第454話 地球からの手紙 ――家族達――
エネフィアから送り出したメッセージ転送装置が帰って来たのは、丁度エネフィアで一週間が経過した頃の朝だった。その時間が丁度転送してから一週間だったので、此方の時間に合わせて帰還したのだろう、とは学者達の言葉だ。
「ん?……帰って来た!」
学生たちの嬉しそうな声が響く。メッセージ転送装置は片割れとなる赤い宝玉の所へと戻ってくる様に設定されており、その片割れは学園の体育館の誰もがわかる場所に安置されて、厳重な警備の下で監視されていたのだ。そうして、帰って来たと同時に、『導きの双玉』は2つとも砕け散った。
「おい、誰か! 急いで職員室と放送室へ行って、帰って来た事を知らせてくれ!」
「おう、ちょっと行って来る!」
冒険部に所属している如何を問わず誰もが、一週間で何度も体育館に確認しに来ていた為、今日も体育館には人が多かった。なのですぐに伝わるとは思うのだが、伝令を遣るのが確実だと思い、監視の生徒が確認に来ていた生徒に使いを頼む。
そうして頼まれた生徒も喜びが勝り、嫌は無く、大急ぎで2つの場所へと向かい、即座に放送で全校生徒へと連絡が入るのだった。
「おお! 帰って来た!」
続々と生徒が体育館に集まり始める。誰もが顔に喜色が浮かんでおり、開封の時を今か今かと待ちわびている様子であった。だが、誰もが我慢していた。開封するのは、全員が揃った時、と決めていたのだ。そうして、街へと出ていた冒険者達も大慌てで学園へと戻ってきて、ついにその時を迎える。
「開けるぞ」
カイトの声が、静まり返った体育館に響いた。学園全体の事で魔術やこういった公爵家絡みとなると、最近では彼が取り仕切る事が多い為、異論は出ない。まあ、それ以前に誰もが中を取り出してくれるなら、誰でも良いと思っていた事も大きい。
「手紙……か。ん?」
カイトは一番上に添えられていた手紙に気付き、それをまずは手に取る。そうして、そこに書かれていた文字を見て、思わず顔に笑みを浮かべる。
「おい、ソラ。お前宛だ」
「ん? なんだよ?」
カイトの近くに居たソラは、カイトの顔に浮かんだ笑みは理解出来なかったが、手紙を受け取る。
「……げっ、親父……必要ならば、やれ? なんだこりゃ?」
「裏見ろ、裏」
「……げっ。何だこの長ったらしい文……」
ソラは嫌そうに呟いたが、それが聞こえていた最前列の生徒達は違う。彼の父親のことは当たり前だが、有名だ。そして、当然彼が地球に居る事も。
「おい、天城! 親父さんってマジか?」
「……俺が見間違えるかよ……」
期待が一気に絶望へと変わったソラを見て、全員が日本から来た手紙だと理解する。
「さて……こっちが本題か」
そうしてカイトが取り出したのは、一つの電子機器。送り出したSSDとは違う、同じく天桜財閥製のSSDだった。とは言え、違うのは製品のシリアル番号だけなので、その他は同じだが。
地球側で覇王達が色々と考慮して、きちんと届いているという事を知らせると同時に、一体どんな変化があったのかを調べるために送った物は検査にまわしたのであった。
「おい、パソコンにこれ繋いで……って、はい。検閲ですね」
「当たり前でしょ。なんで私まで一緒だと思っているの?」
カイトにも、若干の焦りがあったのだろう。ついそのままパソコンに繋いでもらおうとして、シアに睨まれた。当たり前だが、日本と皇国には国交は無い。何か要らない情報が無いのか、と検閲を受ける必要があった。
とは言え、若干の不満はあれど、誰も不安は無い。なにせ、日本から送られたというのはすでにわかっていたからだ。
「じゃあ、急いで検閲するから、少し待ってなさい。PCルーム借りるわよ」
「手早くな。じゃあ、こいつはサーバーに繋いでおこう」
カイトが持っていたSSDは急いで学園のサーバーへと繋がれ、情報が転送される。内部のフォルダはクラス毎にきちんと分類分けされていた様で、手間はそこまでは必要が無かった。
そうして、シア率いる皇国の検閲官達によって、各クラス総計15クラス、それに教員達の分が一気に検閲が終わらせられる。まあ、一個5分弱の映像だったらしいので、それでも4時間ぐらいの時間は要したのだが。
「……終わったわよ。貴方のご家族って、貴方のご家族ね」
「は?」
カイトの所属する2年A組を担当していたシアが、一番最後に検閲を終わらせた。何故長くなったのかというと、桜の一家が複数個あった上、煌士がものすごく長いメッセージを送ったからだ。
