挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
8/40

第八話 心変わり

●上終先生を救うため、反乱軍の基地に
 急速に近づく卯乃とウサギ。
●反乱軍の司令室でもその動きをキャッチしている。

(オペレータ)
司令官!
レーダーに、
未確認飛行物体を捉えました。
3時の方向!
距離およそ1000メートル!
低空より急速接近中!

(司令官)
鬼か!?

(オペレータ)
わかりません。
1機だけです。
人間くらいの大きさです。

(司令官)
斥候せっこうの鬼か!?
かまわん。
撃て。

●基地内に放送が流れる。

(館内放送)
3時の方角より
未確認飛行物体急速接近中。
距離およそ800。
高度20。
各砲座、砲門開け。
仰角ゼロ、水平一斉射撃用意。

●基地の大砲、機銃が、
 いっせいに卯乃の方に向く。

(司令官)
撃てー!

どんどんどんどんどんどん!
どどーーん!
どどーーん!
びしゅん、びしゅん、びしゅん、びしゅん!

●のん気に基地に近づく卯乃。

(卯乃)
先生ー!
助けに来たよーーー!
って、撃ってきたーーーー!

ひゅん。ひゅん。
どかーん!
ぼかーん!

(卯乃)
ひいいいいっ!
逃げなきゃーー!
どうやってこれ止めるのーーー?

(ウサギ)
スノーボードでーーー止まる時みたいにーーーー!
こう、きゅっとーーー反対向いて止めるんだーーーー!

(卯乃)
ええーーー!
スノーボードなんてーー!
やったこと、ないおーーーー!


どかーん。
どーーーーん。
どんどんどんどん。

(卯乃)
うわーーーー!
とまんなーーーーいーーーー!
当たる!当たるーーー!
撃たないでー!
ウサギさんっ!
こっちの人が鬼なんじゃないの?

(ウサギ)
かもな。
あるいは両方。

(卯乃)
あんたねぇーーー。

挿絵(By みてみん)

(ウサギ)
ここはいったん逃げるぞ。
浮世へ帰るんだ。

(卯乃)
浮世って、外の世界?

(ウサギ)
そうだ。
ここで本当に死んだら元も子もない。

(卯乃)
先生を見捨てるの?

(ウサギ)
態勢を立て直して出直すんだ。

(卯乃)
いやっ。
今帰ったら、私怖くて、
もうこっちに来れない!

(ウサギ)
死にたいのか?

どん、どん、どかーん、ぼかーーーん。

(卯乃)
いやーーーっ。
死にたくない。
何かいい方法考えてーーー。

(ウサギ)
考えてる暇はなさそうだ!
建物の壁がすぐそこだ!

(卯乃)
わーーーーー。

(ウサギ)
よし、イチかバチかだ。
このままウサギキックで突っ込めーー。

(卯乃)
ウサギキックぅーーー?

(ウサギ)
お前の必殺技だーー。
お前は卯の化身だ!
聴力と脚力で、右に出るものはなーーーい。

(卯乃)
それどうやって出すのーー?

(ウサギ)
ウサギキーックって言って。
思いっきり蹴ればいいーー。
それだけだーー。

(卯乃)
わかったー。
こいっ。そんな弾なんてーあたるもんかーー!

どんどんどんどん。
ひゅん。ひゆん。

●反乱軍司令室。

(オペレータ)
司令官。
未確認飛行物体。
予測不可能な回避行動で弾幕を抜けました。
基地に激突します。

(司令官)
ミサイルか?

●涙と鼻水とよだれを流しながら、
 必死の卯乃。

(卯乃)
うおおおおおおお。

(ウサギ)
今だ!飛び降りろーー!

(卯乃)
とうっ!

●一瞬先にスーパーロケット杵が基地の壁に激突。
 はげしい土煙が上る。
●その土煙を突き抜け卯乃が壁に迫る!

(卯乃)
ウサギーーキーック!

