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十二英雄伝 作者:ぷるっと企画

零章 『世界が分かれた日』

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十六話 「RD事変⑮ 『反作用の兆候』」

  †††

 オンギョウジが最上階に到達した頃、ユニサンも一階に到達していた。
 地下の監視のために後方にロキN5を配置した以外は他のロキも合流している。アズマとの戦いでN8を失い他のロキにも損傷があるが結果は上々であるといえた。
「上の状況は?」
「オンギョウジ様はエレベーターで最上階に到達。その他の階層ではすでに大部分の制圧が完了しております」
 ユニサンが尋ねるとマレンからの回答が即座に届く。
 表層部とはいえアナイスメルに接触しているマレンには、ユニサンたちがどこで話しかけようと雑音なく聞き分けることができる。波長をユニサンやロキに合わせているからだ。
 マレンから回答をするときは思念を発すればいい。それがアピュラトリスの内部であれば壁からの振動によって音が伝えられる。それが不可能なときは猫型の携帯電話か鼓膜に取り付けられた振動式のスピーカーによって伝えられる。
 つまるところマレンは【アピュラトリスと同化】しているようなものである。すべてが感覚による反射で対応できるのだ。全階層の情報がリアルタイムで【感覚】として理解できる。さらに詳しく知ろうと思えばそこに視点を合わせると、近くに設置されている監視カメラや壁自体の振動によって状況を詳細に把握できる仕組みだ。
 オンギョウジが一階に到達した段階でマレンはアピュラトリス内部の一部を除いた全エリアに対して神経ガスを注入した。まだ外部からの接触がありうる状況なので外部との連絡を担当する部署だけは残してあるが、それ以外はほぼすべての人間が眠りについているか隔離されているはずである。
 これも感覚によって行われている。遮断しようとする意思を発するとそれに対応した警備システムが自動的に発動するのだ。まるで人間の普段の行動である、食べる、歩くなどの行為が潜在意識によって代理で行われているのと同じく、特に意識しなくてもその行動が行われる。
 そのためいちいちすべての階層の全エリアを確認する必要はない。「遮断した」という感覚が【実感】としてあればそれは間違いのない事実となる。

 ただ、マレンも万能ではない。どうしても死角が生まれる。
 まずマレンは現在百九階層にダイブしているルイセ・コノのバックアップを行わねばならない。彼女が深く潜れば潜るほど脱出する際にはサポートが必要である。これにかなりの精神力を割いている。
 次にアピュラトリス内部に視点を合わせねばならない。ユニサンたちのバックアップである。
 すでに同化しているので勝手知ったる我が家なのだが、言葉で他人に説明するには非常に論理的精神力を使用する。簡単に言えば感覚を言葉にすることは難しい。言葉にするためにはわざわざ視点を合わせて詳しい状況を見ないといけないのもひと手間である。
 そして、外部からのアクセスの遮断も行う。外に展開している軍に悟られず、さらに内部の人間も監視しつつ、サカトマーク・フィールド発動に向けてひっそりと陰から作業をこなしている。
 これは勉強をしながらテレビを見て雑談し、同時にゲームをするようなものである。同時にやることはできるが、やはり一つに集中してこそ多大な成果を挙げることができるものだ。
 こうした事情もあり、さすがのマレンも精神的にかなり疲弊していた。
 よって、こうしたタイミングで【問題】が発生したのは致し方のないことであったのかもしれない。

