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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 作者:鬼影スパナ

勇者、来訪

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ロクコへ指輪をプレゼント


 指輪などのプレゼントは、すぐ渡さないといつまでたっても渡せなくなるフラグになる事を俺は知っている。
 なので、恥ずかしくはあるがさっさと渡してしまうことにした。
 わざわざ呼び出して渡すほどでもないか……とか思ったりしてもダメだ。渡すと決めたからには呼びつける。
 そんなわけで、渡さないという選択肢が出ないように「約束のアレできたから渡す。部屋まで来てくれ」と通信した。

「ケーマ! きたわよ!」

 3秒で来た。早いな。
 もし尻尾があればパタパタしてるところだろう。
 俺はごそごそと

「で、ロクコ。これ、約束の品な」
「箱? ……あ! あけていい?!」
「おう」

 言うが早いか、ロクコは手早く指輪を取り出す。

「おお……赤い宝石? 透き通っててすごく綺麗。中にもキラキラしたのが入ってるわね」

 そしてさっそく指にはめようとして――止まる。
 ……そして、チラッチラッとこちらを見てくる。……なんだよ、俺につけろってか。そこまでのサービスは想定外だ、渡すだけでも恥ずかしいってのに。

「……ケーマ。勇者から聞いたんだけど、こういうとき指輪ってパートナーがつけるのが普通らしいわよ? つ、つけて?」

 おねだりしてきた……だと……? くそう、よかろう、受けて立ってやる。
 俺はロクコから指輪を受け取ると、ロクコの左手をそっとつかみ、狙いを定める。
 ……ロクコの顔を見ると、緊張しているのかじっと指輪を見ていた。

 これ、あとでハクさんに殺されるんじゃないかなと思いつつ、俺はロクコの薬指に指輪を……緩い。サイズ測らないで適当につくったもんなー。
 だがこれは想定内。俺には【クリエイトゴーレム】がある。
 というか、最初から調整することを前提にしているので、緩めに作っておいたのだ。入らない方が問題だからな。

 ロクコはその緩い指輪を右手で触りつつ、くるくる回していた。

「むぅ、緩いわね……そうだ!」
「ん?」

 【クリエイトゴーレム】で調整をしようとしたその時、キュィンッ! と、ロクコが(・・・・)光った。

 光が収まると、そこにはロクコの代わりにロクコをそのまま成長させたような、金髪少女がいた。
 そして、白い左手の薬指に、俺が作った赤い指輪がぴったりとはまっていた。

 誰だおま……いや、ロクコか。普通に考えてロクコ以外あり得ない、いや、普通に考えたらこんな一瞬で成長するとかあり得ないけどさ、ダンジョンコアって普通じゃないもんな。

「指輪が緩いなら、私が大きくなればいいのよ! えへへ、ぴったりね。どう、似合う?」
「お、おう、……ロクコ、だよな?」
「うん? 何よケーマ、見惚れた?」

 ロクコは、むふふ、と微笑み、胸を張る。肉まんのようなナニカが「たゆん」と揺れた。
 あからさまに外見年齢が上がっている。いままでが小学生としたら、今は中高生くらいになっていた。最近の中高生は発育いいよなぁハハハ。
 ……俺は思わず足に目がいきそうになるところを、必死で止めて目をそらした。ロクコが靴はいてなかったら危なかったな。

「…………えーと? ロクコ、その姿は何だ?」
「あら、そういえばケーマに見せるの初めてかしら? どう? っととと」

 見せつけるようにくるりと回るロクコ、そして勢い余ってコケて、靴も脱げていた。

「あたた。急に大きくなるとバランスが取れないわねー」
「おいおい気を付けろよ」

 改めて座り直す。
 OK、落ち着こう。白とかワンポイントとかいろいろ見えたが見なかったことに……くっ、なんて魅力的な白ニーソ! つい目が向いてしまうッ! 足裏をこっちに向けないでくれ、キュンとしてしまうじゃないか!
 だが、見入るわけにはいかない。いい形の足で年齢的にも問題ないとなると、うっかり惚れかねない。
 そうなるとハクさんに惨殺される未来が容易に想像できるので必死でこらえる。

「ろ、ロクコ、戻れるのかそれ?」
「うん、戻れるわよ。っていうかコッチの姿、維持でDPをちょっと消費しちゃうのよねー」
「よし、とりあえず戻ってくれ。俺はまだ死にたくないからな」
「え?! 私がこの姿だとケーマ死ぬの?! 分かったすぐ戻る……戻ったわ!」

 ちらっと見る。ちゃんとロリっ子に戻っていた。
 ふぅ、危なかった……

「よし、それじゃあ改めて指輪の調整を……ってあれ?」
「ん? あ、ピッタリになってるわね」

 ロクコは靴を履きなおしつつ言った。左手薬指を見ると、ゆるゆるだったはずの指輪は、ロクコ(大)の時と同じようにぴったりと収まっていた。
 ……服や靴、ニーソもロクコ(大)になった時に調整されていたな、そういえば。って、その靴さっき脱げてたよな? え? 脱げてても調整されるの?

 よし、あまり深く考えないようにしよう。質量保存の法則がどうとか下手に認識したら調整できなくなる可能性もあるしな。

 ロクコはうっとりと自分の指にはまった指輪を眺めていた。

「えへへ、綺麗ねぇ、これ、宝石? 赤くて透き通ってて綺麗ね」
「ああ。自信作だ」

 よほどうれしいのだろう、手をくるっと回したりしていろんな角度から見ていた。
 俺もようやく落ち着いてきたよ。まったく、ハラハラさせやがって……

「宝石の中に入ってるキラキラ光ってるのって、これ何?」
「それはオリハルコンだな」
「へぇ、これがオリハルコン……オリハルコンってすごいレアなんじゃなかったっけ?」
「その量で1万DPだ」
「へー……この量で10ケーマか……」

 おい、俺を単位にするな。それにそれだと俺よりフェニの方が上になっちまうだろ。

「えへへ♪」
「まぁ、気に入ってくれたみたいで何よりだ」
「うん、ありがとうケーマ! 大好きよ!」

 と言った2秒後、ロクコの顔が真っ赤になった。自分が何を口走ったのか気付いたらしい。
 そして「に、ニクとかに見せびらかしてくるわっ」と、逃げるように走って行った。

 ……不覚にも可愛いと思ってしまった。
 いや、これはあれだ。自分のプレゼントを喜んでもらえてうれしくほっこりしてるだけ、ほっこりしてるだけなんだ……ッ!
次から新章ということで。
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