21.王宮脱出作戦
「朝だぞ、カインド!」
「ぐほぅっ!!」
「グァンッ!?」
二日ぶりに、ルースに文字通り叩き起こされ、俺はベッドの上でのた打ち回った。
ベッドが広かった分、イクシスが床には落ちなかったのが、不幸中の幸いだ。それでもイクシスは驚いた様子で鳴き声を上げた。俺の叫び声に飛び起きたのだろう。
スパルタな起こし方も三度目で、俺はもはやルースに文句を言う気概を失っていた。
「……おはようございまず、ルースざん……」
「カインドもイクシスもおはよう」
「ぐむぁ~」
俺が着替えを終えたのと同時にノックの音がして、ワゴンに乗せられた食事が運ばれて来た。
「おはようございます」
「おはよう、リリィ」
「グァー」
礼儀正しいルースとイクシスの挨拶に、俺は腹の痛みを堪えて続いた。
「……おはよう。女官の仕事もしなきゃいけないのか?」
笑顔で入って来た女性は、昨日怒鳴りつけてしまった新人らしき女官ではなく、リリィだった。彼女は、俺の皮肉交じりの質問に、普段の調子を崩さず答えた。
「自由に動き回る為の代償ってところね。こっちの仕事もちょくちょくしてれば、城内のどこにいてもそれほど不自然じゃないでしょ」
説明をしながら、リリィはテーブルの上に食事を並べていく。その動きに無駄や迷いはなく、昨日の朝来てくれた女官よりも、よっぽど手馴れていた。
「さっさと食べてちょうだい。話を出来る時間は限られてるからね」
……やっぱり昨夜の会話は、俺の夢や妄想じゃなかったのか……。
昨日リリィがやけにスッキリした顔で部屋から出て行った後、ベッドに入ってからもアレコレ考え込んでしまって寝付けなかった。
結果、しっかり寝不足である。
俺はため息を押し殺し、テーブルについた。
生肉が盛られた一際大きな皿をテーブルの中央に置きつつ、リリィが言う。
「――で、上手く宮殿から脱出する手段は思い付いた?」
「部外者がそう簡単に思い付ける様なら、苦労はないっての。とにかく情報が足りない。焦るのもわかるが、もう少しルークセント上層部の動きとか王宮の配置とか――何より『巨獣の卵』について調べた上で動く訳にはいかないのか?」
イクシスの為に肉を切り分けながら、俺は言った。
その台詞にリリィは眉根を寄せる。
「こうやって貴方達を訪ねられるのも、コーヴィン将軍が逮捕されたからなの。昨日の朝まで貴方達も親衛隊の監視下にあったくらいなんだから。でも今は、突然責任者――隊長であるコーヴィン――がいなくなったことで王宮警護の兵士達は右往左往してる。この機会を逃すと、コッソリ出て行くのは、ほとんど不可能になっちゃうのよ」
そう言えば、昨日の朝、俺が大騒ぎした時にも、兵士達が間を置かず駆けつけていたっけ。
「もしかして俺達って一晩中見張られてた?」
パンにジャムを塗りながら、ルースが答えた。
「ああ。一晩どころか城に着いてからずっと視線を感じていたぞ。夜の間は廊下に二人、庭にも気配があった」
「そういうのは教えておいてくれよ……」
「こういう場では監視されるのが常識なのかなと思っていた。監視者も気配を隠そうとしてないし、てっきり君も気付いた上で何も言わないんだと……」
――石壁一枚隔てた向こうの気配が探れる様なら、その辺の盗賊に捕まったりしないわい。
まぁ、それは置いといて。
ルークセントとの関係が薄い俺達の登場と、動くには邪魔だったコーヴィンの排除。リリィの立場からすれば、昨夜は千載一遇のチャンスだったのだろう。変にテンションが高かったのも納得である。
「となるとやっぱり、出来るだけ早く動き出すべきかなぁ」
「でしょ! 混乱が治まったら警備はキツくなる。急がないと!」
