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ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
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第十四話 恥ずかしい

●卯乃の自宅。
 猿渡さんを連れて
 卯乃と卯女が
 帰ってきた。

(卯乃)
ただいまー。

●卯乃の父、武雄が出迎える。

(父)
おかえり。
うわ!
なんやお前その包帯。
事故にでもおうたんか!?

(卯女)
た、だ、い、ま。

(父)
母さん。
卯乃どうしたんや?

(卯女)
ああ、
ケガは心配せんでええよ。
大丈夫や。
追々話すわ。

(父)
ほんでも、えらい包帯やで。
おや?
お客さんか?

(卯乃)
うん。
わたしのクラスメートの
猿渡さん。

(猿渡)
猿渡花子と申します。
突然おじゃましまして恐縮です。

(父)
これはご丁寧に。
卯乃の父です。

●父、卯乃を見つめて言う。

(父)
卯乃。
おまえ恥ずかしいぞ。
おまえこの前、武司おじさんのとこ
行ったとき、
挨拶もせんと
いきなり上がって冷蔵庫の麦茶
勝手に飲んでたやろ。
あとから、おばさんから聞いて、
お父さん情けなかったわ。
それに比べて。
猿渡さんとおっしゃいましたか?
ちゃんとご挨拶できてて、
立派やねぇ。

(猿渡)
はあ、高校生ですし、
別に誉められるようなことでは・・・。

(父)
いや、うちの卯乃なんてねぇ。

(卯乃)
もうっ!お父さんええやないの。

(卯女)
そうや。
これ以上うちの恥をさらしても
なんもええ事無いで。
だいたい卯乃の恥は、
親のお前の恥や。

(父)
まあ。

(卯女)
とにかく、
今晩こちらの花子さんは、
うち泊まってもらうでなぁ、
失礼のないように
おもてなしせえよ。

●そういうと家に上がってゆく卯女。

(卯女)
よっこらしょ。

●包帯ぐるぐるで元気に空腹を
 訴える卯乃。

(卯乃)
お父さんお腹すいたー。

(父)
おまえなぁ。
二人とも警察行ったきりやったし、
達也は学校やし、
父さん一人で心配して留守番してたんや。
まだ買いもんも行ってへんねんで。

(卯乃)
ええー。お腹すいたー。
なんでもいいから、
食べさせてー。

(父)
ほんな、店の
まんじゅう食うとけ。

(卯乃)
いやぁー。
おまんじゅうはいやぁー。

(猿渡)
わたし、何かつくりましょうか?

(父)
えっ?そんな、
花子さんは、ゆっくりしてください。
それに、冷蔵庫からっぽやし。
すぐなんか買うてくるんで。

(猿渡)
いえいえ、
家庭の冷蔵庫って、
結構食べ物残ってるものなんです。
それに、わたし食堂の娘だから、
料理するの好きなの。

(父)
はあ。

(猿渡)
じゃあ、失礼しまーす。

●そう言うと、さっさと上がって
 台所にはいってゆく花子。

(卯乃)
へへっ。やった。
今日は晩ご飯
わたし作んなくていいや。
とりあえず
おまんじゅう食べてよっと。

●そういうと卯乃は、
 そそくさと店のカウンターの中へ
 入っていき、
 ショーケースの中のおまんじゅうを
 あさり始めた。
●その姿と、
 台所でてきぱき夕食の支度をする
 猿渡花子の姿を見比べる
 父と祖母。

(卯女)
お前の教育が悪いんや。

(父)
卯乃は母さん似です。

挿絵(By みてみん)

●暗くなって、
 卯乃の弟の達也が帰ってきた。

(達也)
ただいまー。
あーなんかいい匂い。
これ何?

(父)
おかえり。

(猿渡)
あ、おかえりなさい。

(達也)
おねえさん誰?

(父)
卯乃のクラスメートの
猿渡さん。
今日うちに泊まっていかはるんや。

(達也)
へーえ。
姉ちゃんの友達か。
で、この晩ご飯、おねえさんが
つくったの?

