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第1巻 人生と進級と宣戦布告
第11話・Aクラス戦交渉
「もしもし?」
『あ、絵里?久しぶり~、元気だったの?』
「え・・・お母さんっ!?」
『お父さんも居るぞ~?』
「お、お父さんまで・・・」

今の電話の主は第2のお父さんとお母さん・・・いつも海外でお仕事中。ちなみに、仕事内容は、実の娘である私も知りません・・・というか知ってはいけない気がするんです。

「で、何か用があるの?」
『特にはないんだけど、暇がとれたから、電話しようと思ってね~。ね、お父さん?』
『そうだよ、私たちの大事な絵里にウジ虫共がひっついてないか心配だからかけたんだよ~』

・・・転生したときから思っていたことですが・・・本当に親バカすぎませんか!?

「だ、大丈夫だよ。」
『それならいいんだよ?』
『絵里?最近学校はどう?明久君達と仲良くやってる?』
「はい。最近はーー」

重要な部分だけ、両親に教えてあげます。ちなみに、言葉遣いが変わっているのは、気にしないで下さい。

「ーーって感じで、とっても楽しいよ?」
『そうか、ずいぶん楽しそうだね?お母さん?』
『そうねぇ・・・』
「そういえば、今はどこに居るの?」
『今?今はなぁ「音橋隊長!書類かたしておいてくださいよ!」・・・すまん、また今度にしてくれ。あと、詳しいことはお母さんに聞いてくれ!』
「は、はい・・・が、頑張ってね?」
『ああ、頑張ってくるよ~』
「で、お母さん、今はどこにいるの?」
『今はね、アメリカにいるのよ』
「アメリカかぁ~いいなぁ」
『今度、おみやげ送るわよ。じゃあ、もうきるわね。』
「うん」
『あ、それと今度文月学園に転校生が来るって!』
「え?それって『じゃあね~』・・・」

ツーツーツー  ピッ

転校生って・・・どういう意味でしょう・・・そう思いながらも、私はゆっくりと眠りにつきました。






そして、点数補給を終えた2日後の朝・・・
いよいよAクラス戦を残すのみとなった私達は、あと少しでお別れをする予定のFクラスで最後の作戦の説明をしていました。

「まずはみんなに礼を言う。周りのやつらに不可能だと言われていたにも関わらずここまで戦い抜いて来れたのは、他でもないみんなの協力があってのことだ。感謝している」

教卓に手を置いて、軽く礼をする雄二を見ました。これは夢でしょうか。
でも確かに、今日という日までの戦いは夢ではありません。ここにいる、Fクラスのみんなが居たからこそ、出来たことです。

「ゆ、雄二、どうしたのさ。らしくないよ?」

今の雄二の発言に変に動揺した明久が尋ねます。まぁ、雄二の本性を知っている人なら、誰しもが思うことですね。

「ああ。自分でもそう思う。だが、これが本当の俺の気持ちだ」

周囲の人たちを見てみると、今までの戦いを思い出しているのか、みんなが目を閉じています。

「ここまで来たからには、絶対にAクラスに勝ちたい。勝って、生き残るには勉強すればいいってもんじゃないという現実を、教師どもに突きつけるんだ!」
「「「「「「おおーっ!」」」」」」
「「「「「「「「そうだーっ!」」」」」」」
「「「「「「勉強だけじゃねぇんだーっ!」」」」」」

