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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ダンジョンを発展させよう

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侵入者を歓迎しよう。

(ちょっと書きなぐった感あるので、あとで書きなおすかもです)

「あーくっそ。なんで俺がドゲザしなきゃなんねーんだっつの」
「団長から聞いたろ? Aランク冒険者の後ろ盾があるんだってよ」
「デマにきまってるって、こんなところにAランク冒険者が何しに来るってんだよ。団長もあんがいビビリだな」
「おい、隊長に聞こえるぞ」
「っと、ヤベ、黙っとけよ?」

 リーチ家第三騎士団。これでもリーチ伯爵に仕える騎士……という名の、荒事対応用の冒険者詰め合わせ部隊だ。今回のように、ダンジョンでの捜索や救助も仕事の内だった。
 今回彼らはリーチ家の次男、ドラニから「三男(ドラサン)がダンジョンで遭難した」とギルド経由で報告をいただき、急ぎ駆けつけた。ダンジョンでの救助は初動が肝心。故に、後に「ちゃんと対応をした」と言い訳をするためにも素早く行動した。

 ちなみに、彼らが名乗る「第三近衛騎士団」の「近衛」という部分は……その方が「強そうで偉そうでカッコイイから」という理由による、自称だ。意味は、団員の誰も知らなかった。

「おい、そこに罠があったぞ。気を付けて進めよ」
「あいよっと。我ら第三近衛騎士団にかかれば、ダンジョンにおける救助活動も簡単なもんよ。……対象が生きていれば、の話だけどな」

 ダンジョンにおいて、こういった救助活動が成功することは稀である。
 なにせダンジョンで死んだら装備品も残らずキレイさっぱり消えるのだ。無いものを探し当てることはできない。大抵は2、3日探索して「見つからなかったので、ダンジョン内で死亡したものと思われる」で終わりだ。
 このため、彼らのいう「救助活動」とは、ダンジョンで小遣い稼ぎの探索をして、適当な報告をして終りという……実に簡単な、楽な仕事のことを指していた。

「団長ー、あの馬鹿息子様、まだ生きてますかねぇ?」
「無理だろ。とっくに野垂れ死んでダンジョンに食われてるさ。生きてるとすれば取り巻きのあいつらが一緒に遭難した場合だが……俺なら2日で殺してるぜ?」
「ハハ、違いねぇや。まったく、あの馬鹿息子様も無駄なことするよなぁ」
「もう家は長男のカンドラ様が継ぐって決まってんのにな。カンドラ様の跡取りも生まれてるし、リーチ家は安泰ってなもんよ」

 リーチ家の跡取りは長男のカンドラに確定している。カンドラは既に男児をもうけていて、家は安泰だ。そのため、三男のドラサンが当主になる道は、すべてを覆す功績を立てるしかなかった。
 もっとも、そのための魔剣(どうぐ)を求めてのダンジョン探索で未帰還となるようでは、お粗末すぎて話にならないが。

「まぁアレじゃね? 馬鹿が居なくなって、その点だけは評価してやってもいいんじゃないか?」
「ククク、ちげぇねぇ」

 自身の仕える当主の一族であるはずのドラサンを貶す彼ら。
 そんな彼らだが、自分たちも次期当主のカンドラに厄介者の馬鹿集団と思われていることは、知らなかった。

  *

『しかしあの女で遊べなかったのは痛かったなぁ、溜まっちまって仕方ねぇや』
『あのスロットてやつは最悪だったな。今回の報酬金が無くなっちまった……』
『トランプってやつ、1枚だけ抜いてきたんだけどよ、これ1枚だけあっても仕方ねえよな……』

