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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ダンジョンを発展させよう

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レイの相談


 命名式をやって、ひとつ思った。

 絶対命令権あるから別に忠誠とか関係ないんじゃないか?

 ……いや、絶対命令権があっても、自発的にやる気が溢れてるのとそうじゃないのは働きも大きく変わってくるはずだ。たぶん、きっと。
 しかしあの鎧は着脱がやたら面倒だった。フルプレートなんて着るもんじゃないな。


 さてさて、今日はダンジョンの様子を覗いてみようか。

 ちなみにうちのダンジョンだが、誰も死んでいない……などという平和なことも無く、実はダンジョンらしくもEランクの冒険者が何人か死んでいたりする。注意が足りないルーキーが罠にかかってあっさりとポックリしちゃうことがあるのだ。

 それでもちゃんと注意していればまだ死なないレベルなので、ある意味新人の通過儀礼的には丁度いいダンジョン、それが『欲望の洞窟』だ。初心者向けダンジョンだな。

 で、迷宮エリアに設置してある魔剣のお試し部屋も賑わいを見せている。
 大好評につき3部屋増設したが、今日も今日とてこのダンジョンに「魔剣が確実にある」と話を聞いたらしい冒険者がやってきては閉じ込められていた。

 ……今回のやつはギルドで周知してる『強欲の罠』の情報は聞いていなかったらしい。これもうコレ放置してていいよね? とも思うけど、死にそうになったらまた助けて恩を売ってやってもいいかな。
 でも「台座に魔剣を戻せば出られますよ」って、ギルドでダンジョンの事を聞けばすぐ教えてくれる情報も収集できてないお馬鹿さんだとリターンも期待できないかなぁ……

 あ、「僕はリーチ家の三男、ドラサンだぞ! こんなところで死ぬはずがないだろうどうにかしろ!」とか言ってる。貴族か。リターンはありそうだけど、助けてもめんどくさいことになりそうだしパスだな。
 ダンジョンは基本的に自己責任、ギルドからの救助依頼がなければ見捨てよう。
 横暴な態度に取り巻きっぽい仲間もイライラしてるし、餓死以外の死因もありえるな。
 なんつたってここはダンジョンだ。誰が死んだとしても何の不思議もない。死体もダンジョンに食われて残らない。即死トラップにやられて助けられなかったとか、モンスターの足止めをしていて目を離した隙に別のに食われてたとか、言い訳ならいくらでもできる。
 さらに密室で他に目撃者もいなくて、全員武器も持っている。うん、DPが入るのが楽しみだね。

 お客様は神様です。うちでは主に仏様です。南無ー。

 あ、でも今は俺の他にも迷宮エリアで探索している冒険者がいるし、そっちに話が飛ぶかもしれないな。
 こっそり、このお試し部屋へは行けないようにしておこうか。フフフ、「すぐ救助が来るはずだ」とか言ってるけど、しばらくはこねぇよ? 貴族本人はともかく取り巻きのDPはそこそこ美味しいです。


 と、そんなアリの観察をする感じでダンジョンの様子を見ていたところ、レイが深刻な面持(おもも)ちでやってきた。相談事があるらしい。

「……私、ダンジョンの役に立ちたいんです! なんでもします、仕事をください!」

 マジか。いつの間にこんな社畜、いや、ダンジョンだからダン畜か。いつの間にこんなダン畜に育ったんだ。……きっと命名式の効果だな!
 いや、正直俺としては宿の受付をしてくれるだけで十分助かるんだけど……

「私も、キヌエやネルネのようにダンジョンのためになる事をしたいのです……マスターのために!」
「……いや、受付だけでも十分役に立ってるよ?」
「気を使っていただかなくても良いのですマスター。私は吸血鬼として間違いなく不良品。それこそ銅貨を数えるのすらたまに間違えてしまいそうになる程です……」

 おい、そこ間違えんなよ。そこも自動化した方が良いのかなぁ。レジスター的な……あれ、そういえばスロットでコイン出す仕組作ったし、同じように作れるな……

 しかしレイの仕事か。というか、攻撃力も特殊能力も使えない吸血鬼とか確かに誰得かと言わざるを得ない。自分で作っておいてなんだけど、宿の従業員以外の仕事は全く考えてなかった。……何かいいアイディアはないかな。

 レイの真剣な眼差しをうけて目を少し下にそらすと、ダンジョンのマップが表示しっぱなしになっていた。

 ……そういえば、ダンジョンのモンスターを動かすのに本人の攻撃力って全然関係ないよな。
 ダンジョンバトルの時にはゴーレムを遠隔で命令して動かしたりもしているが、それ、レイにもできるよな?