「現在、一部のブロックと感覚が遮断されております。そこの調査をお願いしたいのです」
 警備装置を総動員した直後にマレンの制御から外れたエリアがあった。
 マレンが実際に見たわけではない。これも感覚でわかったことだ。肉体が感じる軽度な病の兆候、本当に軽い立ちくらみのようなものが起こったにすぎない。
 他に重要な作業があったので見逃してもかまわない程度のものであったが、マレンにはどうしても気になった。ヘインシーを含めた【この種】の人間は変わった性向を持つことが多く、マレンもまたその一人であったからだ。
 彼は【異常】に対してとても敏感である。日々のルーチンワークをとても大切にし、日課も完璧にこなさないと気が済まないような人間で、朝起きた時にいつも決まった体勢でないと心配になるような青年である。
 だからこそ違和感に対しても重要視する。軽度の違和感も原因を突き止め、その対処と予防策を練らねば嫌なのだ。
「これだけの大きな塔だ。多少は仕方ない部分もあるだろう。大きな障害ではなかろう?」
 武人のユニサンにとってマレンたちがどれだけすごいことをしているかは理解できない。それでも素人が専門家の論文を見たときのような「何かすごいことをしているのだろう」ことくらいはわかる。
 それだけのことをしているのだから、多少のイレギュラーくらいあってもかまわない。ユニサンはそう思っている。
 が、マレンは違う。
「非常に重要な問題です。これでは完璧に第三ステージに移行できるか心配です」
 オンギョウジに対しては余計な心配をかけて重荷にしたくなかったので本音を言わなかったが、この問題はマレンにとって非常に不愉快であった。
 違和感がある。それ自体が彼には気に入らないのだ。それがアナイスメルの未知の領域ならばまだしも、すでに掌握している部分で起こったのが気に入らない。普段は意識せずに動かせる人差し指の感覚が急に遮断されたら、たとえそれが指を使わないジョギングの最中であっても気になるはずだ。彼はそう主張しているのだ。
「サカトマーク・フィールドを展開するまでの間でかまいませんので、ぜひ調べてください」
 マレンの声にはお願いどころでは済まない強制力が含まれていた。立場上はユニサンのほうが上なのだが、だからこそけっして譲らないという強い意思を感じさせる。
(やれやれ、これだから【そっち側】の人間は苦手なのだ)
 ユニサンは自分が武人であったことを違う意味で良かったと思っている。
 武人は単純である。殴りあい斬りあい、勝った負けたで白黒決着がつく。特にユニサンは結果が伴えば過程はさほど気にしない性格だ。そういう人間にとってはマレンのようにこだわる人間は苦手である。なまじ優秀がゆえにさらに厄介だ。
「わかった。ギリギリまで調査しよう」
 本来ならば第三ステージへの準備に取りかかりたいところだが、ここはマレンの意見を尊重することにする。自分と違ってマレンはこれからも必要な人材だ。それくらいはかまわないだろう。

 ユニサンとロキたちはマレンの指示で六階に到達する。このエリアが特に遮断が多く見受けられているという。
(見た目での異常はないな)
 ユニサンが気配を探るも異常は感じられなかった。探ったのは主に闘争の痕跡である。少なくともここで戦闘が行われた形跡はない。
「N5はここで後方の監視。N6、N7は東エリア、N9は西エリア。俺は中央エリアを調べる。合図があったら各自の判断で塔を脱出してかまわん」
 ユニサンはロキに指示を出してエリアの調査に向かう。どのみちここまでは予定されていた移動ルートである。内部の制圧が終わった以上、もうユニサンたちがここに留まる必要はない。
 強いて言えばオンギョウジたちを追撃する兵がいれば食い止める程度であるが、すでに最上階に到達したのでその必要もないだろう。エレベーターもマレンによって現在はすべて停止されている。
 あとはオンギョウジが【仕事】を終え、ユニサンたちがフィールド展開と同時に外部に出れば次のステージが始まる。

 ロキと分かれたユニサンは走りながら周囲の様子をうかがっていた。といっても大部分は隔壁が下りていて余計なルートが遮断されているので、道なりに進みながら引き続き気配を探るくらいしかできない。
 もともと人間のいないエリアなので非常に静かである。音楽でもあれば気は紛れるのだろうが実に単調で地味な作業だ。探知や探索には縁遠い戦士タイプであるユニサンにはなかなか難儀である。
 ただし、これもまた作戦の大部分が成功を収めているがゆえの安心感である。地下での激闘とは正反対の静かな空間で心に幾ばくかの余裕が出てきた証拠であった。
(第三ステージは激戦となろうな)
 ユニサンは次のステージが、この第二ステージが霞んでしまうほどの激戦となることをすでに知っていた。
 当然ながら外にはダマスカス陸軍がいる。油断しているとはいえMG部隊を含めた二万に及ぶ軍勢なのだ。この人数で立ち向かえる相手ではない。もちろんユニサンたちもそんなことはわかっている。そのための第二ステージなのだ。準備さえ整えれば十分勝機はある戦いである。
 何よりユニサンは【捨て駒】でしかない。所詮バーンにもなりきれなかった半端者、すでに時代から取り残された人間である。
 ゆえに次のステージからがラーバーンの本当の戦いが始まる。そこで【正規軍】として現れる者たちこそ真のバーンたちなのだ。自分とは比べものにならない存在である。
(あの御方たちのために道を作る。なんと光栄なことか)
 ユニサンは自分が捨て駒になれることに感動を覚えていた。それだけの存在が後ろに控えていることに安堵さえするのだ。
 自分の仕事の八割は終わった。あとは残りの寿命が尽きるまで戦うだけのこと。今はそういうさっぱりとした心境である。
(妙に落ち着いているな)
 アズマとの戦いですべてを出し切ったのだ。憎しみも断たれた今のユニサンに心残りはない。不思議なことに残ったのは武人としての誇りと性分だけであった。
 純粋に戦士としての闘争本能と向上心。武に対する好奇心が湧き上がってくるのを感じていた。それは今まで感じたことのない気持ちであった。
 今までは略取する者たちへの怒りで戦っていた。自分を鍛えたのも復讐のためだ。それが今はまるで子供の頃のよう、母の言葉を受けて仲間のために役立とうとして鍛えていた頃の気持ちに戻ったようである。
(これではいかんな。引き締めねば)
 火を放つのが自分たちの目的。それには相応の覚悟と犠牲が必要である。すでに犠牲になった人間、そしてこれから犠牲になる人間に対してこのような心持ちでは失礼にあたるだろう。
 もちろん勝手に犠牲にされる側にとってみればそのような気持ちなど自己満足や欺瞞でしかないこともわかっている。そうであってももう止めることはできないのだ。