 好き放題である、こいつらめ。そして1枚だけのトランプは破り捨てられた。
 結局盗んでやがったか……対策しないといけないな。

 で、今日はこいつらの歓迎会をするわけだが、特別に迷宮エリア、謎解きエリアを素通りさせてやろう。
 未踏エリアの罠や防衛機能を試させてもらおうじゃないか。

『おっ、ゴーレムだ。聞いていた通りだな。かかれ! ……あっ、逃げやがった!』
『深追いするな。ここは迷宮だぞ?』
『む、そうだな……』

 と、適度にゴーレムをけしかけつつ、迷宮を突破しやすいように道をあけて誘導する。
 ゴーレムの操作はレイ達にやらせていて、練習も兼ねている。

「マスター、これで誘導できているんでしょうか?」
「十分だ。ゴーレムでひきつけてる間に道を変えてるだけだからな……ほら見ろ、合流したぞ」

 騎士団チンピラは10人を5人ずつにわけて迷宮の探索をしていた。それが丁度、迷宮の出口で合流するようにしたのだがうまく誘導できたようだ。

『お? そっちのチームも来たのか。いいタイミングだな』
『さすが俺達。……で、どうやらこの先はほとんど未踏エリアらしいぞ?』
『ほう、そいつは美味いな……だが、危険でもある。どうする?』

 ……む、さすがに慎重だな。エサに食いついてくれるだろうか。

『ん? おい、あれを見ろ』
『……あれは、宝箱か。ポン、見に行って来い』
『へい!』

 ポンと呼ばれた斥候職の男が、警戒しつつ宝箱を開ける。……中身は、

『おっ、武器だ! ナイフ……魔石が付いてる、魔剣だ! 団長、これもらっていいっすか?!』
『よーしよくやったポン。それは俺が持っておいてやろう』
『そんなぁ……』
『あとで金にしてみんなで分ければいいだろ? ……おい、見ろ。まだ奥に宝箱がありそうだぞ。というか、このあたり罠が無いのか?』
『見た所罠は無さそうっすね。謎掛けがあるって聞いたっすけど……もっと奥っすかね?』

 と、単純な宝箱による誘導に引っかかり、奥へ奥へと誘われていく騎士団(チンピラ)。本当にCランクが居るのかと疑わしいほどにホイホイされていく。
 ……こんなんでいいのか。

『おおっ! すげぇ、これも魔剣だ! こっちにもあるぞ!』
『これで5本目だな! ハッハッハ、笑いが止まらねぇぜ!』

 うん、よさそうだ。バカでよかった。で、十分奥に行ったところで俺は、最初の方の部屋の扉をこっそり閉じた。
 ……扉止めがつけられていたが、回収してしまえば問題ない。というかいつの間に扉止めつけてたんだ、腐ってもCランクってことか。

 扉を閉じたことで謎解き部屋が本格的に作動した。
 本来その部屋についている扉は、その部屋の謎解きを解かなければ開かない。解かないでいいのは最初と最後の部屋に入るときだけ。それがここ、『4部屋直列謎解き部屋』だ。
 しかも謎解き問題はいくつかパターンがあり、扉が開けられるたびに別の問題に切り替わるようにしている。一度解いただけじゃ行き来は自由にならないってわけだ。

 ……で、つまり騎士団(チンピラ)を『謎解きエリア』以降に閉じ込めたことになるようで。入手DPは2倍になった。
 この状態で死んだら入手DPも倍になったりするのかな? いい機会だ。今回で試してみないとな。

『おい、戻れなくなってるぞ!』
『は? ちょっとまて、扉止めのクサビは?!』
『無くなってる。……こんな早く無くなるとか聞いたことないぞ。あれは1日はもつはずだったのに……』
『前に使ったのをケチって使ったとかじゃねぇのか? 特別な仕掛けを見落としてたか? いや、モンスターがどけたとか?』
『わからん、なんにせよ、閉じた途端に謎解き問題が現れた』

 何、そういうアイテムだったのか。……そういえば、ダンジョン学入門に書いてあったかも、やっべぇ忘れてた。これもハクさんが広めた『安全地帯』みたいな偽常識か。今度からゴーレムに外させるとかするように気を付けよう。ネズミ使うのもアリだな。

『……どうする? 謎解きをしないと出られないみたいだぞ?』
『ああ。だがこれ、解けるか?』

 今回の問題は特別性。誰でも答えられる、簡単な問題を用意してやった。

『「この先の螺旋階段の足場は何段で、底にある扉は何色?」 ……だと?』
『丁寧なことに、先に進む扉は開いている。……先に進むしかないようだな』

 はーい、10名様ご案内ー。

(次回、残酷描写注意です。R-15は飾りじゃないことを見せてやる…!)
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