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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第四話 変身

【登場人物】

望月卯乃(もちづきうの、主人公、根暗)17歳、天秤座、A型
望月武雄(もちづきたけお、卯乃の父、巨漢、和菓子職人)44歳、B型
望月達也(もちづきたつや、卯乃の弟、漫画家志望)15歳、O型
望月卯女(もちづきうめ、卯乃の祖母、神主)65歳、AB型、てんびん座

上終先生(かみはて先生、卯乃の担任、頭が薄い)天文学部顧問

猿渡花子(さるわたりはなこ、卯乃の同級生、委員長)17歳、牡羊座、A型
鳥居翼(とりいつばさ、卯乃の同級生、猿渡の親友)17歳、蠍座、A型
犬飼風美(いぬかいふみ、卯乃の同級生、猿渡の舎弟)17歳、乙女座、B型

北大路警部きたおおじ下鴨警察署に勤務する警察官
(父)
卯乃ー、どうしたんやー!

●卯乃の父、武雄が駆け寄ってくる
●武雄が倒れている卯女を見つけた。

(父)
あ、母さん。
母さん!

(卯乃)
お父さん。
おばあちゃんが死んじゃった。

(父)
母さん!

(卯女)
まだ死んでまへんで。

(卯乃)
おお、奇跡!

(卯女)
しんどなったで、
寝てただけや。

●達也がやって来る。

(達也)
なにがあったん?

(父)
おお達也。
救急車や、はよ救急車よんでくれ。

(達也)
うん、わかった。

(卯女)
ああ、やめてくれ、
大袈裟にせんといてくれ、
大丈夫、大丈夫やから。
悪いけど武雄、
ちょっと手かしてくれ。
こんなとこで寝とったら
風邪ひくわ。

(父)
ほんなこと言うたって。

(卯女)
ええから、
ええから、
はよ家に帰りたいんや。
頼むわ。
な。

(父)
わかった。
卯乃。先行って
おばあちゃんの部屋
ふとん敷いといて。

(卯乃)
うん。

●卯乃がおばあちゃんのふとんを敷くために、
 家のほうへ駆けていった。

●武雄が手を貸して、
 おばあちゃん卯女を部屋へ運ぶ。
●部屋ではすでに卯乃が
 ふとんを敷いていた。

(父)
達也、ふとんめくって、

(達也)
うん。

(父)
お、母さんほら
寝かすで、
よっこらしょ。

(卯女)
ふぅー。
みんなぁ、悪いなぁ、手ぇかけてしもて。

(父)
ほんなことより母さん。
ほんまに病院いかんで
ええんかいな。


(卯女)
ええ、ええ、
そんな大仰な。

●卯女が、ふいに卯乃の足元を見つめて言う。

おお、さっきから見かけん思たら、
こんなとこおったんかいな。
おい、何処行くんや。

●卯女が、何も無い部屋の隅を目で追いかける。

(卯乃)
わたし?
うん。先、ふとん敷きに来たんやで。
あ、急に耳鳴りが止んだ。

(卯女)
耳鳴り?

(卯乃)
うん。
昨日から時々するんや。
なんか大変な事が続いとるやろ、
わたし呑気やから、
頭が混乱しとんちゃうかな。

(卯女)
ふーん。
今もうせんの?

(卯乃)
おばあちゃん見たら急に治った。
安心したせいや。

(卯女)
ふーん。

(父)
なんかしてほしい事とか、
ほしいもんないか?

