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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第三十七話 男子登場

~登場人物紹介~
【望月卯乃】主人公、17歳高校生、いじめられっこ、卯の化身。
【望月武雄】卯乃の父、和菓子屋を営む。
【望月達也】卯乃の弟、漫画家志望の中学生。
【猿渡花子】主人公をいじめる猿の化身、スポーツ勉強万能の委員長。
【鳥居 翼】猿渡の幼なじみで無二の親友、酉の化身。
【犬飼風美】猿渡を信奉する同級生、犬の化身。
【猿渡葉子】猿渡花子の母。
【上終智巳】卯乃達の担任の先生。
【六条宮玄仁】卯乃達の学校の理事長。
【辰巳黄一】吉祥院高校の生徒会長、辰の化身、黄竜の使い手
【 鬼 】人の心の中の世界に棲み着く生物。心世界でも現実世界でも人を食べ、人の心を支配して、人に悪事を働かせる。人から人へ感染する。
【ぷるるん戦士】12方位神の使徒である神獣によって、超能力を与えられた神の化身。鬼退治が仕事。

▼卯女と犬飼が病院からいなくなった翌日、朝から方々を探したが
その行方はいっこうにわからなかった。
▼京都に端を発し、今や関西一円から全国の都市に飛び火した落書き事件は、
徐々に社会の機能をうばっていった。
落書き鬼に感染した人間は、その発作がおこると人が変わったように仕事を放棄して
突然落書きを始めるのである。
医師、警察官、主婦、老若男女それは誰におこっても不思議ではなくなっていた。
▼突発性落書き症候群。そんな病名まで取り沙汰されていた。
▼夜になって望月家では、猿渡親子と卯乃達が夕食をとっていた。

(卯乃)
おばあちゃんたち、
けっきょく見つからなかったね。

(卯乃の父武雄)
そうやなぁ。
明日も探してみよか。
警察からもなんの連絡もないし、
まあ、世の中がこんだけ騒然となっとったら
行方不明者の捜索なんて後回しやろしなぁ。
でも、それだけ落書き鬼が蔓延しとるいうこっちゃ、
外出するんも考えなあかんなぁ。
猿渡さん、花子さん。
卯乃、達也。
おまえらも大した用事がなかったら外に出るなよ。

(猿渡の母葉子)
望月さん。
でもこの先どうなるんでしょう。
日本人、いえ、人類全てが鬼になってしまうんでしょうか。

(武雄)
このままですと、そうなりますねぇ。

(葉子)
人類滅亡ですか?

(武雄)
いえ、そうはならないでしょう。
鬼は所詮人間の寄生生物です。
宿主の人間がいなければ生きていけません。
・・・ただ。

(葉子)
ただなんです?

(武雄)
戦争になります。

(葉子)
戦争?

(武雄)
そうです。
19世紀の終わりごろから、交通手段の発達で、
それまで世界各地で地域的に増殖と減少を繰り返してきた鬼が、
度々世界的に蔓延することがありました。
そして、何度目かの世界的蔓延を迎えたとき、
ついに人類未曾有の大規模な世界戦争が勃発したのです。
世界大戦です。

(葉子)
そんな、ただの落書きじゃないですか。

(武雄)
問題は落書きそのものではありません。
鬼の数が増えているという点にあります。
鬼が蔓延すると、
社会の機能がじょじょに滞りはじめ、
不穏な空気が漂い、
最後には、気化したガソリンに一気に火がつくように
ナショナリズムが爆発し、戦争に突入するのです。
このときの人間は、もう正気ではありません。
昨日まで仲良くしていた隣人とさえ殺し合いをはじめます。
そうなってしまったら、もう手立ては無く、
鬼の勢いがおさまるのを待つほかないのです。
その時間は数年でおさまる事もあれば、
百年続く事もあります。

(葉子)
一体、私たちは、どうすれば?

(武雄)
そうなる前になんとか今回大発生した落書き鬼の元凶の大鬼を
退治しなければならないのですが・・・。

(卯乃)
お父さん。
わたし、これ以上は嫌。
大鬼ってこの前の鬼みたいに強いんでしょ。
もうあんな怖いの嫌。

(武雄)
卯乃・・・。

(猿渡)
望月さん。
あんた何わがまま言ってんの。
今までのいきさつとか、
今の話とか、みんなわかって言ってんの?

(卯乃)
だって・・・。

(猿渡)
だいたい私がぷるるん戦士になっちゃったのは、
元々あなたの罠でしょ。
人を巻き込んでおいて何よ今さら。

(卯乃)
怖いものは、怖いんだもん。

(猿渡)
あきれたわね。
あなたには守りたい人とかいないの?

(武雄)
いないよなー。
お前みたいなしょぼい奴に、
命をかけて守りたい恋人とか、
想像もできねぇ。

(卯乃)
なによお父さんまで。
そういう猿渡さんには彼氏いるの?

