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第1巻 人生と進級と宣戦布告
第14話・ラブレター争奪戦・同性愛なんてみじんも興味はないんですよ?
「ふぁ・・・」

眠いです。もう無理と思えるほど眠いです。いつもどおりに登校しているのに、どうしていつもより眠いかというと・・・

「・・・絵里、今度は逃がさない・・・」

翔子ちゃんが原因でした。ちなみに、先週はこんな事も・・・

回想ーーーーーーーーーーーー
「あれ?美波?」

そこには、謎の女子生徒に捕まっている美波の姿がありました。関わるなという警戒信号が鳴り響いたので、私はそこを素通りしようとしましたが・・・

「あら?あなたは、音橋絵里様じゃありませんか?」
「・・・何で私の名前を知っているんですか・・・」
「もちろん、あなたは女子・男子問わず、虜にしていますから」

そんなこと聞いたのは初耳なのですが?

「ああ、確かに噂どおりあなたも魅力的な・・・」

逃げましょう、さっきの警戒信号がますますあがっていきます。

回想終了ーーーーーーーーーーー
何て事がありました。

「って、本当に人間離れしてませんか、翔子ちゃん!?っていうか、いつの間に現れたんですか!清水さん!?美波でも襲ってくればいいじゃないですか!」
「美春のことは美春とおよび下さいませ!そして、お姉様はすでに24時間どこで何をしようが把握できる準備が出来ています!」
「怖い!それはそれで、ストーカーされるよりも怖いですよ!?」

くぅ・・・今でも念動力サイコキネシスをつかって、常人の何倍かの速さで走っているのに、なぜか、追いつかれそうです・・・こうなれば、とっておきを・・・

「翔子ちゃん!」
「・・・ちゃんは無しの方が良い」

何を言ってるのか分からなくなってきましたね!?

「この間、雄二が瑞樹の方が優しくて好みだって言ってました!」
「・・・ちょっと行ってくる」

これで1人減りました!あとは清水さんだけです・・・

「清水さん!」
「嘘です!お姉様の情報をあなたが知っているはずがありません!先ほども言ったように、私はお姉様の行動を24時間把握できていますので!」
「否定するの早くないですか!?」

ああ、もう、振り切るしか方法がありませんね!

「さあ、美春と共に語り合おうじゃありませんか!同性愛の魅力についてを!」
「私にそっち系の趣味はありません!」

結局の所、HRが始まる直前まで追いかけられました・・・

「おはようございます。明久、雄二・・・」
「ああ。お、おはよう絵里」
「ん、音橋か?珍しいな」

玄関に行くと少し動揺している明久と、珍しがっている雄二が居ました・・・どうやら、まだ翔子ちゃんには見つかっていないようですね。なんか、こう・・・胸に罪悪感が・・・

「い、いや~、いい朝だねっ!すごく良いことがありそうな朝だよねっ!」
「?何を動揺して居るんですか、明久?」
「ん・・・?まさか、さっき見えた手紙のようなものは・・・」
「た、ただのプリントだよ!雄二・絵里!」

手紙・・・ですか?まさか、ラブレターだったりして・・・

「まあ、別にいいんですけど・・・」

そう呟いて、下駄箱を開けます。すると、靴の上に手紙が3通ほど置いてありました。

「?何でしょう?」

1つ目は、白い便せんです。差出人の名前は書いてありませんが、表にえらく達筆な字で音橋絵里様と書いてあるのでおそろく、私宛なのでしょう。便せんを開き、軽く呼んでいくうちに、顔が赤くなったような気がします・・・これは・・・

「・・・ラブレター・・・?」

驚愕しますね。前世では1通も貰ったことのない、あのラブレターが実在するなんて・・・
とりあえず、内容の確認をやめて、差出人を確認します。名前が近づくにつれて、少しドキドキします。
そして、かかれていたのはーー



『―――です。付き合って、下さい。


 Eクラス 中林宏美』






「・・・女子ですか・・・」

全力で崩れ落ちた私を見て、明久たちが心配していたのを横目で見ながら、清水さんの言っていたことはあながち間違っていなかったなぁっと、思いつつ、残りの2通も女子であることを確認し終えると、私は、すこし神様に確認を取っていました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「工藤」
「はい」

「久保」
「はい」

チャイムが鳴ると同時に教室にはいると、3分もしないうちに西村先生がやってきました。

「近藤」
「はい」

「斉藤」
「はい」

いつもどおりに進んでいる出欠確認に皆さんは、気だるそうに返事を返していきます。ぽかぽか陽気のなか、さっきまでのこともあってか、眠くなっていきます。ですが、そんな眠気もこらえつつ、しっかりとしたまじめな態度で受けなければ・・・そんな矢先のことでした。