どがぁぁぁぁぁん。
がらがらがらがら、がっしゃーーーん。

●反乱軍の司令室、基地全体に激しい振動。

(反乱軍全員)
うわぁぁぁぁぁぁ。

ずずずずずーーーん。


●振動と爆音が収まり、
 天井からコンクリートの破片が時折落ちてくる。
●あたりに土埃がたちこめている。

●瓦礫にうもれている卯乃。
●一瞬の静寂。

(ウサギ)
卯乃。
生きてるか。

(卯乃)
ぷはっ!はあっ、はあっ、
息できへんかった。
はーー苦しかった。

●卯乃、瓦礫を押しのけ這い出てくる。

(卯乃)
あいたたたたたた。
腰、腰うった。

(ウサギ)
歩けてるんだから骨は折れてないようだな。

(卯乃)
へへっ。
よかったね。助かって。



●土煙の向こうで銃をかまえる反乱軍の兵士達が
 うっすら見える。

がちゃ、がちゃ、がちゃ。

(反乱軍兵士)
動くな。鬼!

(卯乃)
わっ。

(ウサギ)
助かってないな。

(卯乃)
こ、こんにちわ。
あの、ごめんなさい。
壁こわしちゃって。

●反乱軍の司令官が、
 司令室から激突現場に駆けつけてきた。

(反乱軍兵士)
司令官。
先程より、鬼が壁を壊したことを謝ってます。

(司令官)
鬼が謝ってる?

(卯乃)
ねえウサギさん。
この人たち、鬼なの。

(ウサギ)
違う。
この世界に住んでる人間だ。

(卯乃)
あれ?今なんか疑問発生。
人間が先生の心の中に住んでるの?

(ウサギ)
そうだ。
例えるなら、この世界の住人一人一人が、
体の細胞のようなものだ。
善良な住民が多く棲む心世界をもった人間は、
善良な人間になるし、
意地悪な住民が多く棲む心世界をもった人間は、
意地悪な人間になる。

(卯乃)
さっき鬼は人を食べるっていってたやん。
心の世界に住んでる人を、
鬼にみんな食べられちゃった人は
どうなるの?

(ウサギ)
意地悪な人間どころか、人でなくなる。
いわゆる「人で無し」だ。
お前たちは古来、そういう人間の事を
「鬼」と呼んでるがな。

(卯乃)
なんか設定が細かい!
ついていかれへん!

(ウサギ)
なんだと!

(反乱軍兵士)
こいつ!
勝手にしゃべるな!
撃つぞ!

(司令官)
待て、この女は鬼じゃなさそうだ。
銃をおろせ。

お前は何者だ?

(卯乃)
あ、はじめまして、
わたくし、修学院女子校2年の、
望月卯乃と申します。

(司令官)
これはこれは、ご丁寧に。
はじめまして。
で、何しに来たの?

(卯乃)
先生を助けにです。
あっ、それに大変です。
みなさん、鬼と戦ってらっしゃるんでしょ。
わたし、見ました。
鬼の戦車がすぐそこまで迫って来てます。

(司令官)
なんだって?
距離と数は?

(卯乃)
距離はすぐそこ、
数はいっぱいです。

●その時、警報が鳴り、
 館内放送が流れる。

(館内放送)
未確認勢力の接近を確認。
距離4000。
大規模な地上部隊と思われます。

●司令官が腕の通信端末から司令室に指示を送る。

(司令官)
すぐに雪上戦闘機部隊を発進させろ。
基地からの砲撃は敵をじゅうぶんに引きつけてから行う。
各砲座、発射準備態勢のまま待機。
わたしもすぐそちらへ戻る。

●卯乃を取り囲んでいた兵士たちが
 いっせいに持ち場へ戻ってゆく。

(司令官)
おじょうさん。
あなたは敵ではないようですね。
この戦いが終わったら、
壁の修理、お願いしますよ。

(卯乃)
はい。
あの、先生知りませんか?
上終先生。
頭が薄くて、ぱっと見、60歳くらいに見える
44歳のおじさんです。

(司令官)
それは気の毒な人だねぇ。
その、頭の薄い上終先生には、心当たりはないが、
似たような名前の人物なら、
カミハンテ・ソロという宇宙の流れ者が、
今まさに、この基地から逃げ出そうとしてるよ。
いい腕をしているのに、
自分のためにしか使おうとしない。
自分勝手な臆病者さ。

(卯乃)
それ、
先生かな。

(ウサギ)
たぶんな。
現実の世界と心の世界で、
本人のイメージに差があるのは
よくあることだ。

(卯乃)
ありがとうございます。
そのカミハンテさん。
何処にいるんですか?

