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第112話 実践

 前章のステータス表を上げました。それと、活動報告に『閑話』『断章』『外伝』の差についての説明を書いています。興味のある方はどうぞ。

 異空間にて各自で練習を始めたソラ達から少し離れ、カイトは再び話を開始する。

「でだ、これから三人にも教えるんだが……取り敢えず何を教えるかは考えている。まずは瑞樹。瑞樹は竜殺しは知っているか?」

「当たり前ですわ……日本だと素盞鳴尊(スサノオノミコト)、ゲルマンのベオウルフ、先のジークフリート、聖ゲオルク等が居ますわね。他にも……」

「……ああ、それぐらいでいい。」

 カイトの予想以上に名前が上ったのだが、取り敢えず上げて欲しかった名前があったので、カイトは切り上げさせた。相変わらずの知識量に唖然となるカイトではあったが、とりあえずはこの知識は無駄には成らないどころかメリットなので有難いと考える事にした。

「でだ、取り敢えず切り札に竜殺しを教えるつもりなんだが……問題がひとつ。西欧の武器だとどれもコレも魔剣の因子が内包されてしまってな。必然かなりの代償を求めてくる。でだ、そこでまずは見せ札で比較的代償の少ない武器を教えようと思う。」

「まあ、ジークフリートのグラムは持ち主が全員不幸に倒れましたし、ベオウルフのネイリングは竜の頭にたたきつけて折れましたものね。」

 カイトの言葉に頷く様に、瑞樹が伝説の話でのデメリットを上げる。カイトはそれに頷いて、更に補足を入れた。

「ベオウルフの場合はフルンティングのほうが有名だしな……フルンティングは水魔相手には効果無いが。」

「……あら?そういえば、聖ゲオルグのアスカロンは確か聖剣ではありませんの?何か破滅的な逸話があったとは記憶していませんし。まあ、槍だったのではないかと色々な謂れは有りますが……関係無いんでしたわね。」

 先ほどカイトが別系統の武器に別系統の武器を組み込めると言っていた事を思い出して、瑞樹が尋ねる。ちなみに、聖ゲオルグも竜を討伐した一神教の偉人なのだが、カイトが少しだけ困った顔をする。

「あー、聖ゲオルグは一神教の偉人だろ?その後に竜の居た土地の人間を改宗させてるし……で、ここが厄介な所なんだが……オレとティナはここ数年の地球での活動で思い切り一神教の集団からは警戒されまくりでな。アスカロンやロンギヌスといった一神教の武器はレプリカも見れていない。おまけにああいう宗教と密接に関連した武器だと信者じゃないと使用不可だからな。オレには再現できん。」

 カイトとしては一神教の武器にも興味があったのだが、さすがに秘中の秘たる武器や秘跡を警戒している相手に見せる程、お人好しではなかった。その為、正体を知られればほぼ確実に門前払いを食らうのであった。まあ、正体は知られていないのだが。

「警戒って……一体どうしてですの?」

 まがりなりにも地球で最大の宗教の一つである。瑞樹にはそれが地球では無名のカイトを警戒する理由がわからなかった。

「詳しく話すと長くなるんだが……端的に言うと、各地の遺跡の残ってるのって一神教が異端として廃れさせたり、討伐したりした神話や種族が多くて……な。それらがオレを盟主に報復するんじゃないか、って警戒されてるらしい。」

「まあ、わからなくもありませんわね。」

 苦笑したカイトに言われてみれば、瑞樹の方も納得が出来た。今まで数多の宗教や神話、異族を邪教、異端、悪魔として排除してきた地球の一神教である。その結果地球で大勢力となれたわけだが……当然買った恨みは数知れず、異族や神々と親交を深めた上、それらを地球規模で纏め上げるカイトを警戒して当然であった。

「そういうわけで聖ゲオルグは却下なわけだ。まあ、オレがこんなじゃないか、と思う武器でいいなら、それでもいいんだがな。それに……聖ゲオルグの話は最初だと槍で倒したことになっているからな。実情はさすがに知らんが。槍を両手剣に組み込めるからといって、両手剣で済むならそれの方が良い。違和感は少なくなるからな。」

