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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第三十五話 うちのご神体

~登場人物紹介~
【望月卯乃】主人公、17歳高校生、いじめられっこ、卯の化身。
【望月武雄】卯乃の父、和菓子屋を営む。
【望月達也】卯乃の弟、漫画家志望の中学生。
【猿渡花子】主人公をいじめる猿の化身、スポーツ勉強万能の委員長。
【鳥居 翼】猿渡の幼なじみで無二の親友、酉の化身。
【犬飼風美】猿渡を信奉する同級生、犬の化身。
【猿渡葉子】猿渡花子の母、鬼に感染し落書き魔となり警察に逮捕される。
【 鬼 】人の心の中の世界に棲み着く生物。心世界でも現実世界でも人を食べ、人の心を支配して、人に悪事を働かせる。人から人へ感染する。
【ぷるるん戦士】12方位神の使徒である神獣によって、超能力を与えられた神の化身。鬼退治が仕事。

▼大鬼シュキ出現の翌日、世界は一変していた。
鬼の大量感染者を出した修学院女子高校をはじめ、
三条商店街の白昼落書き事件を担当した京都府警察本部の警察官、
落書き事件の現場をレポートした地元テレビ局のアナウンサーなどから次々感染が広がり、
落書き鬼の感染者はたった1日で数万に膨れ上がった。
今回発生した鬼は、落書きに人間を接触させることによって増殖することがわかった。
修学院女子高校の理事長であり、宮内省皇宮警察本部長でもある六条宮玄仁ろくじょうのみやくろひとは、
その事実をただちに日本朝廷政府に報告し、すぐに全国の報道機関を通じてそれとなく警告を発した。
それは例えば、落書きが犯罪を呼ぶといった心理学者の報告などを引用して、
テレビのコメンテーターが異口同音に落書きのある場所への外出を控えるよう発言したり、
落書き多発地帯への一般人の流入を、交通規制などによって抑えるといったものだった。
しかし、この時すでに鬼の天下やむなし。との声も日本朝廷政府中枢からあがり始めていた。

▼ここは望月家。午前9時
卯乃の父武雄が電話に出ている。

(武雄)
はい、わかりました。
それでは子供たちには、
一人で外出しないように言っておきます。
ごくろうさまでした。

カチャ。

(猿渡の母、葉子)
おはようございます。

(武雄)
あっ。
おはようございます。
やっぱり今日は学校、休みらしいです。
今、修学院学区のエリア長さんから連絡がありまして、
修学院学区全ての小学校も
中学校も高校も、ぜんぶ休校ですって。

(葉子)
そうですか。
じゃあわたくし子供たちに
そのこと知らせてきますね。

(武雄)
お願いします。
後、うちの子らに、
朝飯食べに降りてくるよう、
言っといてもらえますか。
おたくの花子さんは、もうとっくに起きて
朝ご飯の支度を手伝ってくれてるのに、
うちの連中はまったく・・・。

(葉子)
はいわかりました。

▼猿渡の母が、2階で寝ている卯乃と達也を呼びに行った。
▼しばらくして眠たそうに降りてくる達也。

(達也)
おはよー。

▼その後をけたたましく降りてくる卯乃。
高校の制服を着ている。いや、
着かけている。

どたどたどたどた!

(卯乃)
大変!もう授業はじまるよー。
超遅刻ー!
お父さん!何でもっと早く起こしてくれなかったのー!

(武雄)
はあ?
おい卯乃。
お前さっき猿渡さんのお母さんに、
今日休校って聞かんかったんか?

(卯乃)
えっ?
あれ?
あっそうか。

(葉子)
卯乃ちゃんはかわいいわね。

(猿渡)
どこがよ。
間抜けなだけじゃない。

(葉子)
花!なんてこと言うの!

(武雄)
いや、花子さんの言うとおりですわ。
卯乃。もうその制服のままでええから、
ご飯食べたらおばあちゃんたちの
お見舞いにみんなぁで行こ。

(卯乃)
・・・はぁい。

▼卯乃、体裁が悪く顔を真っ赤にして
うつむきながらそう答える。

コンコロコーン。

▼その時卯乃のスカートのポケットから
大鬼シュキを倒したとき
シュキの口から出てきた真珠が転がり落ちた。

(卯乃)
あっ。

▼その真珠を急いで拾い、父に見せる卯乃。

(卯乃)
お父さん。これなんだかわかる?
高野川で鬼をやっつけた時、
鬼の口から出てきたの。

(猿渡)
あっ。それわたしも持ってる。

▼そういうと猿渡も自分のスカートのポケットから、
真珠を取り出した。
母の心の中の鬼を退治したときに手に入れたものだ。
▼急に険しい顔になって卯乃を注意する武雄。

(武雄)
卯乃っ!
達也の前で鬼の話はするな。
なんも知らへんのやぞ。

(卯乃)
えっ?あっ。ごめんなさい。

(武雄)
達也。ねえちゃん頭おかしなったんや。
気にすんな。な。

(達也)
知ってるよそれ。
鬼の尻こ玉でしょ。

(武雄)
何で知ってんねん。

(達也)
そんなんわかるわ。
こんな家に暮らしとんやもん。

(武雄)
誰から聞いたんや。

(達也)
なんとなくかな。

(武雄)
そんなもんかいな。
まあええわ。それなら遠慮せんと言うわ。
それは今達也が言うたとおり、
鬼の尻こ玉や。
鬼の胃の一番底にあって、
鬼が負けて降参したら、
その尻こ玉が胃の底から上がってきて、
鬼がそれまで食べた人間を全部吐き出させるんや。

(卯乃)
ふーん。
キラキラ光ってきれいね。
もらっていい?

