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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第二十七話 高野川の変(其の一)

(北大路警部)
正義の味方?
それはあのう、
わしらの味方って考えて
えんやろか。
いきなり警察署破壊したおもたら、
怪物と戦ってるし、
あんたらによって、
人類と怪物、
双方に被害が及んでるのですが・・・。

(猿渡)
えっ!
私たちは人類の味方です。
っていうか、
私たちは人類です。
そちらに被害が発生したのは
すべてこの望月卯乃が
悪いんです。
挿絵(By みてみん)
目撃されてましたよね。
現行犯です。
この子が責任もって
すべて弁償いたしますので、

(卯乃)
えーーっ。
猿渡さん、
裏切らないでよー。
挿絵(By みてみん)

(猿渡)
なによー
あんたが勝手に暴走して
警察署破壊したんでしょうが。
警部さん。
同じような格好をしてますが、
この黒いのは別グループですので、
この子のしでかした粗相は、
全部この子に
責任をとらせてやってください。

(卯乃)
ひどーーーい!

挿絵(By みてみん)

(北大路警部)
君は望月卯乃っていうのかい?
昨日、上終先生の事でうちに来てもろた
望月卯乃さんやんなぁ。
最初、女子高生やったけど、
急に血だらけの大人になったよね。
もう治ったの?

(卯乃)
え?いえ、あの。
まだ痛いです。
急に大人になったのは、
・・・そのう、
正義の味方だからです。

(北大路警部)
変身?

(卯乃)
そうそう変身です。

(北大路警部)
わしは、
実際に正義の味方に会ったんは
はじめてやけど、
本物もやっぱり変身するんや。

(卯乃)
そうみたいですね。

●その時、すぐそばに
 鬼の発射した灼熱のツブテが
 着弾した。

ドカーーン。
ドドーーン。

(北大路警部・卯乃)
うわあっ。
きゃあっ!

(北大路警部)
よし。
細かい事はこの際考えんとこ。
君たちはどうやら
本物のヒーロー戦隊らしいから、
ぜひ君達の協力がほしい。
見てのとおり、
我々は今、未知の怪物に
襲われてるんや。

今ここに自衛隊が向かってるんやけど、
自衛隊が到着するまで、
何もせずに、ただ犠牲者を出す
わけにもいかん。
民間人の君らに危険な仕事さすけど、
わしらも命をかけて
君らを守るし、
どうやろ。
わしらと一緒に戦ってくれるか?

(卯乃)
え?
どうしよう猿渡さん。
一緒に戦いたいんだって。

(猿渡)
警部さん。
あの怪物を倒したら
お母さん、かえしてもらえますか?

(北大路警部)
お母さんって?

(猿渡)
おさる食堂の、
猿渡葉子です。

(北大路)
え?君のお母さんなん?
じゃあ君、昨日食堂にいた女の子か?

(猿渡)
そうです。

●再び鬼の攻撃。

ドカーーン
ドドーーン

(北大路警部)
うおおおっ。

き、君も正義の味方やったんか。
見違えたなぁ。
よし、約束するで。
わしの権限でどこまででけるか
わからんけど、
この首をかけて、
お母さんの力になったげる。

(猿渡)
ありがとうございます。

●急に明るい表情になった猿渡が
 みんなの方に向き直って言った。

(猿渡)
みんな。
警察に協力するのは
市民の義務です。
みんなであの怪物を倒して、
平和な日本を取り戻そう。
おー!

あれ?
みんな「おー!」
は?
ほら、望月さんも
「おー!」って
言いなさいよ。



(鳥居)
異議無いけど、
花、あんたなんか
人間の小ささ、さらしてるで。

●1人の警察官が北大路警部のところへ
 駆け寄ってきた。

(警察官)
警部、
陸上自衛隊、かつら駐屯地
普通科連隊長の
長岡一尉が到着されました。

(北大路警部)
おう、そうか。
早かったな。

●その警察官のすぐ後から、
 迷彩服を着た、
 背はやや低いが、体格のがっしりした
 50代くらいの男が、
 部下を数名従えてやってきた。

(長岡一尉)
北大路警部ですか?

(北大路警部)
いかにも。

●長岡一尉が
 卯乃たちの存在に気づいた。 

(長岡一尉)
そちらは・・・。

(北大路警部)
怪物退治に協力してくれてる
市民の方々です。

(長岡一尉)
はあ。
すごい格好ですなぁ。
どうせならウルトラマンのコスプレでも
されたほうがよろしいのではないですかな。
わたしは長岡一尉です。
報告だけでは信じられませんでしたが、
出現した怪生物というのは
あれですか?

