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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

第三次ダンジョンバトルの準備ターン

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サモンガーゴイル

「ねー、ケーマ。ダンジョンのほう、もう5Fまで掘れたけどまだ掘るの?」
「今回は10階層くらいにする予定だぞ。縦長にな」
「つまりそれだけで5万DP使うわけね、贅沢ぅ」

 水没ギミックの都合もあり、深い方が都合が良いのだ。1フロアの縦の長さにしても結構長くとっている。
 20万DPでガチャして、5万DPでフロアを確保。残り25万DPで各フロアに部屋や罠、モンスターの配備を行うわけだ。おっと、攻め手についても忘れちゃいけないな。
 というわけで、フロアの整備に15万DP、攻め手に5万DPをかけて準備を整え、当日分に5万DPとしておこう。

 ……あ、そうそう。『父』の用意したダミーコアだけど、これはきっちり上限から天引きされている。フロアの整備の方にカウントだな。


 さて、それでダンジョンをロクコとニクに任せて、俺は一旦『欲望の洞窟』に戻る。
 そして、早速ロクコがガチャで出したスクロールで、【サモンガーゴイル】と【グロウウィード】、それと余ってた【アイスボルト】と【ヒーリング】をとりあえず覚えた。

 【ヒーリング】と【アイスボルト】は、宿の留守番4人にもスクロールを渡して覚えといてもらうことにした。ロクコの豪運により余ってるのが悪い。
 【サモンガーゴイル】と【グロウウィード】については呪文をゴーレムで録音してネルネに渡しておいた。今後使えるようになってくれるかもしれないな。

 ……【サモンガーゴイル】が使えるようにはなったが、引き続きネルネにはガーゴイル(魔法ゴーレム)の研究を続けてもらう。そもそも最近はもう魔道具作成ばっかりしてる気がしてならないが……本物のガーゴイルと区別して、劣化ガーゴイルとでも呼ぶか? もう魔法ゴーレムに戻してもいい気がするけど。

 じゃ、いってみようか。詠唱改変。

 それぞれ、基本の詠唱はこんな感じ。
 ・「門を開け。魔を使う石の魔物を召喚し、使役する――【サモンガーゴイル】」
 ・「種よ芽吹け。生えよ――【グロウウィード】」
 ・「氷の(つぶて)よ、敵を貫け――【アイスボルト】」
 ・「光よ、彼の者の傷を癒せ――【ヒーリング】」

 で、今回調査するのは当然【サモンガーゴイル】だ。一番気になるからな。
 おそらく「魔を使う石の魔物」がガーゴイルを表すキーになるのだろう。ということはここを変えれば他の魔物も呼べるのだろうか。
 さっそくやってみる。
 とりあえずは村長邸の俺の部屋なので、それなりなものにしよう。

「門を開け。魔を使う()の魔物を召喚し、使役する――【サモンガーゴイル】ッ!」

 ぐぉん、と紫色の魔法陣が目の前に展開する。
 …………
 が、何も出ず、そのまま魔法陣は消えた。
 うん? どうなってんだ? 俺の予想だとアイアンガーゴイルが召喚されると思ったんだが……別ので試してみるか。

「門を開け。ゴブリン(・・・・)を召喚し、使役する――【サモンガーゴイル】」

 と、紫色の魔法陣が現れて1匹のゴブリンがぬるんっと現れた。

「ゴブッ」

 ……成功だ。ゴブリンの召喚に成功した。
 【サモンガーゴイル】でゴブリンを召喚とかもう訳わからねぇな。

「……えっと、使役できてるのか?」

 ゴブリンに聞くと、こくこくと頷く。使役できてるっぽいな。
 次いってみよう。
 というかこれ、もしかして翻訳機能さんのおかげでモンスター名を直接言えば適切に差し変わるんじゃないか?

