挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
28/40

第二十八話 高野川の変(其の二)

(北大路警部)
機動隊は防御に専念せえ。
警官隊突撃ー。

(警察官)
うおーー。

●すでに、
 鬼の手下の大軍と
 機動隊が大乱闘しているところへ
 警官隊がさらに突撃。

 鬼が金棒を降り下ろす。
 機動隊が盾で鬼の金棒の攻撃を防御、
 一瞬の隙に
 警官が警棒で鬼をたたく。

(鬼)
あいたー。


●鬼も強い。
 ひとまわり体の大きな鬼が、
 機動隊の盾ごと警察官を2、3人
 吹き飛ばした。

(警察官)
うわー!

●その大きな鬼を、
 力自慢の一人の機動隊の隊員が、
 後ろから足をかけて、
 ひっくりかえした。

(大きな鬼)
うおおおっ。

ドスーーン!

(大きな鬼)
人間のくせに、やるなあ。
相撲で勝負だ。

(力自慢の警察官)
のぞむところよ。


●それを聞いたまわりの鬼が
 二人が戦えるよう、
 後ろにさがって場所を作った。

 警察官たちもそれにならって、
 二人を遠巻きに囲むように
 さがった。

 その時、
 その隙間のできた空間をねらって
 自衛隊の狙撃兵が鬼を撃つ。

ターーーン。

●弾は、相撲を挑んできた
 鬼の肩にあたった。
 苦悶の表情で鬼が言う。

(大きな鬼)
卑怯だぞ。

●まわりの鬼たちも
 いっせいに騒ぎはじめた。

(ギャラリーの鬼)
卑怯だ。
人間は卑怯だ。

(力自慢の警察官)
なんだと。

●そう言うと、
 相撲を挑まれた警察官が、
 自分のピストルを抜いて、
 自分の肩を打ち抜いた。

ターーーン。

●警察官は、
 衝撃で体をのけぞらしながらも、
 なんとかふんばった。

●それを見ていた鬼たちが、
 一瞬黙り、
 すぐにまた騒ぎはじめた。

(ギャラリーの鬼)
こいつはいい。
こいつはいい人間だ。
卑怯じゃない。

●肩を押さえ、
 激痛に耐えながら
 警察官が
 狙撃した自衛隊員に向かって
 叫んだ。

(力自慢の警察官)
余計な事はするな。
これは勝負だーーー!

●そう叫んだ目線の彼方の自衛隊員は、
 無数の鬼にたかられ、
 食べられていた。

(大きな鬼)
こっちを見ろ。

●その声に向きなおる
 警察官。

(大きな鬼)
勝負だ。

(力自慢の警察官)
おう。

●行司役の鬼が戦いの合図を発した。

発鬼よーい。
のこったーーー!

●がっぷりよつに組んだ
 鬼と警察官。
 負傷したお互いの肩から
 血が吹き出す。

●二人を囲んだ警察官たちと、
 鬼たちから、
 応援の歓声があがる。

 両者互角の力勝負。
 見ているほうも力が入る。
 どちらも半歩として後ろへは引かない。
 血走る目。
 額から吹き出る汗。
 浮き上がる血管。

ぐぬぬぬぬぬぬ。

なんのおおおおおお。

●しかし、やがて均衡がくずれ、
 警察官が投げ飛ばされた。

どりゃぁあっ。

どしーーん。

勝負あったーー。
鬼の勝ち。

●鬼たちから歓声があがる。

 静まりかえる警察側。

●肩で息をしている大きな鬼。

(大きな鬼)
いい勝負だった。
おまえの力はワシがもらう。

(力自慢の警察官)
負けた。
すきにしろ。


●勝負に勝った鬼は、
 警察官が苦しまないよう、
 自らのアゴの骨をはずして、
 大きな口を開け、
 警察官を噛まずに、
 のみこんだ。
 すると鬼の体が輝き、
 鬼はひとまわり大きくなった。

