挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ダンジョンを発展させよう

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

87/290

借りたものを返しておこう

 ダンジョンを管理できる人員が増えた。
 これはつまり、より大きいダンジョンにしても無理なく運営できるということだ。
 とりあえず裾野の方、ツィーアの町がある方へとダンジョンを拡張していこう。地下は使い放題だ。

 そういえば、ダンジョンの地上の方も合わせて領域を拡張中なのだが、フロアをこまめに分けないと侵入者が入り込んだ時に対処が大変になる。
 『ツィーア山貫通大洞窟』のほうは、最初フロアを分けていなくて、1人でも中に入っていたら改装ができなかったりした。慌てていくつかのブロックにフロアを区切ったもんだ。
 宿のあるダンジョン入り口前広場も、ちゃんとフロアを区切ってダンジョンの領域を確保している。
 ……階段とかで区切らなくてもフロアとなるらしく、フロアってなんだっけ……となってしまう今日この頃だ。

 尚、1フロアを設定するのに5千DPかかる。
 今は前より収入が増えたけれど……かなり大きい出費だ。何日分だろうか。
 うちにくる冒険者がE~Cランク。1人当たり1日30~80DPくらいのDPが自然発生。それが2~5人くらいのパーティーで、2、3パーティーが交代で入ってきていて。
 宿屋で部屋に籠っている場合はDP収入が倍になり、かつ宿の収入もあって……計算がややこしいな。家計簿つけるべきか?……めんどくさいな。いつかメニューさんにそんな機能が増えることを期待しよう。

 あとハクさんが泊まりに来るたびに支払いとかロクコにチップとかでDPを落としていってくれるのもあると、ある意味計算しても無駄だろうか。あの人ほんとフラっときてドバっと払うからな。
 クリームソーダがお気に入りで、かけつけ1杯、晩御飯の時にも1杯、風呂上がりや就寝前にも注文する。それぞれで金貨1枚払ってくれて、さらにそれをロクコが持ってくたびに5000DPをチップでくれる。こんな具合だ。妹に甘すぎる。


 ともかく、階層を増やしてボス部屋をさらに深層に移動するか。
 今はまだ謎解きエリアが攻略されていないが、そこが突破された後は、あとゴーレムしか守る者がいないのは非常に心許ない。

 ゴーレム特化な冒険者が居たとしよう。ゴーレムが相手なら問答無用で勝つヤツとする。
 こいつが謎解きエリアを突破したら、もううちのダンジョン『欲望の洞窟』は丸裸になってしまうのだ。

 ……ゴーレムは物理攻撃しかしないからなぁ。最低限、魔法攻撃を使えるやつが欲しい。
 となれば、やっぱりこれもDPで出す必要があって。

「金策をしよう」
「どうしたのよケーマ。なんでまた急に? お金なら宿と洞窟の通行料でいっぱい手に入るじゃない」

 そういえば『火焔窟』とのダンジョンバトルの時にロクコから借りたDPもまだ返してない。
 というか、ダンジョンとして改築ができなくなる不具合への対処として急遽フロアを増やした際、さらに借りちまった。担保として金貨を渡してるけど、ロクコ自身は金貨を持っていても使い道がないんだよな……。

「ロクコから借りてるDPも返したいしな」
「別にいいのに。私とケーマは一心同体のパートナーなんだから」
「大事なパートナーだからこそ、こういうのはハッキリさせておかないといけないんだ。なぁなぁにして変にこじれたら嫌だからな」
「……ケーマがそういうなら、まぁハッキリさせておきましょうか。ふふん、仕方ないわねー、大事なパートナーだもん、こじれたらイヤよね!」

 なんかロクコがにやけて嬉しそうだ。やっぱり長年ボッチだったロクコからしてみれば俺というパートナーが居るのは嬉しいんだろうな。
 そしてメニューを出して、DPについて確認する。

「えーっと、今貸してるDPは5万3千DPだったわね。担保として預かってる金貨は53枚よ。……今、私のDPを除いたダンジョンのDPは?」
「この間3人娘を召喚したから……残りは9千ちょいだな」

 担保に渡している金貨だが、これをそのまま潰せば5万3千DPになり、ぴったり貸しは0になる。だがここで悩ましいのは金貨53枚をDPで出すには53万DPが必要ということだ。
 このレートの差があるから、DPはDPで、貨幣は貨幣でやり取りするのが一番いい。
 稼ぐならDPで稼いだ方が必要な量が少なくていい。

「一応、担保を潰せば0なんだから、このまま宿の仕事を続けていればそのうち返せるわよ? 砂糖だって売るんでしょ?」
「……それもそうなんだけど、やっぱり気になるからな。気になると落ち着いて眠れない」

 さて、金策をするにあたって案はある。以前作ったテンサイダイコン畑を覚えているだろうか。
 このテンサイダイコン、先日ついに収穫した。これから砂糖を作るのだ。

「砂糖は貴重品……なら、たんまりDPになるはずだ!」
「あれ、でもそれ種はDPで交換したのよね。……大丈夫なの?」
「金貨だってDPで出したのをまたDPにできるから、理論的には大丈夫だ。……問題はどれくらいのDPになるか、だな」

 まずはダイコンそのままの状態でDPに変換してみる。……5DPになった。

「おおっ、増えた、増えたぞ!」

 種1セット(5DP)で50個のダイコンが収穫できたから、単純にこれだけでも50倍だ。
 砂糖に精製して価値が上がるかどうかだ。

 ……

 あれ? これどうやって砂糖にすればいいんだ?