(卯女)
もう落ち着いたし
ほっといて。
ああ、病院でもろてきた薬のむさかい。
ポットにお湯くんで、
持ってきてぇな。

(父)
わかった。
卯乃。達也。
おまえらぁはもうええし、
上いって寝な。

(卯乃)
はーい。
ほんなおばあちゃん上行くわ。

(卯女)
おお、ありがとうね。

●つづけて、卯女が何も無い部屋の隅に目をやり言う。

(卯女)
おい、ちょっと出てきてみ。

(卯乃)
え?
あ、また耳鳴りや。

(卯女)
( ^ ^ ) 卯乃も疲れとるんや。
はよ寝。

(卯乃)
うん。ほんなね。

(卯女)
達也もね。
ありがとね。

(達也)
うん。


●卯乃と達也は、卯女の部屋を出て
 自分の部屋へ帰ってゆく。

(父)
母さん。ほんまに大丈夫かいな。

(卯女)
ほれ、見てみ。

●卯女がズボンのポケットからたくさんの
 真珠の玉を取り出す。

(父)
うわ。すごい量のぎょくやな。
これ、一晩で集めたんか?

(卯女)
そうや。
このごろの鬼は難儀や。
すぐに増えよる。

(父)
無理したらあかんで。

(卯女)
無理もせなあかんわいな。

(父)
やっぱりあれか?
今ニュースでやっとる、
落書き魔と関係あるんか。

(卯女)
そうやな。
悪さしとるな。

(父)
母さんひとりで心配や。

(卯女)
仕事やし、しゃあ無いわいな。
それに、がんばらんと、
わたしの手におえんようになった時は、
今度は、わたしが鬼にならなあかんのやで。
それだけは勘弁や。

(父)
わかった。
でも、無理だけはしんといてな。

(卯女)
ありがとうね。

(父)
ほんな、薬のお湯もってくるわ。

(卯女)
ちょっと待って武雄。

(父)
ん?

(卯女)
卯乃やけどなぁ。

(父)
卯乃がどうしたん?

(卯女)
卯乃、ウサギの事、
感じとるみたいや。
ウサギが卯乃の近くにおるときに、
耳鳴りがする言うとる。

(父)
ほんまか?

(卯女)
あんたと美佐子さんとの間の子いうても、
卯乃にかって月読様の血が流れてるんや。
ちょっとは普通とちがうんやろ。

(父)
役に立てそうなんか?

(卯女)
はははは、無理やろ。
そのへんの霊能者くらいのもんやわ。

(父)
霊能者かぁ。かなんなぁ。
そのうち、
この部屋なんかおる。とか、
寒気がする、頭痛がする。とか、
言いだすんかいな。
あいつ、今でも陰気臭いのに、
陰気な性格が、さらに深まっていくなぁ。

(卯女)
ははははは^^
自分の娘を、むちゃくちゃ
言うたりないな。


●場面変わって卯乃の部屋。
 ベッドで寝ている卯乃。

(卯乃)
あかん。寝られへん。
がばっ。

●ベッドから起き上がる。

(卯乃)
誰かわたしの悪口言うとんのかしら。
なんかそわそわするわ。

●卯乃が部屋の窓を開けて物干し台へ出る。

がらがら

(卯乃)
ああ、今日は最悪だぁ。
上終先生が逮捕されて、
おばあちゃんが倒れて、
もう何が何だか。

あ、月があんな高いところにある。

きれー。
今日はほんまにきれーやなー。

月光の蒼きこの世界よ。
わたしに安らかな睡眠を与えたまえー。

へへっ。寝よ。


(ウサギ)
寝るな!

(卯乃)
えっ。


●とたんに、あたり一面が明るくなる。

(卯乃)
うわーっ。
何、何?
月が落ちてきたー。

●卯乃の視界が光で溢れ、急に強い風が吹く。

●輝きと轟音が最大に達した次の瞬間。
 全てが真っ白な世界。無音。無風。
 卯乃の体が浮かんでいる。

どたぁっ!

●卯乃の体が突然落下。
 光は消え、元の物干し台の上。

(卯乃)
あいたたたた。
何?何?

(ウサギ)
17年間の月夜見、骨折りであった。

(卯乃)
えっ?誰?

●物干しの手すりの上に、
 ぼんやりと白い半透明のウサギが立っている。

(卯乃)
えっ?ウサギ?
かわいーーーーーくない!
一つ目!きしょっ!