「ええ……と言うか、本当に詳しいですわね。」

 打てば響く、といった具合に返してくるカイトの知識に、瑞樹は少しだけ目を見開いて感心する。

「オレの場合はこれが生命線だからな。当然エネフィアの英雄たちの武具も知っているし、幾つかは本物も所有している。見たければ後で見せてやろうか?」

「ええ、是非。これでも目利きには自信が有りましてよ?」

 自信ありげにそう言う瑞樹。若干嬉しそうなのは、美麗な美術品を見るのが好きだからか。それに、カイトは少しだけいたずらを思いついた少年の様な笑みを浮かべる。瞬と凛は気付いたようだが、瑞樹は気付かなかった。まあ、カイトは彼女から見えない様な立ち位置で笑みを浮かべたからなのだが。

「ほう……と、まあ、それはいいとして……この技最大のデメリットとメリットを言っていないな。まずはデメリットだが……この技を使用すると、持ち主にもその英雄の概念を付与してしまう。先のグラムの場合は当然滅びを内包してしまう。長時間使用すると確定で死ぬわけだ。」

「そんな技を教えようとするな!」

 あまりに極端なデメリットを聞いた瞬が、その瞬間に怒鳴る。とはいえ、これは極論の場合だけだ。当然、カイトもそうならないように考えていた。なので、カイトは身を乗り出した瞬を押さえ、告げた。

「まあ待てって。そこまで長時間使用しなければいいだけの話だ。別に常に所持しているわけじゃないしな。一回解除すれば自然と持ち主への呪いも解除される。要はタイムリミットがある、と考えれば良いだけの話だ。」

「ああ、そういうことか。」

「まあ、今のままだと呪いが出る前に魔力切れで使えなくなるのは確実だから、気にするな。だが、知らないのは問題だからな。まずは教えておいた……で、メリットだが、これが裏返る。……瑞樹、ジークフリートの有名は話は?」

 問われた瑞樹は、その話のあらすじを思い出し、有名な逸話を語り始める。

「邪龍ファフニールを討伐した際に、血を浴びて不死身になったことでしょうか……背中に一枚の木葉が張り付いていたことから、その部分は除かれたらしいですが……もしかして、擬似的な不死身になれるんですの?」

「そういうことだ。」

 笑ってそう答えるカイト。時間制限有りとはいえ、デメリットを補って余りあるメリットであった。

「それは……なんというかとんでもないメリットですわね。短時間決戦ならば無敵ですわ。」

「まあ、それでも偽物だから、圧倒的に力量が上の相手には無効化される。過信はするな。っと、それで教えるのはこのグラム……<<選定の魔剣(グラム)>>だ。」

 そう言ってカイトは赤黒く光る140センチ程もある大剣を創り出す。それは血の如くに禍々しい赤を誇る

が、それらを含めて尚、刀身は何処か、美しかった。

「本物……ですの?」

 息を呑む様な美しさに惹かれ、瑞樹は陶酔に似た表情で大剣を鑑みる。それは、今まで自分が見てきたありとあらゆる古今東西の古美術品の比では無い美しさであった。が、カイトはその質問に笑みを浮かべて、首を横に振った。

 自分が作った偽物が、真に迫ると褒められて少し嬉しかったのである。まあ、鍛冶師として少しだけ修練を積み、本物を見た事のあるカイトとしては、これでもまだ納得していないのだが。