(葉子)
おっと。それわたしも聞きたい。
ねえ花子。あんたどうなのよ。

▼顔を真っ赤にする猿渡。

(猿渡)
えっ?どうって・・・。その・・・。

(葉子)
彼氏、いるの?いないの?

(猿渡)
ええ?なんでわたしが窮地に?


ピンポーン。

▼そのとき突然玄関のチャイムが鳴った。

(猿渡)
私出ます。

▼渡りに船。食卓を離れる猿渡。
ちょっと残念そうな顔をする母。

(葉子)
ちっ!

(猿渡)
はーい。

▼猿渡が玄関の戸を開けるとブレザー姿の
清風ただよう青年が一人立っていた。

(猿渡)
どなたですか?

(青年)
はじめまして、わたくし吉祥院高校の生徒会長。
辰巳黄一たつみこういちと申します。
こちらに修学院女子高校生徒会長の
猿渡さんがいらっしゃると聞きまして。

(猿渡)
修女の猿渡はわたくしですが、
生徒会長ではありません。
うちの高校、生徒会が無いんです。

(黄一)
あなたでしたか。
思った通りの素敵な方だ。
あらためて。辰巳です。

▼握手を求める黄一。
その手を握りちょっと照れる猿渡。

(猿渡)
ど、どうも。

(黄一)
今回みなさんが卯女さんに代わって初陣されたことは、
宮内省から聞いています。
ご苦労様でした。
今般の情勢を踏まえ。
本来、鬼門のしんがりを護る吉祥院の竜の一族も、
国内の鬼の平定に加勢することになりました。
つきましては、修学院女子高校の生徒会と、
我が吉祥院高校の生徒会の合同作戦が実行されます。
今日は作戦発動前に一度生徒会長の猿渡さんにお目にかかっておこうと思い
参上いたしました。
お見知り置きください。

(猿渡)
わざわざお越しいただき、ありがとうございます。
でもうち、生徒会無いし、
わたしただの学級委員長ですよ。

(黄一)
今、修学院女子高校は授業再開にむけて準備を整えているはずです。
開校されればあなたが生徒会長に就任されることになるでしょう。
まだご存じ無いかもしれませんが、
修学院は古来より強大な力をもつ集団でしたから、
平素は長を置かないしきたりなのです。
しかし今は非常事態。
我々神の化身が力をあわせて最後まで戦わなければなりません。
平和のために。

(猿渡)
ちょ、ちょっと待って。
じゃあ、あなたもぷるるん戦士なの?

(黄一)
ぷるるん?
あはっ。かわいい呼び名ですね。
そうか変身する時、ぷるるんって言いますもんね。
そうです。
わたしは東南東を護る神、パジュラの使徒が一人
黄竜の使い手、辰巳黄一です。

▼黄一と猿渡が玄関で話し込んでいると、
気になった卯乃が家の奥から出てきた。

(卯乃)
ねえねえ猿渡さん。
誰としゃべってんの?
うわっ。
彼氏だ。

(猿渡)
えっ?

▼卯乃が慌ててみんなを呼びに行った。

(卯乃)
お父さーん。
おばさーん。
達也も来て来てー!
猿渡さんがこんな時間に彼氏と会ってるよー!

▼それを聞いて出てくるみんな。

(葉子)
うそ?ほんと?

どたどたどた・・・。

(猿渡)
ち、ちがう、ちがう。
はは、なんか誤解されちゃって
ごめんなさい。

(黄一)
い、いえ、こちらこそ。

▼その時、家の前の道に灼熱の鬼弾が落ちてきた。

ヒュン!
ドパーーン!

(黄一)
危ないっ!

▼とっさに猿渡をかばって抱きしめる黄一

(猿渡)
きゃあ!

(武雄)
うわー!なんだー?

ズズズズズーーン!

▼やがて爆音と閃光、土煙がおさまった望月家の玄関。
全員が集合しているその目の前で、
猿渡と黄一がしっかりと抱き合っていた。

(卯乃)
うわーっ!ラブラブー!

(猿渡)
えっ?

(黄一)
あっ、ご、ごめんなさい。
ついとっさに。

挿絵(By みてみん)

▼急いで離れる猿渡と黄一。

(卯乃)
なんでー?なんでいっつも猿渡さんばっかりなの?

(卯乃の弟達也)
花子ねえちゃん、綺麗だし料理上手いし、勉強できるし。

(葉子)
花子。やるじゃん。
はじめまして、わたし花子の母です。

(黄一)
は、はじめまして、
ぼ、僕、吉祥院高校の辰巳黄一と申します。
花子さんとはその・・・。

(葉子)
いいのいいの。
私こう見えて理解のある親だと思うわ。
でも避妊はちゃんとしてね。

(黄一)
ええー?
ひ、避妊って?

(猿渡)
ち、ちょっとお母さん何言ってんのよー!
もーーいやーーー!


ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel

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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/
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