第4話「神」
ゲートを入ってすぐある大通りは、その左右に商店が広がり、にぎやかな印象を受ける。街のいたるところが活気に満ちていた。
「まずは……泊まるところよね」
そんなことを言いつつ、エミネの視線は少し上へ向けられる。
彼女の視線の先―――そこには天高くそびえる純白の色をした塔があった。あまりにも巨大なそれはこの街のどこからでも見えることができる。
それこそが『神』の住まう塔――または『神』そのものとして崇められているものだ。
エミネの視線が心なしか鋭くなる。
彼女にはジャーナリストとしての表の仕事以外に、裏の仕事が存在した。情報屋。文字通り情報を生業とする職業で、エミネは父親からその職を継いだ。
そして彼女がこの街を訪れた目的は、中心にそびえる『神』の正体を探ることだった。
『神』は存在する。それは絶対にして唯一の世界の理であった。「なぜ?」「どうして?」などといった疑問を口にする人間は世界に存在しない。少なくとも表立っては。
しかし同時に『神』を見た者は存在しない(『神』に仕えるとされる神官は別だが)。正体は謎に包まれたままなのだ。一体、誰が、なんの目的で、いつ、『神』としたのかは謎なのであった。
その正体を探ることがエミネの今回の仕事だった。
「そして……『神殺し』」
『神殺し』――文字通り『神』を殺している人間のことだ。
『神』というものは表向き、その意思を伝えるために各都市に塔として存在しているが、それらを殺している人間がいるのだ。こちらも調べなければいけない一件であった。
「……ともかく、まずは泊まるところよね」
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