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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第六話 さあ突入

【登場人物】

望月卯乃もちづきうの   主人公、根暗、17歳
望月武雄もちづきたけお 卯乃の父、巨漢、和菓子職人、44歳
望月達也もちづきたつや 卯乃の弟、漫画家志望、15歳
望月卯女もちづきうめ   卯乃の祖母、神主、65歳

上終先生(かみはて先生) 卯乃の担任、頭が薄い、天文学部顧問

猿渡花子さるわたりはなこ 卯乃の同級生、委員長、17歳
鳥居翼とりいつばさ     卯乃の同級生、猿渡の親友、17歳
犬飼風美いぬかいふみ   卯乃の同級生、猿渡の舎弟、17歳

北大路警部(きたおおじ警部) 下鴨警察署に勤務する警察官

ウサギ

猿渡葉子さるわたりようこ 猿渡花子のお母さん、夫とは離婚。
●猿渡さんのお母さんが逮捕された現場を見て、
 ショックを受け、しょんぼりしながら家に帰る卯乃とウサギ

挿絵(By みてみん)

(ウサギ)
おい、卯乃。
黙ってないで、なんとか言えよ。
家に帰るのか?
帰ってどうすんだよ。
前向きに生きるんだろ?
さあ、きびすを返して、
戦いに行こうぜ。

(卯乃)
はあ…。

(ウサギ)
なあ、元気出せよ。
まだどこもやられて無いじゃないか。

(卯乃)
あんたねぇ。
あんたには友達おれへんの?

(ウサギ)
友達?

(卯乃)
そう、友達。
友達のお母さんが目の前で逮捕されたんだよ。
猿渡さんかわいそうじゃない。

(ウサギ)
猿渡さんは、
お前の敵じゃなかったのか?

(卯乃)
敵よ敵。大嫌い。
でも、それとこれとは別よ。

(ウサギ)
敵なら倒せ。
情け無用。

(卯乃)
あんた、冷たいのね。
ねえ、猿渡さんのお母さん。
落書きの容疑で逮捕するって
警察の人言ってたわよね。

(ウサギ)
そうだな。

(卯乃)
あんたは、
お母さんが鬼だって言わなかった?

(ウサギ)
そうだ。
あの女は鬼だ。
鬼は退治しなければならない。

(卯乃)
もしかして鬼って、
落書きと関係あんの?

(ウサギ)
そうだ。
今、京の都ではびこっている鬼は
落書き鬼だ。
おそらく餓鬼の仲間で下級の鬼だが、
なんらかの方法で爆発的に繁殖をはじめている。
今回ばかりは、
卯女も苦労していた。

(卯乃)
卯女っておばあちゃん?
あ、そういえば、わたしこの前、
神殿でおばあちゃんがバニーガールの格好してたの見た。
おばあちゃんもこの格好で
鬼と戦ってたの?

(ウサギ)
おまえはまだ全然戦ってないけどな。
卯女は第八十七代卯の化身。
おまえは、第八十八代目の卯の化身だ。

(卯乃)
ちょっと待って。
勝手に重い責任押し付けないでよ。
わたしは1週間。
1週間だけって約束やしね。
怖いのも、恥ずかしいのもヤなんだから。

(ウサギ)
わかっている。
1週間たったら、精も根も尽き果てた
かよわい哀れな老人に、
再任してもらうから心配するな。

(卯乃)
・・・・・・・・・。

(ウサギ)
・・・・・・・・・。

(卯乃)
あんた、意地悪ね。


●卯乃の家が見えてきた。
 家の前に警察官が2人来ている。
 父が外に出て応対している。

(父)
あ、おまわりさん。
ちょうど帰ってきましたよ。
卯乃ー。
卯乃ー。
はよおいで。
おまわりさんが、
お前に聞きたいことがあるんやってー。

(卯乃)
うわ、やば。
わたしなんか逮捕されるんやろか。

●卯乃、駆け足で家にたどり着く。

(中村巡査)
あー、
望月卯乃さんですか?
ちょっとお話が聞きたいんやけど
ええかなぁ。

(卯乃)
はぁ。

(父)
卯乃!
お前、うちがびんぼーやからって。
万引きとかしたんちゃうやろな。

挿絵(By みてみん)

●父が卯乃の頭をげんこつで小突く。

ごちっ。

(卯乃)
あいたっ。
なんもしてへんよぉ。
お父さんひどい。

(中村巡査)
お父さんやめてください。
お子さんはなんにも悪いことは
してませんよ。
先日逮捕された上終先生の事で
ちょっとお話をうかがいに来ただけですから。

(卯乃)
上終先生の事で?

(中村巡査)
そう。
先生は君の担任だったんだよね。
君もショックを受けてると思うけど
お話聞いてもいいかな?

(卯乃)
はい。どうぞ。

(中村巡査)
昨日の朝、上終先生が学校に落書きをして
警察に逮捕されたんだけど、
先生が学校に落書きをしていたのは、
おとといの晩のはずなんや。
その、おとといの晩、最後に先生と会っていたのは、
君だって聞いたんだけど。
本当かなぁ?