「いや、偽物だ……本物は地球にある北欧の隠れ里に秘蔵されている。今の持ち主はジークフリートの娘だ。当然、お家の家宝だ。」

「……見たことがお有りで?」

 あまりにも真に迫った造形に思わず息を呑んだ瑞樹は、それが本物を見たからだ、と感づく。一条兄妹も同じように息を呑んでいた。そうして、カイトは瑞樹の問い掛けに頷く。

「ある。方々伝手を頼って隠されていた里へとたどり着いて、色々あって見せてもらえた。こういう伝説の武器を所有している隠れ里や、異族や神々の里は地球にも幾つかある。ちなみに、神族はエネフィアだと天族と一緒に隠れて暮らしているな。それでも表に出れば影響力はクズハ達に匹敵するんだが……まあ、かつての大戦でも出てきた奴も居るには居る……んだが、あいつは出てくると碌な事が無い……あいつ、元気でやってんのかなぁ。」

 話している最中から何処か懐かしげな口ぶりに変わったカイト。この神族は気まぐれに少し表に出れば影響力が英雄や建国の祖と同等かそれ以上で、できればカイトとしても出てきてほしくない存在である。

 ちなみに、カイトとこの神族が揃って出てくると、碌な事にならないので―神族からさえ―引っ込んでおいて欲しかったのは秘密であった。そうして、久しぶりに会いに行ってみるか、と誰にとっても有り難くない考えを頭に浮かべたカイトに対して、瑞樹がかなり興味ありげな様子で問い掛けた。

「神々って……居るんですの?」

「神族って扱いになるがな。それでも並の種族より圧倒的に力量は上。匹敵するのは各種族長達と、年嵩の龍族ぐらいだろう……いや、さすがに<<古龍(エルダー・ドラゴン)>>や精霊たちには圧倒的に劣るが。奴らがこの世界で最強生命だ。」

 最後の最後でカイトが笑いながら修正する。あまりに神族を持ち上げたので、大精霊たち―主にシルフィ―から抗議を受けたのだ。そのため一応精霊たちを持ち上げておく。

「あとはカイトも余裕で倒せるよねー。ティナも圧倒するし。」

「今のお前とクズハなら並の神族なら倒せるだろう。まあ、オレは神殺しの武器も所有しているからな。世界からすれば奴らに対する天敵の扱いだ。」

 カイトはその一件に関してだけは自身のぶっ飛びっぷりを把握しており、さすがに肩を竦める。両世界最強の勇者に、更に神殺しの武器まで持たせたのである。どれだけ強かろうが特攻の武器を持つ以上、神族であっても問題なく勝利を得られた。

