41話 はぁ…
なんか書いている途中で意味がわからなくなってきたんですよ…。
目の前に居るのは、家に帰れば一回は俺のことを睨んでくるであろう少女。
それは…うん、わかっているだろうが景山 栞殿であるわけでして…その少女は今まで以上にキツイ感じに睨んできている。
そして、ここで問題が1つあるわけだ。
まぁ、『問題は1つ』とか言ってはいるが……全然、1つでもない気がするし、問題なんて1つもない気もするんだよ。
この場で『敵だから』という理由で気絶でもさせて、この王都に捕まえておくのも1つの手であり……これは問題は、ほぼ何も無いわけであるが……
…母と父への、説明はどうする?
これは本当にどういうわけだ。
……というか、俺一体どうすればいいんだ?
「いつまで私の上で考えているんだ、この変態が!!」
その声が聞こえると同時に、俺の周りから鋭い風が矢のように放たれた。
「…うおぅ!?」
慌てて頭を後ろに下げるようにして、どうにか避ける。
変態って…変態って、なんかひどいわ……いや、否定はできへんけどねっ!!
…いや、変な口調になった意味は無いですよ。
いや~、いつにも増して俺の邪念が凄い!!
いつもの1,2倍(あまり変わってない)ぐらいかな~……。
「変態とか言うなしっ! 地味に傷つくんだからな」
俺は、そんな声と共に闇は出す。
人差し指から闇を紐のように伸ばし、それを振るって異様に長い鞭のようにして、栞を狙う。
それを栞は、『瞬間移動』で避けたのだが…ここは俺が無理矢理軌道を変えて来た場所、人気が少なく、狭い通路であり、栞は俺を狙っているようなので、すぐには逃げない。
なので、自然と移動する場所は限られてくるわけであり……
……闇を、この通路全体にばら撒いておけば拘束することは可能である。
「…ッ!?」
テレポートで移動し、突然現れたと同時に俺が人の目に見えないような小ささの闇をばら撒いておいたのが、一誠に動き…栞を拘束した。
ゴロリと、地面に転がった栞は…慌ててテレポートしようとするが、それは不可能だ。
何故なら、栞を拘束した闇が、魔法を発動される前に発動に必要な分の魔力を食っているわけであるからであり、俺的には魔力が溜まっていくのでウハウハである。
まぁ、少しばかりは『魔道書』対策を考えた末だ。
ハッキリ言って、狭い場所じゃなかったら、この方法を使えなかったので、それなりに苦戦していたであろう事は当たり前である。
「徹夜、大丈夫~??」
後ろから美月の声が聞こえた。
闇を回りに散布しているので、後ろを見る必要も無いのだが、周りの人間は俺と栞が起こした騒ぎで大半が逃げて行き、美月ぐらいしか居ないはずだ。
「ん、大丈夫…問題ない」
「……そこに転がっているのは?」
「義妹ドノであ~ル」
「え……色々といいたいけど、とりあえず変な口調になってると」
口調が変な感じで話してはいるが、俺内心焦ってます。
この状況をどうすれば良いのかわからないので、結構色々と焦ってます。
どうしよう、どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう。
「徹夜、混乱して顔がひどい事になってるよ?」
「……き、気にするな」
「気にしたほうがいいと思うけど……」
まぁ、確かにね……。
「とりあえず美月……お前は、この義妹ドノの事は何も言うな」
「……」
「こいつは俺が自分の家で、どうにかするわ。
さすがに家では暴れないと思うから」
そんな事を美月に言っていると、俺の目の前に居る義妹さんが騒いでくる。
「……なんで家に戻る必要がある!!」
「うっさいな~…どうせ言う事は聞かないし、しょうがないから俺が運ぶか……」
俺はそんな事をいいながら闇を出すと、闇の中に義妹殿を収納する。
さすがに俺も入った事がないので、空気の問題やら何やらがあるかもしれないので、空気も同時に飲み込んでいっている。
これならば、問題はない……はずだ。
「じゃあ、俺…とりあえず、帰るわ。
テキトーな理由をカントクに言っといてくれるか?」
「うん、任せて」
