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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

安定した日々?

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スロット

(この章の最初の話で、アイアンゴーレムのスポーンを設置した件をちょろっと追加修正しました)
 さて、人手不足の解消も終わったし、不死鳥のフェニも孵ったし、新しく宿の方を充実させようと思う。ダンジョンの方は……まだいいか。謎解きエリアがまだ安泰だもんな。

 というわけで、うちの宿『踊る人形亭』に足りないものを考えてみた。
 食、睡眠は他にないレベルだと自負している。
 宿に来る目的として、ダンジョン。そして癒し担当の、温泉。すばらしい布陣だ。
 ……だが、まだ足りないものがある。

 娯楽だ。

 エロ方面というわけではない。そういうのも必要になってくるかもしれないが、ウチには子供(ロリ)がいるからそういうのは避けておきたいところだ。オーナーがオーナーだし、ハクさんに教育に悪いとか言われて殺されかねないし。
 で、俺が追加したいのは、いわゆるゲームコーナー。温泉宿にはよくあるよね。
 本当は温泉宿的に考えて卓球とか置いてみたいところだが、ピンポン玉がDP使わないと用意できそうにないので実装は見送ることにした。この世界で用意できるものだけで作れたら置いてもいい。

 と、ゲームコーナー……まぁ、TVゲームは置けるわけがないから、ギャンブルだな。まず作るのはスロットだ。見た目としては木箱に回転する表示盤……ドラムリールっていったっけ。これをゴーレムで作ってつけて、あと回転力を得るためのレバーも設置。
 中の構造はわりと適当で、とりあえずレバーをガッチャンコと下げたら回る機構だけ頑張って作った。直接回転力にするんじゃなくて、デコピンのように力を溜めてある程度レバーを下げた時点で一気に回転するのがポイントだ。
 止まるのと揃ったかどうかを判定するのは、ドラムリールゴーレムの仕事だ。
 さらに当たった場合にお金を出すのもゴーレムがやる。
 分解されて「なんでこう動いてるんだ?」って言われても、適当なところはとりあえず魔道具って言っておけばいいんだから便利なもんだな。

 ドラムリールについてだけど、回転が弱まってきたら勝手に止まるし、手前のボタンを押しても止まる。 そして、大当たりしそうになったらかなりの確率でズレるという調整もしている。たまには出るようにしてるけど、基本的にこっちの儲けが出るように考えた。
 ……卑怯? イカサマ? 慈善事業じゃないんだ、これくらい当たり前だろう。

 とにかく試作機ができたのでイチカを呼ぶ。
 せっかくだ、受付は新人に任せてもらっておこう。客はどうせ来ないだろうけど。

「というわけで、これがスロットだ。イチカ、テストプレイしてくれ。はいこれ銅貨500枚」
「おお! これがスロットかぁ! まかせときー、倍にして返してやるからな!」

 うん、倍にしたとして、その金もこのダンジョンの資金なんだぞ?

「なるほどなるほど、この穴に銅貨を入れてレバーを下ろす、と……」

 チャリンチャリンチャリン、と3枚の銅貨をいれて、ガッチャンコとレバーを下ろす。
 ギュリーン、と勢いよく回転するドラムリール。

「おお、回った回った。へー、これで……このボタンを押して止める、と」

 ポチ、ポチ、ポチ。とボタンを押すと、ドラムリールが止まる。

「おおー。……あれ、これでどうなってるん?」
「ハズレだな。続けてやってみろ」
「ん、わかったー」

 さらに銅貨を入れて、回すイチカ。うーん、なんか淡々とした感じだ、もう少し演出とか考えたほうが良いだろうか?