「坂本」
「・・・明久がラブレターを貰ったようだ」

『殺せぇぇッ!!』

この事件はそんな雄二の一言のせいで始まったとは、今の私ですら気が付きませんでした。

「ゆ、雄二!いきなり何てこと言い出すのさ!」

そう言う明久。小声だったのにもかかわらずクラスの皆さんは聞こえていたようですね。
怒号が飛び交う教室。これがその証拠といえるでしょう。その会話で分かった事はやはりFクラスは他人の幸せを許さないと言う事でした。

「お前らっ!静かにしろ!」

ですが、すぐに西村先生の一括がはいります。ですが、出欠確認の前に先送りできない問題が発生しています。男子のさっきに負けじと瑞樹と美波からふのオーラが漂っていきます。
それを知っているのかは分かりませんが、西村先生は出欠確認を続けます。

「手塚」
「吉井コロス」

「藤堂」
「吉井コロス」

「戸沢」
「吉井コロス」

「皆落ち着くんだ!返事が吉井コロスに変わってるよ!」
「吉井、静かにしろ!」
「そうですね。少し静かにして下さい、明久」
「そ、そういう絵里だってラブレターを貰ってたじゃないか!しかも女子から3通も!」
「ちょ、明久!?今はそれは関係な――」

思わず立ち上がりそうになったその時、

『何だってっ!!?』

っと、本日二度目の絶叫が教室に響きました。

「須川!相手の確認を急げ!」
「分かってる・・・よしっ、分かった!相手はEクラス代表、中林!」
「何!?Eクラス代表までおとしたと言うのか!」
「2人目は、Aクラスの佐藤美穂!」
「Aクラス戦のあの時か!?」
「3人目は・・・Bクラス里井真由子!」
「くっ、流石は絵里お姉さま。もう新しい女性を惑わしてしまうなんて・・・!」
「ムッツリーニッ!カメラの準備は!?」
「・・・・・・もう、終わっている・・・・・・っ!!」

ああもう!この教室はどうなってるんですか!というか須川君、あなたはそれをどうやって調べたんですか!?
って、ん?何か今、聞こえるはずのない声を聞いたような・・・?

「って、美春!?アンタなんでここにいるの!?」
「ああ、美波お姉さまのことが愛しくて、思わず来てしまいました!」
「ちょ、帰りなさいよ」

今ここで1番取り乱さなきゃ行けないのは私なのに・・・

「嫌です!絵里お姉さまの新しい女性との門出を、美春が祝わなくて誰が祝うと言うのです!」
「誰も祝わなくていいですからね?」
「お前ら、静かにしろといっただろう!」

清水さんをなだめていると、またも西村先生からの一括。今西村先生が神様のような気がします

「清水は自分の教室に戻れ。他の生徒も各自席に着け!出欠確認を続ける」

清水さんは渋々といった風で教室から出て行き、他の皆さんも一応席に着いたようですね。

「新田」
「とりあえず吉井はコロス」

「布田」
「だが音橋はどうする?百合は俺たち男子の入ってはならない禁断の領域だぞ」

「根岸」
「まずは吉井をコロス。その後に暖かく見守ろう」

勝手に妄想しないで下さい。このクラスにいる人は、瑞樹や美波以外全員滅べばいいのに・・・


ーーーーーーーーーーー


その後、西村先生が職員室に戻り、なんだかんだで明久が逃走しました。

「で、どうする?明久の事だから、トイレの個室で読むとかそういったことは思いつかないだろう」
「でしょうね。おそらく明久は、下見も兼ねて屋上へ行くはずです。そこで待てば問題はないでしょうね・・・この私に恥をかかせた罪・償わせてくれるッ!」
「絵里ちゃん・・・口調がいつもと違いますよ・・・」
「と言うかお主ら、たかだか、恋文程度でそこまで目くじらを立てんでも・・・」

秀吉が何かを言っています。それは違いますね

「違うぞ秀吉。俺は別に、明久にラブレターが来たことに嫉妬してるわけじゃない」
「私もですよ。別にラブレター自体はどうでもいいの」
「じゃったら・・・」

秀吉が反論しようとしていますが、違うんです。

「簡単に言うとですね、秀吉」
「ああ、俺たちは」
「?」

珍しくと言っていいほど、今日は雄二と気が合います。

「明久の幸せが、単純にムカつくんですよね」
「明久の幸せが、単純にムカつくんだ」
「お主ら、存外鬼畜じゃのう・・・」

だって、私だけが同姓からラブレターを貰っているというのに、何で明久は異性からなんですか!
・・・ラブレターを粉々にするまで気が収まらないじゃないですか・・・

さてはて、一体どういう事になるのやら・・・
と、ラブレター話を入れてみました。ラブレター話の後編の前に、ちょっとしたお話を入れたいと思っています。ちょっとややこしくなっていますが・・・


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