「でだ、これを瑞樹に習得してもらいたいんだが……まあ、今は無理だな。取り敢えずはこっちの<<灰燼剣(レーヴァテイン)>>を覚えてくれ。」

 そう言ってカイトは炎で刀身が構成された剣を創り出す。とは言え、今はカイトが強引に炎を抑えているので、かなり小さな炎で出来た剣であった。

「レーヴァテイン……ラグナレクにて全てを焼き払ったスルトの剣ですわね?」

「ああ……デメリットは使いすぎると自分も焼き払ってしまうことだ。メリットは炎の巨人が使ったことから、一切の火属性の無効化。まあ、一回使ってみせるか……おらよ!」

 カイトは剣の抑えを解くと、思い切り横になぎ払う。すると斬撃は炎と化し、カイトの前方を焼きつくした。

「詳しいやり方は後で教えよう。」

「ええ、お願い致しますわ。」

 そうしてカイトは更に、順にどういう手順を踏んでいくのか、というプランを瑞樹に教えていった。




「でだ、次は先輩。先輩には幾つか教えておく。まずはこの三本から好きな順番で習得してくれ。」

 そう言ってカイトは空中に3本の槍を創り出した。その内一本は前に瞬が見て、今なお練習している槍であった。なので、彼はそれに気付いた瞬間、驚きを露わにした。

「それは……俺が前に見た槍か!」

 瞬は興奮した様子で金色に光る槍を見る。

「ん?これだったのか……」

 そう言ってカイトは金色の槍を手にとった。どの槍でアルと戦ったのかすでに忘却の彼方であった為、カイトには正体が掴めなかったのである。

「これは軍神インドラがインドの英雄カルナに与えたとされる神々さえ一撃で屠る必殺の槍だな。名称は<<神雷槍(シャクティ)>>。デメリットはどの様な絶対の守りでも使用中は確実に効果を失う、一日一発しか使えない。タイムリミットによるデメリットは一時的な全ての武器技(アーツ)の使用不可と、騎乗している場合は馬車等の車輪が外れて行動不可になること……まあ、本来の逸話から考えれば、一日一発は黙認できるレベルだし、そもそも馬車に乗って戦うのはエネフィアだと珍しいからな。が、武器技(アーツ)の使用不可は死活問題になる。まあ、インドラの武器として作り出せばこれらデメリットは消去されるだろうが……その代わりとんでもない魔力を食う。オレも切り札としてしか使わない。ちなみに、軍神当人はそんなに強くない。」

 カイトが頭を振りながら告げる。本来のカルナの逸話では<<神雷槍(シャクティ)>>は一度しか使えない事になっていた。それを考えれば、十分に実用的であるだろう。

「グングニルじゃなかったのか……」

 投げた槍が敵を追いかけ続けたので、ついグングニルかと思っていた瞬。実はアレは外れても狙い続けるという因子をアルに警戒されないように、カイトが操作していただけであった。そんな事を露とも思っていなかった瞬が、分からないのも無理は無いだろう。

「カルナ、といえば黄金の鎧とイヤリングはいいんですの?」

 どうやらインド神話まで覚えているらしい瑞樹が、カイトの語った英雄の有名な武具を思い出して問い掛けた。

 カルナは父である太陽神スーリヤから自分の子である、という証に自身と一体化した鎧とイヤリングを授けられていた。ちなみに、カルナの伝説では、この鎧のほうが有名である。だからこそ、カイトは今度こそ、瑞樹の指摘に呆れ返った。

 英雄カルナはインドでこそ有名だが、日本ではあまり馴染み無い神話であった。ちなみに、彼の事が記された『マハーバーラタ』は中東ではかなり有名な叙事詩なので知っていてもおかしくはないのだが、やはり、世界各国の逸話に詳しすぎだろう。もしかしたら、趣味で調べてるのかも、とカイトは思った。

「なんでマハーバーラタまで押さえてんだ……まあ、オレもあっちの方が使い勝手がいいと思うが……その代わりにとんでもない数とレベルの不運に見舞われる。<<神雷槍(シャクティ)>>との併用は不可だしな。バッドラックなんて普段なら大した影響が無いように思えるが、戦闘中にはかなり深刻だ。経験談から言えば、必勝のタイミングで味方の流れ弾が飛んでくるなどとんでもない物ばかりだったな。」

 これらのデメリットから、さしものカイトも回避不能の場合における一瞬のみに留めている。まあ、自身が回避不能の一瞬に追い込まれる時点で力量で負けているので、どのみち意味がないのだが。

「まあ、コイツは本来の使い方をすると……」

 そう言ってカイトが槍に魔力を込めると、槍の周囲には紫電が漂い始める。

「おぉおおお!」

 気合を込めて槍を突き出すと、槍の先端から極大の雷が一直線に放出される。雷はどこまでも伸びていき、カイトが魔力を解くと同時に消失してしまった。

「魔力を込め続ける限り、この雷が継続される。相手の防御との根比べになるわけだ。投槍として使っても同じだな。先輩ならこっちの方がいいだろう。」

「ああ……それで、他のは?」

 先を促されたカイトは右手に穂先に文字の書かれた槍を、左手には穂先が5又になった槍を手にとった。

「右手のは<<隻眼主神の投槍(グングニル)>>で、放てば必ず当たるという槍。メリットは魔術に長ける、更には知識に貪欲であったことから、相手の使用した魔術をある程度は理解可能となる。デメリットは狼に関連する相手だった場合、弱くなってしまう、片目が使用不可となる。」

 そうして右手の槍を消失させ、左手の解説に移る。

「こっちは<<必勝槍(ブリューナグ)>>で、穂先から伸びた攻撃で5体まで同時に攻撃可能だ。メリットは魔術、戦闘等全般に秀でられること、デメリットは全般に秀でられるが、特化した能力を持つ者に比べて頭一つ劣る、ということ……このデメリットは何故かと言うと、ルーをあまり知らないというオレに起因する。まあ、その御蔭で使い勝手はいいな。タイムリミットによるデメリットは無い。」

