挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

村、そして侵入者

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

112/302

侵入者

(ちょっとデータ飛んだので短め。あとで書きなおしあるかも)

 村長になった俺だが、やることは変わらない。ごろ寝最高。オフトンぬくぬく。少し寒い程度の気温の時こそオフトン様の愛に包まれるのに最適なのだ。オフトン教とか作って布教したいくらいだ。

 この世界宗教とかどうなってんのかな。無いなら俺がオフトン教の開祖になってもいい。信者をつかって肉布団っていうのを一度やって……いややめとこう、ああいうのは夢で見るからいいとして、実際やったら重くて熱くて羽毛布団様の足元にも及ばない寝心地だろう。夢は夢のまま、きれいな形でとっておくべきだ。
 やろうと思えばモンスター娘たちでできなくはないし。
 決して教祖になる道のりを思い浮かべて面倒になったからではない。

 ……あ、そういえば普通に神様とか居るんだったな、この世界。つか、実際会ってたな俺。むしろ神の先兵だったわ俺。
 あなたは神を信じますか? とか聞かれても「会ったことあるよ」って言えるじゃん、ハハッ。
 何て名前の神様だったのか知らんけどな。……宗教聞かれたらオフトン教って答えとこ。

 で、たっぷり温まって二度寝した後、一晩で村長邸を増築してみた。
 興が乗ってあっさりと出来てしまった。

 まったく【クリエイトゴーレム】はチートだぜ、と言わざるを得ない。普通はクレイゴーレムのみとはいえ、魔力さえあれば動き続けるし、ゴーレムってこんなに便利なのに……なんで広まってないんだろうな?
 帝都ならダンジョン圏内で魔力が満ちてるだろうから補充も要らないんじゃないかと思うんだが。

 尚、内装はロクコの要望を取り入れてロクコ部屋もある。さらにニクとイチカ用の部屋、客間と、それなりに部屋数を確保した。使わないかもだけど、こういうのはあるってことが大事だ。今は土地が空いてるからあとから付け足すのも簡単だけど、将来的には増築するスペースがなくなるかもしれないからな。先に取ったモン勝ちだ。
 ……いや、村長として「ここのスペースは宿用に確保してっから」が使えるけど、それにも限度があるしなぁ……
 上に伸ばす方向も検討するか。山に沿って伸ばす形で。

 ともあれ、俺が増築した村長邸を見て満足して頷いていると、唖然とした顔のクーサンがやってきた。

「け、ケーマさん!? 俺に村長邸を建てさせてくれる約束はどうなったんっすかー?!」
「んな約束してねぇよ。帰ってさっさと倉庫建ててろ」
「くっ、そういえば確かに約束してなかった、すっかりしたつもりになっていたが……倉庫もまだ1個しか建ててないもんな。しかしこの村長邸、昨日は無かったハズ……しかもあたかも最初から一つの建物だったかのような出来栄えだ……すごい建築力を感じる。俺も大工の息子として負けてられないぜっ!」

 そう言ってクーサンは帰って行った。
 って、もう倉庫1個建てたのか。仕事速いなぁ。思いのほか優秀なんだろうか。

 ……ま、村長邸はできたし、村に関わる面倒なNAISEIは人任せにして、俺はダンジョンの方でも弄ってよう。
 金は十分渡したし、何とかしてくれるだろ。いやー村長は忙しいなー。

  *

 さっそく今日から村長邸で寝泊まりだ、とオフトンと抱き枕(ニク)を持ち込んで寝ていたその夜。
 俺は起きた。というかロクコにたたき起こされた。

「ケーマ! 緊急事態よ!」

 げしっと俺を踏みつけて起こすロクコ。あ、この起こし方は俺のリクエストなのでぞんざいに扱われているということではない。至福の睡眠を邪魔されるならせめて足で起こせという訳でだな、足フェチ的に考えて。

「うぐ、ど、どうしたんだ?!」
「ダンジョンに侵入者、それもヤバイの!」

 侵入者ってだけならロクコがわざわざ俺を起こすことはない。冒険者が入り浸っている今、今更だからだ。
 ということは、相当ヤバい相手が侵入してきたのだろう。俺はメニューを開き、ダンジョンを確認する。

「こいつよ!」

 マップに光る侵入者の赤い点。「ヤバいの」と、名前がついていた。ロクコが付けたんだろう。
 ものすごい勢いでダンジョンを進んでいく。迷宮エリアで途中、潜っていた冒険者4人パーティーと遭遇して……冒険者が溶けた。
 あれ、こいつら確かバンチョとかシャッテとかいうのがいるCランクパーティーじゃなかったかな。一瞬かよ。

「んぅ……ご主人様、どうしました、か……?」

 起こしてしまったか。ニクが寝ぼけ眼をこすりながら俺の方を見る。

「侵入者よ、寝てる場合じゃないわ!」
「! 防衛に!」
「待て、今Cランクパーティーが溶けたところだ。まずは敵を確認する。ロクコ、全員に通信入れて起こしてくれ」

 飛び出そうとするニクを止め、コアルームへ移動した。敵の姿を確認する。……真っ黒い、狼か? なんかモヤがかかっている。
 全身が黒一色。唯一の例外は赤い目だった。白目とかもない、赤い宝玉をそのままはめ込んだような目が見えた。

「なんてモンスターだ?」
「わかんないわ! ……ウルフ系かしら? ニクはわかる? 犬だし黒いし、共通点はあるわね」
「……わかりません。けど、なんか違う気がします」

 そうこうしているうちにダンジョンが攻略されていく。冒険者用のトラップや徘徊するゴーレムをものともせず、迷宮エリアを抜けた。
 だがその先は謎解きエリア、狼に突破はできまい!

 黒い狼は部屋の中をうろうろしてくんくんとにおいをかいだ後、

『ガァアアア!』

 バゴォ、と謎解きギミックのゴーレムを噛み砕いた。

 ……おいいい?! 確かに最初に作った時のままストーンゴーレムだったけどさあ?!
 まさか謎解きエリアの2番目攻略が力技とは……

「ロクコ、宿にダンジョンコアを避難させておけ」
「はーい。村長邸の方の部屋で良い?」

 ダンジョンコアをキャスリングし、ダミーコアと入れ替える。これで万一は安心だな。
 謎解きエリアがガブガブと壊され尽くした頃、イチカたちから反応があった。さっさとコアルームに呼び込む。

「スマン、遅れたわ! ご主人様が寝起きとか超緊急事態なんやな?!」
「ああ、今侵入者が謎解きエリアを突破して、螺旋階段に入った。次の倉庫エリアでゴーレムつかって防衛だ。撃退ができないなら『火焔窟』へ誘導しろ」
「了解ッ!」

 最悪、イッテツにどうにかしてもらおう。またなんか言われそうだが……
 まさかイッテツやレドラでも対処できないとかは無いだろうし。

 黒い狼は、螺旋階段の中央吹き抜けをぴょいと軽く飛び降り、まるで重さが無いかのように音もなく着地していた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