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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第三十四話 お帰り、お母さん

~登場人物紹介~
【望月卯乃】主人公、17歳高校生、いじめられっこ、卯の化身。
【猿渡花子】主人公をいじめる猿の化身、スポーツ勉強万能の委員長。
【鳥居 翼】猿渡の幼なじみで無二の親友、酉の化身。
【犬飼風美】猿渡を信奉する同級生、犬の化身。
【猿渡葉子】猿渡花子の母、鬼に感染し落書き魔となり警察に逮捕される。
【 鬼 】人の心の中の世界に棲み着く生物。心世界でも現実世界でも人を食べ、人の心を支配して、人に悪事を働かせる。人から人へ感染する。
【ぷるるん戦士】12方位神の使徒である神獣によって、超能力を与えられた神の化身。鬼退治が仕事。
▼ここは卯乃の実家月読神社の拝殿。
板の間に布団が敷かれ、一人の女性が寝かされている。
その布団を取り囲んで座っているのは、
卯乃の父武雄と卯乃、そして猿渡と鳥居。
四人が見守っているのは猿渡の母葉子だ。

(猿渡)
お母さん、
お母さん。

▼ゆっくり目を覚ます猿渡の母。

(母)
ここは、何処?

(猿渡)
お母さん、気がついた?
ここ、望月さんとこの神社の中。

(母)
あ、そうか。
警察で怪物が現れて・・・。
今何時?

(猿渡)
夜の10時くらいかな。

(母)
そう・・・。
あれ全部ほんまやったんやなぁ。
ふふ、花子。
あんたの夢みたわ。

▼そう言いながら猿渡の母は、
自分を心配そうにのぞきこむ
娘の頬に手のひらを添えた。

(猿渡)
お母さん。

挿絵(By みてみん)

▼本当の意味で母が帰ってきた。涙ぐむ猿渡。
▼猿渡の母に卯乃の父武雄が話しかける。

(武雄)
お母さん。
狭いですが、今日はウチで泊まっていくといいですよ。
今商店街に帰るのは危険だ。

(母)
危険ってどういう事なんですか?

(武雄)
あー、聞きたい?

(母)
ええ、ぜひ。

(武雄)
あー、いや、やめときましょう。
ちょっと非常識な話ですんで。

(母)
なに言ってんですか。
すでにうちの花子が変身とかしたとこを
わたくし見ちゃってるんですよ。
だいぶ非常識には慣れてきました。
何かご存じでしたら教えてください。
さっきだって夢の中で・・・。
それもなんか関係あるの?

(武雄)
じゃあ、簡単に説明しますね。

▼説明がはじまるのを聞いてあわてる鳥居。

(鳥居)
あ、望月さんのお父さん。
ちょっと待ってもらえますか。
今からいろいろ説明してもらえるんですよね。
授業で使ってるレコーダーに
録音させてもらっていいですか?

(猿渡)
今さらそんなの録音してどうすんの?

(鳥居)
ほら、風美が保健室の中にいなかったから、
望月さんの説明聞いてないんだよね。
あの子、なんにもわからずに戦ってたと思うし、
元気になったらちゃんと聞かせてあげようと思って。

(卯乃)
犬飼さん、心配ね。
おばあちゃんも。
あと、上終先生・・・。
お父さん、早く病院行かなきゃ。

(武雄)
安心し。
お前らぁが、猿渡さんのお母さんの心の中へ行ってる間に、
病院に電話して聞いてみた。
お前の友達の女の子も、うちのばあさんも、
命には別状ないそうや。
ほんで担任の先生は救命措置がよかったらして、
まだ意識は戻ってへんけど、生きとってみたいやわ。
今日はもう遅いし、
明日お見舞いに行こ。

(卯乃)
よかったー。

(猿渡)
風美ー、よかったー。

(武雄)
じゃあお母さん、
簡単に事情を説明しますね。
想像力を豊かにして聞いてくださいね。

(鳥居)
あ、ちょっと待ってください。

▼小さなICレコーダーの録音ボタンを押す鳥居。

(鳥居)
はい、どうぞ。

(武雄)
準備はいいですか?こほん。
じゃ説明します。
おそらく猿渡さんの住んでいらっしゃる商店街のみなさんには、鬼が憑いてます。
鬼は人から人へ感染するウィルスみたいなもので、
これに感染すると鬼に操られて思いもよらない行動をとってしまうんです。

(母)
はあ。

(武雄)
ちなみに、今この京都で大流行している鬼は落書き鬼です。
あなたはこれに感染して自分の意志に反して
商店街の人と一緒に落書きをしてしまったんですわ。

(母)
本当ですか?

