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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第五話 いざ突入

【登場人物】

挿絵(By みてみん)望月卯乃もちづきうの主人公、根暗、17歳

挿絵(By みてみん)望月武雄もちづきたけお卯乃の父、巨漢、和菓子職人、44歳

望月達也もちづきたつや卯乃の弟、漫画家志望、15歳

挿絵(By みてみん)望月卯女もちづきうめ卯乃の祖母、神主、65歳

挿絵(By みてみん)●上終先生(かみはて先生) 卯乃の担任、頭が薄い、天文学部顧問

挿絵(By みてみん)猿渡花子さるわたりはなこ卯乃の同級生、委員長、17歳

挿絵(By みてみん)鳥居翼とりいつばさ卯乃の同級生、猿渡の親友、17歳
挿絵(By みてみん)犬飼風美いぬかいふみ卯乃の同級生、猿渡の舎弟、17歳

挿絵(By みてみん)北大路きたおおじ警部 下鴨警察署に勤務する警察官

挿絵(By みてみん)●ウサギ

猿渡葉子さるわたりようこ猿渡花子のお母さん、夫とは離婚。
●翌朝、卯女の部屋。
 昨夜の疲労で卯女はまだ眠っている。

(ウサギ)
卯女、卯女、

(卯女)
ん?
なんやウサギかいな。
どうしたんや?

(ウサギ)
卯女、
永きにわたり大儀であった。

(卯女)
ん?
なんの事や?

(ウサギ)
昨晩、お前の孫の卯乃が、
卯の化身となった。

(卯女)
卯乃?
あの子がかいな。
ふふっ。
頼りないなー。

(ウサギ)
65年前のバチによって、
失われてしまった力を補うために、
ツクヨミ様が月の光にのせて、
少しずつ力を、あの子に送っていたのだ。
回復するまで17年かかった。

(卯女)
お前は相変わらず、
なんにも言わんまに、
勝手にすすめとったんやなぁ。

(ウサギ)
お前は老いた。
本来ならとうに退役している年齢だ。

(卯女)
こんなばあさんの
セクシー姿は、もう見たくないってか。
はははははは。

(ウサギ)
そうだ。
それは大いに感じている事だ。
それに、もう、お前には、
よほど戦う力は残っていない。

(卯女)
大きなお世話だよ。
それで、卯乃は承諾したのかい?

(ウサギ)
1週間という約束でな。

(卯女)
1週間?
なんじゃそりゃ。

(ウサギ)
よくわからんが、
1週間すれば自分に自身が持てるそうだ。
そうすれば、前向きに考えると言った。

(卯女)
あの根性なしの卯乃の事だけに、
鵜呑みにはできないねぇ。
母親の時のこともあるしねぇ。

(ウサギ)
とにかく1週間はお役御免だ。
ゆっくり休め。

(卯女)
そうかい。
じゃあ、そうさせてもらうよ。

(ウサギ)
卯女。

(卯女)
なんだい?

(ウサギ)
どうか、お疲れの出ませんように。

(卯女)
ふん。
泣けるねぇ。


●卯女がゆっくり目を覚ます。

(卯女)
夢かいな。

●茶の間のほうから家族の話し声が聞こえる。

(卯乃)
行ってきまーす。

(父)
卯乃は、今日
学校休みんなったんちゃうんかいな。
こんな朝から
何処いくんやー?

(卯乃)
ちょっとー。

(父)
なんや、母さんのスーツなんか着て。

(卯乃)
ちょっと借りてくだけー。

(父)
ご飯わいな。

(卯乃)
いいー。


(卯女)
卯乃?

●卯女が部屋の障子を開けて、
 廊下に顔を出す。

●茶の間を出て、
 店の玄関から出てゆく、
 ぶかぶかの赤いスーツ姿の卯乃が見える。

●卯乃の後をウサギがついて行く。

(卯女)
ウサギが卯乃について行きよるわ。
さっきのは、
正夢かいな…。



●家を出て道を歩く卯乃とウサギ。
 卯乃は母の遺品の赤いスーツを着ている。
 でも靴はスニーカー。

(ウサギ)
何処へ行くんだ?
さっそく出撃か?

(卯乃)
そう。出撃。
戦いに行く。


(ウサギ)
積極的だなぁ。
見込みがあるぞ。
いきなり実戦とは不安だが、
みどもが手助けしてやるから安心しろ。
まあ、死にものぐるいで戦えば、
死ぬことはないだろう。

ちなみに最初に断っておくが、
回復の呪文とか、
復活のアイテムとか無いからな。

ケガしたら、ケガしっぱなし。
死んだら、終わりだからな。


(卯乃)
さ、着いたわよ。

(ウサギ)
着いたって?


(卯乃)
商店街。
ここの中に猿渡さんの家があるんよ。

(ウサギ)
え?
さるわたりさんの家?

(卯乃)
さあ、変身や。
昨日みたいにやって。

(ウサギ)
ここで?

(卯乃)
そう。
でも裸はいやよ。
この服を着たまんまで。

(ウサギ)
むずかしいなぁ。
「プルルン・クプルプ・チャマヘス・バカム、変身。」
って言って、人の形を想像してみろ。
そしたら変身はできる。


(卯乃)
ぷるるんくるくる…何だって?