「門を開け。ガーゴイルを召喚し、使役する――【サモンガーゴイル】」

 三度目の、紫色の魔法陣だ。今度はどうなるだろうか。
 ……ごとん、と、ガーゴイルが魔法陣から出て、床に落ちた。
 ガーゴイルの召喚に成功した。……魔力がつながっているパス的なものを感じる。ゴブリンのより太い気がするのは、維持にかかる魔力が多いからとかなのか?
 ともかく、使役もできているみたいだ。

「ヤバイ魔法を手に入れたな」

 これ、俺が名前を知ってるモンスターならタダで召喚できるってことじゃないか?
 モンスター以外も召喚できるか試してみよう。

「……門を開け。イチカ(・・・)を召喚し、使役する――【サモンガーゴイル】」

 紫色の魔法陣が展開する――と同時に、俺はがくん、と気を失った。

  *

 目を覚ますと、イチカが俺を膝枕していた。ゴブリンとガーゴイルは、居なかった。
 胸が邪魔で顔は見えないが、このふとももは間違いなくイチカだ。

「……ふぉ?」
「お。目ぇ覚めたかご主人様。今度は一体どんな変なことしたん?」
「おう、なんで変なことと決めつけ……ッ、あだだだ、頭が痛いぞッ?!」

 かき氷をかっ込んだ時のような、こめかみにキーンとくるような激痛。ただしかき氷の頭痛を3倍くらい濃厚にした、ずっしりヤバイ感じの痛さだ。いったいなんだこれ……
 ぽふぽふとイチカにやさしく頭を撫でられる。……あ、収まってきた。

「ご主人様、部屋で魔法の練習してたやん? 明らかにそれが原因やろ」
「……お、おう。……魔力枯渇とか、そういうアレか?」
「魔力枯渇なぁ。魔法スキル使い過ぎて気絶するっちゅーのは聞いたことあるけど、頭痛っちゅーのはあんま聞かんで? ……で、なんかウチ、さっき足元に紫色の魔法陣が出たんやけど」
「ああ、ちょっと【サモンガーゴイル】でイチカを召喚しようかと……」
「ご主人様?! ウチはガーゴイルちゃうで?! そりゃ気絶もするわ」
「先に試したゴブリンは成功したんだが」
「【サモンガーゴイル】なのに?!」

 ……人間を召喚しようとしたのがまずかったのだろうか。魔石が無いからダメとかか? プログラムの計算で0で割るとエラーが出る、みたいな何かがあるのかも。あるいは、個人を特定したせいと言う可能性もあるな。
 どちらにしても気絶して魔法スキルが中断したのがよかったのだろう。もし気絶耐性をオンにしてたら、気絶できずに頭がパァンしてた可能性もあるぞ? 恐ろしい。
 検証するにもこの頭痛はヤバイ。もはや【サモンガーゴイル】を封印したいくらいだ。
 せめてもっと段階的に実験するべきだったか。

「あれ? そういえばイチカはなんでここにいるんだ? 召喚は失敗したんじゃないか」
「普通に扉から入ってきたに決まっとるやろ。えーと、魔法陣からご主人様の情報? っちゅーのが入ってきて、でもなんか魔法陣が途中で消えたっぽいから、ヤバいことになってるような気がして見に来たんよ。ノックしても返事ないし、寝てるのかと思ったけど魔法の実験中やったはずやん? で、部屋の中みたらご主人様が一人で倒れてたんよ」

 どうやらゴブリンとガーゴイルは俺が気絶したと同時に帰還したようだ。
 使役だけが消えて、気絶した瞬間襲われるとかじゃなくて良かったよ。

「俺の情報ってのはどういうことだ?」
「ああ。なんかこう、この人に抵抗するかどうかって感じ? 一応、ご主人様の仕業ってなんか解ったから無抵抗にしてたつもりなんやけどなぁ」

 そういえば、アイアンガーゴイルを召喚しようとした呪文では、なぜか召喚できなかった。これは抵抗されたということだったのだろうか。
 ……ううむ、謎ばかり深まるなぁ。

 とりあえず頭痛は収まったが、もうしばらくイチカの膝枕を堪能することにした。


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