幾ら仕事とは言え他人のメッセージを検閲し、それをレポートに纏め上げる作業まで平行して行った為、彼女は少しだけ、疲れたような顔であった。
「……はぁ……これで貴方のクラスも問題無しよ」
「……お疲れ」
「ありがと……で、少し来なさい」
やはり、一クラス分一気見は疲れたのだろう。彼女は目を瞑って少しだけ、こめかみをほぐして、カイトを人気のない所に呼び出す。
「あれは、誰?」
「は?」
「これよ」
シアが、密かに撮影したらしいパソコンの画面を映し出す。そこには、白銀の髪を持つ一人の美麗な少女が、映っていた。それに、カイトが平然と答えた。
「向こうのオレの女だな」
「……それで通用するとでも?」
「いーや、全く」
半眼で睨んできたシアに、カイトが笑う。通用する、とは露とも思っていない。そうして、そんなカイトに、シアは通信機を取り出して、告げる。
「似すぎている。いえ、確かに違いも多い……でも、私は子孫だからこそ、断言出来る。これは、誰? お父様も大いに驚いていらっしゃるわ」
『すまぬな、マクダウェル公。俺も流石にこれは問わねばなるまい。誰なのだ、これは』
どうやら既に、皇帝レオンハルトにも情報が行っていたらしい。彼が通信機の先から、問いかける。それに、カイトがため息を吐いた。
「かつて、初代陛下は即位式の折り。ルルという名を告げられた……これはご存知ですか?」
『ああ。初代陛下の妹の幼名だときき……』
皇帝レオンハルトが口にして、思い至る。ここでその名が出されて、更には、他人と言うにはあまりに似た少女、なのだ。思い当たる節は、ただひとつしか、存在していなかった。そして、それをカイトも認める。
「初代陛下を探して、地球に来ていた、らしいです」
『そんな偶然が……』
「偶然、か。それはどうなのでしょうね。彼女は一族最高の天才、だそうです。何故地球に来たのか、というのは不明ですが、ね。何か思う所があった可能性はあり得る」
カイトは彼女から、正確な所は聞き及んでいない。恥ずかしがって話さないからだ。だが、無意味に探していたとは、思えない。意図はあった、と考えるのが筋だった。
「まあ、さすが初代陛下が天才と褒めそやす妹殿だからなのか、こちらではその本名は最も有名な名の一つ、となっています。誰もが知ってるでしょうね」
カイトが苦笑しながら、皇帝レオンハルトに知りうる情報の一部を開陳する。それに、シアも皇帝レオンハルトも苦笑するしかない。
『結局、血筋か』
「それは自慢よ、お父様」
『む……』
娘からの言葉に、それは確かに、と皇帝レオンハルトが笑う。彼らも、その血筋なのだ。取りようによっては、これは確かに、自慢だった。そうして、少し照れた皇帝レオンハルトがカイトに頭を下げた。
『いや、すまぬな、マクダウェル公。まさかこの様な場で陛下の妹殿の姿を見るとは……にしても、知り合い、なのか?』
「まあ……なにせ、ね」
シアはティナの血筋については知らない。なので二人は言外に言葉を交わし合う。それで、皇帝レオンハルトが凡そを把握した。
『なるほど……聞き及んでいる様な、優しき方だ。シア、これで俺からは許可を出す。後はお前に任せた』
「お父様が認められたのなら、こっちも問題は無いわ」
「そうか。じゃあ、有り難く、許可を下ろそう。では、陛下。失礼致します」
『ああ』
カイトの言葉を聞いて、皇帝レオンハルトが通信を切断する。そうして、全てのメッセージの閲覧に、許可が下りた事を、カイトは桜に伝えに行く。
「さて……じゃあ、閲覧を許可が出たぞ」
「はい」
生徒会長として検閲官がおかしな行動をしていない事の承認として彼らと一緒に居た桜に、シアから受け取った全員分の許可を出す。桜はそれに頷くと、桜田校長、瞬と共に足早に職員室へと向かって行く。
「これで、良し、か……」
「今すぐ見るつもり?」
「いーや。後にする。どうせ混むだろうし、人数分のパソコンは無いからな。オレは寝る」
そうして、カイトは会議室に向かう事にする。あそこにはベッドがあるので、仮眠を取るつもりだったのだ。
「じゃあ、私も寝るわ……少し疲れたもの」
「好きにしろ」
カイトの言葉に、シアが後に続く。まあ、数時間他人の家族の動画をぶっ通しで見ていたのだ。疲れたのだろう。そうして、二人は少しだけ、時間をズラすために仮眠を取る事にするのだった。
時間が経過して夕方頃。昼一番に検閲が終わったので、人波が空き始めた頃だ。カイトとティナ、そしてカイトの肩の上のユリィは人気のないPCルームへと入る。