最期の戦いを前に、皆さんの士気が上がっていきます。

「みんな、ありがとう。それで残るAクラス戦だが、これは一騎討ちで決着をつけたいと考えている」

この間、私たちに説明したことを、皆さんの前で言う雄二。
その雄二の言葉にクラスの皆さんは、かなり驚いた様子で、教室中にざわめきが広がります。

「どういうことだ?」
「誰と誰が一騎討ちをするんだ?」
「それで本当に勝てるのか?」

「落ち着いてくれ。それを今から説明する」

雄二が教卓を叩いて教室中のざわめきを止めます。まぁ、当然の反応ですね。

「やるのは当然、音橋と翔子と行きたいところだが、俺と翔子だ」

私が代表ならともかく、代表じゃない私がやったらいつかのクズさんと同等になってしまいます。クラスの代理という点ならば、代表同士の対決が当然です。

「絵里なら分かるけど、アホで馬鹿の雄二に勝てるわけなぁぁっ!!!」

雄二が明久の頬にカッターを投げ、そのまま壁に突き刺さったカッターを明久の耳に持っていきます。

「次は耳だ」
「いえ、致命傷をねらうなら首ですよ☆」

面白そうですね☆

「まぁ、明久の言うとおり確かに翔子は強い。まともにやりあえば勝ち目はないかもしれない」

雄二は明久の言葉を認めて発言します。それを聞いて明久の首に当てていたカッターを離します。
もうちょっとだったのに・・・残念です。

「だが、それはDクラス戦もBクラス戦も同じだっただろう?まともにやりあえば俺達に勝ち目はなかったからな」

まぁ、雄二の言うとおり、まともなやり方じゃ勝てなかったでしょうね。むしろ、真っ正面から何て、無理に決まっていますからね。

「今回だって同じだ。俺は翔子に勝って、FクラスはAクラスの設備を手に入れる。俺達の勝ちは揺るがない」

まぁ、自分たちも周りの人も勝てないと思っていた戦いにこれまで勝ってきたのですから雄二の地位があります。雄二の話を信じない人はこのクラスにはもう居ないでしょう。

「俺を信じて任せてくれ。過去に神童とまで言われた力を、今みんなに見せてやる!」
『おぉぉーーーっ!!』

日々強くなっていく団結力は雄二を信じ切っている証拠とも言えるのでしょうかね。

「さて、具体的なやり方だが・・・一騎討ちではフィールドを限定するつもりだ」
「フィールド? 何の教科でやるつもりじゃ?」
「日本史だ」

私はここまでの作戦については雄二と前々から話していましたが、対Aクラスについては俺に任せろとのことで聞かされていません。しかし、日本史ですか・・・さすがに、私の煉獄帳にものっていません・・・

「ただし、内容は限定する。レベルは小学生レベルで、100点満点の上限あり、召喚獣勝負ではなく純粋な点数勝負とする」

なるほど・・・そのやり方なら、雄二にも勝算があると言うことですか・・・でも、小学生レベルなら、100点満点取ること間違えなしじゃないんですか?

「でも、同点だったら、きっと延長戦だよ? そうなったら問題のレベルも上げられちゃうだろうし、少し雄二に厳しくない?」
「確かに明久の言う通りじゃ」

明久の言ったことは間違っていませんね。でも、小学生レベルなら明久でも解けるじゃないんですか?

「おいおい、あまり俺を舐めるなよ?明久ほどバカじゃないからな。そこまで運に頼りきったやり方を作戦とまでは呼ばない」
「???それなら、霧島さんの集中を乱す方法を知っているとか?」
「いいや。アイツなら集中なんてしていなくても、小学生レベルのテスト程度なら何の問題もないだろう」

確かに、霧島さんほどの人なら、集中力を乱すという程度で点数が下がるなんて事はありません。

「雄二。あまりもったいぶるでない。そろそろタネを明かしてもいいじゃろう?」

クラスの皆も秀吉の言葉にうなずきます。確かに私も気になりますね。

「ああ、すまない。つい前置きが長くなった」

今までの言っていたことをもとに考えて、最も近そうな答えはーー

「俺がこのやり方を提案した理由は1つ。それは、「ある問題が出れば、霧島さんは必ずは間違えると知っているからですか?」・・・その通りだ」

雄二の声に合わせるようにして言ってみます。まぁ、これならある程度は説明が付きますね。

「音橋の言った通り、俺はアイツが必ず間違えると知っている。そしてその問題は――大化の改新」
「大化の改新? 誰が何をしたのか説明しろ、とか? そんなの小学生レベルの問題で出てくるかな?」

明久の質問。それにしても、私はそんなこと聞いてませんね。

「いや、そんな掘り下げた問題じゃない。もっと単純な問いだ」
「単純というと――何年に起きた、とかかのう?」
「おっ。ビンゴだ秀吉。お前の言う通り、その年号を問う問題が出たら、俺達の勝ちだ」

大化の改新の年号ですか。完全記憶能力って本当に便利ですね。645年・・・簡単に出てきますよ・・・この程度なら、明久ですら解けそうな問題ですね。

(明久、ちゃんと分かってるんですか?)

