艦魂年代史 〜ドキッ☆恋する乙女は大艦巨砲主義〜(26/132)PDFで表示縦書き表示RDF


かすみ瑠璃るり
 日本有数の貴族兼資産家である霞家のお嬢様・翔輝の幼なじみ・翔香の親友
 出身 広島県呉市
 身長 156cm
 髪型 長髪の姫カット
 年齢 13歳
 誕生日 12月24日
 好きなもの 翔輝・翔輝の為にする事・翔輝と一緒にいる事・翔輝と一緒に寝る事・翔輝にほめられる事
 嫌いなもの 翔輝に嫌われる事・翔輝に害をなす存在・翔輝に近づく女性・自分の思うとおりにならない事
 家族構成 父 母
日本有数の貴族である霞家の一人娘のお嬢様にして次期当主。大昔から続く由緒正しき貴族で超超超大金持ちの一人娘、それが瑠璃である。その為一般人とは金銭感覚がかなりずれていて一度に使う金額が桁違い。翔輝の為なら現在の価値で億単位をもポンと出せる超超超大金持ちのお嬢様。そんな瑠璃は翔輝の子供の頃からの幼なじみで小さい頃から彼に想いを寄せており、今でも翔輝の事を心の底から慕っている。翔輝の事ならいくらでもお金を投じる事ができる。さらに独自の諜報機関を持っていて、その情報収集能力は世界でもトップレベルに入る実力で、本気を出せば軍機だろうが国家機密だろうが厳重なファイアーウォールを突破してほしい情報を手に入れる。しかしその大部分は常に翔輝の為に動いているのが現実である。お嬢様生活が長いので人より忍耐力がなくかなりわがまま。自分の思い通りにいかない事は大嫌いというかなりのもの。しかし根が純粋なので誠意を持って接すれば理解してくれる。すごい毒舌家でかなりバイオレンスな事を言い放つが少し天然なところがある本人は自覚がなくそれで相手を傷つけている事に気づいていない。意識がないので怒りようがない。ちなみに霞家は呉海軍工廠最大のスポンサーでもある。
艦魂年代史 〜ドキッ☆恋する乙女は大艦巨砲主義〜
作:黒鉄大和



第五章 第二節 史上最強の幼なじみ


 車は賑わう呉の街中を抜けて小高い丘の上に位置する霞家の屋敷(大きな学校の校舎三つ分並みの大きさ。庭に関しては東京ドーム三〇個分ほどはある。しかもこれの半分規模くらいの別荘が日本各地にある。・・・そんな場所あるか?)に着いた。
 翔輝はそのまま屋敷内に案内され、茶の間に案内された(学校の体育館並みの広さ)。もちろん内装もすばらしいのひと言である。瑠璃は上座に座り、翔輝も下座に座った。
「どうぞ」
 神鳴がお茶と和菓子を二人に差し出す。
「どうも」
「ありがとう」
 お互いに礼を言い、それを受け取る。そして、二人はそのお茶をすすった。
 相変わらずおいしいお茶を用意している。それだけ高いという事で最初の頃は拒否していたが、無理やり飲まされる内にためらわなくなっていた。
「うん。おいしい」
 翔輝が笑顔で言うと、瑠璃は心の底から嬉しそうに満面の笑みを浮かべて喜ぶ。
「それは良かったですわ。静岡の最高級の茶葉を直輸入したかいがありましたわ」
 それを聞き、翔輝はもう慣れているのか驚いた様子もなく、ただただ呆れる。
「そんな大変な事をわざわざ僕の為に?」
「もちろんですわ。翔輝様の為なら私はお金をバンバン使いますわ」
(いや、それはちょっと・・・)
 自慢げに宣言する瑠璃はいつになく自信に満ち溢れている。
「このお茶菓子も老舗に特注したのですよ?」
「そこまでしなくていいって」
「いいえ。翔輝様には全て一流品を差し上げなくてはいけませんわ」
 どうもこの娘はかなり世俗ずれしている。お嬢様だから仕方ないが、それにしてもこれはやりすぎだと思う。