リリィは拳を作って、声を大きくした。未だに躁状態というか、興奮している様子だ。
俺はため息をついて、口を開いた。
「俺達だけじゃ無理だ。警備の隙を突いて、そっと出て行くことが出来ても、俺達には馬一頭いないんだぞ。すぐに追っ手がかかるのがわかってるのに、足がないなんて話にならないっての」
「……むー」
勢いを削がれたのが気に入らないのか、不満げに口を尖らせるリリィ。それでも言い返してこないのは、目的地までの移動手段すら考えていなかった証拠だ。
馬は買うにしても、場所が限られるし値段もかなり高い。そして何より、現状では馬を売っている所まで俺が出かけて行くことは不可能である。
――頼るのは仕方ないとしても全て丸投げするのは勘弁して欲しい。
俺は静かに長く息を吐いてから、言った。
「リリィはもちろん、俺達も動けない。それなら、協力者を見つけるしかない」
俺が一晩かけて捻り出した案を聞いても、リリィの表情は晴れなかった。
「……昨夜も言ったでしょ。あたしが信用出来るのは三人しかいないし、彼らはあたしの身の安全を優先するから、あたしが王宮を出ることを許してくれないわ」
「協力者がいなけりゃ、ルースを先頭に力ずくで脱出するしかないぞ。怪我人は確実に出るだろうし、上手くいく可能性は相当低い。仮に成功したって、すぐ後ろにルークセント全軍が付いて来る様な状況になるのは、目に見えてる」
俺は突き放した声色でそう言って、背もたれに体を預けた。
言葉を切り、意見を吟味するだけの時間を王女サマに与える。
「……っ」
リリィは黙り込んだ。表情を見る限り、俺の意見が正しいことは理解している様だ。
「……何も信用出来るヒトを全員同行させようって言ってるわけじゃない。一人だけ、宮殿を抜け出す手助けをしてもらえばいい。これなら難易度は少し下がるだろ」
リリィが口を開いたのは、たっぷり数分経ってからだった。
「……サラなら、もしかしたら……。説得することは出来なくても、スロウルムへの報告を止めることなら、多分、出来るわ」
未だに不安げな表情ではあるが、彼女の背筋は伸びていた。
「よし。告げ口される心配がないんなら、試してみて損はない」
リリィの答えに内心安心した俺は、頭の中で指示を整理した。
「俺達の食事を片付けたら、すぐにサラを見つけて、一対一で説得にあたってくれ。俺達に全ての事情を話したことを忘れずに伝えるように。そうすれば、説得しきることが出来なくても、サラは真っ先にここへ駆けつけてくれるだろうからな」
「わかったわ。さぁ、さっさと食べてちょうだい。後は貴方だけよ」
そう言われて隣を見れば、ルースもイクシスも自分に出された皿を綺麗にしていた。
ルースは食後の紅茶をゆっくりと傾けているし、イクシスは満足げに喉を鳴らしテーブルに寝転がっている。
俺に任せっきりで朝食楽しんでやがったな。
何か文句を言おうかとも思ったのだが。
リリィが睨んでくるので、せっかくの豪勢な朝食を、味わいもせず胃に詰め込むしかなかった。
「じゃあ、行ってくるわね!」
「張り切り過ぎて変な失敗するなよー」
俺の皮肉にも反応せず、リリィはワゴンと共に出て行った。
「ぐむ~ッ!」
「最初からサラを呼ぶように頼めば良かったのに」
ドアが閉まると同時に、イクシスの呻り声とルースの冷静な声が響く。
振り返ると、ルースが膝に乗せたイクシスの口を、ほとんど力ずくで拭いていた。
「リリィにも考えさせたかったんだよ。我侭を言うだけでどうにかなるなんてお姫サマの思考じゃ、この先困る」
