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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

人里、再び。

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俺、ダンジョンマスターだけど冒険者になります!(仮題)

 ハクさんからもらったDPは15万DPだ。
 ダンジョンバトルの結果、のこり3万DP……うち1万はロクコの好きに使わせるから、それを差っ引いて2万、合わせておよそ17万DPが手元にあり自由に使える形だ。

 このあぶく銭(DPだけど)を使って、色々準備をしよう。
 まず洞窟付近の森ごとダンジョン領域にし、『テンサイダイコン(10DP)』を10個手に入れた。……砂糖の原料になる大根だ。ダンジョン業務の邪魔にならないところで畑を耕して増やし、こちらでは高級品な砂糖を作るのだ。
 砂糖そのものをDPで手に入れて売るのは楽だけど、そのあとが続かないからな。それじゃあお金は増えてもDPは増えない。あ、銅貨50枚で5DPになるみたいだから増えなくもないかもだけど。
 テンサイダイコンをそだてるのに失敗したらやってもいいな。

 それと、いくつか魔法のスクロールをゲットした。
 地魔法下級『ストーンのスクロール(700DP)』
 水魔法下級『ウォーターのスクロール(500DP)』
 風魔法下級『エアボイスのスクロール(400DP)』
 火魔法下級『ファイアボールのスクロール(500DP)』
 光魔法下級『ライトのスクロール(400DP)』
 闇魔法下級『ブラインドのスクロール(500DP)』
 時空魔法最下級『オサイフのスクロール(600DP)』
 を、それぞれ3人分。俺、ロクコ、ニクの分だ。一通り全属性覚えてみよう。何かしら使えるかもしれん。……って時空魔法だけ最下級にしたけど、お財布ってなんだよ。名前の通りお財布くらいの異次元収納らしいけど。翻訳機能さんどいうことですかねぇ……

 そしてハクさんおススメの、何かと便利な時空魔法中級『収納のスクロール(1万DP)』……さすがに高かったが、せっかくのあぶく銭なのでこれも3人分だ。
 さっそく『天上枕』を収納した。……押入れくらいの容量はありそうだな。オフトンもいれとこう。これで宿屋の寝床が固くても安心だ。

 というわけで、合計8万ほど使って残り9万DP。まだまだ残っているが、これはまたダンジョンの改築に使うとしよう。

 ……いやぁ、DP使ったら残り1桁が当たり前だったころが懐かしく感じるなぁ。
 万単位で以下省略だよ。プチセレブだな。

 あ、そうそう。ダンジョンの敷地拡げたからか、DPの基本収入がいつのまにか1日100DPになっていた。たしか地脈からの収入だっけ。
 ……10倍か……まぁ、ダンジョンが一部屋だったころにくらべて10倍じゃすまない拡張をしたんだけども。DP収入が増えるスポットとかあるのかな? パワースポット的な。
 1日100DP手に入るならなんかもう寝ててもいい気がしてきた。何もしなくても1日1万円だよ?

 で、ダンジョンバトルの後メニューをよく見たら『スポーンモンスター』という罠……というか設備が、DPカタログの項目に追加されていた。
 指定したモンスターの100倍のDPがかかるけど、定期的に指定したモンスターが湧くようになるという設備だ。
 ダンジョンが条件を満たすことによってメニューに追加される項目もいくつかあるらしい。ハクさんに教えてもらった。
 ……『スポーンモンスター』の条件は、おそらくモンスターの召喚数じゃないだろうか?

 さて、それでダンジョンの改築についてだけど、俺はこれからこのダンジョンを「人が定期的に訪れて、滞在してDPとお金を落としていってもらう場所」に改造するつもりなのだ。

 そう、ダンジョンに「宿」を建てる。それが俺の計画だ。
 フフフ、宿泊費とDPの二重取りでウハウハだぜ。

 ……え? セコい? いいんだよそれくらいで。
 あんまり目立つと神の先兵がくるだろ? そしたらほら、死ぬじゃないか。死んだら寝れないだろ。俺は永眠を睡眠とは認めてないからな。

 一応、安心して寝るためにも神の先兵をどうにかできるレベルになりたくはあるので、目標は『白の迷宮』及び帝都としておく。あれは分かりやすい成功例だ。
 帝都に人が集まり、DPが増える。
 溜まったDPでダンジョンを拡げる。
 ダンジョンのお宝を求めて、さらに帝都に人が集まる。
 以下永久ループだ。

 神の先兵を退けるにはそれこそ『白の迷宮』くらいデカくなきゃいけない。
 『白の迷宮』本来のダンジョンは「とりあえず150階層は超えている」とのことだ。ケタが2つ違ぇよ。
 さらに言うと、帝都自体が『白の迷宮』であるため「もし『白の迷宮』のダンジョンコアを破壊したら帝都も崩壊して無辜の民が巻き添えになるぞ」という人質付きだ。
 それでも尚ハクさんは神の先兵のご機嫌取りをするかのように他のダンジョンを騎士団に狩らせている。
 ここまでしてようやく神の先兵から襲われなくなるレベルらしい。
 道のりが遠すぎて寿命で死にそうだ。