 翔輝が苦虫を噛み潰した上呑み込まずに口の中に残しているような顔をすると、瑠璃は驚いたように目を見開く。
「翔輝様!? どうされたのですか!? 血色不良のゾンビみたいなお顔をされて!」
 この娘、時々バイオレンスな言葉を言い放つのだ。ひどい事この上ない。
「大丈夫だよ」
 翔輝が精一杯の笑みを浮かべると、瑠璃は一応安堵した。
「ビックリしましたわ。体調でも優れないのですか? 風邪なら首にネギを巻きますか? もちろん最高級の下仁田しもにたネギを用意しますわ」
「いや、別にいいし。それにそれ間違った民間療法だし」
 苦笑いしながらお茶をすする。瑠璃は純粋な笑みを浮かべていた。おそらく何もわかっていない。やっかいな事この上ない。
「あ、そうですわ」
 そう言うと、瑠璃は今までの優しい笑みを消して急に不機嫌そうな顔をする。
「どうして軍艦の名前を教えてくれなかったんですの? おかげで鎮守府ちんじゅふに送らなくてはならなかったじゃないですか」
「あぁ、ごめんごめん。軍の秘密なんだ」
 これはウソではない。当時『大和』は極秘だったので、一般人に口外する事はできなかったのだ。『大和』の乗組員も自分は『大和』に乗っている事を、例え親にさえ言えなかったのだ。
 翔輝は「ごめんごめん」と謝り、お茶をすする。その刹那、瑠璃が急にイタズラっぽい笑みを浮かべた。そして、恐ろしい事を口にした。
「連合艦隊旗艦・大和型戦艦一番艦・新鋭超弩級不沈戦艦『大和』ですね?」
 ゴハッ! すさまじい奇襲攻撃に翔輝はマンガでおなじみの《お茶吹き》をやってしまった。汚れた所を神鳴が拭き取ってくれた。さすが執事。
 だが、今はそれどころではなかった。翔輝は目の前で幼い顔立ち相応のかわいく笑っている少女を見る。なぜ彼女が『大和』の事を知っているのか。これは極秘中の極秘。軍機である。極秘扱いでは最高の国家機密の一つ下である。そんな事を、貴族といえど民間人である彼女が知るはずがなかった。
 なのに、どうして・・・?
「げほげほッ! あー、その、な、何で瑠璃が『大和』の事を知ってるの!?」
 たまらず聞くと、瑠璃はあんまりない胸を張って自信満々に答えた。
「ふふん。霞家の情報収集力をなめてもらっては困りますわ。これくらい造作もない事ですわ。全力を出せば『大和』の今晩の夕食の献立までわかりますわ」
 な、何と恐ろしい。
「・・・献立は何?」
「白米にハムステーキ、キャベツの味噌汁、たくあん、それに羊羹が二切れ付くそうですわ」
「・・・結構豪華だな」
「そうでしょうか? なんならハムステーキと言わず最高級の松坂牛のステーキでも食べますか?」
 あ、それはいいかも。ラッキー。
「じゃなくて!」
 翔輝は瑠璃の言葉と自分の欲望にツッコミを入れる。
「何でそんな事を知る必要があるの!?」
「私は翔輝様の全てを知る必要がありますわ」
「いや、ちょっとやり過ぎじゃ・・・」
「知る事は必要です。情報公開制度というものを知らないのですの?」
「いや、まだそんな制度は存在しないし。ってか君の情報網は時間ときも越えるのか? というかどうやってそんな情報を得てるの?」
「あら、乙女は秘密があればあるほど美しくなりますのよ?」
 よくそんな設定は聞いた事はあるが、そんな秘密はいらない気がする。
「そうなの?」
「はい。もちろんですわ」
「でも、瑠璃は十分きれいだし、かわいいと思うけど」
「え?」
 翔輝の言葉に瑠璃は顔を真っ赤にして、驚いてように大きな瞳をいっぱいに広げる。