説得には相手の人格を知る必要があるので、その時点で話したこともないダインは候補から外れる。そして、将軍としての立場があり、かなり目上のスロウルムもそう簡単に説得することは出来ないだろう。
あの三人の中で協力者になってくれそうなのは、サラしかいない。
俺は初めからそう思っていたし、同じ様に結論付けるようにリリィを誘導していた。
「カインドが教育する義理もないと思うがなぁ。――さぁ、終わった」
「ぐむぁ~っ!!」
解放されたイクシスが悲鳴じみた鳴き声を上げながら、俺の肩まで飛んで来た。金色の瞳が潤んで見えるのは俺の気のせいだろうか。
小さなドラゴンの頭を撫でつつ、俺は言った。
「リスクは極力減らしたいだけだって。つーか、あんまりイクシスイジメるなよなー」
「グァッ!」
俺の台詞に同意する様にイクシスが鳴いた。
「いッ、イジメてなんかないッ!」
さて、あまりバタバタはしていられない。
予想があっていれば、すぐにでもサラが来る。
俺はまだ着ていなかった鎧を取り出し、ベッドに座り込んだ。
「鎧の点検か?」
「いや、家紋を外そうかと思って」
鎧の装飾は打ち付けられるのが普通で、本来なら外すことは不可能だが、俺の鎧は胸部の大きな家紋と手甲の簡略化された紋章は取り外しが可能だった。
旅に出る直前のことだ。
親が勝手に作っていた鎧があまりに装飾過多なので俺は愕然とした。俺の美意識からは程遠かったし、防御力にも不安があった。そこで元々良く通っていた工房に相談に行ったのだ。すると、長い付き合いである工房の親方が、手軽に付け外しが出来るように手を加えてくれた。
いざ出発してみると、貴族の身分を匂わせる方が色々と融通が利くことがわかったので、結局付けたままになっていたのだが。
「何でまた? 今更過ぎるだろう」
ルースの言葉に、俺は手を動かしながら答えた。
「これからは、出来るだけ身分を隠した方が安心だろ。どう足掻いても逃げることになる訳だし」
「なるほど。確かに」
ルースはやけに感心した様子でしきりに頷いた。
とは言え、これは気休めに近い。俺はともかく、イクシスもルースも目立つ。出来ることが少ない中、出来ることは全部やっておきたいだけだった。
イクシスに肩口から覗き込まれながら、作業を続けていると、ノックもなくドアが開いた。
「いるか、二人とも!!」
物凄い勢いで部屋に入って来たのは、当然サラだ。全身鎧を着込んだその顔には、興奮と怒りと焦りと疑問が入り混じった、曰く言いがたい表情が浮かんでいる。
「そりゃいるさ」
「ぐあー」
「おはよう、サラ」
三者三様に応じる俺達の言葉を無視して、サラは詰め寄ってきた。
「一体どういうことなんだ!? 姫様が突然――突然ッ!!」
言いたいことがありすぎて言葉に詰まっているらしい。その隙をついて、俺は言った。
「まぁ、興奮するのもわかるけど……。落ち着け、サラ」
「こっ、これが落ち着いていられるかぁッ!!」
サラの三角形の耳がビシっと立った。
「俺達だって十分振り回されてる立場なんだ、怒鳴られてもどうにも出来ねぇよ」
「ぐぁっ」
冷静に返した俺の台詞に、サラは口を開いたが、文句の付け所を失ったようで、顔を伏せてしまった。何度も深呼吸を繰り返し、広がった彼女の髪の毛が落ち着く頃には、数分が経っていた。
俺は作業を終え、椅子についていた。
「とりあえず座りなさいな。一人でここに来たってことは、スロウルム将軍には報告してないんだろう?」
「……ッ。悔しいがその通りだ」
何故か俺を睨みつつ、サラは勢い良く椅子に腰を下ろした。
ルースが紅茶を淹れてくれた。
それぞれカップを傾けるのを確認して、俺は口を開いた。
