挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」 作者:ナカノ・R・シンイチ
13/40

第十三話 お泊りのお誘い

●時間を少しさかのぼり、
 取調室の中。
●卯乃と卯女が出ていった直後、
 一人の警察官が慌てて取調室に
 入ってきた。

ばあん。

(警察官)
警部。
北大路警部、大変です。

(北大路警部)
そうか大変か。
こっちもうまく説明でけんけど、
大変なんや。

(警察官)
はあ。
たった今、
本部から入った連絡です。
中京区、寺町商店街、
ならびに、三条名店街、
新京極商店街において、
現在、落書き被害が発生中。
犯人はかなりの大人数のようで、
川端署、五条署、
近隣の交番から、
その対応に所員が多数出動。
我が下鴨署からも応援を出すよう、
要請が出ています。

(北大路警部)
なんだと?
わけがわからん。
先日被害のあった、
出町柳商店街の落書き犯は、
今朝うちの署員、総動員で逮捕した
修学院商店街の店主たちだろ。
その他にも、
落書き犯のグループが
いたって事か?

(警察官)
はい。
それが、まだ未確定の情報ですが、
今、新京極で落書きをしている
犯人グループは、
先日落書きをされた、
出町柳商店街の店主達らしい
との事です。

(北大路警部)
なんだとぉ!?
落書きの被害者の商店街店主らが、
腹いせに、今度は別の商店街を
落書きして
襲っているって事か?

(警察官)
情報が確かならそうなります。

(北大路警部)
そんなバカな。
子供の仕返しじゃ
あるまいし・・・。
まてよ、
そう言えば今朝踏み込んだ
修学院商店街からも、
以前、落書きの被害届けが出てたぞ。
なんだー。
どういう事だー。
北大路平蔵。
鬼の平蔵と呼ばれたご先祖様、
火付盗賊改役、
長谷川宣以はせがわのぶため様の血が、
時を越えて、今わしに、
ふつふつと湧いてきたぞー。
考えー。考えー。
平蔵。よー考えー。
うーーーん。
・・・・・・・。
よっしゃ。わかった。
この事は署長には連絡済みか?

(警察官)
いえ、まだです。

(北大路警部)
よし、すぐ署長に伝えて、
本部の要請どうり、
できるだけ署員を派遣しろ。
わしは、今からすぐ本部へ行く。

(警察官)
了解しました。

●そう言うと警察官は部屋を出ていった。

(書記の警察官)
警部。
この先生の取り調べはどうしましょう。

●北大路警部、上終先生の肩をゆすって
 起こそうとする。

(北大路警部)
先生。
ちょっと先生。
起きてくださいよ。
先生。

●突然目が覚める先生。

(上終先生)
うきーーーー。
紙くれ。紙くれ。紙くれーーー。
描き、描き、描き、描きぃーーー。

●先生の異常な興奮状態に、
 後ずさりする北大路警部。

(北大路警部)
君。
まかしたから。

(書記の警察官)
えっ?
警部。わたしにどうしろと。

●北大路警部。
 書記の警察官を一人残して、
 勢いよく部屋を出ていった。

(書記の警察官)
警部ー!

●警察署のトイレを出てきた卯乃。
●ヤブ医者シッドは消え、
 卯乃は女子校生に戻っている。
●卯乃は顔や手足など、
 全身に大袈裟な包帯をしている。
●取調室から血相を変えて出てゆく
 北大路警部が目に入る。

(卯女)
あら、
ちょんまげ警部さんがどっか行ってやわ。

(卯乃)
ちょうどよかったね。
今のうちにお家に帰ろ。

(卯女)
おまえも、
神経の太い子やなぁ。
ほんとは、
帰りもパトカーに乗せてほしかったけど、
1回乗れたし、まあええわな。

●取調室の前にさしかかる、
 卯乃と卯女。
●先生の奇声が聞こえる。

(上終先生)
うきゃきゃきゃーー。
描きてーー。描きてーよーー。
描きてーーー。

●何かが壊れる音。

がちゃん。ばりーーん。
どん。

(書記の警察官)
警部ー!
誰かー!
来てくださーーい。
助けてーー!

●ドアの向こうの声に聞き入る卯乃。

(卯乃)
先生・・・・。
おばあちゃん。
先生は、この後どうなるん。

(卯女)
心はもう鬼のもんになってしもた。
外見は先生やけど、
心は鬼や。
おまえの事もわからんし、
自分の事もわからん。
ほんで、
このまま、ずーっとほっとくと、
最悪、体も鬼になっていくんや。
そうなると、
今度はこの世で人を食べるようになる。

●だんだん涙が出てきた卯乃。

(卯乃)
そんな・・・。
先生・・・。
ごめんなさい。
わたしがダメなばっかりに、
ごめんなさい。

(卯女)
まあ卯乃。
あきらめるのはまだ早いで。
先生のために
おまえができる事が、
まだあるで。
うまいこといったら、
先生、助けられるかもしれへんで。

(卯乃)
ほんと?
ほんと、おばあちゃん。
まだ間に合うの?