(猿渡)
美味しいかわかんないけど、
もうすぐできるからね。

(父)
達也。2階から卯乃呼んできてくれ。
ここにいると猿渡さんと比較されて
かなんらしい。
今、自分の部屋で、
自分の愚かさに
うちひしがれてると思うわ。

(達也)
わかった。

●2階へ卯乃を呼びに行く達也。

とんとんとん。

(達也)
おねえちゃーん。
ご飯やでー。
おねえちゃーん。

●卯乃の部屋の戸を開ける音がする。

がらっ。

(達也)
うわ。
なにその包帯。


●そして、卯乃が降りてきて
 全員そろって晩ご飯のテーブルに
 ついた。

(父)
それじゃあ、
全員揃ったところで、
いただきます。

(全員)
いただきまーす。

(父)
あ、そのまえに、
今日の晩んごはんは、
こちらの猿渡花子さんが、
つくってくださいました。
みなさん、
ありがとうを言いましょう。
はい、
晩ごはん、つくってくれて、
せーの。

(父、卯女、達也)
ありがとう。

●卯乃、ワンテンポ遅れて、小声で。

(卯乃)
ありがとう。

(猿渡)
残り物のウィンナーと
野菜があったから、
ポトフ作ってみたの。
あと、ポーチドエッグと、
カマボコを使った、
マリネ。

(達也)
へーえ、
聞いたこと無い料理ばっかり。

(卯乃)
なによ。
ただの煮物とゆでタマゴとサラダじゃない。
気取っちゃって。

(父)
うわ。
美味しい。
猿渡さん。
とても美味しいです。

(猿渡)
ありがとうございます。

(卯女)
家では、いっつも
ごはんつくったはるん?

(猿渡)
ええ、
うちは母とわたしの二人暮らしで、
母が食堂の仕事で忙しいから、
家の事は私が担当なんです。

(父)
卯乃もおんなじなんやけど、
何がちがうんやろなぁ。
卯乃のつくる料理は、
味が薄いか濃すぎるか、
どっちかやもんな。

(卯乃)
へえへえ、
どーせわたしは味見もしませんし、
カンと推理で料理してますよ。

(達也)
ねえ、花子ねえちゃんって
呼んでいい?

(猿渡)
いいわよ。

(達也)
花子ねえちゃんって、
うちの姉ちゃんの友達なんでしょ。
姉ちゃんが友達つれてきたんって、
はじめてなんです。

(卯乃)
達也!
この人姉ちゃんの友達ちがう!
姉ちゃん。
いっつもこの人に意地悪言われて、
意地悪されて、
いっぱい傷つけられてるんだから。

●一瞬静まり返る居間。

(全員)
・・・・・・。

(達也)
姉ちゃん・・・。

(父)
卯乃、悪い。
今、ここにいる全員。
お前をいじめる猿渡さんの気持ちが、
なんかわかる。

(卯乃)
ひどーーい。
うわーーん。

●卯乃、泣き出して2階の自分の部屋へ
 逃げ込んでゆく。

どたどたどたどた。

●しかし、なぜかすぐに降りてきた。
●涙をうかべながら、
 猿渡さんが作ってくれた
 ご飯をかかえて
 また、自分の部屋へ戻ってゆく卯乃。

どたどたどたどた。

●その様子を冷静にながめている
 みんな。

(猿渡)
いんでしょうか。

(卯女)
ええ。ええ。
気にせんでええ。
ほんま花子さんの料理は美味しいわ。

(達也)
お父さんテレビつけていい?

(父)
おお。

●達也がテレビをつける。
 いつもの7時のニュースがはじまる。

(ニュースキャスター)
ニュースです。

連日お伝えしております、
連続大規模落書き事件に新たな展開です。
今日夕方、
中京区の寺町商店街付近いったいで、
白昼堂々と商店などが落書きされる事件が
発生しました。

落書きの被害は、
寺町商店街、新京極商店街、
三条名店街、一部の四条通りと、
河原町通りの商店におよび、
現場は一時騒然となりました。

夕方4時ごろ、
突然、御池通り方面から、
手にペンキやスプレー缶をもった、
年齢16歳から87歳までの男女
およそ200人が押し寄せ、
奇声をあげながら、
商店や民家、アーケードなどに
落書きをしはじめたということです。

その後、
住民らの通報で駆けつけた警察官、
およそ100人ともみあいになり、
落書き犯と警察官、双方に
多数のけが人が出たもようです。
逮捕された犯人の多くが、
先日落書きの被害にあった、
出町柳商店街の住民であることがわかっており、
現在警察で動機などについて
取調べがすすめられています。