「当然話は聞いてるだろうけど。王女――俺達はリリィって呼んでる――は、王宮を抜け出して『巨獣の卵』探索に出向きたいそうだ。何か思うところはあるか?」
「大ありだっ!! 王女殿下の身を危険に晒せる訳がないだろう!」
テーブルに拳を落として凄んでくるサラ。
まぁ、軍人ならそう思うのが普通だよなぁ。俺は内心を隠し、努めて冷静に言葉を返した。
「その王女殿下ご自身のご命令だぞ?」
「主君の身の安全の為なら、苦言を呈するのも臣下の役目だ」
「このままリリィをほっとくのもな。ヘタしたらあの娘は、暴走して一人で行動を起こしかねないぞ。攫われたフルールがいずれ戻って来るなら、宥めすかして時間を稼ぐのも手ではあると思うけど、それも難しいだろ?」
「そうかもしれないが――いや、お前のやり口はわかってるぞ、カインド・アスベル・ソーベルズ! 私を口でやり込めようとするな!!」
一度納得しかけたサラが、目に怒りを表しながら叫んだ。
しかしここで負けるわけにはいかない。
俺が説得出来るとしたらこの女騎士しかいないのだ。
「いいや、聞いてもらうね。さっきも言った通り、俺達もあの王女サマに振り回されてるんだ。本来なら部外者である俺達に協力を持ちかけてくるほど、リリィは追い詰められてる。彼女が暴走する可能性はかなり高いし、そうなった時は俺達だって巻き込まれる訳だ」
「ぐ……」
「それにな、城にいれば安全っていうのも危険な考えだと思うぞ。王女として振舞っていたフルールは攫われてるんだ。それよりは、腕っ節の立つルースが傍にいる方がいいかもしれない」
「――ッ」
サラはショックを受けたように顔を歪め、肩を落とした。さっきまで立っていた耳が下を向いてしまう。
「王女は何だってお前達なんかに……。そんなに私達が信用出来ないのか……」
どこかで聞いた台詞で思い至った。
そういえば一昨日初めて出会った時、サラは何だか物凄く怒っていた。もしかしたら、あの時も怒りと無力感に苛まれていたのかもしれない。主君と国の一大事に、出来ることと言えば外国人を連れてくることぐらい。そんな自分に対する、怒りと無力感に。
思考を振り払って、俺は言った。
「お前達三人のことは信用してるって言ってたぞ。でも、軍――というかルークセント上層部は疑ってるみたいだったけどな」
「カインドの言うことが信じられないのなら、僕も保障しよう。リリィは君達のことは信じている」
珍しく、ルースが助け舟を出してきた。この美しい剣士は、交渉の為に嘘をつくことはないだろうから、本気でそう思っているのだ。俺の口八丁より遥かに説得力があった。
ルースの言葉は、サラに届いたらしい。一つ咳払いをして、サラは背筋を伸ばした。
「んんっ。思うところはあるが、身の安全については大差ないとしよう。しかし、王女殿下自ら探索に行かれる必要があるのか?」
「自分の知識がどこかで必要になるかもしれないし、とか何とか。ありゃ多分、自分が行動したいってのが半分以上あるんだろう」
俺がそう言うと、ルースもイクシスも何度も頷いた。
一瞬呆けた表情になったサラは、やがて頭を抱えた。
「それじゃあ、どう足掻いても、その内暴走するのは目に見えてるじゃないか……」
「フルールが戻ってくる可能性がほとんどない以上、どの道そうなるな」
数分誰もしゃべらなかった。
俺は年下の女性一人に振り回される現状を嘆いていた。サラもおそらく似たような心境だろう。
長い沈黙の後、サラがゆっくりと顔を上げた。
「――――わかった。協力しよう」
「ぐーぁっ!」
イクシスが嬉しそうに鳴いた。
「そうか。感謝する」