(北大路警部)
あれです。
謎の人喰い生物です。
さっきから大砲のようなものを
発射しています。

(長岡一尉)
そうか武器も所持しているのですな。
なら手加減無用。
まあここからは、
我々自衛隊にまかせて、
君達は後方に下がり市民の避難誘導でも
したまえ。

●自信満々の長岡一尉の言葉尻には
 嫌みを感じる。

(北大路警部)
そうですか。
わかりました、前線を交代しよう、
ケガ人を収容して、
我々警察は自衛隊の後方へ移動する。

●同じ公務員として申し訳ない気持ちで
 卯乃たちに話しかける北大路警部。

とりあえず、
君達も一緒に来てくれるか?

(卯乃たち)
はい。

●卯乃たちは北大路警部について
 その場を離れようとする。
●おかまいなしに、
 あたりの警察官にわざと聞こえるように
 大声で号令をかける長岡一尉。

よぉーし、
今からこの現場の指揮はわたしがとる。

御蔭橋(みかげばし※)西岸に待機中の
各部隊に無線連絡。
ただちに怪生物への攻撃を開始する。

目標は武器を所持しているもよう、
すでに多数の死傷者を出している。
戦車部隊、
ならびに、特火部隊、歩兵部隊は、
御蔭橋上まで前進し発砲準備せよ。

●すぐに攻撃部隊に長岡一尉から
 指令が伝わった。

(攻撃部隊の隊長)
長岡一尉より命令。
全部隊前進。
御蔭橋上より、
目標の怪生物を攻撃する。
怪生物の位置は、
御蔭橋より南、およそ150メートル
高野川の河川敷にいるもよう。


●高野川にかかる御蔭橋の西側から、
 2台の戦車と多数の野砲、
 大勢の歩兵が出現し、
 たちまち鬼に銃口が向けられた。
●その様子を見ていた北大路警部が
 つぶやいた。

(北大路警部)
いきなり戦車とは大袈裟な。

(長岡一尉)
お上からの命令ですので・・・

撃てー!

ドンドンドンドン!
ズドーーーーン!
ズドーーーーン!
タタタタタタタタ・・・!

●自衛隊の一斉射撃。
 鬼が爆発の中に姿を消す。

ドンドンドンドン!
ズドーーーーン!
ズドーーーーン!
タタタタタタタタ・・・!


●3分経過。
 あたりは、
 爆煙と硝煙で何も見えなくなった。
 鬼の反撃は無い。

(長岡一尉)
撃ち方止めー!
未確認生物の死亡を確認せよ。

●煙が風に流され、
 状況が目に入る。
 河川敷の土はえぐられ、
 地形が変わっている。
 その、もっとも激しく
 砲撃が集中した場所は、
 巨大なクレーターができている。

 自衛隊員が2名、
 攻撃の成果を確認するため、
 川岸を下りはじめた。

 静寂がたちこめる。

 すべてが静止した時間の中、
 自衛隊員がクレーターに
 恐る恐る近寄る。

 次の瞬間、
 土を一気に突き破り、
 鬼が勢いよく出現した。

ドパーーン!

●腰をぬかしながら慌ててひきかえす自衛隊員。

 鬼は両手を高く掲げている。
 その両手には自衛隊が発射した砲弾が、
 ぎっしり握られていた。

(猿渡)
ぜんぜんこたえてないじゃない。

(卯乃)
あの技知ってる。
前に先生の心の中で見た技やわ。
あいつは、
ものすごい早さで手を動かして、
弾丸なんか平気でつかんじゃうんだ。

(大鬼)
はーーははははは。
ワシはもう、
落餓鬼らくがきの子分じゃねーぞう。
大鬼の手鬼しゅきさまだー。
いや、大鬼とは謙遜しすぎだなぁ。
人間の殻を破って浮き世へ出ることができた
選ばれし絶大大鬼の手鬼さまだー。
こんなに素晴らしいワシからのご褒美、
ありがたく受け取れいっ!

シュシュン!

●鬼の両手がふりおろされ、
 鬼がつかんでいた砲弾が
 橋の上の自衛隊めがけて投げつけられた。

(卯乃)
あっ!

ドドドドドドドパーーーン!

●鬼の放った砲弾が自衛隊員に降りそそいだ。
 数名の隊員がその場に倒れ込む。
 同時に橋にも砲弾が命中。
 崩壊してゆく橋。
 まきこまれる自衛隊。
 御蔭橋の上に結集していた
 自衛隊の部隊全員が
 崩落する橋とともに爆煙の中に消えた。

(北大路警部)
なんとーー!