  *

「うおおおおお! こい、こい、くるんやぁああ! ッ、あああああー! 惜しいッ!」

 1時間後。小さな当たりを繰り返し、最初の方で一度だけ元の500枚を超えたりもしたが、結局今の資金は残り50枚を切っていた。
 スロットを叩き壊しかねない勢いで熱中している。これなら演出とかはまだ必要ないな、飽きられてきたら追加しよう。
 ……ああ、あと本体は鉄で作り直すか。イチカがしがみついてるとこがミシミシ言ってるし。

「イチカ。そろそろいいぞ」
「そ、そんなっ! ま、まだ金なら残ってるんや! ここから、ここから逆転するから! ほら、今大当たりの銅貨1000枚にあと一歩ってトコで惜しかったやろ? 次こそいけるから!」

 ああ、これダメな奴だ。ギャンブルで借金したのにその金をギャンブルで返そうとする典型的なダメ人間だ。奴隷落ちしても懲りないとか筋金入りだわ。

「うん、残念だが無理だ。それが可能なようには作ってないからな」
「なん……やて……?」

 イチカは絶望したという顔でがっくりとうなだれていた。うん、銅貨456枚でそんなすごい顔が見れるとは思わなかったよ。

「……実際にはこんなに露骨に搾ったりはしない方が良いだろうな、もうちょっと当たるように調整しよう。参考になったよ、ありがとう」
「くっ……ご主人様の、手のひらの上やったんか……くそぉぉぉ」
「別に使った分借金にするとかはしないから安心しろって。残ってる分は返してもらうけどな」
「あぁぁー……! く、し、仕方ない……ッ」

 しっかし、見事にハマったもんだ。イチカが特別なのかもしれないけど、これならあと3台くらい用意して、新しく作る遊戯室に置いてもいいだろう。

 でも、遊戯室に置くものがスロットだけというのも味気ないな。他にも作るか。

「そういえば、他にはどういうギャンブルがあるんだ?」
「んー、ダイスって知ってるか? 勇者が作ったっちゅー、四角いヤツでな、1から6の面があって……それを使うのが主流やなぁ」

 なるほど。ダイスか。再現も楽そうだ。ちなみに紙もあるしトランプはないのかと聞いてみたけど、こっちは印刷技術の拙さとこの世界の紙質のせいで上手くできず、金属板でどうにか作られたものがあるらしいが……非常にレアで高価なものらしい。 あまり流行していないようだ。

「基本的に、完全に運の勝負なんだな。駆け引きを重視するやつは無いのか?」
「闘技場とか、あと馬のレースとかもあるな」

 ふむ、それはウチで再現するのは難しそうだ。……いやまてよ? ネズミでやればレースはいけるか。配下にしてすっかり放置してたネズミたちのいい出番かもしれない。今ではダンジョン近郊の監視カメラ程度の仕事しかしてないもんな。
 ……あー、でも、今の客数じゃレース開催は難しいか。保留だな。

 娯楽が少ないこの世界、ちゃんとしたトランプが量産されれば流行りそうではある。いっそダンジョンドロップにしてしまおうか。マッサージチェアもダンジョンで見つけたと言い張ってるわけだし。スロットもその予定だし。

 よし、トランプは宝箱に入れてしまおう。流行らせるためにも多少ばらまく必要があるもんな。それで、遊戯室では「ダンジョンで見つけました」って(てい)でつかえばいいか。
 フェルト的なものを張り付けたテーブルを用意して、そこで遊んでもらえればいい感じになりそうだ。

 ちなみに、ダイスでどういうギャンブルがあるのかと聞いてみた。

 ◎タワー&ダイス。
「ルールは簡単。ダイスを振って、出目の数だけチップを積む。順番にそれを3回やって、最終的に一番チップを多く出した奴が勝ちや」

 ◎ビックスモール。
「まず参加者は好きなだけチップを出す。親はそれを受けない権利もある。払えないっちゅーなら受けないわけやな。 で、受けたとこで親がダイスを振る。1投目やな。んで、その出目より2投目が大きいか小さいかを予想してチップを賭けるんや。当たれば倍額、外れればノーリターン。同値の場合は繰り越しなんやけど、6の場合だけは同値だったときに親の総取りになるんや」

「やっぱり基本的に運ゲーなのか」

 尚、チンチロと丁半もある模様。


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