「フィールド展開まであとどれくらいだ?」
 ユニサンは気を引き締めるためにマレンに状況を確認する。今が任務の途中であることを強く意識するためだ。
「あと三分で準備は整います。すでに内側ではモーターの回転が始まっています」
 まだ外部に悟られてはいけないので慣らしであるが、すでにフィールドは動き始めている。慣らしが終わればすぐに展開は可能だ。
 ただ、サカトマーク・フィールドは普段なかなか使われないもので、十年に一度点検がある以外はフル稼働したことは一度しかない。それも数百年も前のことであり、技術が促進されるたびに改造を行っているが、あくまで最後の手段、切り札なのだ。
 切り札は使わないのが一番良い。よって、実際に発動する前にちゃんと動くかの試運転が必要である。
「俺にはそういったことはよくわからないが、大丈夫なのだろうな」
 ユニサンは機械にはまったくの無知である。MGですら機構をよく理解していないで使っている。これもまた使えれば問題ないという考えである。多くの人間が内臓の働きを知らずとも生きていけるように。
「スペック上は問題ありません。アナイスメルの仮想領域ではすでにシミュレートが終わっております」
 ルイセ・コノがダイブした際に確保したアナイスメルの仮想領域では、現実の動きを実際にそこでシミュレートすることが可能である。サカトマーク・フィールドもアナイスメル上においては実際に発動しており、問題がないことが確認されている。それは現実の実物でも完璧に同じ結果となる。
 なぜならば、この仮想領域においては【もう一つの結果である地上世界】が実現されているからだ。それを可能性と呼ぶのは適切ではない。より正しく言えば【確定された未来の描写】である。
 これがアナイスメルを運用する際においての最大の長所である。
 シミュレートというものは、あくまで設定された条件下においての想定にすぎない。不確定要素における誤差や妨害は必ず起きるものなのだ。
 だが、アナイスメルのものは違う。
 地上でこれから起こることを事前にトレースする場、さらに正確に言い換えれば【こちらこそが実体】であり、それが【地上世界に表現される】のである。よって、これはすでに起こったことなのだ。サカトマーク・フィールドはすでに発動することが決まっており、その時に起こる状態もほぼ把握できている。
 ただし、ダマスカスはこうした能力を使って完全なる金融システムを作っていたのは事実であるが、彼らが使っていたものはここまで正確なものではなかった。せいぜい三十パーセントの予測率であれば上等であったものだ。
 それがルイセ・コノのダイブによって完璧に近いレベルに達していた。これは百五階層にあったリミッターの一つをルイセ・コノが解放したからである。
 もともとの三十パーセントの予測率でも驚異的であったものが、人智を超えるほどに高まった。これだけでも驚くべきことだがアナイスメルの【本来の使い方】からすれば何でもないことだ。あくまで副次物にすぎない。
 結局、その後に続いたマレンの解説をユニサンは数パーセントも理解することはできず、ただ頷くことしかできなかった。
 が、少なくとも自分が今任務中であることを再確認はできたことには意味があった。そうして落ち着くと、もう一つのことが頭をよぎった。

「【新しい電池】は内部に入ったのか?」
 激戦でそれどころではなかったがアピュラトリスにとって重要な存在を思い出す。
 新しい電池、エリス・フォードラの確保も可能ならばという条件付けで任務の中に入っている。彼女についてはラーバーン側でも事前に存在は把握しており、今日ここに来ることもわかっているのだ。
 作戦の決行に当たっては彼女が来る時間も考慮に入れている。予定ではそろそろのはずだ。
「外部からの情報では到着しているそうですが、その後の消息は不明です」
 マレンはアピュラトリスの外部についてはあまり感覚を伸ばしていない。塔の管理者であるヘインシーに悟られる可能性があるので控えているのだ。
 そのため外に潜んでいるラーバーンの構成員から情報を違うルートで得ている。その構成員はロキのような存在ではないが、マレンたち【レレメル〈支援者〉】に次ぐ貴重な人材である。
 現在は各国密偵が入り交じっている状態なので、それがカモフラージュとなって比較的自由に動けているようだ。そこからエリスがエレベーターに乗って入り口に向かったことはわかっているものの、ちょうどその前後から感覚が遮断されてしまいその後の消息は不明である。
 ただし不明ということは、つまるところこの階にいる可能性が非常に高いことを示していた。マレンが捜査を依頼したのはこの件もあってのことである。