ティナも同じ考えで、人気の無くなった頃を見計らったのだ。ユリィは当たり前だが、カイトの家族に興味津々なので、即座に合流した。なお、先ほどまでカイトと一緒だったシアは報告を聞くために、検査官達と会議を行っていた。
「良し、空いてるな」
「まあ、そりゃそうじゃろう」
「カイト、早く、早く」
PCルームの中を覗くと、まだちらほらと閲覧している面子が居るが、それでも混雑はしていない。そうして、自身のIDを使って学園のサーバーにアクセスして、自分の動画を探す。
「あった」
「む? 桜の動画に関連付けが為されておる?何故じゃ?」
「さぁ……あ、確か噂程度に桜の弟と同じクラスだ、って言ってたな」
「そういえば、そうじゃったな。大方一緒に撮影して、写り込んだところかのう」
固唾を呑むユリィを前に、カイトが映像を展開する。そうして映ったのは、カイトの家族だ。どうやら全員息災変わりないらしく、元気そうだった。
「へー、これがカイトの家族なんだ……うっわ、カイトの小さい頃よりも可愛い」
「うっさい」
当たり前だが、ユリィは今まで一度もカイトの家族の姿を見たことが無い。居るのは知っていても、それだけだ。なので、彼女は感慨深げに呟いた。
ちなみに、彼女が可愛いと言ったのは、海瑠の事だ。彼はカイトの様に精悍ではなく、どちらかと言えば母親や姉に似て可愛らしい顔立ちだった。そうして、暫くして動画の読み込みが終わり、再生が始まる。
『あー、まあ、なんや。元気にしとるんやったら、それでええわ。取り敢えず、お前の友人とやらは一回出来るなら、連れて来いや』
『ティナちゃん、カイトをよろしくお願いします』
最初に、カイトの両親のメッセージがあり、此方はかなり照れくさそうだったが、普通に無事だ、との連絡だった。そして次に浬と海瑠の番らしく、二人が前に出る。だが、これが大問題だった。
『お兄ちゃんへ。まず、先に言わせておいて。帰ったらぶん殴る! 何やってんの! 何やったの! 一体何あれ! 巻き込まれて大変なんだけど!』
「……カイト、何やったの?」
「知らん……オレも聞きたい」
怒涛の勢い告げられていく浬の愚痴。ユリィだけでなく、カイトもティナも呆気に取られる。物凄い量と大きな声で、横の両親の動揺はもとより、いきなりの怒号に混乱を極めたらしい周囲のざわめきまで録画されていた。
『と言うか、何、取っ替え引っ替え女を、ってマジでやっちゃったの! 馬鹿じゃないの! なんなの! 刺されて死にたいの!』
「お、おぅ……」
「カ、カイトよ。音量を下げろ。さすがに迷惑じゃ」
尚も続く罵倒に、ティナが大慌てで指示する。いきなり響いた大声に、周囲の生徒たちが何事か、と此方を見ていた。どうやら浬の引き起こした騒動は世界を越える事に成功したらしい。
『で、お兄ちゃん! どうせ無事なんだから、次の連絡でエルザさんのサイン入り初版のCD、何処にあるのか教えて! エリザさんのサイン入り写真集も! 遺品として回収してあげるから!』
「いや、浬、兄の安否はどうでもいいんっすか!」
『えーっと、お姉ちゃん……さすがにそろそろ抑えないと……後、お兄ちゃんそれじゃ死んでるよ……多分、お兄ちゃんなら、どこかに隠してるんじゃないかな……』
どうやら、何人も覗きこんでいるのだろう。海瑠がかなり恥ずかしげに浬を制止する。が、尚も怒りが治まらない様子の浬は、終始そんな感じであった。そうして、なんとか浬の怒号が収まった所で、海瑠の番になった。
『えーっと……それで、お兄ちゃん。僕の方は大丈夫だよ。後、いろんな人に会ったよ。元気にしてるから、安心してね。あ、ロン先生がよろしく言っておいて、って。えーっと他には……あ、ミナ……えっとパラスさん? だっけ……って人とかも……』
カイトはこの瞬間、超絶に嫌な予感がしたのは言うまでもない。が、まあ、カイトは異世界にいるのだ。地球で起きている事に対処したくとも、対処は出来ない。いや、まあ、地球に単独帰還出来る彼なら可能だが。
「あの、カイトくん? 大丈夫ですか?」
「あー、うん。まあ、うん」
桜に気付いて一度動画を停止させたカイトが、若干照れながら頷く。どうやら一番始めの怒号は桜にも聞こえていたのだろう。それと一緒にゾロゾロと浬の声を聞きつけたソラ達もやってくる。まあ、彼らも浬の事は既知だし、心配ではあったのだろう。
「あ、海瑠くんだ。懐かしいなー」
そうして集まって気付くのは、やはり画面の人物だ。二人の姿を確認すると、魅衣や由利らカイトの弟妹を知る面子が、懐かしげに笑みを浮かべる。浬の方は後輩で魅衣とは趣味も合ったことから、時々一緒に買い物に出掛けていたりしたのである。と、そうしてソラが問いかける。