(卯乃)
はい。
おとといは、わたしは先生に補修してもらって、
遅くなったから家まで送ってもらいました。

(中村巡査)
何時ごろかわかる?


(卯乃)
あんまり覚えてないけど、
学校は7時すぎに出ました。

家に着いたのは、
たぶん7時40分か45分かそれくらいだったと思います。
家の前で弟の達也が先生にぶつかって
挨拶してたので、
弟に聞いてもらってもいいです。
その後、家でいつもの8時のニュースを家族みんなで見たから、
やっぱり8時前までには先生と別れました。


(中村巡査)
そう。
よくわかりました。
あと、
そのとき先生に変わった様子はなかった?

(卯乃)
とくには…。

(中村巡査)
はい。
じゃあ、もし何か先生の事で思い出したら、
下鴨警察署のほうへ連絡してください。
ありがとうね。
余計なげんこつもらっちゃって、
悪かったね。

(卯乃)
あのう。

(中村巡査)
何?

(卯乃)
わたし、先生に会いたいです。
会えませんか?

(中村巡査)
今先生は取調べ中だから、
面会は無理かな。

(卯乃)
もし先生に会えたら、
わたし何か思い出すかも。

(中村巡査)
そうだねぇ。
・・・・・。
じゃあ、ちょっと待ってね。


●警察官が携帯電話を取り出し電話をする。

(中村巡査)
北大路警部。
お忙しいところ恐れ入ります。
本官は、
例の上終容疑者の件で、
容疑者の生徒の望月卯乃さんに
聞き取り調査をしている、
中村巡査です。
本人が上終容疑者への面会を強く要望してまして・・・。

はい、そうです。

今のところ、
これといった情報は・・・。

はい、そうですね。
了解しました。


●卯乃がウサギに耳打ちする。

(卯乃)
北大路警部って、
猿渡さんのお母さんを連れてった人だ。

(ウサギ)
あのちょんまげ役人か。
偉かったんだな。

挿絵(By みてみん)


●警察官が卯乃に向き直り言う。

(中村巡査)
望月卯乃さん。
本部の許可がでましたので、
先生と面会できますよ。
ただ、
親しかった先生とはいえ、
容疑者と未成年のお子さんを
面会させるのは心配です。
だれか保護者の方の付き添いを
お願いできませんか?

(父)
父さんまだ店があるからなぁ。
卯乃、明日にしろ。
明日父さん店休みにするから。

(卯乃)
うん・・・。

(卯女)
わたしがついてってやるわ。

(父)
母さん。

(卯乃)
おばあちゃん。
もう平気なの?

(卯女)
わたしを、そこらの年寄りと
一緒にせんといてや。
一晩寝たら、たいがい元気や。
ほんなお巡りさん行こかいな。
パトカーに乗せてもらえるんやろ。

(中村巡査)
はい。
それじゃあお父さん、
お子さんをお預かりいたします。

(父)
ええ、宜しくお願いします。


●卯乃と卯女がパトカーの後部座席に乗る。

(卯女)
いっぺんこれに
乗ってみたかったんや。

(卯乃)
へへ、わたしも。


●下鴨警察署。
●猿渡さんが受付で押し問答している。
●婦人警官が応対している。

(猿渡花子)
お母さんに会わせてください。
ちょっとだけでいいんです。
わたし、さっきこちらに連れてこられた
猿渡葉子の娘です。
お願いします。

(婦人警官)
ごめんね。
今はまだ家族の人でも会われへんのよ。
会えるようになったら
連絡してあげるから、
家で待っとってくれる?

(猿渡花子)
ちょっとだけ、
ちょっとだけでいいんで、
お母さんと会わせてください。
お願いします。


(卯乃)
あ、猿渡さんだ。
ここまで追っかけてきたんだ。

(中村巡査)
こっちです。

●取調室。
 中に警察官が二人いる。
 机の向こうに上終先生が座っている。

がちゃっ。

(中村巡査)
失礼します。
望月卯乃さんを連れてきました。

●中村巡査と卯乃と卯女が入ってくる。

(卯乃)
先生。

(上終先生)
ああ、望月さん。
・・・・・・・・・。
面目ありません。
このたびのわたくしの行いに関しましては、
まったく、自分でもどうしてあんなことをしてしまったのか。
とにかく、
失望させてしまいましたね。
本当にごめんなさい。

(卯乃)
先生・・・・・・。
ちょっとトイレ。

(上終先生)
えっ?

(卯乃)
お巡りさんトイレどっちですか?