「電池の回収には【ヤイムス〈隠者〉】が向かう予定だったな?」
 隠者、ヤイムスとはラーバーンの協力者のことである。彼らは組織全体と密接な関係を持つマレンたちレレメルやロキのような戦闘構成員とは異なり、間接的あるいは個人的にラーバーンに味方する者たちである。
 信用できるメンバーという意味でのラーバーンは非常に小さな組織である。存在そのものが重要かつ危険すぎるために大きくするわけにはいかない事情があるのだ。
 そのためどうしてもヤイムスのような存在の手を借りねばならない場合が生じる。今回はアピュラトリスという特殊な場所でもあったため何人かのヤイムスが動いていた。
 電池を迎えに行ったのは長年このアピュラトリスに勤めている女性で、もともと一般人として普通に過ごしているので誰からも警戒されない人物であった。
「彼女の足取りも不明です。制御不能なブロックでは監視カメラも動いておりませんので・・・」
 マレンも感覚として彼女の存在は把握していたが、地下でのイレギュラーが続いたことで意識から多少外れたのは事実である。その間に見失ってしまったのだ。回収に向かったことだけはわかるが、それ以後の行動まではわからないでいる。
「キリル・リラーといったか。素性は問題ないのだな?」
 ラーバーンの協力者が増えることは嬉しいが、アーズのメンバーであったユニサンにとっては人間とは常に裏切るものという認識が強い。アーズ時代は何度も裏切りを受け窮地に陥ったことがある。信念を持って弱い者の味方であった者でさえ、現実の苦難に晒されれば寝返ることもあるのだ。
 そうした人間をユニサンは責めるつもりはない。それもまた人間に違いないのだ。ユニサンのようにすべてを捨てられる人間はそう多くはないことを知っている。だからこそあまり信頼できない人間を加えることには反対の立場であった。
 ただし、それはあくまでアーズ時代のこと。今のラーバーンにはかつてなかった力がある。

「隠者の方はすべてWEウィーイー様のチェックがありますから問題はないはずです」
 WE・Eは序列九位のメラキで【観測】した相手の情報をすべて得ることができる。
 それは霊体のオーラまで詳細に調べることができるので隠し事は不可能である。考えていることはもちろん、当人が知らない前世の記憶すら調べることができるほどに強力である。
 観測は強力な術の反面、拒否したり拒絶することもできるが、そうすれば他意あるものとされヤイムスには抜擢されない。それどころか即座に存在を消されるだろう。
 キリルに関しても他のヤイムスに関しても調査は完璧である。そうでなければ絶対秘密主義のラーバーンが使うはずがないのである。
 また、バーンとメラキとロキ以外の人物には【契約】を施してあるので、基本的に裏切ることは不可能である。これもメラキが使う特殊な術の一つで序列四十二位のメラキ、クラウス・ヴァービットの能力の一つである。
 ヴァービットの契約の能力は、主であるゼッカーの洗礼を受けた人間に行使され、ラーバーンに対して敵対行動が取れないようにする枷でもある。
 この契約はゼッカーが死ぬまで有効で、自ら望んだことである以上破ることはできないし、仮に破ったとしてもゼッカーには即座に知れることになる。その際には当然契約に付帯する【違約金】の能力が自動的に発動するのでただでは済まない。
 現在のところキリルが裏切った報告はない。あればマレンのすぐ後ろにいるゼッカーから伝えられるだろうし、メラキの統括者であるザンビエルにもすぐに把握できるようになっている。
 よって、単純に何らかの不測の事態に巻き込まれたのだろうと想定するのが自然である。
「電池回収の優先度は?」
「すでにランクEに低下しています」
「最悪電池の回収ができずともかまわん、というわけか」
 現在の電池の猶予はまだ半年はある。それだけもてばまた違う展開もありえるだろうし、稀少であるものの予備がないわけではない。
 それにラーバーンがどうこうせずともダマスカスが必死になって用意するはずだ。自分自身のために。
「エリアの調査はしておく。お前はフィールドの展開とルイセ・コノのほうに集中しろ。最悪俺たちに何かあっても見捨ててかまわん。その場合は強制的に第三ステージに入ってくれ」
「了解しました」
 連絡が終わり、ユニサンは再び意識を集中させる。
「なかなかスムーズとはいかんな。やはりこれも【反作用】というやつか」
 権力を濫用し暴力を振るえばそれに反発して対抗する存在が生まれるように、ラーバーンそのものが世界に対する反作用だとすれば、今度はそれに対する存在が現れてしかるべきである。
 そのように世界は二つの力の中で拮抗し平衝しながらバランスを取っていく。そのぶつかる力で上昇する仕組みなのだ。なればこそ、これは乗り越えるべきものなのだろう。
「あと少し。それですべては動く。誰にも邪魔はさせん」
 ユニサンは新たに決意を固める。残りわずかな地上人生。一片の悔いも残したくはない。