念のためと言うことで聞いてみます。

(もちろんだよ。鳴くよ(794)ウグイス、大化の改新って覚えているもんね)

・・・何でこんなにバカですかね、明久は・・・何か聞いたのは自分なのに気の毒になってきました。

「大化の改新が起きたのは、645。こんな簡単な問題は明久ですら間違えない」

途端に私とみんなから目を逸らす明久。

「だが、翔子は間違える。これは確実な情報だ。そうしたら俺達の勝ち。この教室とはおさらばってワケだ」

これが雄二の作戦ですか・・・でも、その問題がでればって事ですから、結局は運試しってことに・・・

「あの、坂本君」
「ん? なんだ姫路?」
「霧島さんとは、その……仲が良いんですか?」

ああ、そう言えばしばらく前から呼び捨てにしてますね。

「ああ。アイツとは幼なじみだ」
「総員、狙えぇっ!」
「なっ!? なぜ明久の号令で皆が急に上履きを構える!?」
「黙れ男の敵! Aクラスの前にキサマを殺す!」
「俺が一体何をしたと!?」

Fクラス男子全員が両手に上履きを抱えながら、顔はもの凄い形相。かなりシュールな光景です。ていうか、怖いです。

「遺言はそれだけか? ・・・待つんだ須川君。靴下はまだ早い。それは押さえつけた後で口に押し込むものだ」
「了解です隊長」

いつの間にか隊長になっている明久。そんなに羨ましいんですかね・・・
すると、トントンと肩を叩かれました。振り返ると瑞樹が。

「あの、絵里ちゃん」
「なんですか?瑞樹」
「吉井君も霧島さんが好みなんでしょうか?」
「どうでしょうね・・・推測ですが、霧島さんは美人でスタイルも良いですし才色兼備って聞きますから・・・明久の趣味に近いんじゃないんですか?」
「・・・」
「えっと、なんで瑞樹は明久に攻撃態勢を取ってるんですか!? 美波もなんで明久に向かって教卓なんてものを投げようとしてるんですか!?」

さすがにそれは明久が可哀想です。っというか、私が責任を取らなきゃいけないじゃないですか!

「まぁまぁ。落ち着くんじゃみんな」

手を叩いて、みんなを沈める秀吉・・・今、秀吉が神々しく見えるのは明久と雄二でしょう。

「む。秀吉は雄二が憎くないの?」
「冷静になって考えてみるが良い。相手はあの霧島翔子じゃぞ? 男である雄二に興味があるとは思えんじゃろうが」

?何の話なんでしょう・・・

「むしろ、興味があるとすればじゃ・・・」
「・・・そうだね」

すると明久達の視線が瑞樹に向けられたあと、私にも向けられます。・・・何か身震いが・・・

「な、なんですか? もしかして私、何かしましたか?」
「なにか悪寒がするのですが・・・気のせいだと言って下さい・・・」

慌てている瑞樹と悪寒がする私・・・このほかの共通点が私たちが女であること・・・まさか・・・いえ、ありえません。あの霧島さんがまさか・・・

「とにかく、俺と翔子は幼なじみで、小さい頃に間違えて嘘を教えていたんだ」

それでですか。しかし、神童と呼ばれていた雄二がどうして間違いなんて・・・珍しいこともあるものですね。

「アイツは一度教えたことは忘れない。だから今、学年トップの座にいる」

そうですか。
霧島さんは一度覚えたことは絶対に忘れない。けれど、今回はそれが仇となると言うわけですか。まぁ、私も一度覚えたことは忘れないようにしてもらってるんですけど・・・