それでは現場から中継です。

●画面が落書き現場に切り替わる。
●落書き現場に男のレポーターが
 立っている。
●まだたくさんのパトカーが
 赤色灯を回転させている。
●パトカーの外も中も落書きだらけ。

(レポーター)
はい。
現場の馬場です。
こちらは白昼堂々と落書きが行われ、
警察官と犯人がもみあいになった現場、
寺町商店街の北側入り口です。

ご覧ください。
ここには、
あの織田信長で有名な本能寺もありますが、
門も、境内の中も、
落書きで覆われ、無残な姿となってしまいました。

商店街の中も全て落書きがされています。

なぜこのような、
暴動ともいえる落書きが行われたのか。
真相は謎のままですが、

せっかくですので、
わたしも一筆落書きをしておきましょう。

●落ちていた筆で商店の壁に
 落書きを始めるレポーター。
●すぐにディレクターやスタッフに
 取り押さえられる。

(レポーター)
はなせ。はなせよ。
描きたいんだ。
描かせてくれー!

(スタッフA)
何やってんだ!やめろ。

(スタッフB)
おい、とりおさえろ。

●その様子が放送に流れる。
●画面が乱れスタジオに切り替わる。

(ニュースキャスター)
た、大変お見苦しい映像が流れました。
え?あ?CM?
いったんCMです。どうぞ。


●呆然とする、猿渡さん、達也、父。
●卯女だけが普通にごはんを食べている。

(達也)
なんかすごいね。

(猿渡)
どういうこと?
どういうことなの?
何が起こってるの?

(父)
母さん・・・。

●そうつぶやく武雄のほうは見ず、
 猿渡花子のほうを見てにっこり笑う卯女。

(卯女)
ごちそうさまでした。
花子さん。
ほんま美味しかったで。

●武雄のほうに厳しい表情を向ける卯女。

(卯女)
武雄。
あとで神社のほうへ来な。

●そう言うと、卯女は居間を出てゆく。
●卯女を引き止めるように、
 猿渡さんが話しかける。

(猿渡)
おばあさん。
さっき警察で、
おばあさんが、わたしのお母さんの事と
無関係じゃないって言ってましたよね。
あれ、どういう意味ですか?

●それを聞いて、天井を見上げる卯女。

(猿渡)
わたしのお母さんも落書きして、
今、警察で取り調べを受けてるんです。
さっきのニュースと関係あるんでしょうか。

(卯女)
はーーー。
話したげてもええけど、
花子さん、あんた頭固そうやしなぁ。

(猿渡)
頭の固さが何か問題あるんですか?

(父)
大ありです。
かえって知らんほうがいいと
思いますよ。

(猿渡)
できるだけ柔らかくしますから、
お母さんに関すること、
なんでもいいんで
教えてください。

(卯女)
ほうか。
ほんなら武雄。
片付けすんだら、花子さんと一緒に
神社へおいで。

(父)
卯乃は?
なんか大怪我しとるけど、
関係ないんか。

●3人の会話に口を挟む達也

(達也)
何々?
なんの事?

(卯女)
うちの女のコの秘密や。
達也お前、
ませてきたなぁ。
お前も知りたいんか。
わたしと卯乃の女のコの秘密。

(達也)
げーーー。
ばあちゃんが女のコぉ?
ばあちゃんと、姉ちゃんの秘密なんか
知りたないわ。
花子ねえちゃん、ごちそうさまでした。

●そういうと、
 2階の自分の部屋へ上ってゆく
 達也。

(卯女)
武雄。
卯乃は、今日はまあええわ。
ゆっくり休ましたろ。
なんの準備もなしに、
いきなり向こうへ行ってきたんやからなぁ。

(父)
えっ?!ほんなら卯乃も、
ぷるるん戦士に?

(卯女)
そうや。
卯乃はわたしに聞きたい事が
いっぱいあるやろうけど、
何を聞かされたかって、
もうあの子は戦士の道を歩むしか無いんや。
せやから今日は、
今日くらいは、
ゆっくり寝かせてやろ。
武雄。
これからは、わたしら家族が、
卯乃を支えてやらんとあかんのやで。

(猿渡)
ぷるるん戦士?



次回をお楽しみに(^-^)/
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