俺は余計なことを言いそうになる口をねじ伏せ、簡潔に言うに留めた。グダグダと感謝を述べたり、覚悟を聞いたりするのは、むしろ相手を侮辱してしまう気がしたのだ。
意識を切り替え、要件を述べる。
「サラに頼みたいのは、まず馬の確保だ。宮殿を抜け出した後ですぐに乗れるよう、どこか近くに待機させておいて欲しい」
「夜にそっと脱出するつもりなら、宮殿から出るだけじゃ不十分だぞ。基本的に日が沈んでいる間、城門は閉められているからな」
その可能性は考慮していなかった。部外者が立てる策など、所詮この程度だ。
「……そうか。となると、護衛の兵士に対してサラがどうにか……いや、そうすると目立っちまうな……」
用意が出来ていなかった問題をアレコレ考えていると、口元に拳を当てたサラが言った。
「その点は私に任せてくれて構わない。上手くいけば一気に王都から出られる」
「どんな手だ?」
「今は口にするのをやめておこう。お前達にも私を信用してもらわないとな」
サラはニヤリと笑った。獣人特有の鋭い犬歯が覗けた。
先の見えない状況だけに、協力者がどんな手を使うかぐらいは知っておきたかったが、そこまで言われては引き下がるしかない。
朝からとんでもない要求をされ、心身ともに振り回された女騎士に、せめて一つくらいは花を持たせよう。
俺は大きくため息をついて、両手を肩の位置まで上げた。
「わかった。お前に任せる。次は資料だな。『巨獣の卵』について記された本とかないかね?」
「我々で一応調べてみたんだが、一冊にまとめてあるようなものはなかったな……。だが、調べた結果はこの頭に入ってる。それで十分だろう」
こめかみに人差し指を当て、サラは言った。
「はい?」
俺は驚いて彼女の顔をマジマジと見てしまう。
視界の端では、ルースも目を丸くして、女騎士を穴が空くほど見つめていた。
「私も『巨獣の卵』探索に協力する」
女騎士の台詞には、重い決意が込められていた。俺は一瞬頭が真っ白になった。
「い、いや、王都を抜け出すのにちょっと協力してもらえれば、それでいいんだけど……」
「スロウルム隊長とルークセント軍を裏切るなら、せめて王女殿下への忠義は貫きたい。殿下の御身は私自身が護る」
サラの表情はどこか晴れやかだった。
「それに、お前達だけに王女殿下を任せるのは、私も不安なんだ」
少々のやり取りの後、結局サラも同行することに相成った。
もちろん心強いのは確かだ。
しかし、サラの今後を考えれば手放しでは喜べない。ちょっとした手助けなら言い訳のしようもあるが、一緒に行動するとなると軍人としての将来に傷をつけるのは間違いないのだから。
サラの人生を左右するのは心苦しかった。
それでも、当人はもう覚悟を決めてしまっている。
腕を組んで考え込んでいた女騎士が、不意に口を開いた。
「女官の控え室まで来てくれれば、あとは簡単なんだが。問題は、お前達が人目に付かず来れるかどうかだ」
「その控え室ってどの辺り?」
俺は訪ねた。
「エントランスの近くだ。距離もあるし、人通りも多い」
「窓から外に出て、そこまで行くのはどうだ?」
ルースの提案に、サラはガシガシと頭をかいた。
「いくらバタバタしてるとはいえ、塔にはちゃんと見張りが配置されてる。宮殿内より外の方が危ない」
「そうか……」
ルースはいくらか残念そうに呟いた。
俺は背もたれに体を預け、考える。
例え夜とはいえ、宮殿の中には大勢のヒトがいる。ルースならともかく、俺が一度も見られずに行動するのは難しい。外は外で見張りがいる。こちらは不可能だろう。
それなら。
俺は体を起こし、言った。
「昨夜考えたけど却下した手が使えそうだ。サラにはもう一つ用意してもらう物が増えるけどな」
1月11日初稿