美月は、俺の頼みに楽しそうに笑いながら答えてくれる。
そんなに俺が義妹殿の事を含め、いろいろと何かをしようとしてることが面白いらしい。
まぁ、義妹殿が居なくなったら母親がなんて言うかわからないだろ? 俺が突然居なくなったせいがあるわけであり、俺的にはあまりそんな事をしたくないわけだ。
「ふむ、行くかな」
─ ─
「……ぷはァ~ッ!!」
俺の闇から出て、苦しそうに呼吸を繰り返す義妹殿。
「あれ……空気量足りなかったか?」
「途中で無くなったわ…帰るのにどんだけ時間をかけているんだ……」
苦しそうに呼吸をしている義妹殿は、俺を鋭く睨んでいる。
「いや、それはスマン……つい、コロッケが美味しそうで」
とても良いに匂いに誘われて……駅から家への道の途中にある店に寄り道しました。
「超どうでも良い事で、私は苦しまされたのか……」
そんな感じの俺と義妹殿。
「……それで、何で俺を異様に狙ってくるのかな?」
というか、最初の異世界でもあった気がするのだが、俺は前世の人の妹にも命を狙われたからね……。
もう……『妹』という存在が怖いわぁ~~。
「お前は、私の場所を奪ったんだ!!」
「は……?」
もともと俺の居場所なんだが……。
「私は、他の人が残していったモノでしか居場所をつくれないって言うのに……。
……お前が置いていった景山家の一人の子供という、居場所にやっとの事で慣れてきたのに……」
「……」
俺の周りの人の年下の家族(まぁ、例としては美月の弟の冬日とかだけど……)は、安定した常識人な気がするのに、俺や俺の前世の方の妹は、なんか少し壊れている部分がある気がするのは何故だろうか。
……まぁ、俺も俺の前世の方も、十分壊れている部分があるから仕方が無いだろうか?
「それなのに…お前は、ケロッと帰ってきて……」
俺は、どうすればいいんだ?
というか、俺さ…今、喋れないよね。めっちゃ気まずくて喋れないんだけど………。
「私は、どうすればいいんだ……ッ」
義妹殿が狂っておられるッ!!
まぁ、家に居るので下の階には、両親が居る……なので、魔法をぶっ放してこないのが、俺にとっての助けだろう。
なんか作者自身よくわからなくなってきたから、少し纏めてみようか……。
要するに、この発言と少し前の話に書いてあった孤児院の所を見てみるに……義妹殿は人との接し方が上手くないので自分の居なくなった人の変わりに、そこに入るようにしていた、というわけだが……。
景山家の居なくなった子供(俺)の変わりに、入ってきたのに……予想外な事に、俺が帰ってきてしまったことで、義妹殿的には相当焦っているわけだ。
だから、俺が帰ってきたことで除け者にされないかどうかが心配ってわけかな……。
うん…うん、う~ん。
「お前、アホだな……」
ぶっちゃけたね……俺。
「……はァ!?」
この場面で言う言葉ではない気がするよね。
「あのな~……ウチのあの両親が、俺が帰ってきたからってお前の事を除け者にするようなヤツらだと思うのか?」
親のことを『ヤツら』って……。
「……」
「ウチの、あの親はな…あいつらの息子としては、悲しくなるから言いたくないんだけども……馬鹿なんだよ。
俺が居なくなっている間の時間は三ヶ月だが……そんな短い時間で養子を取るっていう行動をしている時点で、もうアホは決定だろが……」
「言いたくないと言いながら、ボロクソに言っている……」
そこはツッコむな。
「あの馬鹿共は帰ってきた俺を含め、お前も無駄なほど可愛がるだろ……まぁ、俺はちょっと勘弁なんだけどな」
「………確かに、あれは無駄に」
さぁ、まともな人になるがいいさ!!
相変わらず、俺は変人だけどな~ッ!! ハッハッハッハッハ~~。
「それに、お前は俺が帰ってきた時点で『俺のたった一人の妹』っていう感じで、居場所は増えるだろ。
誰かの代わり、じゃなくてお前自身の1つだけの居場所を作れ、アホめ」
ふっ…俺に馬鹿にされるほど屈辱的なことは、この世に無いだろう?
「……うん」
それは俺の言葉に対してか? それとも俺の邪念に対しての返事か?
