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ことりの詩

作者:うみのまぐろ
すみわたるような春の日に、青い小鳥がたちました
ふるい、ちいさな病院で
風を待ち
誰にも知られず、姉は
天にのぼってゆきました

幼子は、ただただそれが悲しくて
花の咲く窓辺で
あてもなく
めそめそと泣いておりました


しとしととふる雨の日に、静かに、あなたはゆきました
青い躯に
私はずっと立ち尽くし、
宵闇がきて
晴れ渡った空に浮かんだ月の
銀の雫に、取られまいと
そっとカーテンを閉めました


さむいさむい明け方に、雪のご飯が食べたいと
いたずらっぽくわらうので
ほろほろと散る風花を、あつめてあつめて
ようやっと一盛りの椀をこさえ、駆けたらば
あなたは、誰にも気付かせず
雪よりも
冷たくなっていましたね


なんど繰り返しても
夢の中で
なんどあなたを殺しても
ことばはかすみがかって
さみしい、なんて、ひとかけも、
ついぞこぼすことがなかったあなた


風となり、花となり、雪となり、光となり、
月光となって溶けたあなたを
拾い集めて
でもそれだけでは足りないから


このどこまでも平等な世界にあまねく
過去を、ウソを、きらめく虹のしずくを添えて
たくさんの
青い小鳥に結びます



自由であれ 自由であれ
いつか、私が溶けゆく再会の日に
詩を書いたのは、はじめてやもしれません。

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