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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第三十一話 高野川の変(其の五)

●人喰い大鬼、シュキの出現に対し、
 京都府は自衛隊を投入し
 攻撃をしたものの、
 瞬く間に自衛隊は壊滅。
 北大路警部が指揮をとる
 下鴨警察署の警察官も大半が
 戦闘不能になった。
 そして我らがぷるるん戦士たちは、
 聖犬ヘロと犬飼が、
 シュキの鬼弾を受けて重体、
 卯女も自らの体を囮にした攻撃で
 重傷を負ってしまった。
 生死の境をさまよう2人と一匹。
 残された、卯乃、猿渡、鳥居、
 そして人類の運命は!

(卯乃)
猿渡さん。
鬼がすぐそこまで来たよ。

(猿渡)
よしっ。
一刻の猶予もない。
こうなったら
瞬く間にあいつを倒して、
みんなを助けるっ!

翼、このまま攻撃を続けて。
あいつは、わたしと同じで、
自分の毛を抜いて、
手下の鬼を出すみたいだから、
あいつの手を休ませないで。
片手で攻撃と防御をしてるうちは
手下の鬼は出せない。

(鳥居)
了解。
でも、残りの弾、多くない。
このペースで攻撃を続けたら、
もう5分ももたないよ。

(猿渡)
わかった。

望月さん、
わたし、はっきり言って
あなたのこと嫌いだけど、
今だけはごめんなさい。
一緒に戦ってください。
あなたが頼りなの。
風美を、風美を助けて。

(卯乃)
えっ?
うん。こっちこそ、
おばあちゃんを助けたいし。
それに、ごめんなさい。
わたしのせいでまきこんじゃって。

(猿渡)
ほんとよっ。

(北大路警部)
わしらには、
わしらにできる事は
何かありませんか?
もうたいした人数は残ってへんけど、
力にならせてくれ。

(猿渡)
ありがとうございます。
お気持ちだけでじゅうぶんです。
風美たちをお願いします。

(北大路警部)
わかった、
次の救急車で病院に搬送するから、
安心してくれ。

(猿渡)
はい。

●笑顔で応える猿渡。

(猿渡)
望月さん。
あんたそっちから行って。
じゃあ、行くよ。

(卯乃)
はいっ。

●鳥居の背後から左右にわかれて
 飛び出した、猿渡と卯乃。
 シュキの頭上から襲いかかる。

(シュキ)
くそう、そう来たか!


●シュキは鳥居の弓の攻撃に
 応戦しているので、
 さらに二手に分かれての卯乃たちの
 攻撃に対応できない。
●すばやく後ろを振り返るシュキ。
 弱点の左手を、
 鳥居から見えないようにした。
●それを見た鳥居。
 すばやく弾を貫通弾にかえ発射。

(鳥居)
ここぞ。

ビシュン。
ビシュン。
ビシュン。

バスッ。
バスッ。
バスッ。

●弾がシュキの背中に次々命中。
 そのまま貫通し、
 シュキの胸から激しく血が吹き出す。

(シュキ)
ぐおぉぉぉぉぉっ!

●苦痛に歪むシュキの顔。

(シュキ)
い、い出よ、幻鬼ー!

●シュキが自分の体を左手でこすり
 体毛を空中にまき散らしながら
 そう叫ぶと、
 鬼の手下、幻鬼が一挙に出現。
 その数ざっと200匹。
●その間も貫通弾で攻撃を続ける鳥居。
 シュキの腹、腰、足、頭に次々命中。
 頭はかろうじてカブトで護られたものの、
 全身から血が吹き出す。
●卯乃たちに背中を向けて幻鬼を出したシュキ。
 背中はまだ無防備だ。
 その背中をめがけ、
 卯乃たちが攻撃をしかける。

(卯乃)
ウサギーキーック!

(猿渡)
モンキーパーンチ!

ドゴオォォォォォォン!