 そうユニサンが思った時、突如として周囲の隔壁が一気に下りた。
 今通ってきた道に設置されている隔壁も次々と下り、完全に閉じこめられてしまった。すでに手遅れであることを悟ったユニサンは、黙ってその状況を認識しながら様子をうかがう。
「閉じ込めただけ・・・か」
 単純にすべての方向の隔壁が下りただけで他の何かが発動する様子はなかった。そもそも地上部分のエリアには強力な対人兵器は存在せず、神経ガス程度の装備しかないが。
「マレン、聞こえるか? 閉じ込められた」
 そうユニサンが声を出してもマレンからの反応はなかった。しばらく様子を見ても結果は同じであった。次の策である携帯電話の画面を開くとそこには「圏外」の文字が浮かんでいた。携帯電話は使えなかった。
「なるほど、マレンの予感が的中したか」
 これはルイセ・コノが調整した特別製である。通信不可能な第三制御室でさえ使えたものが突然使えなくなった。このことが意味することは一つである。

 【敵】がいる。

 それもおそらくメラキに匹敵する存在である。あるいは別のメラキそのものか。
 しかもアピュラトリスに対してある種の優先順位を持っている存在だ。それは隙をついてマレンの制御を奪ったことからも推測できるし、メラキが作った携帯電話を一時的にせよ通話不可能にしたことからも間違いない。
「まったく、こちらは貴重な寿命を使っているというのにな」
 そうぼやきながらもユニサンは内部に炎が宿るのを感じていた。自分は常に障害と戦って生きてきたのだ。そうであってこそ強くあれる。
 だからこそ、こんな【可愛らしい抵抗】でも嬉しいのだと感じるのだ。

「反作用か。それもいいだろう。力づくで押しきってくれよう」

 ユニサンは拳に力を込めた。


   †††


「ここで間違いないみたいだ」
 志郎たちは六階にある一つの部屋に行き着いていた。部屋といっても小さな工場のような大きさで、内部ではベルトコンベアで運ばれたさまざまな物品、主に銃器などの武器類が自動で区分けされている。
 どうやらエレベーターで回収または接収した武器などがここに集められているようだ。大半はナイフや短銃だが、なぜかロケットランチャーのようなものまである。
 部屋の端にはリグギアスを外す装置もあった。両腕を入れる穴が空いた箱のような装置で、上部に使い方の説明が書かれたプレートが張ってある。
「つーか、もう外しちまったけどな」
 もしデムサンダーが単独だったならばこの装置のお世話になっていただろうが、彼らの手にすでにリグギアスはない。志郎が外してしまったからだ。
「そうだね。キリルさんも僕が外せるとは思わなかったんじゃないかな」
 よほど強力な武人ではない限り、普通そのようなことはできない。志郎も特異体質でなければ単独で外すことは難しかったに違いないのだ。それを予期することは外部の人間にはまず不可能だった。
「あの人には何か目的があるみたいだね」
 そして、ここはキリルによって教えられた部屋でもあった。彼女がガラス越しに言った場所、それがここである。
 志郎は別れ際のキリルの表情を思い出す。目は真剣でもどこか笑っているような、志郎に対する嫌みではなく単に自身に余裕がある笑み。不敵な笑みというやつだ。
 もし敵ならば、わざわざこのような場所を教えることはないだろう。そのまま隔離してしまえば済む話なのだ。しかし彼女はここを教えた。それならば話はまた変わってくる。
「おいおい、どこまでお人好しだよ。俺たちだって腕輪が外せなかったらあの中に閉じ込められたままだったじゃねーか」
「うーん、そうなんだけど・・・」
 いくら二人が強くてもリグギアスを付けた状態では破壊は難しかった。そうなるとまたキリルという存在の定義が難しくなる。キリルにとって志郎たちがあそこで倒れることは想定内だったのだろうか。ではなぜ部屋の場所を教えたのだろうか。謎は深まる。

