決闘02:
龍牙SIDE
現在、オレはのんびりと城之内対エスパー絽場の決闘を観戦中だ。城之内が上級モンスターの『魔導騎士ギルティア』を生け贄なしで召喚してミスした所で相手の『サイバーレイダー』のダイレクトアタックを受けている。
「…オレの知ってる展開なら、この決闘は城之内の勝ちなんだろうけどな…。」
そもそも、ここで手に入れた『人造人間サイコ・ショッカー』が後々までの城之内の切り札になるからな。今思うと…城之内のデッキの切り札って全部『アンティルール』で手に入れた物が殆どだよな。レッドアイズといい…一番の疑問としては『ギルフォード・ザ・ライトニング』のカードの存在だろう。
「…おっ、天使と悪魔のサイコロのコンボで相手の上級モンスターを撃破か。」
丁度、パワーアップした『ランドスターの剣士』がパワーダウンした相手の『魔導ギガサイバー』を返り討ちにしている。
「…しかし、『神鳥シグルム』か…。さっきのデュエルで完璧に目を付けられたな…。」
負ける訳には行かなかったとは言え、グールズのレア・ハンターを一人、見事に返り討ちにしてしまった以上、間違いなく目を付けられたよな。仕方ないから、こうなったら…開き直って、レア・ハンター退治でも始めるか?
SIDE アウト
結果を知っている以上、これ以上見る間でもないと考えて、観戦者達の中から抜け出しつつ、龍牙は再び路地裏へと入る。下手に目立つところに居て、目を付けられたばかりのグールズに再び出会わない様にする為で有るが…。
原作のコミックスで遊戯や海馬と言ったメインキャラ達と戦ったレア・ハンター達は数人ほどであり、原作の展開を知っていても何処にいるか分からないのが大半なのだ。
「…それにしても…悪人って人種は何故かこういう所が好きだよな…。」
そう心の中に浮かんだ疑問を呟きながら、前方へと視線を向ける。目の前にはレア・ハンターと思しき男が倒れている相手のデッキからカードを抜き取っている姿がある。
「…クックックッ、獲物が向こうからやってきてくれたか…。」
堂々と宣言する本日二度目の出会いとなるレア・ハンター5を一瞥しつつ、呆れた様子で溜息を付きつつ、デュエルディスクにデッキを装着させる。引き続きのE・HEROデッキを…。
(なんで、オレはグールズと縁が有るんだ?)
冗談抜きで本気でそんな事を考えてしまう。そもそも、こっちの自分がどんな立場に有るのかも、E・HEROのカードを所持しているのが自分だけなのかも、そして…。
(考えてもしょうがないか。)
「「デュエル!!!」」
レア・ハンター LP4000
龍牙 LP4000
龍牙の手札
E・HEROフェザーマン
E・HEROスパークマン
融合
融合
攻撃の無力化
(融合が二枚…キーカードが有るのはありがたいけど、フェザーマンとスパークマンじゃ素材不足か。)
フェザーマンとスパークマンのカードを素材とするE・HEROは存在しているが、それにはもう一枚カードが必要になってくる。
「行くぞ、私の先行、ドロー。モンスターをセットしてターンエンドだ。」
手札は五枚で伏せカードも無く、相手フィールドは裏守備表示のカードが一枚だけ…伏せモンスターに警戒しつつ、龍牙はデッキへと触れる。
「オレのターン、ドロー!」
ドローカード『戦士の生還』
龍牙の引き当てたカード『戦士の生還』は今の状態では役に立たないカード。故に今の彼が出来る手段も限定されてくる。
「オレはフェザーマンを攻撃表示で召喚。」
龍牙のフィールドに現れる緑色の体と翼を持ったモンスター攻撃力1000と低い攻撃力でしかないが、戦士の生還のカードが有る現状ならば一手目としてはそれ程愚策ではない。(除外された場合は、スパークマンの方が被害は大きい為に)
「フェザーマンで伏せモンスターを攻撃、フェザーブレイク!!!」
フェザーマンが手裏剣の様に打ち出す羽がレア・ハンターの伏せモンスターに突き刺さり、そのまま爆散する。
「よし!」
破壊できた事を喜びつつ相手のリバース効果の発動を待つ龍牙の視界に自身のモンスターフェザーマンに不気味な肉片が取り付くのを見る。
「エーリアン・グレイのモンスター効果発動、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体に、Aカウンターを1つ置き、私はカードを一枚ドローする。」
(Aカウンターにエーリアン・グレイ…エーリアンデッキか。だったら…。)
「カードを二枚伏せてターンエンド。」
フェザーマンの左に伏せカードがセットされ、龍牙はターンエンドを宣言する。
レア・ハンター LP4000
フィールド
無し
伏せカード無し
手札6枚
龍牙 LP4000
フィールド
E・HEROフェザーマン(Aカウンター×1)