●ウサギキックとモンキーパンチが
 シュキの背中に命中、
 吹き飛んだ。

(シュキ)
ぐおおおおおおおおっ。

●鳥居の攻撃を受けて、
 自慢の鎧のような装甲も
 すでにズタズタ。
 そこへ、ウサギキックと
 モンキーパンチが直撃した。
 シュキは、致命的なダメージを受けた。

ズザザザザーーーッ。

●しかし、
 シュキが吹き飛んだのは、
 自分が出した幻鬼の集団の向こう。
 シュキは、
 自分の弱点を鳥居の狙撃から隠しながら
 見事に自分の陣地の向こうへ移動した。

 間髪入れず、
 卯乃たちに襲いかかってくる幻鬼。

(猿渡)
フーンバット・分身!

バババババババッ。

(卯乃)
延びろキーちゃん。

ギュイィーーーーン。

●分身を出現させた猿渡。
●スーパーロケットきねの柄を
 10メートルほど延ばした卯乃。
 幻鬼の集団と激突。

(猿渡とその分身)
モンキーパーンチ!
モンキーパーンチ!
モンキーパーンチ!

(幻鬼たち)
ウラー。
ウラー。
ウラー。

(卯乃)
えいっ。
このっ。
たあっ。

ドカッ!
バキッ!
ドゴーーーーン!

●幻鬼をけちらす卯乃と猿渡、
 しかし、幻鬼も強く数が多い。
 猿渡の分身は徐々に消滅し、
 猿渡自身、卯乃も、
 鬼の金棒による攻撃を
 何度も受けてしまう。

●卯乃が長大な杵を振り回し、
 幻鬼をなぎはらう。
 一面の幻鬼が一気に消滅してゆく。
 しかし、その円周の外から
 幻鬼が数匹飛び込んできて、
 卯乃の頭、肩、背中に
 金棒を振り落とす。

(卯乃)
ふぎゃあ!

●ぐわわーーーーん。となって、
 意識が遠のく卯乃。
 よろめく卯乃に幻鬼が襲いかかる。
 すかさず猿渡が助けに飛び込んできた。

(猿渡)
モンキーパーンチ!
モンキーパーンチ!

●卯乃を囲んで攻撃している幻鬼を
 殴り飛ばす猿渡。
 幻鬼が次々消滅してゆく。

(猿渡)
しっかり。

(卯乃)
あ、うん。大丈夫。

●そう応えた卯乃の目の前の猿渡が
 突然消えた。
 猿渡の背後から幻鬼が金棒で
 猿渡を横殴りにしたのだ。

●10メートルほど吹き飛んだ猿渡。

(卯乃)
猿渡さんっ!

ドーーーーン!

ドカーーーーン!

(卯乃)
うわあっ!

●最後列の大鬼シュキが、
 幻鬼もろとも卯乃たちを狙って
 灼熱の鬼弾を水平発射してきた。

 鳥居の狙撃に間があいた一瞬を突いて
 卯乃たちを攻撃するシュキ。

 卯乃は、目の前の幻鬼を貫いて
 突然自分を狙ってきた鬼弾をよける術を
 もっていなかったが
 間一髪。狙いは外れた。
 シュキも勘で発射しているのだ。

ドーーーーン!
ドカーーーン!

(猿渡)
きゃあ!

●今度は猿渡が狙われた。

(卯乃)
猿渡さーーーーん!

●この攻撃は素早い猿の使徒でも、
 避けきれない。
 鬼弾は猿渡の足をかすめ、
 すぐ近くに着弾。
 鬼弾がかすった足は大やけどして出血。
 爆発して飛んできた石つぶてを
 全身に受けて、
 あちこちから出血。
 あまりの衝撃に息が詰まる。

(猿渡)
かはっ。
はぁはぁはぁ。

ふ、フーンバット・・・分身。
・・・・・。
あれっ?

●分身を出そうとした猿渡。
 呪文を唱えても分身が出ない。

(猿渡)
フーンバット分身。
・・・・・。
だめだー。
人数に限りがあるのー?
それとも髪の毛痛んでるからー?

ドカッ!

きゃあ!

●背後から迫ってきた幻鬼の金棒が
 猿渡の側頭部を直撃。
 吹き飛んで意識を失う。

(鳥居)
花ーーーーー!

●目のいい鳥居はその様子を見ていた。
 思わず猿渡を助けに飛び立った。

(鳥居)
花ーーーーー!

