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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ねぇ、いきなり詰んでるんだけど?

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DPを使おう

「なにこれ、うまっ! 『めろんぱん』めっちゃうまっ! ケーマ、こんなおいしいのたべてたわけ?!」

 メロンパンが気になっていたらしいだらしないダンジョンコアことロクコに『メロンパン』を一口与えたところ、目をキラキラさせながらそのまま全部平らげてしまった。
 お前、パン食うのかよ。ていうかモノ食うのかよ。初めて見たぞ。

「な、なによ。私だって食べ物くらい食べられるわよ」
「でも、不要だよね?」
「それはそうだけど、こう、嗜好品ってやつよ。嗜好品。……もっとないの?」

 一応これ、1個5DPするんですけどね? 飲み物とセットで。
 菓子パン詰め合わせだと6個くらい入ってるから、セットで頼むと地味にお高いわけだ。
 いや、俺も山賊に菓子パン詰め合わせくれてやって知ったんだけどね。気付かなかった。
 尚、飲み物も安いのなら樽で5DPって感じだから……あれ、だいぶボられてた感があるぞ……。

「まぁ、パンも色々あるけどもさ、DPは節約しないと……」
「い、いいじゃないの。今は2000はあるんでしょ? だ、だったら、ちょ、ちょっとくらい使っても……ッ」

 あ、これ目がマジだ。

「あんただって『枕』とか『オフトン』とかで自分の好きなように使ってるじゃない! 私にもちょっとくらいいいでしょ?!」
「お前だってゴブリン出したじゃねーか」
「なっ! ご、ゴブ助は関係ないでしょ?! それにたった20DPでしょ、ケーマは毎日ごはん食べるのにDPつかってんじゃないの!」

 いつ名前つけた?! それも初耳だぞ!

「ってか、俺のごはんの半分をゴブリンにやってんだから折半だ。その分維持費になるから実際20DPじゃ収まらないんだぞこのゴブリン……むしろ現状何の役にも立ってないごくつぶしだろ、完全にお前のペットじゃねーか」
「ち、ちがうもん! ゴブ助はやればできるもん! ねっ、ゴブ助!」

 急に話を振られて、『え? 何、なんでそこで話ふってくんの?』とキョトンとしてるゴブ助。
 なんだろう、この鼻が潰れて下あごの牙が特徴的なゴブリン顔が犬っぽく見えてきた気がする。
 ……ドッグフードとか食べるんだろうか?

「まぁいい。実際、使いすぎないのであれば少しくらいは使ってもいいと思っているからな……とりあえず今後はパンや飲み物をそれぞれ詰め合わせで買うとすれば、DPの消費もそんな変わらないだろ」

 むしろ抑えられるかもしれない、というのは黙っとこう。

「やった! じゃあさっそく詰め合わせのパン出して!」
「自分で選んだ方がよくないか? お前もメニューからDPつかえるんだろ?」
「え? でも私、『パンの詰め合わせ』とか『めろんぱん』とか見たことないわよ? ……あれ、増えてる? おー、『黒パン』と『白パン』と『めろんぱん』から選べるのね! 知らなかったわ!」

 ん? なんだって?

「おい、選択肢がどうなってるかもう一度言ってくれ」
「え? だから、『黒パン』と『白パン』と『めろんぱん』の3つよ?」
「…………それだけか?」
「? ええ、それだけだけど?」

 俺は、『菓子パン詰め合わせ(5DP)』を……個別チョイスとして『クリームパン』『アンパン』『ジャムパン』『蒸しパン』『アップルパイ』『揚げパン』を選択し、DPと交換した。

「これは何だかわかるか?」
「……パン、よね? なにこれ、初めて見る形だわ。ていうか、ケーマの作るパンってなんか透明なので包まれてるけど、これは食べられるの?」
「いや、それは喰えない。ビニールっつってな、裂いて開けて中身を食べるんだ……ちなみにそれは『アンパン』っていうんだぞ。食べてみろ」
「へぇ、『あんぱん』っていうのね。……あむっ……~~~! うまっ! 『あんぱん』もすごうま! へぇ、中に黄色いの(・・・・)が入ってるのね。おお、甘いっ! 何コレ、おいしっ」

 俺はひとつ思いついたことがあり、『クリームパン』を渡していた。

「ロクコ、メニューのパン詰め合わせをもう一度見て、選択肢が増えてたりしないか見てくれ」
「え? うん。……増えてる。『あんぱん』が増えてる。へー、こういうこともあるんだ」
「じゃあ、次はその『あんぱん』をロクコが出してみてくれ。メロンパンを混ぜてもいいぞ」
「本当?! ふふふ、じゃあ、は、半々に、3つずつ……ふふ、ふっふっふ!」
「おう、『あんぱん』ひとつもらうぞ」
「あーーーー?!」

 ロクコが『パンの詰め合わせ』を出したところで、『あんぱん』をひとつ回収する。……うん、『クリームパン』だわ、これ。どっからみても『クリームパン』だ。尚、ビニールは再現されてないむき出し状態だ。

「すまんロクコ。これは『クリームパン』だった。『アンパン』はこっちだった」
「えっ、そうなの? へー、こっちが『あんぱん』ね。へぇへぇ、こんどのは赤いの(・・・)が中にはいってるのね! ……すっぱ甘い! これもすごい好き! 本物の『あんぱん』すごい!」

 また騙してすまない。それは『ジャムパン』なんだ。いちごジャムだな。

「もう一回出していいぞ。今度は4個『クリームパン』、2個『アンパン』にしてくれ」
「なによなによ、そんなに私を喜ばせたいわけ? ああもう、今日はケーマが輝いて見えるわ! 『くりーむぱん』4個、『あんぱん』2個っ!」
「……ああ、選択肢どうなってる?」
「え? ああ、そういえばまた増えてたわね……はい、出したわよ? 食べていいわよね?」

 ロクコがDPで交換したものを見ると、『クリームパン』4個と、『ジャムパン』2個になっていた。
 …………なるほど。
 どうやら、DPのメニューには本人の認識が優先されるみたいだ。
 かつ、『知らないものはメニューにない』になっている可能性が高い。
 見ただけじゃ駄目で、ビニールが再現されていないあたり、名前だけじゃ足りないのかもしれない。
 吸収したことがあるか、とかか? あ、いやでも、ゴミなら毎日吸収してるし……やっぱり認識か?
 ……とはいえ、少なくともこの世界のモノはその縛りには入ってない可能性も高い。
 俺、ドラゴンの実物とか見たこともないのにメニューにあるもんな……ダンジョンマスターのデフォルトですっていわれたらそれまでだけど。
 もうちょい検証したくもあるけど、面倒になってきたな。DPも無駄遣いしたくないし。

「たべていいのよね? よね?!」
「おう、食べていいぞ。…………うん、4日分だから、大事に食べろよ? ゴブ助とも分けるんだぞ」
「はぇっ?!」

 ロクコは『クリームパン』にかじりついたまま固まった。
 安心しろ、たとえお前が今日それを食べきっても、ゴブ助の分は俺がわけてやるよ。言わないけど。

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