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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第二十一話 忘れられないランチタイム(後編)

●校庭では午後の清掃のための準備が
 行われていた。
●教頭先生と各クラスの担任が
 集まっている。

(先生A)
しかし教頭先生。
上終先生も
派手に落書きされましたねぇ。

(教頭先生)
そうですねー。
おとなしくて熱心な先生でしたのに、
今でも信じられませんねー。

さて、みなさんお揃いになったようですね。
えー、それでは、
各クラスの担任の先生は、
ご自分のクラスの担当部分の前に、
ブルーシートと、
塗りつぶし用のペンキと、
えー、生徒分の刷毛を準備してくださいね。
えー、大丈夫ですか?
それでは、
担任の先生は、
それぞれのクラスに行って、
えー、生徒たちを誘導してきてください。
えー、わたしは、
上終先生が担任だった、
2年4組へ行ってきます。
残った先生方は、
先に作業を進めておいてください。

(先生B)
はい。

(先生A)
はい了解。

(先生C)
はい、わかりました。

●生徒を誘導するため、
 それぞれ自分の教室へ向かう
 先生達。
 残った先生はブルーシートを広げて
 作業をはじめた。
●昼休み終了のチャイムが鳴った。

きーんこーんかーんこーん。

●保健室。
 お昼ご飯を食べ終わって
 お茶を飲んでくつろいでいる
 卯乃と、猿渡と鳥居と犬飼。
 なごやかな空気が流れている。

(卯乃)
あ、昼休み終わりのチャイムだ。
猿渡さんたち、
まだ保健室いる?

(猿渡)
どうする?
翼、風美。

(鳥居)
帰ろっか。
とりあえずこの子たち、
無害みたいだし。

(猿渡)
そうね。
望月さん、実はね
わたしたち
今、不思議な体験をしてるの。
言っても信じてくれないでしょうけど、
さっきの英語の時間から、
へんな動物の霊にとり憑かれてるの。

(卯乃)
霊?

(猿渡)
そう霊。
わたしたち3人しか見えないのよ。

(犬飼)
花さん。
霊なんて言わないでくださいよ。
せめて妖精って言ってよ。

(鳥居)
そうだな。
わたしも妖精に一票。

(猿渡)
ほんと?
わたしは、
無責任な飼育係のせいで、
非業の死をとげた
小動物の霊だと思うけど。
でもま、みんながそういうなら
妖精でいいよ。

●卯乃のほうに向き直り
 話を続ける猿渡。

でね。
わたしには小猿の妖精。
翼には小鳥の妖精。
風美には子犬の妖精よ。

冗談みたいでしょ。
猿渡だから猿よ。
鳥居だから鳥、
犬飼だから犬、
お母さん山田さんと結婚してたら、
山の妖精だったのかって話よ。

って、望月さんには見えないんだから、
言ってもしょうがないね。
ま、気にしないで、
変なのはわたしたち
3人だけなんだから。

(卯乃)
はは、そ、そだね。
気にしないでおくよ。

●その時、廊下で待ってた
 ウサギが大声で叫びながら
 保健室に入ってきた。

(ウサギ)
卯乃ー!
たいへんだー!
鬼だ、鬼が近くにいる!

●猿渡、鳥居、犬飼が
 ウサギの姿を見て驚く。

(猿渡)
わっ!

(犬飼)
また出た!

●卯乃、ウサギにむかって
 あわてて叫ぶ。

(卯乃)
ちょっと、あんた。
外で待ってなさいって
言ってたでしょ。

(ウサギ)
なにをのんきな。
さっきまで何も異常なかったのに、
鬼が突然現れたんだ。
警戒すべきだ。
さっさとこいつらを家来にして、
鬼退治に行こう。

(猿渡)
家来ー?

(卯乃)
だから今、
タイミングをみて、
みんなを説得しようとしてるんじゃない。

(猿渡)
ちょっ、ちょっと待って。
望月さん。
家来って何よ。

(卯乃)
え?
いや、その。
猿渡さん、なんでもないの。
なんでもない。
気にしないで。

●猿渡に弁解する卯乃。
 ウサギをにらんで怒る。

(卯乃)
もー、あんたのせいで、
わたしの計画が台無しじゃない。

(ウサギ)
何言ってんだ。
計画なんて、
最初から無かったくせに。

(猿渡)
望月さん!
ちゃんと答えなさいよ!
あんた、
何たくらんでんのよ。

(ウサギ)
卯乃。
こうなったら仕方がない。
キビ団子の力で、
こいつらを強制的に家来にするぞ。

(卯乃)
わかった。
どうするの?
はやく教えて。

(ウサギ)
さっき言った言葉をもう一度言え。

(卯乃)
さっきって?