 というわけで、だ。

 俺はその小規模なものをやろうということで、宿屋をやろうと思っている。
 正確には、宿屋をやらせようと思っている。
 んで俺はその宿の奥まった一室でずっと寝ていたい。そのために、ずっと寝ていられる魅力的な宿を作ろうと思う。
 かといって、こんな何もないところにわざわざ人は来ない。……一応ダンジョンあるけど。
 ダンジョンを客寄せパンダとして改造するとなると……うん、『スポーンモンスター』系の設備を設置した方がいいな。

 まぁ、もしダンジョンマスターになった俺の寿命が200年とか500年とか不老不死とかになってたとしたら、その時は『白の迷宮』目指すよ。

  *

「やべぇ、すっかり忘れてた」

 ダンジョンバトルの2日後。俺は2,3日で戻るとツィーアの門番に言っていたことを思い出した。……ま、まぁ何事も無ければだし、少し遅れたくらい問題ないよな。
 ん? というかそもそもまだ冒険者である必要はあるんだろうか……ともおもったけど、町に行くのに便利な身分なんだよな、冒険者は。ハクさんに色々教えてもらったけど情報も足りていないし。

 それに宿の建設のためには人手が足りない。
 労働力という意味ではない、それならゴーレムに任せればいいのだから。
 欲しいのは「人」だ。接客できる「人」が欲しいのだ。
 今の俺たちは「男1、幼女2、ゴーレム多数、ネズミ多数」というだいぶアレな編成で、接客要員が足りない。
 俺は受付に座って接客とかやりたくない。幼女を受付においといてもお客さんに相手にされないかもしれない。ゴーレムに接客は難しすぎるし、ネズミに接客が務まるはずもない。

 で、うちはダンジョンだ、秘密が異様に多い。秘密が多いので普通の人間を雇うとかいうことはできないだろう。ではどうすればいいか。

 奴隷だ。
 奴隷を買うのだ。衣食住の面倒を見る必要はあるが、契約魔法とかいうのに縛られた奴隷は秘密を漏らすこともサボることも横領することもない。教育さえできれば実に優秀な従業員になるであろうことはニクが証明している。

「というわけで、町に行く。ついでに今回は奴隷を買ってこようと思う」
「わ、わたしじゃだめですか?!」

 お、おう、ニクの激しい自己主張は初めてだな。

「文字だって、魔法だっておぼえました、わたし、もっと、もっとご主人様のおやくにっ!」
「いや、うん、ありがとうな。それはそれとして頑張ってくれ。後輩の面倒も見てくれ」
「ふぇ、う、売られないのですか?」
「売らないから。落ち着け、なぜ脱ぐ」

 軽く錯乱しているニクをなだめ、脱ごうとしていたのを止める。
 いいか、脱ぐな。靴下は脱ぐな。それを脱ぐのは夜戦開始の合図だぞ。

「そもそも売るなら魔法覚えさせないって。……うちのダンジョンのことも知ってるし、ダンジョンの裏側も知ってるからな……むしろもう一般人には戻せないな」
「……じゃ、じゃあ死ぬまで奴隷ですねっ」

 うん、そうなんだけど、……まぁ嬉しそうだからいいか。

「死んでも奴隷という道もあるわよ? 闇魔法の王級に【ネクロマンシー】ってのがあってね」
「はいっおねがいします」

 ロクコさん余計なことは言わないでください。
 ……カタログみたら『ネクロマンシーのスクロール』、8億DPするっぽい。遠いわー。

  *

 1万DPを銀貨100枚に換え、【オサイフ】にいれる。金貨1枚分だ、足りるだろう……足りるだろうか? 一応山賊の遺産の残りも入れておこう。
 それと【オサイフ】スキル発動をごまかすのための貨幣用布袋も持っていく。……え? 詠唱でバレる? いや、【オサイフ】の詠唱は、何と不要。完全無詠唱。よって目立たず使えるのだ。なぜこんな仕様なのかは知らないが、そうなんだから仕方ない。案外、お金出すたびにオサイフオサイフ言ってたらどこにお財布しまったかわからなくなっちゃった人みたいだから頑張って無詠唱にした、とかそういう可能性だってあるさ。

 ともあれ、残り8万DP。そ、そろそろ慎重に使ってくか。

 で、ロクコを留守番に残してまたツィーアの町へやってきた。
 ロクコも行きたいって言ってたが、ダンジョンをゴーレム&ネズミオンリーにする気はない。もし誰か来てもすぐには攻略できないだろうけど、いざというときにDPで何か出したりコアを避難させるキャスリングを発動できる権限はマスターの俺とコアのロクコにしかないのだ。
 (尚、今は工事中だった謎掛けの扉の向こうに小部屋を作り、そこにコアを置いてある)

「おや、生きていたのか」

 門番にそう声を掛けられつつ、銅貨1枚ずつを払いツィーアに入る。
 予定がアテにならないのは冒険者にはよくある事らしい。電車もない世界だもんな。

「とりあえず……ギルドに顔を出した方がいいな。シリアさんが心配していたぞ」

 ……あれ、心配してくれるような好感度あったっけ?




書き溜め分がなくなり、追いついてしまいました。
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