「そ、そんな事ありませんわ・・・ッ! 私などまだまだ・・・でも、翔輝様がそうおっしゃられるなら、とても・・・嬉しいです・・・」
 ほとんど語尾の方は翔輝には聞こえなかった。だが、瑠璃の突然の変化に翔輝は心配そうにする。
「瑠璃? 大丈夫? 顔が赤いみたいだけど」
 この少年、草食恐竜並みに鈍感だった。
「へ、平気ですわ」
 顔を真っ赤にしたまま瑠璃は笑った。
 翔輝は「そう」と答えて羊羹を口に運ぶ。さすが老舗。甘すぎずちょうどいい甘味が口の中いっぱいに広がっていく。
「どうですの?」
 瑠璃は心配そうに翔輝を見詰める。翔輝は嬉しそうに、
「うん。おいしいよ」
「本当ですの? 良かったですわ」
 本当に嬉しそうな顔で喜ぶ。そして爆弾発言。
「さすが二〇円二七銭したかいがありましたわ」
「に、二〇円!?」
 翔輝は驚愕する。もちろん安すぎて驚いたのではない。むしろその逆だ。この金額を現在価値に直すと、約三万七〇〇〇円である。高い・・・
「あら? どうしたのですの? そんなバカみたいにリンゴを丸齧りしてアゴが外れたようなお顔をされて」
「いや、すごく高いからビックリして」
「そうですの? そんなに高いですか?」
「いや、高いって! 二〇円(約三万七〇〇〇円)でしょ!?」
「あら、そうですの? 私のこの着物でもたった三五〇〇円(約六五〇万円)ほどですのよ?」
「さ・・・ッ!?」
 翔輝はもう開いた口が閉まらなかった。
 ちなみに、翔輝(つまり海軍少尉)は年俸一〇二〇円(約一九〇万)(現代に比べると随分安いが衣食住全部国持ちだった上、当時は物価が安かった。だが、この時は有事時期だったので結構厳しかったらしい)である。単純計算で瑠璃の着物は翔輝の給料三年半分にもなる(昇級すれば変化するが)。
「その着物、僕の給料の三・五倍ぐらいあるんだけど」
 その言葉に、瑠璃は心底驚いたようだった。
「え、うそ? 冗談でしょ? え? 三・五倍って、年俸一〇〇〇円? たったそれだけ? 子供のお駄賃ぐらいですよ?」
「それは言いすぎだって、しかも物価の変動をちゃんと換算してね? 現代金額の一〇〇〇円じゃないよ?」
「冗談ですわ。でも軍人って死ぬほど安年給ですのね」
 そんなすさまじい事を瑠璃は笑顔で言った。
 悪気がなく、悪口を言っている事も自覚にない奴を怒るのは、相当難しい。というか無理だ。
「ま、まぁ。瑠璃は少なく思うかもしれないけど、これでも結構裕福な方なんだよ?」
「・・・なるほど、平民はそれでも十分なんですのね。また一つ成長しましたわ。これを日進月歩と言うのですわね」
 瑠璃の最近の趣味は平民(一般階級民)の文化を知る事らしい。その度に辛口な発言をされるのは辛いが。
「まぁ、喜んでくれてるならいいか」
 元気なく苦笑する翔輝。
「でも、翔輝様が望むなら資金の提供もしますよ? ほんの一万円(約一八〇〇万円)ほどですが」
 そんなすさまじい事を言い出した瑠璃を翔輝は慌てて止める。
「いや、そんなお金いらないから!」
「あら、そうですの? 足りませんでしたか? では五万(約九二〇〇万円)ではどうでしょうか?」
「いらないってばッ! そんな大金! ほとんど零戦一機分の額でしょ!?」
「あら、いらないんですの? 遠慮深い方ですね」
 瑠璃はくすくすと笑った。苦笑ではなく、純粋に笑っている所を見ると、何も全くわかってないらしい。
 翔輝はため息して羊羹(三万七〇〇〇円)を口に入れた。瑠璃も嬉しそうにパクパクと羊羹(三万七〇〇〇円)を食べる。