●地上すれすれの低空飛行で
 猿渡の所へ飛んでゆく鳥居。
 立ちはだかる幻鬼を、
 わずかに残った餅弾丸で倒す。

ビシュン。
ビシュン。
ビシュン。

バスッ。
バスッ。
ドカーーーーン。

●道が開けた。

●気を失った猿渡が、
 幻鬼に囲まれて何度も何度も
 金棒で殴られている。

(鳥居)
やめろーーーー!

●そう叫んで幻鬼になぐりかかる鳥居。
 鳥居の拳を受け幻鬼はひるむものの、
 卯乃や猿渡ほどの威力は無い。
 すぐに幻鬼にのしかかられて
 地面に押し倒された鳥居。
 幻鬼の金棒でメッタ打ち。
 その様子は卯乃の視界にも入った。

(卯乃)
猿渡さんっ!
鳥居さんっ!

●鳥居の狙撃が止んで、
 手が自由になったシュキ。
 思う存分卯乃たちを
 攻撃できるようになった。
 狙うは身動きのとれなくなった
 猿渡と鳥居。
 味方の幻鬼ごと吹き飛ばす。

●口、目、鼻、失った右手、
 そして全身から
 血を流すシュキ。
 荒く、浅い息をしながら、
 左手を突き出し。
 猿渡と鳥居のいる場所に
 しっかり狙いを定め、
 渾身の鬼弾を発射した。

ドーーーーン!

(シュキ)
鬼の勝ち。

カチッ!

ボンッ!

ガキーーーーン!

ドバァーーーーーーン!

(シュキ)
ぐばぁっ!


●一瞬、なにが起こったのか。
 シュキの左半身が吹き飛んだ。 

(卯乃)
はぁっ。
はぁっ。
はぁっ。
はぁっ。

挿絵(By みてみん)

●シュキと猿渡たちとの直線上に、
 卯乃が肩で息をしながら立っていた。

(シュキ)
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

●仁王立ち、
 低い声でうめくシュキ。
 その口からは溶岩のような
 熱い血がしたたる。
●距離をおいてにらみ合う
 卯乃とシュキ。
 卯乃の荒い息づかいと
 シュキの低いうめき声が
 あたりを支配していた。

(シュキ)
ウサギめ・・・・・
なにをした・・・・・・。

挿絵(By みてみん)

(卯乃)
わからない・・・・・。
たぶんあんたの弾、
打ち返した。

挿絵(By みてみん)

●なにも言わず、
 次々消えてゆく幻鬼。

シュー。
シュー。

●幻鬼にのしかかられていた
 鳥居が自由になった。
●四つん這いで、
 いそいで猿渡に這い寄る鳥居。

(鳥居)
花っ、花っ。

(猿渡)
う、うん。

(鳥居)
花ーーーっ!

(猿渡)
・・・・えっ?
あなた・・・誰ですか?
あ、翼かぁ。

●意識をとりもどした猿渡。

(ウサギ)
卯乃、とどめだ。

●いつの間にか卯乃の戦闘衣と
 一体化していたウサギが飛び出し、
 卯乃に叫んだ。

(卯乃)
よし。

●ゆっくりシュキのほうへ歩き出す卯乃。
 歩きながら呪文を唱えた。

(卯乃)
ミクサノカムダカラ。

ズバウッ!

●ウサギの体が輝き、風が吹く。
●卯乃の怒りに満ちたまなこ
 シュキの目を捉えて放さない。

●光の塊になったウサギが卯乃の顔の前に飛び出すと、
 その光の中に右手を突っ込み、
 鳥居の時と同じような、
 複雑な形をした手甲を掴み取った。

ガチャリ。

●よどみのない一連の動作で、
 取り出した手甲を左手に装着した卯乃。
 ウサギがその手甲の中にすーっと消えた。
●卯乃のまなこは、
 ずっとシュキの目を捉えたままだ。

(シュキ)
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。

●低いうめき声をもらし続けるシュキ。
 卯乃はもう目の前まで近づいてきた。

(シュキ)
俺が・・・・怖くないのか?
もう・・・・逃げないのか?

(卯乃)
なんの話だ。

ガンガーーーン!

●卯乃はものすごい足の力で、
 シュキの両足の膝を砕いた。

(シュキ)
がはっ!

