挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

聖女

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

127/291

ネルネ研究室

 で、早速リンに支配下に入るかどうかを聞いてみた。

『断る』

 即答された。だろうと思ったけどさ。

「そうか。リンが入ってくれたら助かったんだけど……やっぱり俺の下に入るのは嫌か?」
『そうだな、ケーマは、弱いから、嫌だ。それに、冬が終わったら、また旅に、出るからな』

 ああ、冬季限定なのか。冬篭りだけのためにウチのダンジョンに寄ったんだなぁ。
 ……ダンジョンの支配下に入ったらダンジョンの外に出られなくなったりするのか? いや、でもハクさんとこのクロウェは普通に出てたっけ。 ダンジョンコアのハクさんだって外出してるんだし、出れるんだろうけど。

「旅ってのは、何か目的があるのか?」
『……ああ、主人を、探してる。ここには、居ないな』

 主人? こいつ、既婚者でメスだったのか。

『……ちがう、親分の、ことだ。それに、わたしは、性別、無い』

 ゴーレム越しに何か察したのか、訂正された。
 というか、性別ないのか。狼の姿してるけどどっちもついてないのか。まぁイッテツ曰くスライムって話だし、単性生殖か。
 いや、そこよりも親分だ。……テイマーのことかな。リンは、行方不明の飼い主を捜して旅をする忠犬だったのか。あ、スライムなら忠スライムか。

「リンの親分が居るのか。どんな奴だ?」
『わたしより、強い』

 マジか。このリンより強いとか相当なもんだぞ……

『わたしが、強く、なったのは、主人に、鍛えられたから、だ』
「……マジか。リンの師匠ってことだな?」
『そうだな。ケーマも、主人を、見つけたら、鍛えてもらったらいい』

 ゴーレムが強くなるんなら預けてもいいけどな。しかし、リンより強いとか何者だその主人ってやつは。
 謎が深まったところで、そろそろ今日も切り上げることにした。

「さて、そんじゃ今日も俺を食え。ほれ」
『んー……いや、いい。ケーマは、子分だからな。それに、あんまり、腹減ってない』
「そうか?」
『ああ。おかげさま、でな』

 ふむ。これは親密度が上がったってことかな。
 俺は初めて食われずにリンとの会話を終えることができた。


  *

 で、話は変わるけど、魔道具作りについてだ。

 ネルネは基本をばっちり押さえてきてくれたみたいで、カンタラが作り方を知っていた火、水、地、光の魔道具が作れるようになった。
 もっとも、単純に魔法陣から属性に関わる物が出るだけというもので、魔道具としては初歩らしい。十分凄いと思うけどな。

 これを早速ゴーレムに試してもらうことにした。アイアンゴーレムを用意して魔法陣を刻んでもらう。そしてそこに属性に合う魔石を溶かしこんで完成だ。
 その結果、
 ……腹から砂が出る、サンドゴーレム。ジャリジャリするだけで特に意味はない。
 ……膝から水が出る、ウォーターゴーレム。足元が濡れるだけで特に意味はない。
 ……顔から火が出る、ファイアーゴーレム。……ごめん、深い意味はない。
 ……右手が光る、ライトゴーレム。えーと、明るくなるだけで特に意味はない。
 という、特に意味のないゴーレムが4体出来上がった。

 ファイアーゴーレムについてはもっとこう、火炎放射みたく火を吐いてくれたらよかったのに、これじゃただの恥ずかしがってる人(物理)だ。
 けどまぁ、念願の物理攻撃以外の攻撃手段……になるのかな? なんか違う気もする。

「なんかこう、単体の威力としてはダンジョンの罠使った方が強力だよなぁ……水とか『水源』みたいなのもあるし」
「そ、それはー……私みたいな見習いの作る魔道具じゃぁー、ダンジョンの罠には絶対に勝てないですよー。新人冒険者が神様に挑むようなものですー」