 それぞれの話と高級日本茶と高級羊羹(三万七〇〇〇円)は次々に進み、二人の時間はすぐに過ぎた。

 夕方になり、翔輝は夕焼けに照らされる海を見詰めた。ここに来た時は二時頃だったが、時間というのは結構進むのが早い。
「そろそろ宿を取らないとな」
「翔輝様?」
 翔輝はアタッシュケースを持って立ち上がる。
「どうされたのですか?」
 瑠璃は紅茶(やっぱり高級品)を飲みながら驚いた。
「うん? そろそろ帰ろうと思って」
「え? 帰るって長谷川家の家にですの?」
「いや、宿を取るんだけど」
 そう答えると、瑠璃は名案を思いついたように小さな胸の前で手を合わせて笑った。
「それでしたら問題ありませんわ。ここに泊まっていけばいいのですわ」
 その言葉に、翔輝は驚いた。
「ちょ、ちょっと待って! さすがにそれは・・・ッ!」
「どうしたんですの?」
「どうしたのって、孝之たかゆき(瑠璃の父、翔輝の叔父)さん達いないんでしょ?」
「えぇ、貴族会の旅行で、一週間は帰って来ませんが」
「だから、親の許可なしに泊まるのはちょっと・・・」
「あら、今更何をおっしゃるんですの? 私と翔輝様の仲じゃないですか、心配いりませんわよ」
「でも・・・」
「翔輝様。どうぞお泊りください」
 そこへ瑠璃の三杯目の紅茶(高級品)を注ぎに来た神鳴が言う。二対一。これは明らかにこちらに分が悪い。この圧倒的不利な状況を打開すべく策を考えるが、敵はそれを待ってはくれない。
「神鳴さん。『桜の間』を用意しておいて」
「はい、お嬢様」
 本人の意思に関係なく、話はどんどんと進んで行く。というか、当事者である翔輝には決定権はないのだろうか?
「だから、待ってって!」
 さすがにそろそろ自分の存在が危うくなった所で翔輝は止める。
「翔輝様。どうされたのですの? ペットショップに一匹取り残された子猫みたいな顔をして、そんなにかわいくはないですけど」
 相変わらず例えが無茶苦茶で、尚かつ痛恨の一撃の威力を持つ言葉を言い放つ瑠璃。
「だーかーらー。僕は宿を取ってそこに泊まるから、部屋の用意はいいって」
「・・・なぜですの? ここなら無料かつ最高級のお持て成しができるのですよ?」
「いいってば、僕はゆっくりしたいの」
 そう言うと、瑠璃は呆れたような顔をする。
「わからない人ですわね。ここなら最高級にゆっくりできますのに」
「別に最高級じゃなくていいから。僕は平民なんだから、瑠璃のような貴族と違って平民だから、ゆっくりも平民並みで良いの」
 特に『平民』と『貴族』に力を入れて嫌味っぽく言ってみた。さっきから色々(特に安年給)ひどい事を言われていたので、ちょっとしたお返ししてやろう・・・そう思ったのだが・・・
 ほろり・・・
「え?」
「お嬢様!?」
 瑠璃が突如ほろほろと涙を流して泣き出してしまったのだ。これには翔輝と神鳴(特に神鳴)は驚いた。
 翔輝はアタッシュケースを捨てて、急いで瑠璃の傍についた。
「瑠璃!? ど、どうしたの!? も、もしかして嫌味がダメだった!? なら謝るよ! ごめん!」
 顔を赤く染めて大粒の涙を流しながら泣く瑠璃は、とてもかわいく思えたが、今は非常時でそんな煩悩は消え失せた。
 瑠璃はしばらく嗚咽をしながら静かに泣いていたが、突然ダムが倒壊したかのようなすさまじい鉄砲水の如く涙を流し、大声で泣き出した。
「うえええええぇぇぇぇぇんッ! 翔輝様と一緒に寝るんだもん! 寝るんだもん! 翔輝様はここに泊まるんだもん! 絶対絶対ぜぇぇぇったい泊まるんだもん!」