伏せカード一枚
攻撃の無力化
戦士の生還
手札4枚
E・HEROスパークマン
融合
融合
「私のターン、ドロー! 私はエーリアン・ベーダーを攻撃表示で召喚!」
レア・ハンターのフィールド、その右端に新たなエーリアンが召喚される。攻撃力800とフェザーマンの攻撃力よりも200程低いモンスターだが、その特殊効果は…。
「エーリアン・ベーダーは正面にカードが存在しない場合、ダイレクトアタックが可能となる。」
エーリアン・ベーダーの撃ち出したレーザーが龍牙のフィールドのカードを避け、龍牙へと直撃する。
「くっ。」
龍牙 LP4000→3200
攻撃力800程度のモンスターが攻撃表示のままフィールドに残る危険は有るが、それでもこのダメージは地味に大きい。
「更にカードを二枚場に伏せ、私のターン終了だ。」
レア・ハンター LP4000
フィールド
エーリアン・ベーダー
伏せカード二枚
手札4枚
龍牙 LP3200
フィールド
E・HEROフェザーマン(Aカウンター×1)
伏せカード一枚
攻撃の無力化
手札5枚
E・HEROスパークマン
融合
融合
戦士の生還
相手フィールド上のカードは伏せカード二枚、そして、攻撃力800程度の攻撃力しか持たないエーリアン・ベーダーの三枚。モンスター自体の効果はそれなりに厄介だが、相手のモンスターはエーリアンの中でも一番弱いカードとも言え、簡単に破壊できるカードだが、問題は相手フィールド上の二枚の伏せカードだ。
「オレのターン、ドロー!!!」
ドローカード『E・HERO ワイルドマン』
(ワイルドマン…いいカードだけど、融合は使えないか…。スパークマンとワイルドマン…どちらを温存する?)
攻撃力だけならばスパークマンの方が上だが、ワイルドマンのカードの持つ罠カード無効の効果は捨てがたい。そして、自分のフィールドに有るモンスターは攻撃力1000とAカウンターの乗ったフェザーマン一枚だけ、破壊する事に対して躊躇する必要の無いエーリアン・ベーダーなら、モンスターを召喚すべきだろう。
「オレは『E・HERO ワイルドマン』を攻撃表示で召喚!!!」
エーリアン・ベーダーの正面に対峙する様に、龍牙のフィールドに褐色肌の剣を持った戦士と言う風貌のモンスター『E・HERO ワイルドマン』が召喚される。
「フェザーマンでエーリアン・ベーダーに攻撃、フェザーブレイク!!!」
龍牙の攻撃宣言に従うようにフェザーマンが空高く舞い上がり、勢い良く急降下しながら、エーリアン・ベーダーへと向かう。
「甘い、罠カード発動! ドレインシールド!」
エーリアン・ベーダーの前に出現した光の壁がフェザーマンの攻撃を防ぎ、緑色の光がレア・ハンターへと流れていく。
「フッフッフッ…私のこれでライフは1000回復する。」
レア・ハンター LP4000→5000
ドレインシールドは自分も使っているカードなのでその効果は良く分かっている。これで残りの伏せカードは一枚だけ。
「ワイルドマンで攻撃、ワイルド・スラッシュ!!!」
ワイルドマンがその剣を振りかざし、エーリアン・ベーダーへと切りかかる。今度はレア・ハンターの伏せカードは発動することなく切り捨てられ、撃破された。
レア・ハンター LP5000→4300
「ターンエンドだ。」
レア・ハンター LP4300
フィールド
無し
伏せカード一枚
手札4枚
龍牙 LP3200
フィールド
E・HEROフェザーマン(Aカウンター×1)
E・HEROワイルドマン
伏せカード二枚
攻撃の無力化
手札4枚
E・HEROスパークマン
融合
融合
戦士の生還
フィールドにはフェザーマンと自身を対象とする罠を無効化するワイルドマンの二体のモンスターと伏せカード『攻撃の無力化』、それに対して相手のフィールドには伏せカードが一枚だけ。状況は自身の方が有利だが、まだ安心できる状況ではない、結果的にライフではまだ自分が負けているのだから。
「私のターン、ドロー! 永続罠発動、洗脳光線!」
伏せカードが表になった瞬間に発生した怪しげな光線が龍牙のフィールド全体に降り注ぐ、そして、不気味な細胞に取り付かれているフェザーマンが正気を失った目でレア・ハンターのフィールドへと移動する。
「更にフェザーマンを生贄に、エーリアン・マザーを攻撃表示で召喚する!」
目の前の光景に思わず表情を歪めてしまう。フェザーマンの体を突き破って、四本の腕を持った今までのエーリアンよりも人に近い外見をしたモンスターが現れる。
それは攻撃力2300とワイルドマンを上回る攻撃力を持つモンスター…エーリアン達のボスとも言える『上級モンスター』の一体。
「更に魔法カード、侵食細胞「A」を発動。お前のフィールドのワイルドマンにAカウンターを乗せる。」
