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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

ダンジョン運営開始!

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卵の正体

(ちょっと短めです)
 そういえば、以前ロクコが1万DPつぎ込んで出した卵。
 俺達には何か分からなかったが、ハクさんなら分かるのではないだろうか。

 というわけで、なぜかソフトボールくらいの大きさまで大きくなっている卵を見てもらった。
 ……卵って大きくなるようなモンじゃないと思うんだけどな。不思議だ。

「これなんだけど、ハク姉様分かる?」
「あら、これは……久しぶりに見たけど、不死鳥の卵ね。……お肉が美味しいわよ?」

 ハクさん鑑定の結果、どうやら不死鳥の卵だったようだ。そして、お肉が美味しいらしい。……不死鳥だから食べ放題なんだろうか?

「魔力の塊みたいな存在で……血が薬にもなるわね。いろいろ使い道は多いわよ、モンスターとしては強くないけど」
「強くないんですか?」
「死んでも勝手に復活するとはいえ、基本的にはただ燃えてるだけの鳥よ? 存在が珍しいからBランクの討伐モンスターになってるけど、戦闘だけならCランク冒険者がソロでも狩れる程度ね」

 ふむ、そうなるとダンジョンボスとして配置するのは厳しそうだな。
 ダンジョンに出現するレアモンスターとしての配置ならアリかもしれない。

「ちなみに、孵すならなるべく熱く……それこそ火の中に入れておかないとダメね。別に氷漬けにしても死ぬということはないけど。卵とはいえ不死鳥ってことね」

 ……尚、卵を割っても復活するらしい。卵の姿で。どういう仕組かは謎だ。
 不死鳥が本当に死ぬのは老衰のみだそうな。老衰すると卵になるらしいから、それも死んだというべきかどうかは微妙なところだ。

「不死鳥かぁ、教えてくれてありがと、ハク姉様。……なにかお礼したいんだけど、なにがいいかしら」
「ふふ、その気持ちだけで十分よロクコちゃん。……あ、でもそうねぇ、あの、部屋にあったマッサージ椅子……あれ、欲しいのだけど、その、ダメかしら? DPが必要なら出すわよ?」

 おおっと商売チャンス。なるべく高めに売りつけたいところだな。

「あーあれねー。私、あれくすぐったいだけであんまり気持ちよくないのよね。……ケーマ、タダであげちゃっていいんじゃない?」
「いいわけないだろ! ……と言いたいところですが、ハクさんにはいつもお世話になってますしねぇ、タダでもいいですよ?」
「あら本当? それは嬉しいわね」

 ハクさんの笑顔が、言葉に出さず『何を企んでるのかしら?』と尋ねてきた。
 俺もできる限りの笑顔を作って返す。表情筋がつらいぜ。

「いやなに、本当にただの好意です、しいていえば今後ともぜひうちの宿、『踊る人形亭』をご利用くださいってくらいですよ?」
「それは頼まれなくても、ね。それで?」
「ええ、それで今後ウチの障害になりそうな……山の向こうのダンジョンとやらについて詳しく教えていただけたらこちらも嬉しいってなくらいで」
「あらあら、それくらいならお安い御用よ」

 ふふ、と微笑むハクさんから、山の向こうのダンジョンについて情報を得る。

 ダンジョン名は『火焔窟』。場所についてはまさしくツィーア山を挟んで反対側。
 冒険者として入るためにはCランク以上である必要がある。情報開示も、Cランク以上だ。
 出てくるモンスターは基本的に火属性。たまに土属性が混じる。
 火属性のモンスター……マグマスライムとかレッドリザードとかだな。
 で、ここまでは冒険者(ただしCランク)ならギルドで聞けば分かる情報だ。

 そしてここから先は、ハクさんに聞かなければ分からない情報だ。

 ダンジョンコアはサラマンダー型。第112番。
 ……サラマンダー型、そうか、人型とは限らないんだよな。

「むしろ人型の方が少ないわ。だから私はロクコちゃんを溺愛してるくらいだし」

 えっ。この人、溺愛してる自覚があったのか。

 そして、このダンジョン『火焔窟』にはダンジョンマスターがいるらしい。
 しかもドラゴン。ツィーア山に元々巣食っていたレッドドラゴン、それがそのダンジョンのマスターだとか。

「ドラゴンは光り物をため込む習性があってね。お宝もたんまり持ってるはずよ?」
「いや、それよりその、ドラゴンですか……ドラゴンもマスターになれるんですね」
「知能のある者で、波長が合えばマスターになる……あと名前とかも条件だったかしら? あまり言いふらす事でもないから、マスターになる条件とかは未だによく分かってないわ」

 そういえば俺もよくわからないうちにロクコのマスターになったもんなぁ。
 加えて言うと、一度マスターが付いたコアには勝手に新しいマスターが付くことはないそうで、今更調べる気もないとのことだった。

「……ああ、そうそう。もしあのダンジョンとダンジョンバトルするとなると、ネズミによる踏破作戦は使えませんね」
「え? なんでですか?」
「あのダンジョン、基本的に床が熱いですから。ブーツを履いていれば問題ない程度ですが、ネズミでは厳しいでしょう。せいぜい1フロアで足が焼けて使い物にならなくなるかと」

 それはいいことを聞いた。あらかじめ知らなかったらローストネズミを量産していただろう。
 ……実際、ダンジョンバトルをやることを想定しておかなければいけないだろうな。今から対策を考えておいて損はないはずだ。……いや、睡眠時間が削られるか? せっかくこのところ1日12時間睡眠をしているというのに。

 と、大体ハクさんから手に入れられた情報はこんなもんだった。
 なんにせよ、とても有用な情報を買うことができた。あんな手作りマッサージ椅子でこの情報が手に入るっていうのは非常にありがたい。
 冒険者なら手に入る情報、といっても、今Eランクの俺達がCランクになるまでどれくらいかかるか分からないもんな。それに、ダンジョンマスターの情報まで手に入ったのは実にありがたい。
「もっとも、先ほども言いましたが山の反対側なので、しばらく会うこともないでしょうね」

 ……ハクさん、それやっぱりフラグにしか聞こえませんから!

  *

 ハクさんは最後にロクコのことをぎゅっとハグして、名残惜しそうに帰って行った。

 色々と得るものが多かったな。資金的にも、情報的にも。
 ひとつ思ったんだけど、ハクさんってボーナスキャラだよな……福の神に見えてきた。拝むか。
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