 恥じる事なく、高い着物(約六五〇万円)が乱れてもお構いなし。まるで小さな子供が駄々をねるように手足をこれでもかとバタつかせて泣き出した瑠璃。そんな瑠璃を見て、心配から呆れに変わる二人。
 この少女、いつもは『〜ですわ』とか『〜ですのよ』とかお嬢様言葉で優雅だが、一度このように駄々を捏ねると『〜だもん』に語尾が変わり、しかも幼い子供のように絶対自分の意見を譲らない、つまりは暴走するのだ。そして、一度こうなってしまった瑠璃は、二人の経験上その願いを叶えてやらないとかなり根に持つ(無視モード・最高一ヵ月。ネチネチ言う・最高一生)のだ。だから・・・
「はぁ、わかったよ。泊まるよ。泊まればいいんでしょ?」
 呆れながらも、瑠璃が昔とちっとも変わっていない事に心配と安心で複雑な苦笑をした。
 この言葉に、瑠璃は喜んだの何の、大喜び。
「やったあああぁぁぁッ! じゃあじゃあいつものように一緒に寝ましょうね!? 翔輝様のお話聞かせてくださいね!?」
「はいはい。どうせ「嫌だ」って言っても聞かないだろ?」
「あら、わかってるじゃないですの」
「バーカ。何年の付き合いだと思ってんだよ?」
 お互いに苦笑する。そんな二人を邪魔しちゃ悪いとそっと消えた心優しい神鳴に、二人は気づかなかった。

 夕食(本当に松坂牛のステーキだった。とってもおいしかった)を終え、翔輝は霞家最高の客間『桜の間』に敷かれた布団(最高級)の中にいた。
「ふぅ、なんかすごく柔らかくて軽いな。さすが霞家使用の布団だ。絶対に天文学的値段に違いない」
 翔輝は呆れながら言う。ちなみにこれは二〇〇〇円(約三七〇万円)もするという事は知らなかった。
「しかし、布団に入ってからずいぶん経つけど、瑠璃の奴遅いな」
 そう。かれこれ三〇分以上ほったらかし状態が続いていたのだ。
 翔輝は仕方なく捜しに行こうと布団から立ち上がった時、
「翔輝様。お待たせしましたわ」
 ふすまの向こうから瑠璃の声がし、翔輝は再び布団に入る。すると、襖が開いて白い寝巻き(もちろん最高級)姿になった瑠璃が現れた。
「翔輝様。夜伽よとぎに参りましたわ」
 ちなみに、彼女が言っている夜伽とは変な意味ではなく、あくまで辞書的な意味で使っている。ややこしいのだが。
「あー、はいはい。もう勝手にして」
「もう、翔輝様ったら、そんなつれない事言わないでくださいよ」
 瑠璃はそう言って布団に潜り、翔輝に抱きつく。
「だーかーら。抱きつくなって」
「嫌ですわ」
「こいつ・・・」
 瑠璃は満足そうな笑みで翔輝の体に頬を摺り寄せる。もう十年以上の付き合いなので、もうすっかり慣れてしまっているが、やっぱり一つの布団に男女が寝るのはいかがなものかと、
「あのな瑠璃・・・」
 言いかけて翔輝はやめた。
 瑠璃は気持ち良さそうに眠っていたのだ。
「・・・ったく、僕の話が聞きたいって言ったのはどこのどいつだよ?」
 翔輝は笑いながら瑠璃の頭を撫でる。
「おやすみ」
 電気を消して、翔輝は布団に潜る。
 静かな時の中で、ふと翔輝は大和を思い出した。
「うーん、大和。何であんなに怒ったんだろ? 僕何かやっちゃったかな?」
 あそこまで激昂するという事は相当の事をやったのだろうが、どう考えてもその原因が思いつかない。これじゃ謝りたくても謝れない。そもそも明日には帰るのにこれじゃあ帰った途端に襲撃されるかもしれない。
「うーん、考えるのは明日でいいか。眠いし」
 翔輝は思考停止の為に眠りについた。







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