(卯女)
それは、わからん。
時間との勝負や。
でも焦ってもしゃあない。
ゆっくり話したるわ。

●警察署のロビーにさしかかる
 卯乃と卯女。
●ロビーの長椅子に猿渡さんが、
 泣き疲れて寝ている。

挿絵(By みてみん)

(卯乃)
あ、猿渡さんだ。

(卯女)
なんやお前の知り合いか?

(卯乃)
うん。
いっつもわたしをイジメる
嫌な人。

(卯女)
こんなとこで
なんで寝たはるんやろ、
サイフでも落とさはったんやろか。

(卯乃)
ううん。
猿渡さんのお母さん、
今ここの警察に捕まってるの。

(卯女)
なんか悪いこと
しはったんか?

(卯乃)
悪いことは悪いことなんやけど、
落書き。

(卯女)
なんや、鬼のせいかいな。

(卯乃)
うん。
そうみたい。

(卯女)
お父さんやら、
家の人はどうしたんや。
みんな捕まったんか?

(卯乃)
ううん。
お母さんだけ。
猿渡さん、一人っ子みたい。

(卯女)
気の毒に。
うちに連れて帰ったろ。
もしもし、
もし。
こんなとこで寝とったら、
風邪ひくよ。

●目を覚ます猿渡花子。

(花子)
う、うん。
あ、ありがとうございます。
平気です。
あ、望月さん。
どうしたん?そのケガ!

(卯乃)
いやぁ、ちょっと、
レーザービームに撃たれちゃって。

(花子)
はぁ?
からかってんの?

(卯女)
事情は卯乃から聞きましたよ。

(花子)
事情って?

(卯女)
申し遅れました。
わたしは卯乃の祖母の
卯女と申します。

(花子)
あ、はじめまして、
わたくし、猿渡花子と申します。

(卯女)
花子さん。
きれいな名前やねぇ。

(花子)
ありがとうございます。
ところで、望月さん。
なんであんたがうちの事情知ってんの?
もうニュースで流れたん?

(卯乃)
う、ううん。
た、たまたま、猿渡さんの
家の前通りかかっただけ、
そしたら、警察の人が・・・。

(花子)
そう。
そうなの。

(卯乃)
ねえ猿渡さん。
よかったら今日
うち来る?

(花子)
はあ?いやよ。
なんであんたのうちなんか。
あんたんとこ行くくらいやったら、
風美か翼のとこに行くわよ。

(卯乃)
ねえおばあちゃん。
言ったとおりでしょ。
この人私の事嫌ってるの。

(卯女)
そうみたいねぇ。
まあまあ花子さん。
お母さんの事に関しては、
うちらもまんざら関係ないわけや
無いさかい、
お願いですし、
今晩だけでもうちに来てくれませんか?
警察からの連絡もうちにするよう
後で頼んどきますし、
どう?
お願い。
来て、ね。いいでしょ。

(花子)
はあ。

(卯乃)
おばあちゃん。
無理に誘ったら悪いよ。

(卯女)
おまえは果てしなく
心の狭い子やなぁ。
お前が気まずいだけやんかいな。
花子さん。
こう考えましょ。
この子、あんたがうちに来たら
すごい嫌みたいですわ。
ぜひうちに来て、
この子を嫌な気持ちにさせてやってください。
あなたも本望でしょ。

●にっこり微笑む卯女。

(花子)
おばあさん・・・。

●卯女を見つめて、
 がまんしてた涙があふれだす花子。
●卯女に抱きついて号泣。

(花子)
おばあさーん。
うわーーーん。
うっ、うっ、うーーー。

(卯女)
心細かったんやねぇ。
かわいそうに。
さ、行こか。

(花子)
・・・はい。


●高野川のほとりにたたずむ
 鴨川警察署。
 そろそろ日が傾き始め、オレンジの光線が、
 玄関ロビーに差し込む。
 全身傷だらけで包帯ぐるぐるの卯乃と、
 うなだれて肩を落とす花子。
 その花子の背中をそっと手で押してやる
 小柄でかくしゃくとした卯女。
 落書き犯の逮捕に向かう警察官たちが、
 3人に目もくれず、慌しく出動してゆく。
 けたたましいパトカーのサイレンの音。
 その喧騒に紛れ、夕日に溶け込むように、
 3人は警察署を後にした。

次回をお楽しみに(^-^)/
ぷるるん戦士奮戦記【日本諸鬼】エンディングイメージテーマ♪
         ↓
http://www.youtube.com/watch?v=AHJ2T0EeiLM&feature=channel




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

~月読神社のおみくじで運だめし・卯乃の声も聞けちゃう~
ぷるるん戦士奮戦記「日本諸鬼」オフィシャルサイト !
http://www.ms-06zaku.com/pururun/

いつでもどこでも、ぷるるんアクセス!携帯用サイト!
http://www.ms-06zaku.com/pururun-p/

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