表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君が押せ

作者: SUZUKI

今から少しだけ俺の話に付き合ってくれないか。


俺は今、刑務官に連れられて絞首台へ向かう廊下をゆっくりと歩いている。


暴れたりしなければ、少しぐらいゆっくり歩いても何も言われない。


いつもは歯に海苔やネギがついている刑務官も今日は歯を磨いてきている。口臭も無い。


人生の最後に見る壁は真っ白で、床は磨きあげられている。


裸足で歩けばよかった。ひんやりした床を足の裏で感じるのが好きだった。


俺は人を三人殺した罪で、この廊下を一方通行で歩くことになった。線引きは個人個人違うだろうが、この世の中には殺してはいけない人間と、殺してもいい人間がいる。


少なくとも俺の中にはそういう人間がいた。


俺が殺したのは全員殺してもいい人間だった。それでも他人は俺を人殺しと呼んだ。



絞首台のある部屋に入ると、刑務官同士が書類とペンで事務的なやりとりをする。


自分の人生を思い返す。13段ある階段を上がりながら。


さて、首に縄がかかった。そろそろ俺の話も終わりだ。


ここまでつまらない話に付き合ってくれた君に頼みがある。


なに、簡単なことさ。


この画面の下にある『1』ってボタン、それを押してくれないか。


そのボタンがこの絞首台のボタンなんだ。


君が俺の人生を終わらせてくれ。


さぁ、早く。





ガタンッ…。







(よくやった。これで君も立派な人殺しさ)



終わり

これはケータイ小説でしか出来なかったこと。これがやりたかったから書いたようなもの。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