(ウサギ)
「プルルン・クプルプ・チャマヘス・バカム」
これがパスワードだから。
「変身」はお前たちの言葉でわかりやすければ
何でもいい。
「形」はアイテムを検索するとき、
パスワードと照合するためのイメージだ。

アイテムのパスワードと
アイテムの形のイメージが一致しなければ、
アイテムは手に入らない。


(卯乃)
何処から?

(ウサギ)
わたしから。

(卯乃)
変身もアイテムのうちなの?

(ウサギ)
NASAで開発された瞬間強力人間剤。

(卯乃)
うそくさ。

(ウサギ)
で、ここからが肝心だ。
変身すると身につけてるものは全て
一時的に消滅する仕組みになっている。
これは、体のサイズが大きく変化した場合、
変身前に身につけていたベルトなどで、
圧迫されると危険だからだ。

(卯乃)
そういえば、
背も高くなったし、
すごいボインになったもんね。
意味も無く付けてるだけの
私のブラなんてはじけとんじゃうわ。
・・・・・・・・。
あれ?ちょっと待って、
じゃあ、変身したら必ず裸になるって事?

(ウサギ)
そうだ。
しかし安心しろ。
みどもがすばやく肝心なところを
隠してやるから大丈夫だ。

(卯乃)
肝心なところって。
その結果、昨日みたいなバニーガールに
なっちゃうの?

(ウサギ)
そうだ。


(卯乃)
・・・・・・・・・・・・。

(ウサギ)
・・・・・・・・・・・・。


(卯乃)
ちょっとそこのコンビニでトイレ借りてくる。
そこで服脱いで変身して、
変身し終わったあとで、
また服着るわ。
呪文、もっかいゆっくり言って。
携帯にメモるし。


(ウサギ)
かしこいな。
お前。


●猿渡さんのお母さんが経営する定食屋さん「おさる食堂」。
 「おさる食堂」は修学院商店街の中にある、
 小さなひなびた定食屋さん。
 今日は学校が休校になったので、
 猿渡さんも手伝っている。

●変身した卯乃が真赤なスーツを着て入ってきた。
 店の中には他に1組の常連らしきお客さんがいる。

(猿渡)
いらっしゃーい。
うわっ。

(卯乃)
ここ、空いてるかしら。

(猿渡)
ええ、ご覧のとおり。

(卯乃)
じゃあ、しとぅれい(失礼)。

(猿渡)
お水です。
お決まりになられましたら、
声をかけてくださいね。

(卯乃)
そ。

●猿渡さん、厨房のお母さんのところへ行く。

(猿渡)
お母さん。お母さん。
なんか見かけない豪華な人が
入ってきた。

(母)
えっ?
うわー、水水しいねぇ。
お店上がりかしら。


(卯乃)
ちょっと。
ちょっとー。
そこの未発達な女子高生。

(猿渡)
はい。

(卯乃)
注文いいかしら。

(猿渡)
はい。どうぞ。

(卯乃)
エスカルゴあるかしら。

(猿渡)
まことに申し訳ございません。
当店にはエスカルゴは置いて
ございません。

(卯乃)
あらそう。
なら、ツバメの巣をちょうだい。

(猿渡)
申し訳ございません。
そのような豪華なものは
うちにはございません。

(卯乃)
ほーほほほほ。
なーんにも無いのね。
勝ったわ。

(猿渡)
はあ。

(卯乃)
じゃあ、
赤いウィンナーをタコさんにして
炒めてもらえるかしら?

(猿渡)
それでしたらご用意できます。
あと、ご飯とか、お味噌汁も
おつけしましょうか?

(卯乃)
いえ、あんまりお金が無いので、
ウィンナーだけで結構。

(猿渡)
わかりました。
少々お待ちください。


●卯乃が小声でウサギを探す。

(卯乃)
ウサギさん。
ウサギさん。
ねぇ、どこにいるの?

(ウサギ)
ここにいるよ。

●机の下から机を通り抜けて
 机の上に出てくる。

(卯乃)
わっ。
あんた、そんなとこから出てきて。
見られたらどうすんのよ。

(ウサギ)
大丈夫。
普通の人間には見えない。

(卯乃)
そうなの。
ねぇねぇ、見た。
猿渡さんの恐縮した態度。
わたし、完全に勝ったわよね。

(ウサギ)
そうか?
みどもには、ささやかながらこの店の売上げに
貢献しただけに見えるがな。
それより、いつ仕掛けるのだ。

(卯乃)
仕掛けるって何を?

(猿渡)
おまたせしましたー。
タコさんウィンナーです。


(卯乃)
わーやったー。
ポクッ。
おいしー。
ああ、ご飯もほしくなってきちゃった。

ちょっと女子高生ー。
これにご飯もいただいたら、
いくらになんの?