(ウサギ)
「キビ団子もっと食べたかったら、
 言うことを聞け」だ。

(卯乃)
わかった。

●卯乃、3人に向かって
 大声で叫ぶ。

(卯乃)
「キビ団子もっと食べたかったら、
 言うことを聞けー!」

●静寂。
 その場の全員が凍り付いた。
●しばらくの沈黙の後、
 猿渡が口を開いた。

(猿渡)
なによ・・・それ。

(卯乃)
え?

(猿渡)
キビ団子なんていらないわよ。
さっさと説明なさい。

(卯乃)
猿渡さんは、
もうわたしの家来?

(猿渡)
んなわけないでしょ!

●卯乃、半泣きでウサギに言う。

(卯乃)
ウサギさん、
全然効いてないよ~。

(ウサギ)
やっぱりかー。
なんか嫌な予感はしてたんだ。

(卯乃)
ちょっと~。
どういう事よ!

(ウサギ)
昔はな、
この国は貧しくて、
みんないつもおなかを
すかせてたんだよ。
まして、甘いものなんて
庶民の口にはいることは
なかったんだ。
卯の化身のつくる
キビ団子はとても美味しくて、
その味に誰もが虜になったのさ。
しかし時は流れ、
人類はいつしかキビ団子より
はるかに美味しい
お菓子を作れるようになった。

(卯乃)
だから?

(ウサギ)
キビ団子くらいの美味しさじゃ、
人を誘惑できなくなった。

(卯乃)
ええー?
キビ団子で人を家来にするのって、
食べ物で人を誘惑するってことだったの?
魔法とかじゃないの?

(ウサギ)
キビ団子の美味しさは、
じゅうぶん魔法だよ。
昔はこれで
みんな言うことをきいたんだ。
人類が悪いんだ。
美味しいお菓子作るから。
みどものせいじゃない!

(猿渡)
望月~。
なにごちゃごちゃ話してるのよ。
その気持ちの悪い生き物は、
あんたの仲間ね。
じゃあ、この小猿たちも
あんたの仕業ね。
全部吐いてもらうから。

(卯乃)
いや。
ごめんなさい。
許してください。

(猿渡)
じゃあしゃべりなさい。
わたしたちを
どうする気だったの?

(卯乃)
それは・・・、
怖くて言えません。

(猿渡)
そう。
でもあなたは
きっとしゃべると思うわ。
翼、風美、望月さんを
ベッドに寝かせて。

(犬飼)
ラジャー!

(卯乃)
ちょっ、ちょっと、
やめてー!

●猿渡と鳥居と犬飼の3人がかりで、
 卯乃をベッドに仰向けに押しつけた。
●犬飼が卯乃のお腹の上に馬乗りになる。

(猿渡)
風美、制服のリボン貸して、
翼も。

●猿渡は、犬飼と鳥居から
 制服のリボンを受け取ると
 卯乃の両手をベッドの端に
 それぞれくくりつけた。

(猿渡)
風美、望月さんのリボンも
ほどいて貸してちょうだい。

(犬飼)
ラジャー。

●犬飼、卯乃の制服のリボンを
 ほどいて猿渡にわたす。

(猿渡)
翼、足押さえて。

●そう言いながら、
 自分のリボンもほどく猿渡。

(卯乃)
やめてー!
いやー!
えっちー!

●卯乃の両足も、
 それぞれベッドの端にリボンで
 縛り付けた。
●卯乃、仰向けで大の字にされ、
 身動きがとれない。

(猿渡)
風美。
誰か入ってこないか
外で見張ってて。
もし保険の先生が帰ってきたら、
うまくごまかして
中に入れちゃだめよ。いい?