●人間を食べ、力を得た幻鬼が
 小鬼に成長した瞬間である。

 まわりの鬼たちから、
 一層大きな歓声が上がった。

 応援していた警察官たちは、
 その場に泣き崩れたり、
 涙をこらえて敬礼を捧げた。

●卯乃たちも泣いていた。
 北大路警部は敬礼をしていた。

(卯乃)
なんか、
なんか涙が出てきた。

(猿渡)
うん。

●一方、
 橋から落下し、
 統制のとれなくなった自衛隊は、
 鬼の襲撃に機関銃で応戦していた。

 襲いかかる鬼たちは、
 銃弾を受けて、
 次々に空中に霧散していった。
 彼らが「幻鬼」と呼ばれる
 ゆえんである。
 生まれたての最初の鬼は、
 一定以上のダメージを受けると、
 死体も残さず
 消えてしまうのだった。

●それでも、
 銃器を使う自衛隊に対して、
 鬼たちは集中して襲いかかった。
 その顔には、
 怨みの表情が浮かぶ。

●やがて弾がつき、
 あるいは、
 撃ち出す弾よりも多くの鬼
 に襲われ、
 足を喰われ、手を喰われ、
 恐怖と苦しみの中で
 自衛隊は全滅した。

(卯女)
みるみる鬼が強うなっていくな。
しゃあない。
六条の。
あんたに言われたし
やるんとちゃうでな。

(六条)
はいはい。

(卯女)
卯乃、
犬、猿、鳥の化身さん。
ゆっくりいろいろ教えたかったけど、
そんなん言うとられへんようや。
本番で学びなよ。
ウサギ。
こっちにも力をよこしな。
プルルン・クプルプ・チャマヘス
バカム、変身。

ずばうぅぅぅぅっ。

●輝く閃光。
 暴風が吹きすさぶ。
 それがおさまると、
 バニーガール姿の卯女が現れた。

(卯女)
おばあちゃん。

(北大路警部)
うおおっ。
これはきついっ。

(卯女)
やかましい。

バキッ!

(卯乃)
おばあちゃん、
戦うの?
大丈夫?無理せんといてよ。

(卯女)
なにを言うや。
あと10年は戦えるわいな。
さあ、怪我せんように
ついておいで。

(卯乃)
わあっ。

(卯女)
どうしたんや。

(卯乃)
ふ、服の布地が減ってる。

(卯女)
あたりまえや。
わたしが半分ほどもろたでなぁ。

(卯乃)
そうなの?

(卯女)
ぷるるん戦士の戦闘服はな、
ウサギらぁの体でできとるんや。
うさぎが小さいし、
布地も小さいんや。
さ、恥ずかしがっとったら
戦えへんで。
行くで。
とうっ!

(猿渡)
みんな、
望月さんのおばあさんに
ついて行こ。

(犬飼、鳥居)
うん。

●警官隊や自衛隊との戦いは
 幻鬼にまかせて、
 空中にむかって、
 灼熱の鬼弾を発射し続けている大鬼のシュキ(手鬼)。
 京都の町なかは、
 空から降ってくる鬼弾を受けて、
 あちこちで火事が発生していた。

(卯女)
ええか。
あの大鬼さえ倒したら、
大鬼から生まれた小鬼やら
手下は消えるんや。
手下の鬼は警察にまかせて、
わたしらは、
大鬼をやるで。

(全員)
はい。

●方位神の使徒(卯乃たち)の
 出現を察して行く手を妨害する
 幻鬼たち。

(卯女)
やぁ!
はあっ!

●跳び蹴り、回し蹴り、
 まるで踊るように幻鬼をけちらす卯女。

挿絵(By みてみん)

(卯乃)
おばあちゃん、
すごい。

(卯女)
こういう綺麗な技はな、
ほんとは鳥の人のほうが
うまいんやで。

(鳥居)
わたし?