●たまらずひざまずくシュキ。
 飛び散る血しぶき。
 卯乃にも返り血がふりかかる。
 しかし、そんな事は気にもかけず、
 続けざまに空中で1回転。
 シュキの首の付け根に
 かかと落しを叩き込んだ。

ドガッ!

(シュキ)
ぐふうっ!

●身長5メートルもあるシュキが
 膝を砕かれひざまづき、
 今度は顔を地面に擦りつけた。
●大きなシュキの顔が卯乃の目の前に
 差し出された格好だ。

(卯乃)
クサナギノツルギ。

ガコン。

●卯乃がそう言うと。
 手甲の一部が動き、12、3センチほどの棒が
 出てきた。
●卯乃はその棒を引き抜いた。
 それは輝く短剣だった。
●卯乃はシュキの角をつかみ、
 首を持ち上げ、シュキの耳にささやいた。

(卯乃)
まだ生きているな。
お前、また心臓を移動させたな。
まあいい。
このツルギで首を落とせば、
もうお前は再生できない。
さあ、覚悟っ!

(シュキ)
ご、後生ですっ!

(卯女)
卯乃っ!
あかん!

(卯乃)
えっ?

(シュキ)
ご、後生でございます。
殺さないでください。

(卯女)
卯乃っ!

(卯乃)
おばあちゃん?

●下鴨警察署の前で、
 今まさに救急車で運ばれる寸前の卯女が、
 担架の上から小さな声で叫んだ。
●耳のいい卯の使徒の卯乃は、
 その声が聞こえた。

(卯女)
卯乃、その鬼はもう観念しとる。
殺したらあかん。

(卯乃)
なんで?
この鬼のせいで、
上終先生や、たくさんの人が死んじゃったんだよ。
恨みを晴らして、
なんでいけないの?

(卯女)
今のお前はウサギに取り憑かれとる。
しっかりせぇ。
お前は今、自分の恨みを晴らすことと、
鬼を退治することが、
ごっちゃになっとる。
ええか、ここで怒りと恨みにまかせて鬼を殺したら、
その気持ちが別の鬼に伝わって、
さらに人間を憎む鬼が現れる。
ほんなら、こんな落書きどころやない、
もっと恐ろしい事を人間にさせるようになるんや。
そんな恨みの晴らしあいを繰り返しとったら、
結局、この世は憎しみや怒りの大好きな
鬼の天下になってしまうんやで。
ウサギは、その時が少しでもはよ来るのを
ねらっとる。

(卯乃)
ウサギさんが・・・?

(卯女)
それでも鬼を殺さんならん事はあるわいな。
せやからせめて、
命乞いしてきた鬼は、
許したらなあかんのやで・・・。

卯乃。
強うなれ。
人間のほんまの強さは、
自分の想いを遂げる事やない。
相手をどれだけ想いやれるかや・・・。

命乞いをする鬼の気持ちを想いやったれ。
鬼は鬼で、人間を喰わんと生きていけんのや。

(卯乃)
じゃあ、
鬼を殺さずに鬼退治するって
どうすればいいの?

(卯女)
鬼が心から反省して観念したら、
鬼は形をなくして精霊になる。
精霊はしばらくその辺をうろうろして、
やがて木やら石に憑くんや。
ほんなその場所は
なんともいえん
清々しい場所になるんや。

(卯乃)
わかった。
わかった、おばあちゃん。

(卯女)
ほうか。
卯乃・・・・。
お前は、
ええ孫やなぁ・・・。

●救急車で運ばれてゆく卯女。
 もう卯女の声は聞き取れない。
 卯女は救急車の中で深い眠りについた。

(卯乃)
おばあちゃん。
おばあちゃーーーん。

●卯女の声が聞き取れなくなり
 涙がこぼれだす卯乃。

ずずーーーっ。

●鼻水をすすり、
 涙をこすり、
 瀕死のシュキに向き直った卯乃。

●剣を下ろし、
 真っ赤な目を見開いて、
 シュキに尋ねた。


(卯乃)
降参するか!



(シュキ)
まいり・・・ました。



シュキがそう言うと同時に
シュキの体が光に包まれた。


ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




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~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/

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