 ともあれ中に入れたのは確かである。入ったからには異常を確かめねばならない。
「アズマさんと合流できればいいんだけど」
「それより婆さんが来ているって聞いたぜ。そっちのほうがいいんじゃねえのか」
 このアピュラトリスには二人のエルダー・パワーの人間が入った。一人はジン・アズマで、もう一人は羽尾火である。
 羽尾火は師範であり、実力は桁外れ。おそらくアズマを含めた志郎たち三人がかりでも返り討ちにされるほどの猛者、いや、化け物なのだ。彼女がいればどんな相手とて倒せるだろう。
「それがずっと不思議だったんだよ。師範まで出るなんておかしいと思わないか」
 志郎はずっと引っかかっていた疑問を口にする。
「たしかにな。あの婆さんが里から出るなんて初めて聞いたしな」
 マスター・パワーの赤虎を含めた師範たちはまず表に出ない。日々静かに暮らし武を探求し続けている。その彼らが外に出る。それだけで異常な事態であるといえるのだ。
 つまり、このアピュラトリスがそれだけの【守護】が必要な状況に晒される可能性が高いことを意味している。それも国家が揺らぐほどの事態でなければ師範は出ないだろう。
 そうであるにもかかわらず総出というわけではない。マスター・パワーは里に残っているし、師範の多くもそうである。今回派遣されたのは羽尾火だけ。それもまた不思議なのだ。
「確信がないけど注意は必要って感じなのかな?」
 志郎が考えられるのはそれくらいである。もしくは大統領の顔を立てて師範を一人出した可能性もある。大統領は女性を出してほしいと要請したと聞いているからだ。
「アレが女性か? もうとっくに女を捨ててると思うけどな」
 アミカではなく羽尾火が護衛で来たら大統領は泣く。その慟哭で会議が止まるかもしれないほどのインパクトである。
「師範が本当に入ったのかわからないし、やっぱり合流するならアズマさんかな」
 先行で派遣された志郎たちが実際に確認したのはアズマだけである。それ以後、少なくとも羽尾火がエレベーターを使って入塔したことはなかった。エレベーター自体ほとんど動いていないのだから間違えようもない。
 先に入っていた可能性もあるが、志郎が里を出る時に見送っていたので先に着ていたらそれはそれで怖い現象である。
「妖怪婆さんだからな、何があっても驚かないけどな」
 術士の羽尾火はエルダー・パワー内部でもやや異色の存在である。ずっと昔から老婆のままで、歳も取らねば若返りもしない。聞いた話では、子供の頃里にやってきた師範代がオッサンになっても羽尾火は昔と同じ姿のままらしい。そのため仙人やら妖怪やらいろいろな言葉で表現されている謎の存在でもあるのだ。
 結局、どこにいるかわからない羽尾火よりも地下に配置されたアズマとの合流を最優先とすることになった。何かあったのならば彼から事情が聞けるだろう。

「お嬢様たちはここでいいか? 起きたら文句言いそうだぞ」
 デムサンダーが抱えていた二人を下ろす。
 当然だがベッドやソファーはないので、比較的綺麗な場所に置いておくしかない。暖房は効いているので少なくとも風邪は引かないだろう。が、基本的に床は薄汚れているので起きたら文句は言いそうである。
「しょうがないよね。他に探している余裕がないし」
「ベルトコンベアに乗せてみるか? どう仕分けされるんだろうな?」
「えーと、生物なまものは・・・」
 ここに運ばれるのは銃器類であるが、異物が混入される場合もあるだろう。志郎がコンベアを目で追うと異物用のコンベアは大きなダストシュートにつながっており、下の階で一時的に集められるようだ。
「たしかに安全ではありそうだけど・・・やめたほうがいいね」
 寝ている間にダストシュートに落とされたらそれこそ激怒は間違いない。爆弾での報復を恐れてやめておいた。結局二人はコンベアで死角となっている隅にそっと寝かせておくことにする。
「じゃあね、エリス。バイバイ」
 志郎は寝ているエリスに別れを告げる。一時とはいえこうして一緒にいられたことは素直に楽しかった。それだけ衝撃的な女性だったのは間違いない。少なくとも里にはいないタイプの女性である。
「もともと住む世界が違う。気にするな」
「何のこと?」
 志郎はデムサンダーの言葉に首を傾げる。本当にわかっていないようである。そんな志郎に黒くて太くて大きいものは少しだけ優しく笑う。
「まあ、拾った犬とはここらが別れ時ってことさ。これ以上いると情が移るからな」
「犬って・・・、きっと怒るよ」
「怒っても元気ならいいってことだよ」
 その言葉には志郎も頷いた。エリスがどんなに怒っても元気ならばいいのだ。そうであればいいと思った。