(中村巡査)
ああ、廊下を左へ行って突き当たりだけど。

(卯乃)
みなさん、
少々お待ちを。
そのままで、そのままで。

●卯乃、小声でウサギに話しかける。

(卯乃)
ちょっとおいで。

●部屋を出てトイレに駆け込む卯乃。

(卯乃)
こっちこっち。

(ウサギ)
女人専用のかわやへなんぞ
入れるものか。

(卯乃)
あんた、しょうもないこと
こだわるんやね。
はよおいで。

●しぶしぶ入ってゆくウサギ。

(卯乃)
ねぇウサギさん。
先生も落書きで捕まっちゃってるの。
先生も鬼なの。

(ウサギ)
鬼だな。

(卯乃)
鬼になったらどうなるの。

(ウサギ)
鬼になったら鬼になるだけさ。

(卯乃)
あれ?
じゃあ、もう先生人間じゃないの。

(ウサギ)
見た目は人間だよ。
でも鬼にとり憑かれると
だんだん心が鬼になっていって、
最後には本当に鬼になる。

(卯乃)
そもそも鬼って何?

(ウサギ)
一言でいうのはむずかしいなぁ。
生きた悪い心かな。

(卯乃)
ああ、このへんから
わたしの理解の範疇を超えているわ。
質問変える。

(ウサギ)
はいよ。

(卯乃)
時間が無いから、
素人のわたしに解りやすいように、
やさしく答えて。
先生、またあんな落書きをしたりするの?

(ウサギ)
もっとひどくなるだろうな。
今はまだ平静を保ててるようだが、
そのうち四六時中落書きするように
なるだろう。
人格も変わっちゃうしね。

(卯乃)
先生、まだ助けられんの?

(ウサギ)
先生に憑いた鬼を退治してやればね。

(卯乃)
それって、
先生を痛めつけて、
中の鬼を追い出すの?

(ウサギ)
そんな事したって、
先生が痛い思いするだけさ。
先生の心世界へ入っていって、
鬼を倒すのさ。
そしたら先生の心から
今悪さしている鬼はいなくなる。

(卯乃)
よし。わかった。
わたし先生を助ける。
そして先生をこの牢獄から解放し、
自由にしてあげる。

(ウサギ)
ま、やっちゃった事はどうしようもないから、
無罪放免とはならないけどな。

(卯乃)
とにかく、私やるわ。
詳しい説明はまた後でお願い。
今は時間が無いの。
これ以上トイレにこもってると、
おっきい方してると思われるから。


●トイレを出る卯乃。
 その目には戦いにのぞむ覚悟の眼光が光る。

●取調室の前に、北大路警部が立っている。

(北大路警部)
あ、望月卯乃さんですか?

(卯乃)
はいっ。

●強い眼差しで警部を見上げる卯乃。

(北大路警部)
あ、はじめまして、
わたくし、この事件を担当しております、
北大路と申します。

(卯乃)
こんにちわっ。

●元気なあいさつ。

(北大路警部)
実は先生のお話には要領を得ないところがありまして、
私たちも困っているのです。
特に落書きをした動機です。
もし望月さんからも、
先生に聞いていただけたらと思いまして、
その点、お願いしてもよろしいでしょうか。

(卯乃)
わたしが来たからにはもう大丈夫。
まかせてください。

(北大路警部)
はぁ。宜しくお願いします。

●ばあああぁん。と思いっきり取調室のドアを開ける卯乃。
●卯乃、仁王立ち。
●中の警察官、卯女、上終先生が呆然と卯乃を眺めている。



(卯乃)
・・・・・・・・・。



●卯乃、小声でウサギに話しかける。


(卯乃)
で、どうすんの?

(ウサギ)
先生に眠ってもらって、
鼻の穴から、先生の心世界に入る。

(卯乃)
ええー!
今ここで先生に寝てもらうの?

(ウサギ)
意識が覚醒している時は、
心世界への入り口が閉まってるからな、
出入りできない。
常識だぞ。

(卯乃)
知らないよぉ、
そんな事。

(卯女)
しかたないねぇ。

●おもむろに先生に近づく卯女。

(卯女)
先生、ごめんなさいよ。

●卯女が先生の頚椎付近を軽くたたく。

とすっ。

●先生が気を失う。
●警察官が一斉に声をあげる。

あっ。

(卯女)
さあ卯乃、行ってきな。

(卯乃)
えっ?あっ?うん。
おばあちゃんありがとう。

(ウサギ)
ほれ呪文。

(卯乃)
あ、そうか、携帯、携帯。

●卯乃、携帯電話を急いで取り出し、
 呪文のメモを呼び出す。

ぴ、ぴ、ぴぴ。

(卯乃)
よし。
「プルルン・クプルプ・チャマヘス・バカム、変身。」
そしてイメージ。むむむ。

●次の瞬間、ものすごい閃光と轟音、暴風が発生。
●光の中で卯の化身に変身する卯乃。
●ウサギが卯乃に話しかける。

(ウサギ)
さあ、先生の鼻の穴に飛び込め。

(卯乃)
いいの?

(ウサギ)
いい。

(卯乃)
えいっ。

●閃光、轟音、暴風がおさまった取調室。
●卯女が落ち着いて椅子に座っている。
●上終先生は机に伏せて気を失っている。
●部屋はめちゃくちゃ。ドアが開いていたので
 廊下にまで書類が散乱している。

(北大路警部)
なんだ?
なにが起こったんだ?

挿絵(By みてみん)

(卯女)
あんたらに話したって、信じるかいな。

次回をお楽しみに(^-^)/
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
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