(司令官)
君が壊したこの廊下を真っ直ぐ行けば
宇宙船ドックだ。
今の放送を聞いて真っ先に逃げ出すと思うから
急いだほうがいいよ。

(卯乃)
ありがとー。

●走り出す卯乃。

●すばらしい脚力で瓦礫を飛び越え
 宇宙船ドックへ駆けつける。

(卯乃)
先生ー。

●宇宙船ドックでは、
 鬼の軍団と戦うため、
 次々に雪上戦闘機が発進してゆく。
●その傍らでせっせと脱出の荷造りをしている、
 宇宙の流れ者、カミハンテ・ソロ。

(卯乃)
先生!あっ。
あの人が先生かな?

(ウサギ)
いちいち、みどもに聞くな。
よく耳をこらせ。
おまえにも先生の波動が聞こえるはずだ。

(卯乃)
えっ?
そうなん?

(ウサギ)
耳に集中してみろ。

(卯乃)
あっ、ホントだ。
先生の音がする。

●卯乃、階段の手すりを飛び越え、
 カミハンテ・ソロに近づく。

(卯乃)
先生。
やっと会えた。

(カミハンテ・ソロ)
やーあ、かわいいバニーちゃーん。
君の店にたまってる、俺のツケを
取り立てにきたのかーい。
悪いが今忙しいんだ。
後にしてくれる?

●その時、鬼の歩行戦車の砲弾が宇宙船ドックを直撃する。

ひゅん。
どかーーーん。
どどどどどどどどど。

(卯乃)
きゃあ。

(カミハンテ・ソロ)
おーっと。
こうしちゃいられねぇ。
こんなとこで死ぬなんて
まっぴらだぜ。
あんたも逃げてえんなら、
俺のプレミアムファルコン号に
乗せてってやるぜ。

(卯乃)
先生。
・・・・・・・・・。
お願い。
逃げのびてね。

(ウサギ)
おい、卯乃。
お前も一緒に行くんだよ。

(卯乃)
ううん。
わたし行かへん。
ここで戦う。

(ウサギ)
なんだと。

(卯乃)
ここにいる人はみんな、
先生の心の一部なんでしょ。
いくら先生が生きのびても、
先生の心が食べられちゃったら、
意味無いもん。

(ウサギ)
この世界の住人は、また生まれてくる。
本人が生きのびる事が大切なんだ。

(卯乃)
でも、その生まれてくる赤ちゃんは、
さっきの人たちじゃないんでしょ。
この世界も、現実の世界と、
おんなじなんでしょ。

(ウサギ)
そうだが、
先生が食われちまったら、
この世界は鬼の天下だ。
希望が無くなる。

(卯乃)
大丈夫。
わたし勝つから。

(ウサギ)
その自信はどこから湧いてくるのだ?

(カミハンテ・ソロ)
あー、バニーのおねえちゃんと、
左手の腹話術の人形さん?
俺の愛機に、
乗るの?乗らないの?

(ウサギ)
卯乃。お前が決めろ。

(卯乃)
ありがと。
先生、早く行って。

(カミハンテ・ソロ)
あそ。
じゃあ、元気でな。

●愛機プレミアムファルコン号に乗り込むカミハンテ・ソロ
●それをしっかり見つめる卯乃。

(卯乃)
・・・・・・・・。
あ、肝心のスーパーロケット杵、
無くしちゃった。
歩いて戦いに行かなきゃ。

(ウサギ)
やれやれ。
スーパーロケット杵に適当な名前を付けてやれ。
呼んだら来る。

(卯乃)
ほんと?
じゃあ杵だからキーちゃん。
キーちゃんおいで。

●スーパーロケット杵が宇宙船ドックの出口から飛んでくる。
●卯乃が杵の柄を、ぱしっ。とつかむ。
●そのまま身をひるがえし、先端を床につけ、片足をのせる。

(卯乃)
わたし、なんかかっこいいね。

(ウサギ)
口と態度だけだ。

(卯乃)
いくね。

(ウサギ)
おう。

●卯乃、杵に点火。


どうっ!


次回をお楽しみに(^-^)/
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/

いつでもどこでも、ぷるるんアクセス!携帯用サイト!
http://www.ms-06zaku.com/pururun-p/

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