 そう言って解説を終えたカイトは、左手の槍を消失させる。まだ会ったこともない神の武器を知れというのは、さすがにカイトも無理なのであった。なので、これだけはカイトの創作である。

「で、最後の一つ……これは当分まともに使えるとは思っていない。」

 カイトはそういうや、右手に血以上に赤黒い、何処か禍々しくも神々しい槍を取った。そして瞬達が今までで見たことがない程に冷酷な目をする。

「コイツはクランの猛犬の異名を取るクー・フーリンが使ったとされる魔槍、<<刺殺魔槍(ゲイ・ボルグ)>>。瑞樹がさっき名前を挙げていた英雄だ。武器技(アーツ)は刺されば30の棘となり、破裂する。それで死ななくとも、この槍で傷つけられれば治らない。他にも奇妙な軌道を描いて確実に命中する、など多岐に渡る。投槍としても有名で、投げれば必ず命中し、稲妻の様な速度で敵を纏めて貫通するなどの逸話がある……まあ、早い話が必中且つ必殺の武器だ。使用者への最大のデメリットは唯一つ、手加減不能ということ。使えば相手を殺すという結末しかもたらさない。まあ、他にも犬系統の相手を攻撃できなくなる、というのもあるが、こっちは自分の力が低減する程度で済むので、気をつけるだけで対処可能だ。タイムリミットのデメリットは半身がしびれる事。」

 元の伝説では、クー・フーリンが同格の相手にさえ最後の最後でしか使用しなかった魔槍である。その効果は絶大で、同格の相手でさえ、この魔槍の前には敗れ去っている。それ故にカイトは手加減出来ぬ事をデメリットとして再現させたのであった。

 余談だが、このクー・フーリンの投槍は脚で投げていたという逸話があるが、カイトがとある縁で出会った本人が否定していた為、カイトはそれを嘘と判断している。

「使用者へのメリットは、如何な重傷でも決して倒れること無く戦い続けられること。伝説の本人が最後には、この魔槍で刺されて倒れ、こぼれ落ちた内臓を取り出して洗って腹に収めて、更に自身を木に括りつけ、最後まで決して倒れなかった事から、だな。」

「おいおい……どんな逸話だよ。」

 カイトが平然と語る。クー・フーリンもまた、日本ではあまり馴染みのない英雄だ。瞬がその逸話を知らなくても無理は無いだろう。瞬の顔が引き攣り、瑞樹は事実なんだ、とドン引きしていた。

「日本の武蔵坊弁慶も似たようなことやってるぞ。先輩には最終的にこれを習得してもらう。ソラ達にも言ったが、メリット・デメリットの話は最終段階の話だ。今は一発限りの、相手を選んだ特攻の武器とでも思っておけ。地球に帰る頃に、こんなの出来る様になりました、ぐらいで考えときゃいいだろ。」

 そんな二人に対して、カイトは溜め息を吐いて告げる。当たり前だが、メリットもデメリットも真に迫る様な逸品を組み込めて、初めて出来ることなのだ。少しでも異なれば、単なるレプリカ程度にしか認められない。そうして最後の槍を消失させた。

「で、私は何なんです?確か、蛇腹剣を使った英雄はいないんですよね?」

「まあ、な。しょうがないから、オレが作った技で我慢してくれ。」

 瑞樹、兄の解説が終わったと見て取って、凛がカイトへと問い掛ける。今までは地球で活躍した英雄や神で済んでいたのだが、蛇腹剣を使うものは居ない。そこでカイトが新たに技を開発したのだった。

 お読み頂き有難う御座いました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 伝説の本人が最後には、この魔槍で刺されて倒れ、こぼれ落ちた内蔵を取り出して洗って…とありますが内蔵ではなく内臓だと思います。
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