(長岡一尉)
か、かはっ、油断したっ・・・。

●その場にいた全員が
 その非現実的な光景に凍りついた。

●その時、緊張をかき消すような
 妙にのんきな男の声がした。

(のんきな男)
おやおや、
軍隊は壊滅ですか。

(北大路警部)
うわっ。
あんた誰や。

(卯乃たち)
理事長ー!

●そこには、修学院女子校の屋上で会った
 珍奇な冠をしたにやけた男が
 数人の背広の男をしたがえ立っていた。

(北大路警部)
理事長?
このいかれたおっさんがか?

バシッ!
あいたっ!

(北大路警部を殴った男)
北大路君言葉をつつしみたまえ。

(北大路警部)
あ、こ、これは
岩倉いわくら本部長。

(岩倉本部長)
こちらの方は、
宮内省皇宮警察本部長
六条宮玄仁ろくじょうのみやくろひとさまだ。

(北大路警部)
宮内省?
皇宮警察本部長・・・・?
それって、
京都府警察本部長より
偉い方なんですか?

(岩倉本部長)
天上人だ。

●それを聞いて小声で話す卯乃。

うちの理事長って
偉かったんだ。

(六条宮)
さて、
のんきな会話をしてる場合じゃ
ありませんよ。
あの大鬼が本気で反撃してきますよ。

(手鬼)
うらーーー。
い出よーーー。
幻鬼げんきーーー。

●鬼がそう叫びながら、
 自分の体を激しくこすると
 鬼の体毛が抜けて、
 空中にただよいはじめた。

 その鬼の体毛の1本1本が
 なんと、鬼に変わった。
 大きさはちょうど大人の人間ほど、
 手には金棒を持っている。

 その無数の鬼たちが、
 橋から転落して大混乱の自衛隊と、
 河川敷でその様子をみている
 警察の集団めがけて襲いかかってきた。

(北大路警部)
なんてこった。
いかん。こっちへ来るぞ。
急いで後退だ。

(卯乃)
だめ。
ここでふんばらなきゃ。
警部さん。
あの鬼たちは人を喰べるのよ。
京都の町なかに入られたら
大変な事になる。

(北大路警部)
そうだな。
しかしやつには拳銃すら効かんのや。

(卯女)
そんな事ないで。

(卯乃)
おばあちゃん。

●卯女登場。

(卯女)
騒がしいで来てみたら
えらいことになってるやんか。
警部さん。
あの大鬼はこの子らくらいしか
太刀打ちでけへんけど、
あの小さいのはあんたらと
ええ勝負や。
がんばりなはれ。
ほら、来たで。

●高野川の川岸を飛び越え、
 無数の鬼が卯乃たちのいる
 警察官の集団に飛びかかってきた

 覚悟を決めた北大路警部。
 号令を下す。

機動隊前へー。
密集陣形ー。
突撃ー!

●警察の機動隊が密集し盾を構えて
 川岸を上ってきた鬼を押し返した。

 機動隊と鬼が一緒くたになって
 川へ落ちてゆく。
 川の深さはひざほど。
 機動隊と手下の鬼との大乱闘。

●その様子を眺めていた六条宮が
 卯女に向かって話す。

卯女。
おまえが戦ったほうが
この場は治まるんじゃ
ないですか?

(卯女)
これはこれは
六条の。
あんさんの指図は
金輪際受けまへんって
言うたはずですわ。
あんさんこそ、
戦艦の一隻でもこっちにまわしてくれたら
こんな鬼、すぐ退治できましょうに。

(六条宮)
世紀末のご時世。
鬼門も大変でね。

(卯女)
ふん。
屋敷の玄関を一生懸命守ったところで、
屋敷の中を荒らされとったら、
本末転倒やないか。
ところで、
そこの、犬、猿、鳥をかえしたんは、
あんさんの指図かいな。
あいかわらず図々しい。
あんたらのせいで死んでった
うちのお母ちゃんの努力を
なんや思てんのや。

(六条宮)
さあ。
全ては世のため、人のため、
因果なものよのう。



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※文中の地理はこうなっております。(Googleマップより)
http://maps.google.co.jp/maps?f=q&source=s_q&hl=ja&q=%E4%B8%8B%E9%B4%A8%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E6%89%80&sll=35.033405,135.773174&sspn=0.002842,0.004479&brcurrent=3,0x6001084345d391f5:0xed321e966b299bc6,0&ie=UTF8&radius=0.13&split=1&rq=1&ev=p&hq=%E4%B8%8B%E9%B4%A8%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E6%89%80&hnear=&ll=35.033827,135.774713&spn=0.002842,0.004479&z=18
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
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