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短編(2)
作:夜鳥


『歌う』

誰が為 君が為
この声が枯れるまで


――‥誰が為?

君は問う
その無垢な瞳を煌めかせ

僕は言ふ

――‥君が為 君が為
――‥そして哀れな僕が為

誰も気付かぬ 僕の想いを
慰む為に歌う歌

泣き出しそうな想いの為に
今 僕が出来る事


――‥何の為?

意味などとうに忘れたけれど
全てはいつも 君が為

この想いが向く先も
全て 全て 君が為

故に僕は苦しいのです
張り裂けそうな 想いがいつか
君にばれてしまったら―‥

だから僕は歌うのでしょうか
歌詞のない歌を いつも いつも

言葉は"今"を伝えてはくれなくて
歌は気ままな生き物で
想いは紡ぐたび 零れてしまう

だから 形のない今にいる僕は
形を求めて 歌うのだろう

君が僕といた事を
君が此処にいた事を
僕は 刻み付けたいのです
君を忘れてしまわぬように



『旅』



僕は旅をしていたのだろう

誰も知らないセカイで

だからこんなに苦しいのだろう

誰とも分かち合えない想いだから


人は皆旅をすると言うけれど

その道は一つとて同じ物はなく

誰とも巡り合えないまま

一人 その道を行くのだろう

いつか その道の先

誰かと巡りあえたなら―‥と

夢と言う希望を抱いて

人は道を行くのだろう


だから 誰かと出会えた時に

人は幸せを感じるのだろう

喜びを得るのだろう

恋に落ちるのだろう


同じ道に出会えた 奇跡を

同じ道に生まれた 希望を

誰かと分かち合う為に














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