第5巻 姉と母とテスト勉強
第50話・「試召戦争禁止令!?」
「……へぇ~」
「なにさね」
おはようございます。こんにちは。こんばんわ。音橋絵里です。
私は今、学園長室にいます。はい。ええ。勿論学園長もいますよ?
「全く……私達のFクラスが大変なことになりますよ?特に一部の生徒が」
「分かってるさね」
「1人は結婚という人生の墓場を迎えるかもしれないのに……そして私は貞操を今にでも奪われそうなのに……」
「何があったさね!?まぁ、とにかく……今回ばかりは駄目さ」
「でも、雄二や明久が黙っていないと……」
バタンッ!
「雄二……」
「ん?何だ、絵里か……」
「……ん~っと……」
私は小さな機械を取り出します。んと……設定範囲は学校内っと……
『検索中………検索終了。時速約30㎞程で霧島翔子が移動中。吉井明久、西村宗一、島田美波の追いかけっこにより逃走中』
「……なんだその便利な物は」
「検索ワードです」
「……………これだからFクラスは……」
「だが、話しがあるぞ、クソババア」
「学園長ですよ、雄二」
全く……いつもと変わりませんね
「俺だって考えもなしにここに来るような馬鹿じゃない」
そう雄二が言うと……
『吉井明久接近中』
「え?」
「更には、奇怪醜悪な老人のオブジェ」
「出会い頭に罵倒かい!本当に礼儀知らずなガキだね!」
「まぁまぁ、学園長……」
怒る気もわかりますけどね。
「あれ?雄二に絵里。こんなところでどうしたの?あと雄二、お前は徹底的にぶっ殺してやる!」
「明久、落ち着いて下さい。雄二、あなたは何をしたんですか」
いつもながら呆れますね。
「で、用でもあるのかい?」
「ああ。さっき喚び出した召喚獣が何もしていないのに消えたんだが、何かあったのか?」
「はぁ……音橋、説明してやんな。アンタのクラスのクソガキ共だからねぇ」
「あはははは……学園長、地味に面倒ごと押しつけてくれますね……怒りますよ?……まぁ、とにかく、説明してあげます。まず、召喚獣が勝手に消えたのは不具合の一部ですね」
「白金の腕輪のか?」
「いいえ。試験召喚システムそのものの不具合です……そして、その不具合の調節のため、期末試験まで試召戦争は禁止です」
私は思いきってこの事実を伝えます。すると……
「「えぇぇえぇえぇぇっっっっ!?!??!?!?!?」」
「な、なんで、なんで試召戦争が禁止に!?不具合はすぐ直せるんじゃないの!!?」
「そ、それは――」
「決まってるさね。アンタらが試験召喚システムの本質を見失っているからだよ」
学園長が私が言うよりも早く言います。学園長……
「試験召喚システムの本質?」
「そういうことです。『学生の勉学に対するモチベーションの向上』です。それなのに、私達Fクラスと言えば、壁の破壊・教頭室の爆破・学年全体の覗きなど……細かい部分を数えればきりがありません」
「そしてまた試召戦争騒ぎ――学生の本分を逸脱するばかりか悪い方向へと進んでいるじゃないか。まともに勉強をしているのかい?」
「う……」
明久はやっていませんね。確実に。やっているとしたらゲームくらいでしょう。
「だが、騒ぎを繰り返すうちに俺たちの成績は向上しているはずだ。潰れた授業の為の補習だって受けているしな」
「そ、そうですよっ。きちんとやることはやっています!」
「事実がどうあるか、じゃないんだよ。世間からどういう目で見られているのかが問題なのさ」
学園長も少し疲れた顔をします。
「私たちの通う文月学園は試験召喚システムという変わったものを導入しているおかげで、世間の注目を集めています。だから世論にはかなり弱く、内部だけでなく世の中で認められなければなりません。そして、だからこその禁止令です」
「それに、別にずっとってわけじゃない。あと1週間程度で期末試験で、そのあとは夏休みだろう?2学期なんてあっという間さ」
学校があるのはあと3週間ほど。長いわけではありません。
「明久にも分かりやすくまとめるとですね、試験召喚システムの不調もあるにはあるけれど、メンテナンスの休みは世論に対する隠れ蓑で、実際は期末試験に集中させる為に禁止にするということです」
「アンタはやっぱり役に立つさね……どうだい、教師にならないかい?」
「お断りです☆」
「えっと、それって……?」
え……これでも分からないんですか?