(武雄)
やめとけ。
ばあちゃんが言うには、
持っててもろくなことが無いらしい。
卯乃、花子さん、
二人ともちょっとついといで。

(葉子)
わたしも行っていいですか?

(達也)
僕も。

(武雄)
ええですよ。
どうぞ。

▼武雄は自宅とつながっている
月読神社の拝殿へむかった。
▼月読神社は小さな神社だが。
拝殿とつながっている奥の本殿は比較的大きく、
6畳ほどの拝殿よりひとまわり大きい。
▼人がお祈りをする拝殿と、ご神体が奉られている本殿とは小さな階段でつながっていた。
その階段にはいろんなお供えなどが置いてある。
▼卯乃も達也も本殿は一度も覗いたことがなかった。
▼武雄が本殿の前の階段に置いてある供え物を一つ一つ丁寧にどかしてゆく。
▼全ての供え物をどかし終えると、武雄は本殿の扉に手をかけた。

(武雄)
さあ、みんな中へ入った入った。

▼武雄はそういうとみんなを本殿の中へ入れた。

挿絵(By みてみん)

(卯乃)
お父さん。
あれなに?

(武雄)
はじめて見せるな。
これがうちのご神体や。

(卯乃)
ええーっ。これが?
この気持ちの悪いお化けの石像がうちの神様?
わたしたち、こんなのと毎日一緒に暮らしてたの?

▼それは、古代の巨石文明を連想する石造りの大きな人の顔で、
頭の上は杯のようになっており、その杯には大量の鬼の尻こ玉が盛られていた。
▼鬼の尻こ玉はまばゆい光を放ちあたりを照らしている。

(武雄)
今日はひとつも無いな。

▼そう言って武雄はご神体の口元を調べた。
▼そして、卯乃と猿渡を呼び寄せた。

(武雄)
卯乃。花子さん。
こっち来てそのぎょくをこの杯に足してやって。

(卯乃)
ぎょく?。

(武雄)
鬼の尻こ玉は、昔から玉って言うて、
最高の宝とされて来たんや。
真珠と似てるけど、玉自体が光ってるやろ。
今でこそLEDとかあるし珍しないけど。
昔の人はびっくりやったと思うで。

(猿渡)
今でもじゅうぶんびっくりです。

(武雄)
この玉はな鬼そのものや。
まだ生きとる。
ばあちゃんが言うには、
鬼の音がするし、
鬼の匂いがするし、
鬼の気配がするらしい。
玉を首飾りなんかにして、
長いこと身につけておくと、
玉から出てる鬼の気にあてられて、
だんだんよこしまな人間になってくるんやって。
それでも綺麗やから古来日本の権力者らは、
こぞってこれを求めたらしい。
それに邪心っていうのは強いから、
戦乱の世ではかえって都合がよかったんやな。
ぷるるん戦士はその時々の権力者のために、
鬼狩りをして、この玉を手に入れてた長い歴史がある。

(卯乃)
でもそうやって鬼をどんどん退治したら、
世の中は平和になってくんじゃないの?

(武雄)
鬼を退治しても、
玉が世の中に出回れば、
人の心は乱れる。
人の心が乱れれば、鬼がさらにはびこる。
このご神体はそうならんようにするための装置なんや。
卯乃、花子さん。
さあ、玉をこの杯の上に。

(卯乃、猿渡)
はい。

▼卯乃と猿渡は、自分たちの玉を
ご神体の上の、玉の山の上に置いた。

(武雄)
そうやって玉を杯の上に置いておくと、
およそ10年ほどで浄化されて鬼の気が抜けるんや。
ほんで浄化された玉から順番に
ここの鼻の穴から出てきて
下の口で受け止めて溜まるようにできとるんや。
どや、見かけはちょっと気色悪いけどすごいやろ。

(猿渡)
鼻から出てきたのを口で受け止めるって発想。
これを作った人は、
浄化されてるから汚くないって言いたかったのかしら。

(卯乃)
で、その浄化されたものは
もらってもいいの?

(武雄)
ええけど、ただの雲母うんもやぞ。

(卯乃)
雲母?

(武雄)
そう、どこにでもある花崗岩の白いキラキラしたとこや。
それでよかったら持っとったらええわ。
宝石としての値打ちはないけど綺麗やしな。

(卯乃)
それでいい。
ちょうだい。
猿渡さんも鬼を倒したんだし、
よかったら記念にどうぞ。

(猿渡)
えっ?ああ、ありがと。

(武雄)
ほんな今度出とったらやるわ。
ほってな。
お前がいっつも学校に通ってるうちの前の坂。
キララ坂っていうやろ。
漢字で書くと「雲母坂」って書くって知ってたか?

(卯乃)
そうなんだ。

(武雄)
少なからず、うちの仕事が関係してるのかもな。
さて、朝飯食べてみんなで病院行くか。

(卯乃、猿渡)
はい。

(卯乃)
おなかぺこぺこー。

(武雄)
今日の朝飯はすごいぞー。
おさる食堂のシェフが作った特製料理。

(葉子)
止めてください。
ハードル上げないでくださいよ。

(達也)
なになに?朝からごちそう?

(武雄)
ハムエッグ。普通です。

(葉子)
なにかご不満でもっ!

▼急に不機嫌になった猿渡葉子の反応をみて、
花子に耳打ちする武雄。

(武雄)
花子さん。
お母さん慣れてくると怖いですね。

(猿渡)
おじさんが、からかうからですよ。


ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel

~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/
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