(犬飼)
ラジャーー!^^

●とても嬉しそうに
 命令をうけたまわる犬飼。
 元気に廊下へ出ていった。
●猿渡と鳥居が卯乃を見下ろしている。

(卯乃)
やめてー。
お願い。

(猿渡)
じゃあ話しなさい。
私たちをどうしようとしてたの?

(卯乃)
話したら怒るもん。

(猿渡)
怒るわよ。
でも話しなさい。
家来って何よ。

(卯乃)
鳥居さ~ん。
助けて~。

(鳥居)
ごめんね望月さん。
わたしも
あなたの策略が聞きたいから
花の味方よ。

(猿渡)
はい。時間切れー。
わたしは脇の下いくから、
翼は脇腹ね。

(鳥居)
了解。

(卯乃)
やめて、やめて、
いやーー!

(猿渡)
そりゃー!

●猿渡のかけ声とともに、
 いっせいに卯乃を
 くすぐりはじめた2人。

(猿渡)
こちょこちょ
こちょこちょ
こちょこちょ
こちょこちょ

(卯乃)
いひひひひひひ。
ひーーひひひひひ。

(猿渡)
こちょこちょ
こちょこちょ

(卯乃)
っひひひひひ。
やだー。やだー。
ひーーひひひひ。

(猿渡)
こちょこちょ
こちょこちょ

(卯乃)
いひひひひひひ。
ひーーひひひひ。

●10分経過。

(卯乃)
や、や、やだーー。
いひひひひひひ。
ごほっ、げほっ。

●人によっては、
 くすぐられすぎると
 尿意をもよおす。

(猿渡)
こちょこちょ
こちょこちょ

(卯乃)
いひひひひひひ。
や、やめて、
お、おしっこ出そう。

(鳥居)
花、望月さんトイレだって。

(猿渡)
そう。

●15分経過。

(卯乃)
いーひひひひひ、
だめだめだめだめ、
おしっこ出ちゃうーー。
やめてーーー。

(猿渡)
じゃあ、話すか。
こちょこちょこちょ。

(卯乃)
ひひひひひ、
お、怒らないって、
約束してーひーひひひひ。

(猿渡)
約束しない。
こちょこちょこちょ。

●鳥居はくすぐるのを
 止めた。

(鳥居)
花、もうやめようよ。

(猿渡)
やめない!

(卯乃)
いひひひひひ、
ト、トイレ行かせてーー!

(猿渡)
だめだ。
こちょこちょこちょ。

(卯乃)
だめだめだめ、
トイレーーーーー!
あっ。


●卯乃、ついにおしっこを
 漏らす。



(鳥居)
花・・・なんか出たよ。



●卯乃、泣いている。

(卯乃)
うう~。
ぐすっ。ひっく、ひっく。
汚された~。

(鳥居)
花、なにやってんの?

●猿渡、自分の携帯で、
 卯乃を撮影しはじめた。

カシャ。
カシャ。

(猿渡)
動画も撮っとこ。

●そういうと携帯で
 動画をとりはじめた猿渡。

(卯乃)
いやー。

(鳥居)
こいつ。鬼だな。

挿絵(By みてみん)

●猿渡、容赦なく卯乃に言う。

(猿渡)
さあ望月さん。
高校生にもなって
おしっこ漏らした事を
言いふらされたくなかったら、
隠してること全部話しなさい。

●卯乃、力なく答える。

(卯乃)
はい。ぐすっ。
わかりました。
ひっく、ひっく。
なんでも話します。

●卯乃、全てを話す。
●鳥居は半信半疑だったが、
 猿渡は卯女から鬼の事を聞いていたので、
 すぐに理解した。

(猿渡)
なにぃーーー。
桃太郎みたいに
わたしたちを
キビ団子で家来にして、
自分の代わりに
鬼と戦わせようとしただとーー!

(卯乃)
ごめんなさーーーい!
ごめんなさーーーい!

(猿渡)
せっかくあなたの事好きになりかけたのに。
わたしのお母さん助けてくれるって約束も、
キビ団子を食べさせるための
ワナだったなんて、
ひどい!最低!
絶対許さないっ!
翼、そこのスリッパとって。

(鳥居)
はい、どうぞ。

すぱーーーーん!!

(卯乃)
あ痛ーーーっ!


●校庭では全校生徒による
 校舎の落書き消し作業がはじまっていた。
 よく晴れた、気持ちのよい午後だった。
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
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