エーリアン・マザーが打ち出した細胞がワイルドマンへと取り付く。
「そして、エーリアン・マザーでワイルドマンを攻撃、インベード・ブラスター!!!」
エーリアン・マザーの口から撃ち出される光弾がワイルドマンを破壊する。
龍牙 LP3200→2400
龍牙のライフが削り取られ、その次の瞬間、エーリアン・マザーの口から卵が一つ産み落とされる。そして、卵を突き破ってレア・ハンターのフィールドにワイルドマンが召喚された。
「…オレのモンスターを…。」
「エーリアン・マザーの効果はAカウンターの乗ったモンスターを破壊した時、そのモンスターをバトルフェイズ終了時に特殊召喚する。私は更に永続魔法『「A」細胞増殖装置を発動する。」
魔法の発動と同時にレア・ハンターのフィールドに出現する溶液に漬かった不気味な細胞の入ったカプセルが出現する。
「私はカードを一枚伏せてターンエンド。」
レア・ハンター LP4300
フィールド
エーリアン・マザー
E・HEROワイルドマン(エーリアン・マザーの効果で召喚)
永続魔法 「A」細胞増殖装置
伏せカード一枚
手札1枚
龍牙 LP2400
フィールド
無し
伏せカード一枚
攻撃の無力化
手札4枚
E・HEROスパークマン
融合
融合
戦士の生還
「オレのターン、ドロー!!!」
ドローカード『E・HERO クレイマン』
「良し! オレは手札から魔法カード、『融合』発動! 手札のスパークマンとクレイマンを融合…来い、E・HERO…サンダー・ジャイアント!!!」
クレイマンとスパークマンの姿が重なり合い、龍牙のフィールドにクレイマンの巨体にスパークマンの印象を持つモンスター『E・HERO サンダー・ジャイアント』が現れる。
この時に龍牙の手札は『融合』と『戦士の生還』の二枚、効果を発動するのに必要なコストにするには二枚とも自分のデッキでの存在価値は高すぎるカードなのだ。だが…
「サンダー・ジャイアントの効果発動! 手札を一枚捨て、エーリアン・マザーを破壊する。ヴェイパー・スパーク!!!」
龍牙は躊躇無く手札の『戦士の生還』のカードを捨て、サンダー・ジャイアントの振り上げた腕から放たれた雷がエーリアン・マザーを破壊する。そして、エーリアン・マザーの破壊にあわせて、同時に相手のフィールドに存在していたワイルドマンの姿も不気味な細胞と液体に代わり崩れ落ちる。
「さあ、好き放題やってくれた礼だ、たぷり味わえ。サンダー・ジャイアントでダイレクトアタック! やれ、ボルティック・サンダー!!!」
サンダー・ジャイアントの振り上げた腕から放たれた雷球がレア・ハンターへと直撃する。
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!」
目も眩む様な閃光が叫び声と共にレア・ハンターを飲み込む。
レア・ハンター LP4300→1900
「オレはこれでターンエンドだ。」
レア・ハンター LP1900
フィールド
無し
永続罠 洗脳光線
永続魔法 「A」細胞増殖装置
伏せカード一枚
手札1枚
龍牙 LP2400
フィールド
E・HERO サンダー・ジャイアント
伏せカード一枚
攻撃の無力化
手札1枚
融合
「私のターン、ドロー!!!」
レア・ハンターがカードをドローすると同時にカプセルから飛び出した細胞がサンダー・ジャイアントへと寄生する。
「私は魔法カード『死者蘇生』を発動! エーリアン・マザーを蘇生し、フィールド魔法『異界空間 −Aゾーン』を発動する。」
魔法発動と同時にフィールドが七色の輝きに包まれた宇宙空間へと変化する。上空には何故か円盤らしき物が飛びまわっている。
「クックックッ…エーリアン・マザーでサンダー・ジャイアントを攻撃、インベード・ブラスター!!!」
フィールド魔法の効果によってサンダー・ジャイアントの攻撃力の減少が起き、二体のモンスターの力関係は逆転する。
エーリアン・マザー 攻撃力2300
E・HERO サンダー・ジャイアント 攻撃力2400→2100
龍牙 LP2400→2100
そして、光弾によって打ち抜かれたサンダー・ジャイアントが再びエーリアン・マザーの効果によって産み落とされた卵の中から誕生する。
「くっ、またか…?」
「私のターンは終了だ。」
レア・ハンター LP1900
フィールド
エーリアン・マザー
E・HERO サンダー・ジャイアント
永続罠 洗脳光線
永続魔法 「A」細胞増殖装置
伏せカード一枚
手札1枚
龍牙 LP2100
フィールド
無し
伏せカード一枚
攻撃の無力化
手札1枚
融合
つづく…
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