「俺はそれを利用してアイツに勝つ。そうしたら俺達の机は――」

『システムデスクだ!』

これからFクラスの勝利への階段が始まりました

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「一騎討ち?」
「ああ。Fクラスは試召戦争として、Aクラス代表に一騎討ちを申し込む」

今回は代表である雄二を筆頭に、私、明久、瑞樹、秀吉に康太と主要メンバー勢揃いでAクラスに来ていました。

「うーん、何が狙いなの?」

現在私達と交渉のテーブルについているのは秀吉の双子のお姉さん。初対面の私には、見分けることはかなり困難かと思われます。まぁ、ファルコン情報があるのですけれど・・・

「もちろん俺達Fクラスの勝利が狙いだ」

悪魔のような笑みで宣言するのは雄二です。
まぁ、木下|(姉)が怪しむのも無理はないでしょう。下位クラスに位置している私達が、学年トップである霧島さんに一騎討ちで挑もうというのですから、普通は何か裏があるのではと考えます。考えない人がいるのなら見てみたいですね。

「面倒な試召戦争を手軽に終わらせることができるのはありがたいけどね、だからといってわざわざリスクを犯す必要もないかな」
「賢明だな」

まぁ、予想どおりと言えば予想どおりですね。私も一つ言っておきましょうか。

「ところで、Cクラスとの試召戦争はどうでした?」

私は、作り笑顔を作って木下|(姉)に問いかけます

「?誰だったかしら・・・まぁ、いいわ。時間は取られたけど、それだけだったわよ? 何の問題もなし」

秀吉の挑発に乗って、昨日Aクラスに攻め込んだCクラス。
その勝負は半日で決着がついて、今CクラスはDクラスと同等の設備で授業を受けているところですね。

「あなた達はBクラスとやりあう気はありますか?」
「Bクラスって、昨日来ていたあの・・・」
「ええ。アレが代表をやっているクラスですね。幸いにも宣戦布告はされていないようですが、あんなのに宣戦布告されたらどうするんですか?」

ちょっと、嫌みっぽく言ってみます。この罠に引っ掛かるか、掛からないかで勝負が決まります。
っというよりも、あんなのと一緒の空間にいたくないのが正常な人間の反応ですね。

「でも、BクラスはFクラスと戦争したから、3ヶ月の準備期間を取らない限り試召戦争はできないはずよね?」

試召戦争の決まりの一つ、準備期間。
戦争に敗北したクラスは三ヶ月の準備期間を経ない限り自ら戦争を申し込むことはできません。これは負けたクラスがすぐさま再選を申し込んで、試召戦争が泥沼化しない為の取り決めだそうです。全く・・・学園長もめんどくさいルールを作ってくれますね・・・まぁ、そのために対処法を行っているんですけどね・・・

「知っているはずですよ? 実情がどうであれ、対外的にはあの戦争は和平交渉にて終結となっていることを・・・規約には何にも問題はありません。あ、それと、BクラスだけじゃなくてDクラスもこれに当てはまりますけど」

くすくすと笑いながら言います。これは設備を入れ替えなかったからこそできる方法です。これぞAクラス対抗のための対処法です!

「・・・それって脅迫?」
「・・・なんか、人聞きの悪いこと言わないで下さいよ・・・私はあくまで事実を述べているだけなんですから脅迫のきょの時もありませんよ」

はぁ・・・なんかこういう悪役はもうごめんですね・・・何か馴れないですし、じっとこっちを見られますし・・・

「うーん・・・わかったわ。何を企んでいるのか知らないけど、代表が負けるなんてありえないし。その提案受けるわ」
「え? 本当?」

明久は本当に気がゆるむと声を出しちゃいますね・・・まぁ、別に大丈夫でしょうけど。

「だって、あんな格好をした代表のいるクラスと戦争なんて嫌だし・・・」

相手は何も考えずただただクズさんが嫌いなだけなようで・・・

「でも、こちらからも提案。代表同士の一騎討ちじゃなくて、そうだ、お互い五人ずつ選んで、一騎討ち五回で三回勝った方が勝ち、っていうのなら受けてもいいわよ」
「う・・・」