「要するに、だ。『試召戦争を禁止にするから、その間は期末テストに集中して良い結果を出せ』ってところだな」
明久がようやく納得したような顔になりました。
「とは言っても、アンタらみたいなのはどうせそれだけじゃまともに勉強なんてしそうにないしねぇ……」
…………その事について話し合っていたんですけどね……あ、そうだ。
「成績の向上が見られないようであれば、特別夏期講習でも行おうか」
「そ、それは酷いですよ学園長!試召戦争を禁止にする上に夏休みが減るなんてあんまりです!」
「贅沢なことを抜かすクソジャリだね。なんなら夏期講習に加えて、試召戦争を3学期まで勉強漬けにしてやってもいいんだよ?」
「うげ……」
私としてはどっちでも良いんですけど。
「まぁアンタらの言いたいことも分からないでもないよ。この話は明日あたりに公表する予定だったけど、アンタらだけじゃなく他の生徒たちからの反発も想像に難くないさね」
「まぁ、その反発の殆どがうちのFクラスでしょうけど……」
「だから、今回は特別にシステムのリセットをオマケにしてやるよ」
「システムのリセット?」
「メンテナンスの件もあるし、一旦システムに蓄積されているデータを白紙に戻してやるって言ってるのさ。そうすると、少しはやる気が出てくるんじゃないかい?」
「ほぅ……。それは悪くない話だな」
「これなら必死で勉強ですね、明久」
………………あれ?まだ納得できていないんですか?この馬鹿……
「明久君、用は、ここで良い点を取ると装備が良くなるかもしれないんですよ~?」
私は子供に言い聞かせるように言います。
「つまり、期末試験の点数次第では俺たちの装備がまともなものになる可能性があるってことだ」
「え!?そうなんですか学園長!?」
全く……ここまで言わないと分からないんですか……
「本当なら学年末試験でしか変更できないところを、今回は特別にと言うことです」
「本来勉強っていうものは誰の為でもなく自分のためにやるもんだから、こういうのは間違っていると思うんだけどね……。今回は事情が事情なだけに特別さ」
あれ?初めて学園長が教育者に見えてきました。
「わかりましたっ!期末試験がんばりますっ!」
「どうしたんだ明久。急にそこまでやる気を出して」
「珍百景ですね」
「よしっ!やろう雄二、絵里!期末試験で良い点数を取って2学期の試召戦争で確実にAクラスの設備を奪取するんだ!」
「え、あ、はい……」
「お、おう。そうだな」
本当に珍百景ですね……
「バカどもの頭でも理解できたようでなによりさね。それじゃ、用が済んだらさっさと出て行きな、ジャリども」
「はいっ。それじゃ、失礼します!」
「今廊下に出て行ったらアイツラが!!」
「?」
明久が扉を開けるとそこには……
ガチャッ
「「「「ウェルカム」」」」
……美波、瑞希、翔子ちゃん、西村先生の4人が立ちはだかっていました。
え?何で?
「アンケートの数が少ないですね」
「ちょっと寂しい……」
「トモ、落ち込まないの」
「まぁ、しょうがないんじゃないか?感想入れるのにも少し躊躇うことがあるしな」
「まぁ、ウチの小説は軽いですからそんなに考え込むことないんですけどね」
「まぁ、言えてるわね」
「そうだよね。気軽に感想入れて欲しいかな……」
「まぁ、そういうわけですので、どんどん感想入れちゃって下さい」
「対応は私達オリジナルキャラと、要望があれば原作キャラが相手をするわ」
「まぁ、一番答えて欲しいのはアンケートだな。アンケートに投票しても良いという方は49話の後書きを参照してくれ」
「ではまた次回お会いしましょう」
「「「「お楽しみに!」」」」
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