「お前んとこはどうだった?」
「こっちは元気だ。ソラんところも元気そうだったな」
「るせー」
明らかにいつも通りのしっかりとした筆圧の文字を見て、カイトも星矢が至って変わらない事に気付いていた。ソラが若干照れくさそうだったので、どうやら他の家族にも変わりが無かったようだ。それに、他の面々にしても大してショックを受けた様子は無かったので、変わらないのだろう。
「あ、そうだ! カイト、そういえばお姉が妊娠したんだって! お腹もおっきくなっててびっくりしたー」
「ああ、良かったな。帰る時にはきちんとおみやげ持って帰ってやれ」
「うん! あ、でも生まれるまでに帰れるかなー」
魅衣は姉の妊娠を知り、非常に嬉しそうだった。生まれるまでに帰れるかどうかはわからないが、心待ちにしているようだ。そんな魅衣に、カイトがアドバイスを送る。
「なら、いくつか買って帰ってやれよ。子供用、乳幼児期用でな」
「んー、そうね。そうしよ」
そうして、魅衣がうんうん、とおみやげを何にしようか頭を悩ませる。と、そんな風に家族を懐かしんで各々の家族の近況を教え合っていた一同だが、ソラがどうやらカイトの動画の続きが気になったらしい。顎で画面を示した。
「おい、カイト。そろそろ次行ってくれよ。ちょっと気になる」
「ん? まあ、別に良いか」
別に見られて困るような情報があるとは思えないので、再び再生を開始する。
『えーっと、あとは……あ、御門先生が、帰って来たら今度そっちのいい女紹介して、って。で、息子さんの知り合いだっていうえっと……なんだっけ……金色のピアスしてた人がやめてくれ、って頼んでたよ』
「あのおっさん、何やってんだ……」
「御門先生って、誰ー? 第8中にはそんな先生居なかったよねー?」
浬と海瑠が天神市立第8中学校に通うのは由利だけでなく、先輩にあたるソラ達には周知の事実だ。だが、一度もおっさんぐらいの年齢の『御門先生』とは聞いたことが無かった。新任の教師かと思ったのだが、実情は違った。
「御門の字、なんて書く思う?」
「んー? 皇帝の帝」
「あ……成る程。そういうことですか」
どうやら桜がそれで把握したらしい。顔に苦笑を浮かべていた。まあ、彼女の場合は御門の時点で若干ひっかかっていたのだろうが、帝の字に変換されて気付いたのだろう。
「え、桜ちゃん、今のでわかるの?」
「多分、仏教の帝釈天様ですよね?」
「だろうな……あのおっさん……そんなに暇なのか……スサノオの奴いねえだろうな……」
カイトは苦笑しているが、何処か嬉しそうだった。まあ、帝釈天ことインドラはカイトが最も懇意にしている神様だし、神様の仕事から逃げる口実に使ったのかもしれない。
『あ、で、尊兄ちゃんが、ソラ兄ちゃんと担任の雨宮? って人をよろしく、って……どういうこと?』
「……俺? それに、雨宮センセ? つか、尊?」
「素盞鳴尊だろうな。お前らの氏神だろ……実はあいつ、海瑠がお気に入りらしくてな。大方夏に実家帰った時にまーた接触したんだろうな。で、正体バレか」
「ああ、なる」
『えーっと、後は……あ、これはダメかな』
「何が……」
カイトは気になるが、その後告げられることは無かった。ちなみに、海瑠が何を言おうとしたのかというと、横にフェルという少女が居る、という事なのだが、そのフェルに止められた、というわけである。
『えーっと……後は……』
『海瑠、伝言になってない?』
『あ……え、えっと、取り敢えず、皆元気にしてます。お父さん、もういいよ』
『おう。と、いうことで、お前も体調崩さん様にしっかりやれや。それと、元気に帰って来い。こっちもお前らが帰れんかやってみてるからな』
そうして父親の言葉で録画が終わり、一つ目のメッセージは終わりを告げるのであった。と、そこでカイトが首を傾げる。
「あれ? ルイス映って無いな……」
「映ってたのか?」
「らしい……けど、ねぇんだよな……」
嫌そうな顔のティナに、カイトが頷く。ルイスというのは、先のルルという少女をカイトが呼ぶ時の名前だ。色々あったらしい。ちなみに、ティナは少し苦手意識があるらしく、顔を顰めていたのである。そうして、首を傾げたカイトは、自らの権限で閲覧出来る動画を更に、開く事にするのだった。
お読み頂き有難う御座いました。
次回予告:第455話『地球からの手紙』
2016年8月25日 追記
・誤用修正
『息災無い』というのは誤用でした。修正しました。