(卯女)
練習しなよ。

(鳥居)
はい。

(卯女)
それにしてもきりがない。
猿の人。
分身はできるんかいな。

(猿渡)
できます。

(卯女)
よっしゃ。
ほんなできるだけ長い髪の毛を抜きな。
あんたの分身の寿命は、
髪の長さしだいや。
その一番長い毛やったら、
2、30分は持つやろ。

(猿渡)
はい。

ぶちっ。

(猿渡)
フーンバット分身。

ばばばばばばばっ。

(猿渡の分身)
ご命令を。

(猿渡)
おばあさん。
命令してほしいそうですけど。

(卯女)
あんたの言うことしか聞かへん。
わたしらの先に行って、
この雑魚をけちらして、
道を作るよう言うてえな。

(猿渡)
みなさんわかった?

(分身達)
はい。

●身の軽い猿の化身の分身は、
 4人を囲むように並んで走り出し、
 襲ってくる鬼の手下の相手をした。

 戦いを挑んでくる
 鬼の手下に応戦する猿の分身は、
 次々、卯乃たちの集団から脱落し、
 後方で戦いを続けた。

 猿渡が振り返ると、
 後方で戦っている分身に、
 無数の鬼が群がり、
 襲いかかっている。

(猿渡)
あっ!

(卯女)
どうしたんや?

(猿渡)
おばあさん。
胸が痛い。
今、わたしの分身が死んじゃったかも。

(卯女)
そうや。
時間が来て消えるんとはちがう感じやろ。
あんたの分身やからな。
わかるんや。
練習したら、分身の見てるもんが
見えるようにもなるで。

(猿渡)
わたし切ない。

(卯女)
あほか。
髪の毛が抜けただけや。
気にしとったらあんた本人が
殺されるで。
しっかりし。

(猿渡)
はい。

●少しづつ大鬼のシュキに近づく5人。
 近づけば近づくほど、
 幻鬼の数が増え激しい抵抗。
 すでに猿渡の分身は全滅し、
 全員で力を合わせて戦いながら進んでいる。

(卯女)
みんなぁ生き残ったら後でゆっくり話したげるけどなぁ、
人間はずっとずっと昔からこうやって
仲よう鬼と戦ってきたんやで。
お互い負けるわけにはいかんけど、
お互い必要な存在なんや。
それだけは覚えといてな。

●話しながら鬼を蹴散らし、
 前進し続ける卯女。

(卯女)
さあ、大鬼やで。

こら大鬼ー!
やりすぎや。
おとなしゅう降参しぃっ!

●行く手をふさぐ最後の幻鬼が倒された瞬間。
 視界に入ったシュキは、
 両手を卯乃たちに向けて
 鬼弾の発射準備を整えていた。

(シュキ)
うるさいっ。

ドンドンドンドン。

●矢継ぎ早に発射される
 灼熱の鬼弾。
 その一発が犬飼の乗るヘロをかすめた。

バシュッ!

(ヘロ)
うっ。

(犬飼)
ヘロ!大丈夫。

(ヘロ)
なんの、かすり傷だ。

(卯女)
犬の人。
あんたは足は早いけど、
小回りがきかん。
大鬼と距離をとって、
一撃離脱で戦いな。

(犬飼)
おばあさん。
一撃離脱ってなに?

(卯女)
少し遠くにおって、
鬼弾をよう見てよけて、
隙をついて鬼の急所に噛みつきな。

(犬飼)
急所って何処?

(卯女)
あんたは、臭い。
ウサギのわたしらは、音で探せる。
ほんでも一番てっとり早く
探せるんは、
鳥の人や。
鳥の人。
あの鬼をよー見てみー。
赤い心臓が見えんか?

(鳥居)
赤いって。
あの燃えた弾を発射してる
手が赤いけど。

(卯女)
そこや。
あの大鬼の急所は、
手や。
どっちの手や。

(鳥居)
右手のほうが赤いかな?

(卯女)
よし。どうにかして、
右手を狙うで。

(全員)
はいっ。

ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/

いつでもどこでも、ぷるるんアクセス!携帯用サイト!
http://www.ms-06zaku.com/pururun-p/

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