なるほど・・・案外しっかりしてるじゃないですか・・・瑞希か私が出ることを警戒しているんでしょうね・・・多分・・・

「なるほど。こっちから姫路と音橋が出てくる可能性を警戒しているんだな?」
「うん。多分大丈夫だと思うけど、代表が調子悪くて姫路さんが絶好調だったら問題次第では万が一があるかもしれないし。・・・それに噂のファルコンさんもいるしね」

そう言ってこちらに視線をむける木下|(姉)。もう私についての情報は、全て知っているようですね。っていうか、知らなかったらかなりのバカですけど・・・

「安心してくれ。うちからは俺が出る」
「無理よ。その言葉を鵜呑みには出来ないわ」

これは、戦争だから・・・と、言い足してくる木下|(姉)・・・まさにその通りです。戦争は騙しあいですからね。

「そうか。それなら、その条件を呑んでも良い」

意外にあっさりとした返事が・・・まぁ、ここで妥協しなかったら勝ち目はほとんどありませんしね。

「ホント? 嬉しいわ」
「けど、勝負する内容はこちらで決めさせてもらう。そのくらいのハンデはあってもいいはずだ」

ここで雄二の新しい提案です。まぁ、このくらいは出しておかないとこちらが不利になってしまいますからね。

「え? うーん・・・」

またもや悩む木下|(姉)。クラスを代表しての交渉です。この会話次第で仲間の立場が変わってくるのですから慎重になってきますね。

「・・・受けてもいい」
「ぅわぁ!」
「ひゃうわっ!?」

あ、明久!何て声だすんですか!変な声出ちゃったじゃないですか・・・

「・・・雄二の提案を受けてもいい」

突如現れた静かで、凛とした声。いつの間にか霧島さんが近くに来ていました。まさか、気配を消してくるとは・・・恐るべし・・・

「あれ? 代表。いいの?」
「・・・その代わり、条件がある」
「条件ですか?」
「・・・うん」

私の返事にうなずく霧島さん。
そのまま無言で私と雄二を見た後に瑞希を値踏みするかのようにじっくりと観察していきます。そして、私達の方を向いて言い放ちます。

「・・・負けた方は何でも1つ言うことを聞く」

・・・これは、色々とヤバいのではないでしょうか?雄二にとって・・・雄二に目線を合わせると、口が引き攣っていました。条件次第ではとんでもない事態が待っているというリスク。なぜか私の中では悪寒がしてたまりません。・・・私、何も身に覚えがないんですけど。

「・・・・・・(カチャカチャ)」
「ムッツリーニ、まだ撮影の準備は早いよ! というか、負ける気満々じゃないか!」

なぜかカメラの用意をしている康太。それを見た明久が止めます。というかその行動を見て、負ける気満々とわかったんですか?

「じゃ、こうしよう? 勝負内容は5つのうち3つそっちに決めさせてあげる。2つはうちで決めさせて」

全ては譲ってくれませんでしたが、木下|(姉)からの妥協案を得ることができました。

(これでいいのか?音橋)
(本当はもう少し絞りたいところですが、今はコレが精一杯と言ったところでしょう)
(・・・分かった)

「交渉成立だな」

私と軽い会話で決めた雄二が告げます。

「ゆ、雄二! 何を勝手に! まだ姫路さんと絵里が了承してないじゃないか!」

明久の口からなぜか出てくる瑞樹と私の名前。・・・どういうことでしょう?

「心配すんな。絶対に姫路と音橋には迷惑はかけない。…………多分」 

自信満々のように言っていた雄二が最期に言った一言で、凄く不安になってしまいます。

「・・・勝負はいつ?」
「そうだな。10時からでいいか?」
「ええ、そのくらいが丁度良い頃合いでしょうね。いいですか?」
「・・・わかった」

これで舞台は整いました・・・

「よし。交渉は成立だ。一旦教室に戻るぞ」
「そうだね。皆にも報告しなくちゃいけないからね」

交渉を終了してAクラスをあとにします。私たちの試召戦争の終結は、すぐそこまで来ています。楽しみですね。今回も是非とも煉獄帳を使いたいですね。ストレス発散になるので。






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