 それもそうか。
 まぁ、ゴーレムに搭載できるという事は利点だろう。……うん、これらは魔道具ゴーレムとして新しいシリーズになりそうだ。

「目標は魔法を使うゴーレムだし、ガーゴイルって名前にでもしとくか」
「ガーゴイル、ならモンスターにもいますねー。確かに魔法を使う石像ですー」
「あ、居るんだ。……じゃあ魔法ゴーレム、通称ガーゴイルということで。ネルネ、ゴーレムが魔法使えるようにこれからも魔道具や魔法について研究頼むよ」
「はーい、わかりましたー」

 ちなみにガーゴイルは1匹1万DPだった。しかも石製で。青銅製で2万か……
 ……高いなぁ。やっぱり自作できればいいんだけど。

「とりあえず、研究用に道具と魔石は用意する。ああ、部屋も作らないとな。ダンジョン内で隔離した部屋になるけど、ダミーコア置いておくから出入りはできるだろ」
「研究……部屋……研究室ーッ!」

 ネルネは、目をキラキラさせてバンザイした。

「マスター、ありがとうございますー! がんばりますー! がんばりますー!!」
「お、おう。頑張ってくれ」
「ちなみに、研究するのって魔道具だけですかー? 魔法スキルなんかも研究しちゃダメですかー?」
「ん? んー、そうだなぁ……あ、じゃあ魔法陣つながりで魔法スキルのスクロールの作り方とか。あれも魔法陣だよな?」
「わっかりましたー! ネルネ研究室では魔法、魔法陣の研究を中心にー! 研究を行っていきますー!」
「ああ、結果が出るのを楽しみにしてるよ」

 ネルネ、魔法関係のことになるとホントハイテンションだな。
 しかし研究室でそれほど喜ばれるとは。魔女見習いってやっぱり魔法調べたりするのが好きなんだろうなぁ……

「あ、すみませんマスター。研究素材に、いくつか魔法スキルのスクロールが欲しいですー。あと、あとあとー、できればー、助手なんて……ダメですかー?」

 スクロールは、まぁ研究材料としては当然だろうな。下級の【ファイアボール】や【ライト】あたりをいくつか用意するとしよう。
 で、助手か。ふーむ……ゴブリン、って訳にもいかないよな。となると何がいいんだろうか、ネルネと同じく魔女見習いとか? ……同じモンスターよりは違うモンスターの方が考え方に多様性が出る気がする。別のにするか。

「じゃ、次ロクコがガチャで引き当てたモンスターを助手につけてみよう」
「はいー! ありがとうございますー! ガーゴイル目指してー!」

 えいえい、おー! と気合を入れるネルネ。
 そうだ、研究室と聞いて喜ぶネルネなら、きっと白衣が似合う。俺はDPで衣装を探し、30DPで交換した。

「ネルネ、コレをやろう。研究者の正装だ。服の上から羽織るといい」
「白い……服ー? これは、なんか魔女っぽくはないですねぇー…」

 あれ、ガッカリされてしまった。ちくせう。
 けどネルネに白衣はとてもよく似合っていた。思わず足をマッサージしてやりたくなる程に似合ってた。いや、してないけど。

 せめて助手についてはロクコにいいのを引いてもらおう。

 そんなわけでロクコを探す。もっとも、マップを見れば一発で、すぐに見つかる。ちょうどガチャを引いた後なのか、マスタールームにいた。
 聖女が1回食われたら1回引いて良いって言っておいたから、また聖女はリンにやられたのか。懲りないなぁ、聖女。
 ……しかも、都合のいいことにロクコの隣に味方を示す緑の点。モンスターを引いたらしい。俺はマスタールームに居るロクコに向かって話しかける。

「おーいロクコ、聞こえてるか?」
『あ、ケーマ。聞こえてるわよ、ガチャしてたの。今日引いたのはモンスターだったわ』
「うん、ちょうどいい。で、何を引いたんだ?」
『えっとね。ガーゴイルっていう、なんか石像っぽいの』


 ……ねぇ、コイツの豪運は一体なんなの?



+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