  *

 四苦八苦しつつも、なんとか茶色っぽい、塊状の砂糖を作ることができた。

 2個ダメにしたあたりで、「そういえばDPでレシピとか手に入らないの?」とロクコが言ってくれて助かった……20DPで手に入れることができたよ。
 まさか小さく切った後、お湯に漬け置きして、糖の溶け込んだ汁を煮詰めるんだったとは。

「中々に大変でしたね」
「おう、手伝ってくれてありがとうなキヌエさん」

 料理作業ということもあり、シルキーのキヌエさんに手伝ってもらった。というかホント手際よくやってくれた。キヌエさんが手伝ってくれなければ何度か焦がしていたかもな、コレ。

「ねぇケーマ。なんでキヌエ『さん』ってさん付けなの?」
「……なんとなく? いやほら、なんだかんだで従業員寮の寮母みたくなってるし」

 おっとりした雰囲気や掃除好きなところがもう人妻感溢れてるというのもあるな。
 竹ぼうきを与えたら、自主的に外の掃き掃除をするほどだ。

「さて、それじゃあ砂糖を……茶色いけど、白いのってどうやって作るんだろうな」

 残念ながら、レシピに載ってたのは砂糖の作り方までだった。
 とりあえずテンサイダイコン1個分の固まりをDPに変換する。
 ……10DPか。倍になったな。

「レシピの元も取れるな。あとはゴーレムに任せるか……キヌエさん、ゴーレムへの指示を頼む」
「かしこまりました、マスター」

 さて、これで47個のテンサイダイコンが470DPになるな。
 これで、次からは5DPが500DPになる。……うん、いいんじゃないか? なんなら商人に売れば、金を経由してもっと効率よくDPになるかもしれない。
 これを100回分やれば5万DPになるってわけだ。……畑、拡げるかな? いや、いっそダンジョン内で畑が作れないか?
 くっくっく、ダンジョンの農業王……アリだな。実に牧歌的で平和なダンジョンになりそうだが。

「でも、収獲までに何日かかってんのよ。500DPって言ったけど、ニンゲンのパーティーが魔剣お試し部屋に1日閉じ込められてるほうがよっぽど早いじゃないの」

 ……そういえば昨日から閉じこもってる貴族と取り巻きパーティー、収入的に1日で500DPになるんだよな。
 閉じ込める際に牢屋の扉を併用しているから、牢屋効果(3倍)×閉じ込め効果(2倍)で、普通に放置した状態と比べて6倍の収入になっている。

「別の方法考えたほうが良いんじゃない?」
「いやまぁ、うん、ソウダネ……」

 くそう、完璧な作戦だと思ったのに……

  *

 というわけで方向性を変えて、ゴーレムで像を作ってまたイッテツに売ることにした。

 売れた。

 イッテツを呼び出して「ツィーア山のドラゴンの像ってのを手に入れた。レドラへのプレゼントにどうだ?」と、金メッキのドラゴン像ゴーレムを見せたら、『へェ、こいつァいいなァ、レドラが喜びそうだァ』って言い値で買ってくれた。
 10万DPっつったのに『まァ妥当じゃねェか? ハハハ』と豪快に笑いつつその場で全額支払ってくれた。

 10万DP。菓子パン詰め合わせで5DPなのを考えると、日本円では1千万円ってところだ。
 ポンっと払いすぎだろ。一体どんだけ収入があるんだ?

 そして俺は10万DPを手に入れて借金を返済。あっさりすぎて拍子抜けしてしまった。

 ……俺の心労はなんだったのか!

「いや、でもその金メッキ像作るのに3日間かかってたからそんなもんじゃない?」
「いやいや、3日間でこの収入とか……農業なんて毎日コツコツでようやく500DPだってのに……」
「きっと向いてないのよ、農業」

 そうだねダンジョンマスターだもんね。農業なんてオマケだよね。

 でも新鮮な野菜とかとれるし、ゴーレムには今後とも畑仕事を続けてもらおう。テンサイダイコンについても砂糖を商人に売る形でいいか。
 ……み、未練とかじゃないんだからねっ! 内職でも、ちりも積もれば山となるんだからねっ?!



(四半期ランキング5位圏内から落ちました! 長くいたなぁ…しみじみ)
『このライトノベルがすごい!2018』ライトノベルBESTランキングWebアンケート、9月24日(日)23:59まで!
回答したら、抽選で20名様に全国共通図書カード(500円分)が当たるそうですよ?

https://questant.jp/q/konorano2018

よろしければ文庫1位のところに以下のように記入してみてください。

タイトル:絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
著者名(レーベル名):鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)
コメント(例):チキンタツタ美味しい! それはさておき一番好きなラノベです
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