 そして、二人は部屋を出るや否や波動円はどうまどかを展開させ走り出す。
「ディム、油断はしないでおこうね」
「わかったよ」
 すでに危うい場面に遭遇しているのでデムサンダーも素直に頷く。何より彼も内部に入ったことで緊迫した雰囲気に気がついていた。胸騒ぎ、それも強い圧迫感を感じるのだ。
 そうして走っていると三つの分かれ道が現れた。二人がどうしようと迷う暇もなく、二つが塞がれ一本道になる。
「ずいぶんと露骨すぎるな」
 あからさまな光景にデムサンダーは不快な顔をする。
「キリルさん・・・かな?」
「そうだとしてもアピュラトリスだぜ。そんな簡単にできるものかよ」
 アピュラトリスの制御は事務員程度が扱えるものではない。それは素人の二人でも容易に理解できることだ。ここは天下一のセキュリティを誇る富の塔なのだ。
 また、二人が知る由もないことだが、現在はマレンが大部分の制御を握っているので仮に制御室にいたとしてもこのような操作は簡単にはできない。それほどこの現象は特異なものであった。
「気に入らないが、行くしかないな」
「そうだね。行けるところまで行ってみよう」
 二人に選択肢がないのは事実。このまま進む以外に手はない。

 【指示通り】にいくつかブロックを進んだ時、志郎の波動円のレーダーに明らかに異質なものが入り込んだ。志郎はデムサンダーよりも危機察知能力が高く、いち早くその存在に気がついたのだ。
「ディム、二つ! 速い!」
 その速度からゆっくり説明する暇がないと悟り、とっさに断片的な情報を伝える。コンビを組んでいるデムサンダーにはそれだけで十分だった。即座に戦闘態勢を整える。
 そして三秒後、角を曲がって目の前に現れたのは奇妙な仮面を被った二人の黒衣の人物であった。制御から離れたブロックの調査に出向いていたロキN6とN7である。
 ここで両者に奇妙な状況が生まれた。互いに一瞬見合ってしまい、時間が止まる。
 ロキの二人も志郎とデムサンダーの存在には気がついていた。しかし反応は非常に小さく一般人だと想定していた。当然排除するつもりで入ったのだが、いざ発見した瞬間に相手の力量がさらに上だと気がつき慎重な対応を取ったのだ。
 一方の志郎とデムサンダーもまさかこんな相手が現れるとは思っておらず、状況を理解するのに一秒ほど要してしまった。
 その両者の状況の差、温度差がこの不思議な空間を生み出すことになる。

 先に動いたのはロキ。もともと相手を排除するのが目的であったので対応が早かった。N6が剣を抜いて志郎に斬りかかる。
(速い!)
 志郎は敵の素早さに驚く。走る速さから動きの良さはわかっていたが、いざ戦闘となったときのロキの速さは異常なほどであった。剣を横薙ぎに払い志郎を切断しようとする。
 相手の奇妙さもあって志郎の反応は遅れた。しかし、驚いて見開かれていたその目が一瞬で細くなり、高鳴っていた心拍のリズムが即座に穏やかなものとなる。そうなればもう身体は自然と動いていた。

 次の瞬間、不思議な現象が起こった。

 斬りかかったはずのN6の身体が無防備で宙に浮いていた。
「!?」
 ロキN6は何が起こったのか理解できず周囲を見回す。下には平然と立っている志郎の姿がある。その身体には傷は存在しない。とっさではあったがN6は本気で斬りかかった。その攻撃を受けて無傷であることが理解できなかったのだ。
 ただ、それよりも直面しなければならない事実がある。無防備となったN6は反撃を受けねばならないのだ。
 志郎がN6を宙に浮かしたと同時にデムサンダーは跳んでいた。目の前には謎の仮面の剣士。顔は見えないが困惑していることはすぐにわかった。志郎とコンビを組んでいるとよく見る光景なので、デムサンダーに驚きはない。
「うらぁあ!!」
 デムサンダーの蹴りがN6の無防備な背中に直撃する。防御しようにも完全に崩された後なので、まさにクリーンヒットであった。直撃を受けたN6は吹き飛ばされ、肉が硬いものにぶつかる音とともに壁に衝突する。
「ディム、やりすぎだよ」
 そのあまりのクリーンヒットを見て志郎が苦言を呈する。
「ちっ、ついマジで反応しちまった。殺しちまったか?」
 相手の殺気に反応してデムサンダーも本気で蹴ってしまった。常人なら衝撃で胴体が真っ二つ、あるいは粉々になっているところだ。
 そうなっていないことを見れば、相手が強い武人であることは一目瞭然である。それでも無事では済まないレベルの一撃であった。N6が動く気配はない。
「できれば捕まえたいね」
 それが志郎の本音である。相手の素性も気になるし、いきなり斬りかかる状況も理解できない。当然、無意味な殺生もしたくない。
「あと一人いる。あっちは捕まえるか」
 デムサンダーはN7に視線を向ける。N7は剣を抜いたままこちらの様子をうかがっているようだ。さきほどN6の攻撃を防がれたことで警戒している様子である。
「やっこさん、相当やる気らしいな」
 デムサンダーはN7から発せられる殺気が増大したのを感じた。肌に突き刺さるような殺気はそこらの殺人鬼など足元にも及ばない。相手は仲間がやられたことなどまったく気にしていないようだ。それどころかますますやる気である。
 その様子が志郎は引っかかる。
 普通ならば倒された仲間を一瞬でも見るはずだ。そういった視線は必ず生まれる。だが、N7は一度も吹き飛ばされたN6に視線を向けなかった。