(武雄)
さあー。わたしには神通力が無いので鬼を感じたり見たことも無いのですが、
母が言うにはそういう事らしいですし、
現に特撮かファンタジーとしか言いようのない現象が、
ほら、あなたもご自分のお子さんが変身するとこ見られたんでしょ。

(母)
ええ、あと巨大な怪物も。

(武雄)
ああ、卯乃から聞きました。
大変な大鬼だったらしいですね。
鬼が現実に現れたなんて昔話でしか聞いた事がなかったもんで驚いとります。

(母)
信じますよ。
望月さんのおっしゃる事、全部信じます。

(武雄)
そうですか。
ありがとうございます。
母が言うには、鬼というのは、人の心の中に生息する生物らしいです。
風邪のウィルスが人の体に感染するように、
鬼は人の心に感染するそうです。
さっきまであなたのお子さんは、
あなたの心の中で、
あなたに憑いていた鬼と戦ってたんですよ。
そして、勝って帰ってきたんです。
ほめてあげてください。

▼そう聞いて涙があふれだす猿渡の母葉子。

(母)
知ってる、思い出した。
さっきまでわたし、夢の中でこの子と一緒にいたの。
花子。
もっとそばに来て。

(猿渡)
お母さん。

(母)
花子。ありがとね。花子。

▼泣きながら抱きしめあう猿渡親子。
▼その時家の玄関のチャイムが鳴った。

ピンポーン。

(武雄)
お、誰か来た。よっこらしょ。

▼やって来たのは鳥居の両親だった。
鳥居の父、宗一郎は会社から帰宅してすぐにやってきたようで、
スーツ姿のまま。
母、梨花はボートネックの白いシャツに
七分袖のピンクのカーデガンをはおり、
淡い花柄のフレアスカート、
夫婦は一見して品の良い家庭の雰囲気をまとっていた。
▼神社の拝殿を出て家の玄関で応対する卯乃の父。
▼小さな敷地なので玄関での話し声が拝殿まで漏れてくる。

(鳥居の父、宗一郎)
あ、夜分恐れ入ります。
お電話いただきました鳥居です。ご連絡ありがとうございます。
翼を迎えにまいりました。

(武雄)
そうですか。今呼んで来ますので。

(鳥居宗一郎)
望月さん、望月さんのとこは大丈夫ですか?
なんだか街中落書きしている人だらけですし、
火事なんかもそこらじゅうで起きてるようで、
警察も消防も全然手が足りてない様子です。
いったい何があったんでしょう。

(武雄)
そうですねぇ。
ちなみに、ご両親は特撮とかアニメにはご理解がありますか?

(鳥居宗一郎)
いや、翼は隠れてそういったものに興味を持ってるようなんですが、
わたしたちにはさっぱり。
それが何か。

(武雄)
いえ、ならいいんです。
お嬢さん、なんだか今日はいろんな体験をされたようですし、
お家でいろいろ不審な事を話されるかもしれませんが、
決して頭ごなしに否定しないであげてくださいね。

(鳥居宗一郎)
翼が何かひどい事されたんですか?

(武雄)
いえ、そういうわけではありません。
少々ケガはされてますが、大丈夫です。
心も体もいたって健康。

(鳥居宗一郎)
す、すぐ翼に会わせてください。

(武雄)
はいはい。今すぐ。
鳥居さーん。
ご両親がお迎えですよー。

▼鳥居の名前を呼びながら拝殿に向かう武雄。
▼鳥居のほうから玄関にやってきた。

(鳥居)
お父さん、お母さん。
迎えにきてくれてありがとう。

(鳥居宗一郎)
翼ー!

▼今日一日、生死の境で戦った少女は、
両親の前でもクールな態度を崩さなかった。

(鳥居宗一郎)
翼、なんか知らんけど、学校やら大変な事になってるなぁ。
とにかく家に帰ろ。
どっこもケガないか?