まぁ…どっちに対しての返事でもいいや。
「まぁ、とりあえずはしっかりしてくれよ……義妹殿」
俺は、そんな感じで義妹殿の頭を撫でると…半ば、涙目の義妹殿は俺を見つめてくる。
「俺の妹なんだから、俺みたいに変人になっちゃだめだぞ~」
「自分で自分の事を変人って…」
時々、この子…俺の言葉にツッコむよな。
「まぁ、とりあえず、は……だ。
作者も本格的に意味がわからなくなってきたわけだし、話を進めるか。
お前が堕勇の方で、『魔道書』なんてやっている理由とか……あるのか?」
「あれは…私が堕勇で役に立てば、ずっと堕勇として『魔道書』という居場所があり続けるから……協力しつづけろ、って……」
結局は最後まで、居場所を求め続けるんですね……義妹殿。
「じゃあ、もうソレも必要ないわけだし……もう戦う必要なんて無いよな?」
「……そうだけど、グレモアが簡単に許さないと思う」
「そこは、俺が頑張ってどうにかしようか……義妹殿。
まぁ、どうすれば良いのかわからないが…」
「名前」
「む?」
「妹なんだから、ちゃんと名前で呼んで」
何このリア充に向けられる言葉は……俺に向けて言ってないよね?
「………名前」
「栞…さん?」
「『さん』付けする兄とか、ださい」
「……もぉッ!! なんなんだよ、もういいよッ!!
とりあえず栞の事は俺がどうにかしてやるから、気にすんな~!!」
いろいろとヤケクソになった。
めっちゃ満足そうな顔してるね、栞さんは……。
「まぁ、とりあえずは、あのご老人に会う必要があるから……栞は俺のことを連れてけ。
グレモア一人と会うことは可能か?」
「一応会うことは出来る。
全員ではなく限られた堕勇だけども、グレモアを呼び出せる方法をグレモア自身に教えられるから」
「よし、じゃあ…ここじゃない世界で、それを使ってご老人と話し合おう。
一応、殺されたくないから武器も忘れずに……そして俺の幼馴染にも頼るかな」
さて、妹様引き抜き作戦(?)…行きますか。
─ ─
まぁ、簡単に呼び出せた。
それもすぐに来てくれたわけであり、異様に地面や空が黒い場所で俺と栞は老人と向かい合っていたわけだ。
「ふむ…何で『魔道書』が新入り勇者と居るのか気になるのぉ」
「はっはっは~…気にすんな、老いぼれ」
老人の言葉と俺の返答。
なんかめんどくさそうだから、相手にするつまりは無い。
「この頃、扱いがひどい気が…」
うるさいぞ、ご老人。
「いろいろと話をすると長くなりそうだから、直で話を切り出すが……栞は抜けさせてもらうから」
「……そう簡単に、抜け出されてもらっては困るんだが」
「じゃあ、実力行使とか…?」
俺が、そんな言葉を言うと同時に老人の隣に少女が現れる。
その少女は、切り裂いたように空気が割れ…その割れ目から、出てきた。
その手には刀が握られている。
「……『妖刀』」
栞が、そんな事を呟き…手に持っている杖を少し揺らし始める。
いきなりの攻撃に対して備えているのだろう。
「出てこなくていいと言ったであろう…葵」
それに対して、そんな事を呟くご老人。
やっぱり、一人くらいは護衛役を連れてきたか…。
「まぁ、そう身構えるな…一応、保険というやつじゃ。
…お前も、数百メートル上にひとり待機させて居るじゃろ……」
ちなみに、美月は上空待機である。
魔法で足場を作り、そこで俺達をずっと見ているわけだ……一応の保険なのだが、まさか気づかれているとは思わなかった、
「…『魔道書』は、お前達を守っている結界を破るほどの実力を持っているからのぅ……やめられると困るんじゃよ」
「むぅ…じゃあ、ご老人達から逃げるとかするか?」
「それをワシ本人の前でいう事ではないわ。
まぁ、1つだけ…代わりの物をくれれば、栞がやめることを許してやっても良いぞ」
「……?」
「お前じゃよ、お前。
お前の能力には、少しばかり気になる物があるのでな」
「…………いや、さすがにそれは勘弁」
いっそ妹様はそのままに…。
「どうにかしてくれるんだよね?」
さっきの邪念は、嘘です。
「では…モノにその闇を纏わせ、闇本来の能力を宿らせる事は可能か」
「一応出来るな、使用回数は限られてくるが……」
使用回数の部分は嘘…あまり能力の事について言いたくない。
それを聞いた老人は懐から三つのナイフを取り出す。
それをこっちに向かって投げてきたので、少しひやひやしながらも刃で手を切らないように受け止める。
「では、それに闇を纏わせろ…使用回数の限界は一回でもいいから、その能力を使えるものにするがいい」
そう、老人は言った。
今回のは書いてて恥ずかしいと思うよりも前に、何が何だか分からなくなってきました。
内心混乱してます。
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