 というかレイはメニュー出せないのか?
 なんかこう、権限の付与とかメニューにあっていいと思うんだけど。ダンジョンモンスターなんだし。なけりゃサブダンジョンを配下に任せるとかできないだろ常識的に考えて……。

「マスター、やはり私には何もできないという事なのでしょうか……」
「ああ、すまんすまん。少し仕事を考えてただけだよ」

 メニューを探す。……お、あったあった。なんだ、探せばあるじゃないか。
 えーっと、権限の付与。選べる対象は『ゴブ助』『フェニ』『レイ』『キヌエ』『ネルネ』だ……ってなんでゴブ助が?! 他は白くてゴブ助だけ灰色表示だけど!
 もしかしてネームドってこういう項目から消せないの? うわぁ。気軽に名前つけるのは止めた方が良いな。こういうのがゴチャゴチャしてるのは好きじゃないんだ。
 奴隷のニクとイチカが一覧にないあたり、やっぱりダンジョンとの繋がり的なものが必要なんだろうか。

「そうだな、ちょっとした実験に付き合ってくれ」
「は、はいっ! 私は吸血鬼なれば、多少はニンゲンより丈夫ですから、思うまま乱暴にしていただいても一向に問題ありません!」

 本人の同意も得られたし、とりあえずレイ相手にメニュー表示権限を与えることにしよう。
 その他、この範囲で有効とかいった細かいオプションも選択できるようだ。ダンジョンと宿を範囲に指定して、あと……DPの使用制限? え、何、こんなのもあるの? まってまって、それだったらもう俺が料理をわざわざ出さなくてもいいってこと?
 うわー、もっとしっかり調べておけばよかった。いや、ネームドが5体以上とかいう条件があった可能性もあるけどさ。
 ええい、許可許可。使用可能な量とDP変換できるアイテム範囲は限定して、許可だ!

 メニュー使えるのは幹部という扱いでいいな。元々幹部候補として()んだんだし……レイでうまくいったら、あとでキヌエとネルネにも付与しとこ。

「よし、それじゃあちょっと出せるか見せてくれ」
「ふぇ!? な、なにを出せば……ち、乳ですか?! 母乳ですか?!」
「まって。メニューね、メニュー」

 なぜ急に母乳とか言い出したんだコイツ。

「す、すみません。マスターがじっと私の胸を見ながら指さしてツンツンしていたので……」

 ……言われてみれば、メニュー不可視状態だったよ。 やべ、ただの変態じゃないか俺。
 ん? しかし、逆にいえば……メニューを見ていると言えば足をガン見しても許されるか? あ、いや、結局見た目的にはただ足をガン見してるだけの人か。やめとこ。

「メニュー、出ました! なるほど、相手を指定して可視、不可視にできると……不可視の状態のメニューを見ておられたのですね!」
「そういうことだ」

 と、結局メニューは出せるようになったようだ。これでダンジョンの監視やモンスターへの指示も任せられるな。元々は戦闘が得意な種族なわけだし、きっとうまくやってくれるだろう。

「というわけで、ダンジョンの方を手伝ってもらおうか」

 さらに実験して、権限の剥奪や再付与もできることを確認した。
 なんかすっごい嬉しそうに手伝ってくれたけど、剥奪後に再付与できなくなる可能性もあったんだよな……大丈夫。もし再付与とかできなくてタダの役立たずになってたとしても見捨ててなかったよ。





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タイトル:絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
著者名(レーベル名):鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)
コメント(例):チキンタツタ美味しい! それはさておき一番好きなラノベです
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