(鳥居)
うん。大丈夫。
ケガしたけど、いいお医者さんが治してくれたから
今は痛みもないんや。

(鳥居宗一郎)
んーどれ、見してみ。

▼父にそういわれると腕や足などを指差し
全身の傷を父に説明する鳥居。

(鳥居)
わかる?こことか、こことか、
あと背中と、頭のこのへんとか。

(鳥居宗一郎)
ええっ?
これ全部かいな。
このうっすらした線がそうなんか?
これ、ほんまに今日ついた傷か?
ほとんど治ってるやん。
・・・・ほんまに痛ないんか?

(鳥居)
心配しないで。
痛み止めが効いてるみたい。
傷口がひらくかもしれないから、
ほんとは包帯とかしとくように言われてるんだけど、
めんどうだったから。
帰ったらお母さんしてくれる?

(鳥居の母、梨花)
ほんとにこの子は、
小さい頃から男の子みたいだったんだから。
やんちゃなとこ、ちっとも変わってない。
望月さん、なんだかいろいろお世話になったみたいで、
またあらためてお礼に伺います。

(武雄)
いやいや、お気になさらずに。
それではおやすみなさい。

(鳥居宗一郎)
ありがとうございました。

(武雄)
あ、そうそう、
街なかの落書きには決して触らんようにしてくださいね。

(鳥居宗一郎)
は?なんですかそれ?

(武雄)
いや・・・ペンキが乾いてないと、ほら、
汚れますからね。

(鳥居宗一郎)
ええ、わかりました。
気をつけます。
それでは、

(武雄)
はい。

(鳥居)
あ、望月さんのお父さん。
花子に、後で電話するって
言っといてもらえますか。

(武雄)
わかりました。
さようなら。

(鳥居)
さようなら。


▼鳥居を送り出し、拝殿に戻ってきた卯乃の父、武雄。

(武雄)
花子さん、鳥居さんが後で電話するっていうたはりましたよ。

(猿渡)
はい。ありがとうございます。

(猿渡の母、葉子)
望月さん。
それでは今晩はこちらでお世話になってよろしいでしょうか。

(武雄)
ええ、もちろんです。
この拝殿では隙間風も入って気の毒です。
狭いですが、後で居間にふとんを敷きますので、
そちらでお休みください。
あと、お風呂もわかしときました。
よかったらどうぞ。

(母)
なにからなにまで
ありがとうございます。

(卯乃)
ねえねえ、お父さん。

(武雄)
なんや卯乃。おったんかいな。
お前主人公のくせに、
ひさしぶりの発言やな。

(卯乃)
もう、気にしてんだから、
それを言わないで。

(武雄)
なんや?

(卯乃)
おなか減った。

(武雄)
お前、満を持しての発言がそれか?

(母)
ふふっ、
花子もおなかすいたんちゃう?

(猿渡)
えっ?まあ。

(母)
お父さんはどうです。

(武雄)
いやあ、それどころやなかったんで、
晩御飯の事はすっかり忘れてました。

(母)
わたしもおなかすいたわ。
すぐなんか作りますね。

(武雄)
いや、そんな、なんも買うてへんので冷蔵庫空っぽなんですよ。

(母)
そうは言っても家庭の冷蔵庫なんてね。
なにかしらあるもんなんですよ。

(武雄)
おっ、花子さんとおんなじ事言うたはるわ。

(母)
まあ、花子、あんたやっぱりわたしの娘やね。

▼そのとき拝殿の引き戸を開けて
卯乃の弟の達也が入ってきた。

(達也)
お父ちゃんもう入ってええ?

(武雄)
おう達也。

(達也)
おなか減った。

(武雄)
お前ら兄弟でほんまにもう子供まるだしで恥ずかしい。
いくつになってんねん。

(母)
達也くんっていうんか。
お腹へったな。
おばさんがすぐなんか作ったげるわ。

(達也)
おばさんが?

(母)
おばさんこう見えて、
おさる食堂のオーナーシェフなんやで。
なんでも注文して。

(達也)
ほんなビーフストロガノフ。

(母)
それは・・・・。
冷蔵庫と相談やな。




次回をお楽しみに~(^-^)/
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