(猿渡)
はい、450円です。

(卯乃)
あそ。
じゃあごはんもちょうだい。

(猿渡)
わかりました。


●乱暴に店の戸が開く。
 北大路警部と部下の警察官が入ってきた。

がらがらっ。

(猿渡)
いらっしゃいませー。

(北大路警部)
こちらに、猿渡葉子さんはいますか?

(猿渡)
はい。葉子はわたしの母ですが。

(北大路警部)
じゃあ、お母さんいますか?
警察の者です。

(猿渡)
はい。
お母さーん。
警察の人ー。

(母)
えっ。

●厨房をのぞきこむ猿渡花子。

(猿渡)
お母さん。
警察の人だって。

(北大路警部)
お母さんは厨房ですか?
失礼。

●北大路警部たちが、猿渡花子をおしのけ
 厨房へ入ってゆく。

(猿渡)
あ、ちょっと。

(北大路警部)
猿渡葉子さんですね。
なんで私たちがここへ来たか
おわかりですか?

(母)
はい。

(北大路警部)
じゃあ行きましょうか。

(猿渡)
えっ?
ちょっと待ってください。
お母さんが何したっていうの?

(北大路警部)
それはお母さんの口から署で語ってもらいます。

(猿渡)
なんで?
ちょっと待って。
お母さんを連れてかないで。
今営業中なんですよ。
任意の聞き取りでしょ。
お店終わってからでもいいじゃないですか。

(北大路警部)
任意ではありません。
裁判所から逮捕状が出ています。
お母さんには、
先日、出町柳商店街でシャッターなどに
落書きをした容疑がかかっています。

挿絵(By みてみん)

(猿渡)
そんな。
お母さん、ほんとなの?

(母)
ごめんね。
どうしようもなくて。

(猿渡)
うそ。
お母さんが、お母さんが、
そんな。

●警察官が一人、慌てて店に入ってくる。

(警察官)
警部。先ほどから橋本模型店の橋本松生容疑者が
店内に立てこもりペンキを撒き散らして抵抗しています。


(北大路警部)
そうか、
これだけの着手だ、その騒動に人員は回せん。
機動隊を要請し、最小限の人数で
橋本容疑者が逃亡しないよう監視しろ。

その他の者は打ち合わせどうり、
自分の担当の容疑者の確保を優先せぇ。


(警察官)
了解しました。

(猿渡)
えっ?
橋本のおっちゃんが?


●慌てて店の外へ飛び出す猿渡花子。
 商店街は騒然としている。
 商店街の出口をパトカーで塞ぎ、
 おびただしい数の警察官が、
 あちこちの店から店主たちを逮捕して
 連行している。


(猿渡)
魚屋のおっちゃん。
おばちゃんまで。

本屋さんも。

自転車屋さんも。

なんで?
どうしたん?


●「おさる食堂」の店内。

(北大路警部)
さあ、お母さん。
抵抗しないでくださいね。
抵抗されると手錠をしなくてはなりません。

(母)
わかりました。

●猿渡花子のお母さんが、
 店の外に連れ出される。

(猿渡)
あっ、お母さん!
警察の方。
お母さんを連れていかんといて。
お母さんがおらんようになったら、
わたし独りぼっちになってしまう。

(北大路警部)
おじょうちゃん、堪忍や。
ほんでもお母さんは、
取り返しのつかへんいうほどの事を
したわけやないさかい。
素直に事情を話してもろて、
反省してもろたら、
そんな長いこと警察におってもらわんでええと思うし、
ちょっとの間、辛抱したって。
な。

(猿渡)
ほんでも、
ほんでも、
うわーーーーん。

(北大路警部)
泣かんといてくれ
な、たのむわ。

(猿渡)
お母さーーん。
お母さーーん。

(母)
花子、ごめんね。
ほんま、ごめんね。
後の事は頼んだで。

(猿渡)
お母さーーん。
行かんといてー。

●花子のお母さんは警察に連行されてゆく。

●店の中にいた常連のお客さんが、
 花子を心配して出てくる。

(店の常連)
花ちゃん。
何があったか知らんけど、
お母さんならきっと大丈夫やと思うで、
一人で真面目に、今日までがんばってきた人やもん。
なんかの間違いや。

(猿渡)
うん。
うう~。


●店の中で一人取り残された卯乃。

(卯乃)
わたし、どうしたらええんやろ。
わたし、わたし、
猿渡さん。ごめんなさい。
ああ、
もうタコさんウィンナー、のど通らへん。

(ウサギ)
どうしたらって、お前、
戦う気でこの店に入ったんと
ちがうのか?

(卯乃)
えっ?

(ウサギ)
勇んで店に入ったから、
てっきり、戦う気満々だと思ってたぞ。

(卯乃)
なんで?

(ウサギ)
さっきの連れて行かれた女。
あれは鬼だ。

(卯乃)
ええーっ!
猿渡さんのお母さんのこと?

(ウサギ)
おまえなぁ。
どこに耳をつけておるのだ。
って、その服じゃしかたないか。

(卯乃)
もうあかん。
脳が飽和状態だ。
なにがなんだか、もうさっぱり。

ばたっ。



(ウサギ)
はぁ~。ヤレヤレ。

次回をお楽しみに(^-^)/
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




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~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
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