものなど誰一人として……』
「おっぱいもみもみさせてええぇぇ!!」
『いたああぁぁ!! その名は生徒会会計・二年の海原啓だあぁ!! 復活したと思ったら、血まみれで「おっぱいもませて」発言!! この空気の読めない言動に会場ドン引き!! 身内のあまりの醜態にチヨピー半泣き!! 服部君と同じ生徒会だというのに、この差は何だというのだ!?』
本当何なんでしょうね……俺も教えてほしい……てか、会長だけじゃなくて俺も半泣き……
「会田さぁん!!」
「海原君、あなたという人は……恥ずかしくないの?」
「いやもう、そんなんどうでもいいからおっぱいまもせろおぉ!!」
「キャア!!」
『我を忘れた変態海原がチヨピーに襲い掛かる!!』
「そうはさせん!!」
『ここで校長がリングに乱入だあぁ!!』
「な……!? 貴様は伝説の校長!!」
「海原君、おしおきの時間だ!!」
何だよ伝説の校長って。それ、ただの校長だよ。何なんだよこのコントは。もういいよ、面倒臭えよ。お前ら二人とも死ねよ。フルチンで米軍の基地に行って撃ち殺されてこいよ。トイレでウンコしている最中に蜂の巣にされてこいよ。
「校長とて我が性欲は止められん!!」
『海原君、校長先生に突っ込んでいく!!』
「むん!」
『校長先生、それをフェイスロックに捉え……あ、いや、これは……』
「ぬおおぉぉ!!」
「なにぃ!! 校長、まさか貴様……!!」
『持ち上げたああぁぁ!! 校長先生、海原君の巨体を持ち上げたあぁ!! そして、両足を掴んで空高くジャーンプ!! 2m、3m、4m!! 上がる上がる、どんどん上がる!! 体育館の天井にぶつかりそうな勢いだ!!』
え、ちょ……この体制ってまさか……
『そして落ちてくる、落ちてくる!! 物凄い勢いで落ちてくるううぅぅ!!』
"ドオオオオオォォォォン!!"
『轟音をとどろかせながらキャンバスに着地いぃ!! あまりの衝撃にリングがひしゃげたぁ!!』
「ゴハッ!!」
『海原君、吐血ぅ!! ダメージは深刻だぁ!! やはりこの技の威力は凄まじい!! 解説の記野崎君!! わたくしはあえて語りません!! この技の解説をお願いします!!』
「はい、分かりました。と、言っても僕が語るようなことはないのですが……それでも、あえて解説いたします!! 敵の左肩下に頭をもぐりこませ、両腕の絡みを強固にして、大地の巨木を引き抜く心構えで敵の体を高くさしあげる。そして、両内腿をおさえ体の自由を奪ってしまう。そのまま鷹のごとく高く舞い上がり、稲妻のごとき勢いで敵を叩きつければ、首・背骨・腰骨・両足の大腿骨の五箇所が同時に粉砕される。あれこそがキン肉族48の必殺技の一つ! 五所蹂躪絡み!! またの名を……キン肉バスター!!」
『キン肉バスタアアァァ!! それ以上でもそれ以下でもない!! キン肉バスタアアァァ!! アルティメットスカーバスター、マッスルGとさまざまな派生技がある中、あえて最も美しいこの元祖キン肉バスターで海原君に引導を渡したあぁ!! もう一度言わせてください!! キン肉バスタアアァァ!!』
あんたドンだけキン肉バスター好きなんだよ……てか、盛り上がっている場合じゃねえだろ。校長これ明らかにやりすぎだろ。いくらコメディでも会計さん死ぬぞ。
『おっと、よく見ると校長の額にキン肉マンと同じあの文字が浮かび上がっている!!』
何!? まさか万太郎が火事場のクソ力を使う時だけ現れるあの肉の字が……
――――
内
――――
なーい!! 肉じゃなーい!! 線が二本足りなーい!!
何なんだよ、内って!! 何でちょいちょいおしい間違いすんだよ!! てか、キン肉マンと同じじゃねえじゃん!! ちょっと期待しちゃった俺すげーバカみたいじゃん!! 何マンなんだよ、あのおっさん!!
『校長の額に現れた内の字は、内藤守の内です!!』
知らねえよ、あんなどうでもいいサブキャラのフルネームなんて!! どうせ、あんなのもうあんまり使われないんだから出さなくていいよ、そんな設定!!
"カーン、カーン、カーン"
『ここでゴングウゥ!! 今、長い長い戦いに終止符が打たれた!!』
何のゴングだよ!! 何の勝負だったんだよ!! もう意味分かんねえよ!!
『これにて、本日の試合は全て終了とさえていただきます。ちなみに前回から姿の見えない風間ちゃんは、刺激が強すぎるというこで、何者かの手によって子守の女子生徒数名と視聴覚室でアンパンマンのDVDを見ています』
「ふ、計画通り……」
誰の指示かはあえて聞かないよ。たぶん、あんたのすぐ近くにいる得意げな顔したロリコンの仕業だろうからな。ま、何はともあれこれで終わりか……
『最後に、わたくしから熱い戦いを見せてくれた選手に言っておきたいことがあります』
そう言うと、鏡先輩は俺のこと潤んだ瞳で見つめてきた。
一体何だろう……? このイベントの礼なら俺じゃなくて会長に言ってくれよ。俺はただ参加……というか巻き込まれただけで、考えたのは会長なんだから。
『二度とッ……二度とこんな試合は見られないでしょう!! ただの一試合とて凡庸な内容はありません!! 全ての試合が大勝負!! 全ての試合が名試合!! そして全ての選手が………………
イカしてたああぁぁ!!
現代社会において「強い」ということが、あるいは無意味との声もあるでしょう……しかし覚悟を決めて入場する選手の表情の!! 己の実力が通じず敗北をうけいれる選手の表情の!! 傷つき勝利をてにしたときの選手の表情の!! そのどれもが我々の心を突き動かさずにはおきません!! 強くあろうとする姿は…………かくも美しい!!!! 「強い」ことは美しい!!!! 「強い」ことはスバラシイ!!!! ストロング イズ ビューティフル!!!! アリガトウ!! 本当にアリガトウ……』
あんたそれ、まんまグラップラー刃牙のアナウンサーの台詞じゃん……ん? まさか!! この人といい会長といい、このイベントってバキの地上最強トーナメントごっこをやりたかっただけじゃ……!! そうなんですか、会長!?
「10万♪ 10万♪」
や、違うな。会長のこの嬉しそうな顔は、たぶんただ単に金がほしかっただけだな。この馬鹿げた祭りは10万ゲットするための単なる口実だな、うん。
まあ、あの人も生活苦しいんだろうし、突っ込むのも疲れるし、許してやるか……それに、何だかんだで鏡先輩に礼を言われて悪い気はしないからな……
『アリガトウ、校長先生!!』
て、結局最後は校長かいいいぃぃ!!
次回予告的な
人は他人の気持ちというのが必要以上に気になる生き物です。その相手が異性となればなおさらのこと。それはなぜかというと、人が自分の気持ちにすら気づけない不器用な生き物だから……
次回は長輔がそんな自分の気持ちに気づいてしまうお話です。え? えらくまともな次回予告をするんだな、ですって? まあ、たまにはそんな回もあります。
というわけで、次回の生徒会伝説は
「リア充死ね第五回「世の中金が全てじゃない!! ほんの99.9%ぐらいだ!! だから、地球のみんな!! ちこっとだけオラに金を分けてくれ!!」」
をお送りします。え? 次回のサブタイがいかれてるって? たりめえだ!! リア充なんてみんな不幸になっちまえ!!
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