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いつでもほほえみを
作:GUCCHON



第9話:キラーンッ!!


「えーっと、じゃあ……」

 ざわざわ

「班決めを……」

 ざわざわ

「したいと……聞けぇぇぇぇっ!!」

 教室内に姫野君の高めの声が響き渡る。
今はLHR中で、議題は春の遠足について。
毎年、4月の後半に一年生は、新しいクラスの親睦を深めるために、霧上高原へとハイキングに行く。
初めてのイベントということもあってか、皆一様に浮き足立っていた。
私ももぅウキウキだよぅ♪
クラス委員ということで、議長を務める姫野君は、収まりのつかない状況にちょっとイライラしているみたいだ。
あっ、ちなみに私は書記ねっ!
教室からは、バナナはおやつに入りますかーとか、おやつはいくらまでですかーとかいう(主に矢島君の)声が聞こえてくる。
姫野君はその一つ一つに律儀に突っ込んでいた。
……実際遠足にバナナ持ってきてる人を見たことないのは、私だけ?

「あーもぅ……じゃあとりあえず男女3人ずつの6人班を作って」
半ば投げやりに姫野君は言う。
うわぁ……姫野君大変そうだなぁっ!
「あんた……何を人事みたいに言ってんの? あんたもクラス委員でしょうが」
「うわぁっ! ビックリしたっ!」
み、美樹ちゃん……音もなく近づいてくるのはやめて……。
「あんたもクラス委員らしくクラスをまとめようとしなさいよ……って、まぁ皆大体誰と組むかなんて決まってんのよね」
美樹ちゃんの言うとおり、女子同士、男子同士の3人ペアはあっという間に出来上がっている。
仕方ないからあんたと組むわ、と美樹ちゃんは言った。
「そんなぁ、美樹ちゃん照れちゃってぇ、本当は私と組みたいんでしょっ?!」
ふふふん♪ 美樹ちゃん素直じゃないんだからっ!
「いや、ほんとに仕方なくだから。あんた遠足とかに限って絶対遅刻するじゃない」
うっ!
「前日、興奮しすぎて寝付けないぃ、とかいって」
うぅっ……!
「でも結局は遅くになってから寝て、寝過ごすのよね?」
……うぅ。
美樹ちゃんは言い切ったっ! と言うように、ふふんと鼻を鳴らした。
「ご、ごめんなさい……」
「いやあんた、そうなるのは決定事項なわけ?」
せめてそうならないように努力しなさいよね、と美樹ちゃんが言う。
が、頑張るよっ! ……出来る限り。

「あ、あの……」
後ろからあずちゃんが何か言いたそうに手をモジモジしながら話しかけてくる。
「あっ、あず。あずも一緒の班で回るでしょ?」
美樹ちゃんがそういうと、あずちゃんも顔がパッと明るくなった。
「あっ、うんっ! お願いします」
ペコリと頭を下げながらあずちゃんが言う。
それに美樹ちゃんもこちらこそと返して、あずちゃんと二人で笑いあった。
おーい、私が置いてけぼりだぞぉ。
それにしても美樹ちゃん……私のときと反応違すぎない?
ぶぇつにいいけどさぁ、ぐすんぐすん。
「ちょっとエミ、あんた何拗ねてるのよ?」
美樹ちゃんが両手の親指と人差し指をつんつんさせて言う。
「す、拗ねてない拗ねてないよっ! あは、あはははっ!」
私が慌てて取り繕うと、美樹ちゃんは私の頬をつねろうとしたその手を引っ込めて、ちぇっ、と言った。
……つねる気満々だったのね、美樹ちゃん?

 まぁ、とにかく、あずちゃんを加えて3人っ! 班決め終了っ! ……じゃなかった。
まだ男子と組んでないもんね。
男子同士、女子同士は簡単に決まるけど、男女のペアとなるとなかなか決まらないものだったりする。
……うーん、いっその事、あみだくじか何かで決めちゃおうかな?
なんてことを考えていると森本さーんっ! と美樹ちゃんを呼ぶ声が聞こえてきた。
声のほうに目をやれば、そこにいたのは前に美樹ちゃんに思いっきり殴られた矢島君だった。
「ねぇねぇ森本さんっ、俺らと組もうよっ! 俺、森本さんたちとなら楽しくやれると思うんだよねっ!!」
「私は全くそうは思わないけどね……そっちの、ええと、武藤君は私達とでいいの?」
美樹ちゃんはそう言いながら矢島君の後ろを見る。
見れば、そこには退屈そうに欠伸をしている武藤君がいた。
「あぁ……別に」
武藤君は表情も変えずに、興味なさげに答える。
「……あらそ。エミもあずもいい?」
私とあずちゃんはそれぞれに肯定の意を表した。
あずちゃんは何か慌てた様子だったけど……何だろ?
「はぁ……じゃあ私もいいけど、あと一人は誰よ? あんた達2人しかいないじゃない」
おぉっ、確かにっ! 気づかなかったっ!
美樹ちゃんが突っ込むと矢島君はあぁ、と言って言葉を続けた。
「あいつあいつ、教壇でいじられてるあいつだよ!」
そこには……クラスの男子に笑ちゃーんっ! と言われてムキーっ! とか言ってる姫野君の姿が。
その姿を見た美樹ちゃん。
その瞬間、美樹ちゃんの目が妖しく光ったのを私は見てしまった。
「ふーん、笑ちゃんね……」
そう美樹ちゃんは呟いて、矢島君の手をがしっと握る。
美樹ちゃんが矢島君にアイコンタクトを送って……
矢島君がそれに相槌を打って……
二人でちらりとこちらを見る。
そして、一言。
「「楽しく……なりそうね(だな)」」

 な、なにか不吉な予感しかしないよぅ……。






お久しぶりの更新です。
第9話、お届けいたしました。
……短っ!一週間以上間を空けたのに全然文章が出てこず……。いやでも何とか新しい展開に持ち込むことが出来まして、自分の気分としてはほくほくですっ♪

あっ、いきなりですが、こんな小説ですが、イラストを描いてやってもいいぞーって方がおりましたらご一報くださいっ!宜しくお願いしますっ!!

あっ、あともう一つっ! わかりづらい、最後がよくわからないと各方面から評判(?)の短編小説、「誰かが扉を開けるまで」のほうも合わせて宜しくお願いしますっ!

感想、評価、まってまーすっ!!






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