(ウサギ)
きしょ。とはどういう意味だ?

(卯乃)
うわー!
きしょウサギがしゃべったー!


●卯乃は自分の部屋へ急いで飛び込み
 おお慌てで窓を閉め、
 カーテンをひいた。

どたばたどたばた。
がらがらがら、ぴしゃん!
さーーーーっ!



●そっとカーテンの隙間から外を見る卯乃。

●もう手すりにウサギはいない。

(卯乃)
幻覚だ。幻覚を見てしまった。
それとも霊?
とにかく寝よ。
明日んなったらきっと
何もかも元どうりだよね根拠はないけど…。

あれ?
わたしいつパジャマ脱いだんだっけ?
あれれ?
っていうか裸?


●部屋の姿見の鏡の中の自分を見る。

(卯乃)
うわーーっ!
何この格好。
バニーガール?

えっ。
誰?この綺麗な人。

あれ?
わたし?わたしこの人?
この人、わたし?

どーなってんの?

挿絵(By みてみん)

(ウサギ)
満願達成。
おめでとう。


(卯乃)
うわ。きしょウサギ。


(ウサギ)
誰が、きしょウサギだ。
望月卯乃。
今宵お前は都合17年間の月夜見によって、
どうにか第八十八代卯の化身となる誉を得た。
謹んで任を拝命し、
今後は月読様の命を賜り、
その使いとして精進し、
じゅうぶんな働きをするのだ。

(卯乃)
なんだって?

(ウサギ)
簡潔に申せば、
みどもと共に、鬼退治をするのだ。

(卯乃)
いやよ。
そんな時間あるわけないやん。
家の手伝いもせなあかんし、
宿題もせなあかんのに、
なんでこんな恥ずかしい格好で
鬼ごっこせなあかんの。

(ウサギ)
鬼ごっこではない。
鬼退治だ。

(卯乃)
どっちにしてもいや。

(ウサギ)
権利放棄?

(卯乃)
放棄!

(ウサギ)
名誉なことなのに。

(卯乃)
不名誉な格好だ。

(ウサギ)
はあ~ヤレヤレ。残念。
17年待ったのになぁ。
じゃあ元に戻す。
今夜の事は全て忘れろ。

(卯乃)
あーえーちょっ、ちょっと待って。

(ウサギ)
何だ?

(卯乃)
あのー。
今のわたし、結構いけてるよね。

(ウサギ)
ああ、すこぶるいけてる。
お色気ムンムン。
激辛ムーチョだ。

(卯乃)
1週間くらいならこの姿でもいいよ。

(ウサギ)
1週間?

(卯乃)
ちょっとこの姿で
河原町歩いてみたい。

(ウサギ)
恥ずかしくないのか?

(卯乃)
もちろん服着るわよ。

(ウサギ)
なんの意味があるのだ。

(卯乃)
わたし、根暗で、人見知りで、
勉強苦手で、友達いないし、
背もちっちゃいし、
体形なんてマッチみたいでしょ。
何一つ自分に自信の持てるものが無いの。

(ウサギ)
で?

(卯乃)
こんな綺麗なおねえさんの姿で街を歩いてみたら、
なんか自分に自信が持てそうな気がして、
いろいろ前向きにがんばれそうで。

(ウサギ)
みどもには、よくわからんが、
とにかく1週間やってくれるのだな。
引き受けた以上。
責任を持って戦ってもらうぞ。

(卯乃)
戦う。
わたし、昨日までの自分に勝ってみせる。

(ウサギ)
よかろう。
期間限定なれど、契約成立。

(卯乃)
よっしゃー。
わたしをいつもいじめる猿渡花子め。
大人の魅力でぎゃふんといわせてくれるわ。


(ウサギ)
すでに後ろ向きじゃん。


(卯乃)
えっ?


次回をお楽しみに(^-^)/
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




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