 だからこそ気がつけたのだろう。
 気配を殺して起き上がったN6が再度志郎に対して攻撃を仕掛けようとしていたことに。
 N6は最初の行動とは正反対の静かな動きで滑るように志郎の死角から剣を突き立てようとする。
「っ!」
 迫る刃に志郎は無意識で対応。両手にまとった戦気を素早く回転させ、渦のような力場を生み出した。N6の刀はその力場に触れると巻き込まれるように方向が逸れ、志郎から遠ざかる。
 渦の力は攻撃してきた相手の力に比例する。自身が放った渾身の一撃に引っ張られてN6は再び宙に投げ出された。
 覇王技【覇小無はしょうぶ渦舞うずまい】。相手の戦気の流れを利用する防御の覇王技である。
 戦気の流れを利用するので生まれもった戦気の量が少なくても扱える技だが、流れを読む感性と相手の戦気に合わせる柔軟さが必要な高度な防御技である。
 かつて武の頂点である覇王でありながら攻撃ではなく防御を極めようとした変わり者の女性がいた。彼女は自らを覇小はしょうと称し、武をと呼び、こうした防御の型を積極的に編み出していった。
 ダマスカスで発展した合気道のような武術も彼女が編み出した技を参考にしたものといわれている。初手でN6の攻撃を宙に弾いたのもこの技である。
 防御。たかが防御。
 しかし、それを極めた者はあらゆる災厄から身を守ることができる。技を編み出した覇小はしょうは、何万という軍勢をたった一人で無傷で制圧したともいわれるほど強かった。
 彼女は何もしない。ただ流れるままに歩いただけ。そんな彼女に何もできなかった武人たちは戦意を喪失するしかなかった。守り勝つ。それもまた最強の称号である。

(危なかった)
 志郎は肝を冷やす。正直なところ防げたのは奇跡に近かった。
 N6の攻撃は完全に死角からであったし、志郎は直前まで気がついていなかった。それでも対応できたのはエルダー・パワーとして日々鍛錬してきた結果である。
 師範の一人である剣士特別第二席、黄虎おうことの訓練においては殺気のない攻撃は当たり前である。殺気のない攻撃を防ぐには自身もそうあらねばならない。もし志郎が相手に危害を与えることを目的に殺気を帯びていればロキの攻撃には対応できなかったに違いない。
 防御に専念し、相手を制圧することだけを考えていたからこそ反応できたのだ。そうでなければ確実に致命傷だったことだろう。
 志郎は初めて死の予感を感じた。それは今までエルダー・パワーの誰も教えてはくれなかった実戦でしか味わえない感覚であった。
「こいつ、まだ動けたのか!」
 そんな志郎とは対照的にデムサンダーは躍動し、再び宙に飛ばされたN6を追撃しようとする。が、すでにN7が風衝・十閃を放っていた。
 十にも及ぶ風の刃は跳躍したデムサンダーの行動を封じるように全方位から迫ってくる。避けられないことを悟ったデムサンダーは全身から防御の戦気を放出しすべて受け止めるも、荒れ狂う暴虐の刃が肉を切り刻む。
「ディム!」
「大丈夫だ!」
 そうデムサンダーは言ったものの肌には複数の切り傷が見受けられた。
(ディムの防御を貫くなんて!)
 デムサンダーの防御はけっして悪くなかった。もともと強靱な肉体を誇る彼は防御力が高い。それを切り裂くのは容易ではないのだ。志郎はその技の切れに驚愕する。
 N6は平然と着地すると再びN7と合流する。その動きに淀みはなく違和感はない。
「ちっ、蹴りのダメージはないってか!? 志郎、普通の相手じゃねえぞ!」
「そうだね・・・」
 デムサンダーの蹴りを受けて動けるだけでも驚きだが、相手はまったくダメージを感じさせない動きをしている。
 それはありえないことだ。普通の反応でないことは志郎もデムサンダーも瞬時に理解した。そして、このアピュラトリスにおいても【ありえないこと】が起こっていることを悟る。

「どうやらお嬢様が招待されたのは仮面舞踏会だったらしいな。仮面がないと入場お断りだってよ」
 デムサンダーが仮面のロキを見て皮肉を言う。
「でも、これじゃ武闘会だよ」
「ははっ、ちげぇねーな」
 さすがのエリスもこのような状況は想定していなかっただろう。仮にこんな相手を見つけたら爆弾を投げつけそうで怖い。いなくてよかったと心底思う志郎たちであった。
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