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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

第三次ダンジョンバトル

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第三次ダンジョンバトル:決着

 明らかに鎧に入っていたにしては小さい、赤髪の少女。それは、666番コアが人化した姿だった。

「666番コアが分離したわ!」
「分離。そういうこともできる、のか?」

 鮮血のように赤い長髪、燃えるような紅い瞳。鎧などは無粋、と言わんばかりの赤系に白いフリルの付いたドレスを身を纏ったお嬢様。いかにも火属性を使いますよって外見だ。
 666番コアはその外見イメージ通りに手から炎の魔剣をまるで生やすように取り出す。そのまま拘束されたままの黒い鎧に向かって振り下ろし、黒鎧を捕らえていた鎖を切り落とす。……若干深く切ってしまったのか、黒鎧にまで傷が入っていた。

 自由を取り戻した黒鎧は、無手のままこぶしを握り構え、666番コアと背を合わせる。
 そこにサハギンたちが更なる鎖を投げかけるが、今度は2人がかりで対処にあたったことでなんとか回避しきれていた。――動きが先ほどまでとは違う。これは、今はマスターが操作してるということか。

 しかし、666番コアは鎧の中から出てきて人化したのか?
 ――いや、違う。あの魔剣、手から生えてきたように見えたが、実際そうだったのではないか? つまり、魔剣と一体であるということで――
 ……あの『魔剣』こそが、666番コアの人化してない、本当の姿なのか?

「ハクさん。魔剣って、もしかしてモンスターだったりします?」
「あら? 知らなかったの? 世に言われる魔剣のうち、7割方はそうよ」

 さらりと衝撃的な事実が発覚した。
 魔剣って、アイテムじゃなくてモンスターだったのか。7割は。
 いや、リビングアーマーとか居るならリビングウェポンとか居てもおかしくないけどさ。まさかそれがそのまま魔剣と呼ばれているとは……
 ……あ、そういえばうちの魔剣もゴーレムだったわ。
 となると、魔剣を作るには――

「ケーマ、どうすればいい!? どうすれば勝てるの!?」
「おっと。考え事してた。……まぁ、黒い鎧を片付けるか。ゴーレム隊!」

 俺は、ゴーレム隊にオリハルコンワイヤーを用意させた。
 水没した中層エリアで使用していたアレだ。回収してこっちに持ってきていた。
 持ち運びの利便性のため、端っこに鉄の錘をつけているため、このまま投げても問題ない。

「やれ!」

 再び大量の鎖にまぎれて、両端に鉄の錘がついているそれを投げつけさせた。


#Side魔王チーム

「ふふっ、まだこんなところじゃ終わらないわ」

 操っていたリビングアーマーが鎖に雁字搦(がんじがら)めにされ、666番コアはまず魔剣(じぶん)を手放させた。
 そして魔剣から人化し、『(うつ)し身』というスキルで本来の姿である魔剣と同じ能力の剣を手に持ち、黒鎧を封じていた鎖を切り落とした。
 『写し身』はある種の分身であるが、『写し身』の剣が壊れたら自身も死ぬ。そういうスキルだ。

「スケルトンを出す余裕はなし。鎧の操作はマスターに任せるわ、2人で対処しましょう」
『わかった』

 腹にダミーコアを抱え込んだままの黒鎧をマスターに任せ、降りかかる鎖を炎の魔剣で斬り払う。マスターも黒鎧を操り、無手のまま鎖を払いのける。1人では限度があったが、2人なら対処可能だ。全方位をカバーできる。

「これなら、行けるわね」
『おう』

 再び鎖が投げられる。改めて666番コアは魔剣で、マスターは鎧の手で払う――
 が、払いのけようとした鎧の手と首が「すぱん」と、斬れた。

『あれ?』

 鎖に紛れた切れ味の鋭いそれは、そのまま666番コアの頭上数センチ上を通過した。
 どしゃぁ、と重い鉄の錘が2つ地面に転がる。その間に、極細の糸がぴんと張られていた。なんとこの細さでも折れたり曲がったりせずに錘を支えられるらしいその細糸。それは先ほど黒鎧をバラバラに切り刻んだオリハルコンの糸だった。

『さっきのと同じものだったか……切れ味、鋭すぎ』
「あらマスター。私の鎧を素敵な姿にしてくれたわね……」
『ごめん』
「……まぁ、これは持っていると予想してしかるべきだったかしら。これはもう背中を預けられないわ。……足は無事ね。マスターはもう逃げ回ってなさい、少し難易度あがるけど前に走りながらなら前だけ気を付ければいいでしょう」

 リビングアーマーはこの程度ではまだ死なない。が、再び鎖が、そして切れ味抜群のオリハルコンの糸が鎧に向かって投げられる。
 666番コアはそこに割り込み、ギィン! と『不壊』の魔剣でオリハルコンの糸を受け止める。どすん、とそのまま地面に落ちた。……足を切らないように気を付けないと。

「オリハルコンの糸には両端に鉄の塊がついている、それが目印ね。鎧は『不壊』じゃないんだからうまく避けなさい」
『ああ。アイディも気を付けて。『不壊』なのは剣だけなんだから』

 二手に分かれる。どうせ逃げるなら、狙いを分散させた方が良い。
 分かれたタイミングでテンタクルスライムが戻ってきた。狙いは魔法攻撃のできない黒鎧のようだ。666番コアは逆にそこを狙う。

 そして、それぞれに再び錘が2つ飛んできた。666番コアはそれを避けず、剣で迎え打つ。
 黒鎧はそれを大きく横に避け、だが胴体が横に真っ二つになった。

「え」
『は?』

 魔剣に受け止められ地面に落ちるオリハルコン糸。
 上半身がガシャンと地面に落ち、遅れて膝から崩れるように倒れる黒鎧。
 何が起きたのか分からなかった。確かに黒鎧は糸を避けたはずだ、なのに斬られていた。
 さすがに一番大きく中心にある胴体パーツが真っ二つになってしまっては、リビングアーマーも死ぬ。
 上半身の中に隠してあったダミーコアが、もはや意思のないただの残骸からポロリと地面に転げ落ちた。幸い無傷のようだが……敵ダンジョンの最奥で、もはや守る鎧も無く敗北条件(じゃくてん)が無防備にさらけ出される。その結果がどうなるかは、火を見るよりも明らかだった。

 666番コアが駆けつけようとするも、テンタクルスライムが立ちはだかる。
 いくら炎の魔剣が有効とはいえ、水分が豊富なスライムを一瞬で倒すことはできない。しかもテンタクルスライムは2方向以上から同時に触手を伸ばしてくるため、1本の剣で迎え打つとなれば尚更だった。
 ダミーコアはそのまま666番コアの見ている前でゴーレムに確保され――

 ――バキリ、と、砕かれ光を失った。


(現実逃避の一環でオキュラスリフトを買ってしまいました。でもスペック足りなくて動かなかった模様。現実からは逃げられない! orz)
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https://questant.jp/q/konorano2018

よろしければ文庫1位のところに以下のように記入してみてください。

タイトル:絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで
著者名(レーベル名):鬼影スパナ(オーバーラップ文庫)
コメント(例):チキンタツタ美味しい! それはさておき一番好きなラノベです
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